第5回マイナビ女子オープン 上田女王防衛

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マイナビ女子オープン第3局は上田初美女王が長谷川優貴女流二段を破って3連勝で防衛を決めた。

第3局は長谷川さんが後手で角交換四間飛車。第1局、第2局に続いて趣向を凝らしてきたが序盤の駒組が粗かったと思う。飛車のコビンを狙って6四に角を打ったが、流石に無理攻めで角が負担になってしまった。

優勢になってからの上田女王の落ち着いた指し回しが印象に残った。じっと馬に紐をつけた▲3五歩(57手目)は見習いたい一手。▲6六歩(75手目)も落ち着いている。銀に紐をつけつつ▲6七銀と固めて先手陣は磐石になった。


終わってみれば女王の完勝という一局でしたね。

予選から快進撃を続けてきた長谷川さんだったが、番勝負では力を出せないまま終わってしまった。まだ高校2年生だし、この経験を生かして頑張ってほしい。序盤が上手くなれば面白い存在になりそうだ。

昨年に続いて3連勝で連覇を果たした上田女王だが、他棋戦では挑戦までいかないのは残念。女流棋界(奨励会員を除く)の勢力図をみると、里見香奈が抜きん出ていて2番手は上田女王と言いたいところだが、清水さんに大きく負け越している。(対戦成績が1勝12敗)里見、清水相手にどう戦っていくかが今後の課題となるだろう。


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[ 2012/05/17 07:57 ] 将棋(女流) | TB(0) | CM(0)

第6回大和証券杯最強戦 羽生善治vs中村太地

棋譜→第6回大和証券杯・ネット将棋 最強戦1回戦 羽生善治二冠 対 中村太地六段

このネット将棋最強戦は昨年から選出方法が変わった。低段から高段まで勝率順にバランス良く選出することになって、結果面白いカードが増えたと思う。

今大会も1回戦から好カードが目白押しだが、その中でも特に注目していたのがこの羽生善治vs中村太地戦。6月6日に開幕する第83期棋聖戦五番勝負を戦う両者の対戦である。
この2人はこれまで公式戦での対戦がなく初顔合わせ。棋聖戦の前哨戦ということで注目の一番となった。

戦型は羽生二冠先手で横歩取り。後手が△8四飛から今流行りの△5二玉型に構えた。
▲3七桂と跳ねた局面は先手のほうが厚く良さそう。後手の指し手が難しそうだったが、その桂馬を目標に△2三銀〜△2四銀と活用する。解説の森下先生が言うように捻った感じの手だったが、この桂頭攻めが間に合って後手にチャンスの多い局面となった。


70手目、△4四桂の両取りが見えるところで中村六段の指し手は△8八歩だったが緩手。当然手抜かれて▲3四歩〜▲4五金で先手の駒が急所に働いてきた。△8八歩を利かすなら△3六歩の前のほうが良かったようだ。

個人的に印象に残ったのがその前の▲7六桂(63手目)。ぼんやりとしていて指された瞬間は良い感じがしなかったが、最後はこの桂馬が6四に跳ねて光速の寄せが決まった。まさに勝ち将棋鬼のごとしという一局だった。

やはり早指しの羽生二冠は強い。楽な将棋ではなかったが、一瞬の隙を逃さなかったのは流石だ。

中村六段にとっては残念な結果となったが、次に期待の持てる内容だったと思う。持ち時間の長い棋聖戦ではどうなるか楽しみです。



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[ 2012/05/14 07:30 ] ネット将棋最強戦 | TB(0) | CM(0)

挑決は渡辺vs藤井 第53期王位リーグ最終戦

若手の活躍が目立った今年の王位戦。特に初参加の船江恒平、牧野光則は最後まで優勝争いに絡んでリーグを盛り上げた。しかし、最後に抜け出したのは渡辺明と藤井猛。いずれもタイトル戦常連同士の挑戦者決定戦となった。

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白組5回戦 △藤井猛九段 対 ▲牧野光則四段盤面

最近は角交換振り飛車を採用することが多かった藤井九段が後手番で角道を止める四間飛車。この大一番に藤井システムを投入してきた。

対して牧野四段の作戦は右銀急戦だが、早めに▲5五歩と位を取る趣向をみせた。▲5五歩は角道を止めて振り飛車の△4五歩からの捌きを抑える意味がある。
5筋を除けば部分的には定跡だが、5筋がどう影響するか、というところ。先手は▲5四歩を絡めながら攻めていくが、当然これは取ってくれない。


△4三銀(42手目)には▲2三歩(△同飛に▲3二角の筋)と打ってみたかったが、それは△4四銀と飛車を取られて振り飛車が良くなるようだ。牧野四段は▲4五飛と引いたが、△2七角から5四に馬を作る手が絶品の味。以下は振り飛車優勢となり、84手で藤井九段の中押し勝ち。四間飛車のお手本となるような見事な指し回しでした。

紅組5回戦 △渡辺明竜王 対 ▲船江恒平五段盤面

後手の渡辺竜王が2手目△8四歩から角換わり腰掛け銀を受けて立った。渡辺竜王は6五の位を取る形を多く採用しているが、3月の棋聖戦で深浦九段相手に▲7五歩から新構想を出されて敗れている。その▲7五歩を公式戦で最初に指したのは船江五段なので(「船江新手」)、その将棋を期待したが船江さんが▲6六歩と突いて位取りにはならなかった。竜王は早めに△4四歩突いたので位取りにはしないつもりだったのかもしれない。

本譜は△7三桂保留型で先手が▲2五歩を突く定跡形。55手目までは前例があり、(C1順位戦、▲稲葉△豊島)その将棋は先手が勝ったが、本譜は渡辺竜王が△7五歩の新手を出す。この大一番で秘策を用意してきた。


対して先手は7五歩を取らず攻め合いを選ぶ。6六角の睨みでコビン攻め。歩頭に4五桂跳ねはこれで決まれば気持ちが良いが、駒損の細い攻めなので後手も受けやすかったようだ。

一直線の攻め合いの結果は後手勝ち。先手は▲5二銀から▲4一銀と迫ったが△6五桂が決め手。最後は一手勝ちをきっちり読み切って渡辺竜王の快勝となった。

深浦(棋聖戦)、戸辺(王位戦)に連敗したときには不調期に入ったかと思ったがその後見事に立ち直って3連勝。紅組は若手強豪が多く厳しいリーグだったが、最後は貫禄の違いを見せつけた。

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渡辺vs藤井の挑決は普通に考えれば渡辺竜王が有利だろう。戦型は牧野戦で見せた藤井システムはなく、角交換振り飛車になると思う。藤井九段の復活は嬉しいが、個人的には羽生渡辺の最高峰対決が見たいので、渡辺竜王にはあと1つ気を引き締めて頑張ってほしい。

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[ 2012/05/12 08:37 ] 王位戦 | TB(0) | CM(0)

第70期名人戦第3局 羽生驚異の粘り

名人戦棋譜速報

第3局は大方の予想通り矢倉戦となったが、第1局で指された▲4六銀・3七桂ではなく△5三銀右からの急戦矢倉だった。いわゆる「阿久津流」と呼ばれる形で2008年の竜王戦第6局・7局(渡辺vs羽生)で渡辺明竜王が連採し注目された将棋である。そのときは先手を持って負かされた羽生さんが今度は後手を持っている。

△3一玉(34手目)が羽生渡辺の竜王戦第6局で指された「渡辺新手」。先手からは▲6五歩が見えているが、成立するかは微妙なところ。先手玉が6九で不安定なのに対して、後手は△3一玉・4二銀・5一金の囲いがしっかりしている。竜王戦で羽生さんは▲2五歩〜▲2四歩と指したが△6二角から2筋交換を逆用されてしまった。

そこで先手はじっと▲7六歩と打って△3三銀と上がらせてから▲6五歩を決行する。後手からは△4九角や△8五歩の反撃があるが、△3三銀と上がらせたことで後手玉のコビンが空くので▲5三角や▲7五角が攻防の王手となるという仕組み。

森内羽生70_3_1
ということでその王手のラインを防いで△2二玉!▲9一角成に△4二金上!いかにも羽生流の手だが、攻めだしてから一転して玉を固めるのはやはり変調だと思う。5八に香車を打たれて攻めを封じ込まれてしまった。この展開なら△3三銀上がらないほうが良かったような気もするが、代わる手も難しい。

森内羽生70_3_2
飛車切りから強襲をかけたが▲3九金と受けられて先手陣は磐石、後手は駒損が酷い。島朗なら投げてもおかしくない局面で、夕休前には終わるかと思ったがここからの羽生二冠の粘りが凄かった。

後手玉が堅いので寄せるまでは時間がかかりそうだったが、ここまで難しい将棋になるとは森内名人も思っていなかっただろう。低段時代の羽生さんを見ているかのような凄まじい粘り。島さんでなくても心が折れそうな局面からよくあそこまで粘るものだ。

しかし、森内名人は終始落ち着いた指し回しを続け逆転を許さなかった。途中怪しい雰囲気になったと言われた局面もあったがずっと先手優勢は変わらなかったようだ。

157手の大熱戦。羽生さんの粘りも見事だったが、それに動じなかった森内名人も素晴らしい。まさに大樹のような安定感のある指し回しだった。

これでこのシリーズは3局全て先手番が勝利。この均衡はいつ破れるのか。それとも先手番全勝のまま最終局までもつれるのだろうか?

木村の矢倉 急戦・森下システム木村の矢倉 急戦・森下システム
(2012/03/24)
木村 一基

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[ 2012/05/10 08:00 ] 名人戦・順位戦 | TB(1) | CM(0)

第22回世界コンピュータ将棋選手権 優勝はGPS将棋

第22回世界コンピュータ将棋選手権 ライブ中継(コンピュータ将棋協会)

1、優勝はGPS将棋
優勝は東大のコンピュータ797台(!)を並列化したGPS将棋だった。二次予選も1位通過で、上位8チーム相手の通算成績は11勝3敗と文句なしの成績。どうしても797台という数字に目がいってしまうが、これだけ規模が大きいと運用も大変だったと思う。
将棋のほうはとにかく攻めが鋭い。決勝2回戦のvs習甦戦の寄せは圧巻。7回戦対ponanza戦の▲4四角!△同角▲2一飛成は凄かった。これが成立するのか・・・


2、Bonanzaまさかの二次予選敗退
ここ数年のコンピュータ将棋界をリードしてきたbonanzaが二次予選で敗退。これは予想外だった。

3、ツツカナの躍進
二次予選でGPS,Puella αを倒して台風の目となったツツカナだったが、決勝ではこの2チームに敗れ4勝3敗。しかし大健闘と言っていいだろう。
ツツカナは人間に近い自然な指し手が多かったと思う。評価関数を機械学習によって生成するのがボナンザメソッドだが、ツツカナの場合はちょっと違って「どの手を深く読むか」を機械学習したのだそうだ。これによってより人間に近い思考を実現した。

二次予選第3局、入玉形でBonanzaを倒した将棋が特に印象に残った。△1六玉(116手目)〜△2七玉と入玉を急いだのは人間的には自然な手だが、他のコンピュータなら指せただろうか?

4、電王戦出場はGPS将棋,Puella α,ツツカナ,ponanza,習甦の5チーム
上位5チームが来年の第2回電王戦に出場する。優勝4回の激指が最終戦で習甦に敗れ6位。有名ソフトの激指、bonanzaが5つに入らなかったのは寂しい。全体の層が厚くなっているのだろう

今朝の報知の記事によると、人間側の5人は今月中旬にも発表されるとのこと
「GPS将棋」が優勝…世界コンピュータ選手権:社会:スポーツ報知

<全体の感想>
今回は二次予選、決勝でも変な序盤が多かったと思う。最新形は少なく、その代わり定跡形でも古くマイナーな形が多かった。そして終盤は相変わらず強い。だが、コンピュータが強くなったかどうかは正直分からなかった。

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[ 2012/05/06 09:01 ] COM将棋・電王戦 | TB(1) | CM(0)