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第72期A級順位戦最終局

8回戦までに羽生三冠の挑戦と谷川九段の降級が決まったA級。この日の注目は残り1人の降級者が誰になるかだった。

対局前の時点で降級の可能性を残していたのは4勝4敗の久保九段と3勝5敗の三浦九段、郷田九段、屋敷九段の4人だった。

▲三浦九段-△久保九段戦は残留争いの直接対決。屋敷、郷田が共に勝った場合、この対局の敗者は降級となる。
戦型は久保九段のゴキゲン中飛車対先手の「超速」となった。42手目までは前例のある形。そこで三浦九段が▲5五銀と新手を出した。

郷田九段は既に挑戦を決めている羽生三冠(7勝1敗)との対戦。自身が敗れ、屋敷九段が勝つと降級となる。郷田九段が先手で角換わりになった。後手の専守防衛型に先手が▲6七金右(41手目)と上がる形に進んだ。

屋敷九段は5勝3敗の行方八段との対戦だった。戦型は屋敷九段が後手で横歩取り△5二玉・8四飛型。△2四飛のぶつけに前例では▲2五歩と飛車交換を拒否していたが、行方八段は▲3三角成△同銀▲2四飛と応じて飛角総交換の激しい順に進んだ。
20140307行方屋敷
互いに敵陣に飛車を打ち込んで竜を作ったが、▲3九金~▲2九金打とガッチリ受けて先手が優勢になった。73手で行方八段の快勝。敗れた屋敷九段は3勝6敗で降級となった。この将棋が5局の中で一番早い終局で降級争いは呆気なく決まってしまった。

▲郷田△羽生戦はねじり合いが続いたが先手が攻めあぐねて、形勢は徐々に後手に傾いた。△8六桂の反撃が厳しく羽生三冠が勝勢に。118手で羽生三冠の勝ちとなった。敗れた郷田九段は3勝6敗となったが、屋敷九段も敗れたため辛くも残留。

最後まで残ったのが▲三浦△久保戦だった。屋敷九段が敗れた時点でこの2人は残留が決まったわけだが、対局者はそれを知る由もない。中盤の長いねじり合いを経て三浦九段のほうが優勢になったが、久保九段もしぶとく粘って盛り返す。一時は後手に勝ちがありそうな局面もあった。しかし後手にもミスが出て200手超えの大熱戦になった。
20140307三浦久保1
最後は相入玉含みの展開に。まず後手が上部脱出を図ったが、先手に押し戻されて入玉を阻まれてしまう。一方、先手玉は上部に逃げ切って三浦九段がはっきり勝ちになった。久保九段は最後まで執念の粘りを見せたが271手▲1八歩を見てついに投了。終局は午前2時!本当に長い一日でした。
20140307三浦久保2

それにしても凄い将棋、これぞ人間同士の将棋という戦いでした。順位戦の重みをひしひしと感じた一局でした。対局者のお2人、関係者の皆さんお疲れ様でした。

最後に対局結果をまとめておきます。
行方 尚史八段(6勝3敗)○-●屋敷 伸之九段(3勝6敗=降級)
郷田 真隆九段(3勝6敗)●-○羽生 善治三冠(8勝1敗)
深浦 康市九段(5勝4敗)●-○谷川 浩司九段(2勝7敗=降級)
佐藤 康光九段(5勝4敗)○-●渡辺 明二冠(5勝4敗)
三浦 弘行九段(4勝5敗)○-●久保 利明九段(4勝5敗)
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[ 2014/03/08 19:20 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)

JT杯決勝 久保九段vs羽生三冠

棋譜→2013年11月10日 「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」 決勝戦 東京大会 久保利明JT杯覇者 対 羽生善治三冠

昨日は東京ビックサイトでJT将棋日本シリーズの決勝戦、久保利明JT杯覇者対羽生善治三冠戦がありました。去年の決勝に続いて2年連続の顔合わせです。

久保九段が先手で▲5六歩△8四歩▲7六歩△3四歩▲2二角成△同銀▲8八飛の出だしから向飛車になりました。先手の美濃囲いに後手は銀冠。▲8六歩△同歩▲同角から動いてまずは先手が主導権を握りました。

20131110久保羽生1
角を交換してから先手は5一に角を打って打開しにいきました。△6二銀なら4二の金と刺し違えて手を繋げるのでしょう。本譜は△7二飛に▲8五歩から桂交換に。続いて▲6四歩と垂らしましたが△5二金と寄られて簡単には決まらない。このあたり先手が攻めあぐねて徐々に後手ペースになったように見えました。7八と5八に歩を受けたところは少し苦しそうな形。

終盤、後手は△1五歩(102手目)から端攻めに出ます。△1七歩と垂らされて先手玉は嫌な格好ですが、▲2九銀~▲1九歩と受けて辛抱。
△5八馬と寄られて先手玉は狭くなりましたが、▲1五金!(133手目)がありました。
20131110久保羽生2
1六の香車を外してしまえば先手玉は広く寄らない。この金打ちが勝利を呼び込む一手となりました。

最後は▲3三成桂に△1四玉と逃げていればまだ分からなかったと思います。本譜は△3三同玉に▲6六馬が攻防の王手で先手玉が寄らなくなり久保九段の勝ち。155手の大熱戦でした。

序中盤の駆け引きから終盤の攻防まで見ごたえのある名局だったと思います。久保九段の振り飛車らしい粘りが光った一局でした。
久保先生、連覇おめでとうございます! このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2013/11/11 07:30 ] JT杯将棋 | TB(0) | CM(0)

NHK杯2回戦 金井五段vs久保九段

この両者は公式戦では初手合いだが、2009年に将棋世界誌上で対戦したことがある。トッププロと新鋭四段が香落ちで対戦するという企画で、下手が勝てば2局目は平手で、上手が勝てば次は角落ちで戦う指し込み二番勝負だった。トッププロは久保、渡辺、佐藤康光、深浦、木村、鈴木大介。新鋭側には金井の他に村田顕、豊島、糸谷、稲葉、西川がいた。この企画で金井は久保に香落ちで敗れてしまった。(2局目の角落ちでは勝ったが)あれから4年、今回は平手でリベンジを果たしたいところだ。

戦型は久保九段が後手で△4二飛~△3五歩の「4→3戦法」。対して先手は▲6六歩と角道を止める作戦を選んだ。先手が角道を止めてくれたので後手も△4四歩からノーマル振り飛車にスイッチ。結局昔よく指されたノーマル三間石田流vs玉頭位取りの将棋に合流した。

先手は6筋と7筋、2つの位を取って十分の構え。後手も3筋の歩を交換して不満のない形。
20130915金井久保1
後手が△8三銀と上がったところで先手は▲7四歩△同歩▲8五歩△7三金▲2四歩△同歩▲6四歩と歩を次々に突き捨て攻め込んでいった。角を切って▲4三銀と打ったところでは先手の仕掛けが成功している。

それでも久保九段も決め手を与えずに粘り、△6九角を打たれた局面は先手も怖い形になっている。素人目には形勢が接近したように見えたが、金井五段は崩れることなく押し切った。

一局を振り返ってみると中盤の△4四銀(52手目)がちょっと危ない手だったような気がする。本譜は後手の苦労が多い展開になってしまった。終盤は△4二金(104手目)~△6五金が受けになっていなかったので、代わりに藤井九段説の△4二銀だったらどうだったか。

金井五段の最近の充実ぶりを示した一局だったと思う。3回戦も強敵(丸山九段)との対戦だが頑張ってほしい。
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[ 2013/09/15 23:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

羽生の△8六飛、久保の△1九と

今週はA級順位戦の3回戦が行われました。その中から絶妙手が飛び出した2局を取り上げたいと思います。

まずは月曜日に行われた▲三浦九段vs△羽生三冠戦。この将棋は終盤、羽生三冠の華麗な寄せが炸裂しました。

図は先手の三浦九段が▲7二角と両取りをかけたところ。飛車を逃げてくれれば▲6三角成でまだまだ難しい局面ですが、ここから羽生三冠は一気に寄せにいきました。
20130909三浦羽生2
△6九銀▲7九金△8六飛!▲同銀△4七馬!
20130909三浦羽生1

まずは△6九銀。▲7九金と引かれて大したことがなさそうですが、△8六飛!がありました。飛車と歩の交換ですが「一歩千金」。歩を持ったことで△7八歩が生じています。▲8六同銀にじっと△4七馬と引いて、なんとこれで寄っているんですね。以下▲3四歩や▲6三馬は△7八歩で攻め合い負け。

三浦九段は▲7七飛と自陣飛車を打って粘りにいきましたが、やはり△7八歩が厳しく寄せ切られてしまいました。

△8六飛もすごかったですが、その後の△4七馬で寄っているというのが驚きでした。じっと銀に紐をつけただけの手に見えて、実は決め手だったんですね。


そしてもう一局、昨日行われた▲深浦九段対△久保九段戦は最後まで手に汗握る大熱戦でした。途中までは深浦さんのほうが良かったと思うのですが、久保九段が粘り強く指して逆転に成功しました。

20130912深浦久保1
図は深浦九段が1三の"と金"を2三に寄せた局面。次に▲3三桂があるので後手がピンチに見える局面です。
ここで久保九段は2九のと金を△1九と!!と動かしました。狙いは△2九竜ですが、見たことのない筋。深浦九段もこの手は見えてなかったそうです。そっぽに行くので考えにくいですが、この手が勝因となりました。最後は長手数(25手詰)の即詰みに討ち取って久保九段の勝ち。お見事でした。

しかし、深浦さんはこの負けは悔しいでしょうね。中継ブログに載っていた感想戦の写真も相当悔しそうでした。

2局とも「流石A級」という将棋で見ごたえがありました。△8六飛と△1九とは勝又教授が毎年編集している妙手選に載ると思います。
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[ 2013/09/13 19:00 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(3)

第84期棋聖戦 渡辺と郷田が挑戦者決定戦進出

昨日の連盟モバイルは好カード2局が中継されていた。棋聖戦決勝トーナメント準決勝の渡辺明竜王vs久保利明九段戦と中村太地六段vs郷田真隆九段戦の2局。勝ったほうが挑戦者決定戦進出となる大一番だった。

▲久保利明九段-△渡辺明竜王
四冠を狙う渡辺明竜王と久々のタイトル挑戦を狙う久保九段の対戦。過去の対戦成績では久保が11勝10敗と勝ち越しているが、直近は渡辺が4連勝中で苦手意識は克服されつつある。

戦型は久保の先手石田流に渡辺竜王の左美濃→銀冠となった。△6一金型で銀冠を急いだのが後手の工夫。

仕掛けのあたりは先手好調に見えるが、後手も銀冠が堅く広い。飛車交換になったあたりは居飛車に分があったようだ。

終盤、▲7五飛と打たれた局面は後手ピンチかと思ったが、馬を逃げずに△4六金が好手。以下渡辺竜王が上手く凌いで入玉に成功した。最後は相入玉になったが先手の点数が足らず久保九段の投了となった。

堅い玉形を好むことで有名な渡辺竜王ですが、本局のように薄くなっても強いんですよね。

▲中村太地六段-△郷田真隆九段
前期挑戦者の中村太地と無冠返上を目指す郷田真隆の対戦。戦型は郷田九段の2手目△8四歩から相矢倉になった。▲4六銀・3七桂に△9五歩型の定跡形に進む。例の▲1五歩に△3七銀と打つ将棋で、銀を2六に成れば91手定跡に進むところで△2六銀不成としたのが郷田の工夫。前例は1局しかないようだ。

83手目、中村が飛車をバッサリ切って決めにいったが、後手玉は簡単には寄らない。逆に先手玉は矢倉崩し定番の桂打ちで一気に寄ってしまった。

最終盤、郷田が詰まし損ねて逆転しかけたが、中村も間違えて頓死。郷田が辛くも逃げ切った。

この結果、挑戦者決定戦は渡辺三冠対郷田九段となった。この2人は棋王戦五番勝負に続いての対戦となる。
棋王戦では渡辺が圧倒したが、今回はどうなるだろうか。

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[ 2013/04/19 07:30 ] 棋聖戦 | TB(0) | CM(0)