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NHK杯1回戦 中村修vs阿部健治郎

棋譜→2012年06月03日第62回NHK杯1回戦第9局

中村修九段が先手で3手目▲6八飛、対して後手の阿部五段が△3五歩と突いて角交換型の相振り飛車となった。解説の三浦弘行八段は「中村さんが先手なので振り飛車はない」と予想していたのだが(笑)。中村さんは基本居飛車党だが、角交換振り飛車も裏芸で時々指している。

阿部健といえば新手メーカーとして知られているが、相振りでも相石田の阿部流(角交換から金無双に構える)と呼ばれる指し方を編み出している。本局も阿部健は△8二銀から金無双に囲う。


ポイントとなったのは45手目。中村の▲8八飛で6六の銀が浮き駒となったので阿部健は△2六歩と合わせる。銀取りを▲6七歩と受けるのはつまらないので、中村は▲7七銀と引いて辛抱する。しかし、これも一度上がった銀を引くので手損だ。後手は3筋も交換して56手目の局面は先ほどと比べると3五の歩が後手の駒台に載った勘定。持ち歩が2枚になってこの折衝は後手がかなり得した。

二歩手持ちにしたことで△5四角(62手目)からの端攻め、玉頭攻めが厳しい。先手の7六の歩が7五ならば飛車の横利きで受けることができるのだが、受けが一手ずつ間に合わない。2七の地点に集中砲火を浴びて一気に敗勢となってしまった。

△5四角一発で終わってしまった見所の少ない将棋だったが、「みうみう」こと三浦八段の解説・雑談が面白かった。三浦と阿部健が2人でイベントに行くことがあったそうだ。

「行く途中のタクシーの中では将棋の話をしていたのに、現地に着いて私がちょっと離れていたら女性と楽しく喋っていて、いつもと違う阿部君がいました。あ、あべくん!?本当に阿部君なの?あれは衝撃的でした。」
「あ、あべくん?」のとき、三浦の声が裏返ってて思わず笑ってしまった^^
「あと、阿部くんのお母さんが綺麗なんです。これ言っておけば何を言っても許してくれるでしょう。」

先日のニコ生に続いてこの日も舌好調の「みうみう」だった笑
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[ 2012/06/04 22:28 ] NHK杯 | TB(1) | CM(0)

7月1日 第70期順位戦B級1組2回戦

名人戦棋譜速報

名人戦が終わり、第70期の順位戦が本格的にスタート。

開幕前に私が昇級候補に挙げた藤井猛九段、松尾歩七段が黒星スタートとなったB級1組。実力者揃いで、今年も混戦となりそうだ。昨日は棋聖戦の影響で延期された深浦中田戦を除く、2回戦5局が行われた。

木村一基八段(1勝0敗)-△中村修九段(0勝1敗)
「千駄ヶ谷の受け師」と「受ける青春」の対決。後手中村修九段の一手損角換わりに、先手木村八段が早繰り銀。受けの棋風の両者らしく序盤はじっくりとした渋い展開となった。△6五歩(50手目)に▲4五歩(51手目)で一転して攻め合いになったが、両取りをかけさせて、"と金"を作ったのが好手だったようで先手が優勢→勝勢に。しかし中村九段も粘り強い受けをみせ、後手玉はなかなか寄らない。後手の入玉もあるかと思われたが、▲2九香(125手目)が入玉を阻む決め手となった。終わってみれば木村八段の快勝譜だった。

鈴木大介八段(0勝1敗)-△橋本崇載七段(1勝0敗)
現在11連勝と絶好調のハッシーこと橋本崇載七段。先日の読売観戦記(竜王戦2組決勝)によれば、他の棋士との研究会を止めたそうだ。現代では棋士同士の共同研究は当たり前。そんな中で橋本の「脱研究会宣言」は波紋を呼んでいる。この決断が良い方向に出るかどうか。

将棋は先手鈴木の石田流に後手が△6五歩からの急戦。本局の進行も5局の中で最も早く激しい展開となった。「角を成ってこい」と▲2八玉と早逃げしたのは鈴木さんらしい実戦的な好手だと思ったが、後手もと金ができたのが大きく形勢は後手良し。

最後は先手の粘りを振り切って鮮やかな収束をみせてくれた。最近のハッシーはほんと強いね。これで12連勝!来週6日(水)には羽生二冠との竜王戦(決勝トーナメント)が組まれている。こちらも楽しみだ。

山崎隆之七段(0勝1敗)-△松尾歩七段(0勝1敗)
今期B1のアラサー組の中ではこの2人が昇級候補と予想したが、両者ともに黒星スタート。本局の敗者が早くも2連敗ということになる。

横歩取りの出だしだったが、先手の山崎がなかなか3四の飛車を3六に引かず力戦調の展開となった。そこから長い駒組を経て後手はガチガチの穴熊に囲う。先手は金美濃。囲いだけみれば後手を持ちたくなる。

終始穴熊ペースで先手が苦しいとみられていたが、得意の「チョイ悪逆転術」で差を縮め、難解な終盤戦に突入。
最後は控室も気づかなかった華麗な即詰みを見せ、山崎七段の勝ち。ド派手な「逆転サヨナラホームラン」に、TL上の多くのファンが酔いしれた。最後は打ち歩詰めの筋があったので控室も詰まないと錯覚してたようだが、△3九角を決めさせたことで▲1七歩が打てる(ので詰み)という高度な逆転術だった。この将棋はNHKの講座の題材に使えそう。

井上慶太九段(1勝0敗)-△行方尚史八段(0勝1敗)
過去の対戦成績は井上の1勝8敗。井上九段は今期B1で苦手な相手を何人か抱えており心配だ。

相矢倉、森下システムの定跡形となった。20年前ぐらいに流行った定跡でその後しばらく指されていなかったが、昨年の佐藤康-行方戦で先手が新手を出して勝ち。前例で敗れた行方が52手目で修正案を出してきた。
76手目の△9七角成!で先手玉があっという間に寄り。行方の鋭い寄せが炸裂した将棋だった。

藤井猛 九段(0勝1敗)-△畠山鎮 七段(1勝0敗)
先手の藤井が「藤井矢倉」を採用。序盤の駒組、▲7七銀よりも先に▲7九角と引いたのが藤井九段らしい個性的な組み方だ。思わずニヤリとしてしまう。
藤井畠山001
後手の畠山は二枚の銀を繰り出しての急戦矢倉で対抗。

途中藤井が良いと言われていた局面があったが、マモルの攻めに応手を誤り逆転負け。藤井九段はまさかの連敗スタートとなってしまった。先手番を1つ落としてしまったのは痛い。畠山鎮七段は昨年に続いての連勝スタート。前期は途中で失速してしまったが、今期はこのまま昇級争いに絡みたい。


2回戦を終えて木村、畠山鎮、橋本の3人が2連勝で暫定首位。やはり木村一基八段が昇級候補の本命となるだろうか。

棋聖戦のため延期となった深浦康市九段対中田宏樹八段戦は7月5日(火)に行われる。



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[ 2011/07/02 12:32 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)

NHK杯 中村修vs金井恒太

ダンディ中村修九段に、古風な男前金井恒太五段の対戦。
女性人気の高いお二人の登場ということで、私のTL上でも密かな盛り上がりをみせていた。

中村は対局前のインタビューで大震災の被災者にエールを送り気合を入れていた。一方の金井は本戦出場2回目とは思えないほど落ち着いた受け答え。前回初出場の時は2勝する活躍をみせたが、感想戦でのハキハキとした態度が印象に残っている。

将棋は▲7六歩△3四歩に▲7七角のオープニングから先手中村の角交換振飛車となった。後手で4手目△3三角というのは多いが先手で3手目▲7七角をやる棋士は少ない。本譜もそうだが桂頭をカバーするために金銀が玉から離れる。しかし受け将棋を得意とする中村九段はこのような薄い玉も苦にしない。

43手目▲3九玉はいかにも中村流といった感じで、素人には意味が分からない。位の圧力を避けつつ手待ちなのだろうか。この局面は玉頭の2つの位が大きく後手が良さそうだ。しかしここから先手は後手の攻めを利用して8筋を逆襲、形勢は先手良しに傾いていく。

20110417中村金井96手

上図、解説のハッシーこと橋本七段は「先手が良い」と言っていた。先手の勝ち筋が色々ありそうな局面だ。
ここで中村は▲5三と~▲4一馬~▲7二飛成。飛車を成りこんだが、△4五角が攻防手で決まらない。△5六歩もあって逆に先手陣が危ない。

△5六歩▲6六銀に△4四角(112手目)ともう一枚の角を放つ。2八が壁銀なので次に銀を取った手が詰めろになってしまう。一転して後手勝勢。以下先手玉は簡単に寄ってしまい金井の逆転勝ちとなった。

先手が駒得でと金も作って優勢のように見えたが、3筋と4筋の拠点が大きく、プラス壁銀でそれほど良くなかったのだと思う。▲5三とではと金を残して▲6四馬ぐらいが良かったのかもしれない。拠点がプレッシャーとなって先手は焦ってしまったのだろう。しかし、「チョイ悪」な局面でじっとプレッシャーを与える金井の指し回しはとても参考になった。

これで金井五段は前回に続く初戦突破。次は憧れの郷田九段との対戦ということでとても楽しみだ。






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[ 2011/04/18 00:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)