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NHK杯1回戦 島vs井上

棋譜→2012年07月01日第62回NHK杯1回戦第13局

井上と島は2年前にもこのNHK杯で戦っていた。本局はそれ以来の対戦となる。過去の対戦成績は井上9勝、島6勝。

戦型は後手島九段の一手損角換わりに先手の棒銀となった。先手の3筋攻めに対して後手は飛車を4筋に振って玉を右に囲う。△6二玉・△7二金の佐藤流。玉の囲いを2手で済まして4筋からの反撃を急ぐ。

この形の代表例としては第60回NHK杯の▲羽生△勝又戦がある。羽生勝又戦は△3五銀(40手目)に▲9六歩と端歩を突いたが本譜は▲5五歩。将来▲5四歩のコビン攻めがイヤらしい。


44手目△4六銀(図)に▲同銀と取ったが、ここで一本▲2四歩を入れておくのもあった。△2四同歩には▲3四歩と叩いて、△3二金なら▲5四歩△同銀▲2四飛△2三歩▲3三歩成△同金▲5四飛△同歩▲4六銀(取れば王手飛車)が狙い。
ただ、▲2四歩を取ってくれるとは限らないし、▲3四歩には強く△同金もある。
井上は最初▲2四歩と突くつもりだったが手抜かれた時の変化に自信がなかったようで、素直に▲4六同銀と取った。

後手が△3六歩からと金を作ったのが上手い構想だった。と金の引き場所を作った△3五歩(64手目)に感心したのだが、実はここまで前例があった。▲中村修△島戦(銀河戦)で、2筋の突き捨てが入っているのを除けば同じ将棋。そうか、どうりで島の指し手が早かったわけだ・・・

このと金攻めが早かった。△5六と(74手目)を取れないのは痛い。3二の馬がよく利いている。さらに飛車を成った手が詰めろで後手勝勢となった。

86手で島九段の快勝。井上さんは全く良いところがないまま終わってしまった。
開口一番、「いやー、アホみたいな将棋にしてしまいましたー。こうするつもりじゃなかったのに」と何度もボヤいていた。
前例通り進めて島の研究にすっぽり嵌ってしまった。

先手はどこかで▲5四歩を一本入れたほうが良かったと思う。感想戦で検討されていたのは67手目▲8五歩と桂馬を取る手で▲5四歩。△同馬は▲4五銀、△同歩はコビンが開いて馬の利きが止まる。本譜は3二の馬の利きが強すぎた。

ベテラン同士の捻り合いを期待していたのだが、一方的な内容になってしまい残念。


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[ 2012/07/03 07:15 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

7月1日 第70期順位戦B級1組2回戦

名人戦棋譜速報

名人戦が終わり、第70期の順位戦が本格的にスタート。

開幕前に私が昇級候補に挙げた藤井猛九段、松尾歩七段が黒星スタートとなったB級1組。実力者揃いで、今年も混戦となりそうだ。昨日は棋聖戦の影響で延期された深浦中田戦を除く、2回戦5局が行われた。

木村一基八段(1勝0敗)-△中村修九段(0勝1敗)
「千駄ヶ谷の受け師」と「受ける青春」の対決。後手中村修九段の一手損角換わりに、先手木村八段が早繰り銀。受けの棋風の両者らしく序盤はじっくりとした渋い展開となった。△6五歩(50手目)に▲4五歩(51手目)で一転して攻め合いになったが、両取りをかけさせて、"と金"を作ったのが好手だったようで先手が優勢→勝勢に。しかし中村九段も粘り強い受けをみせ、後手玉はなかなか寄らない。後手の入玉もあるかと思われたが、▲2九香(125手目)が入玉を阻む決め手となった。終わってみれば木村八段の快勝譜だった。

鈴木大介八段(0勝1敗)-△橋本崇載七段(1勝0敗)
現在11連勝と絶好調のハッシーこと橋本崇載七段。先日の読売観戦記(竜王戦2組決勝)によれば、他の棋士との研究会を止めたそうだ。現代では棋士同士の共同研究は当たり前。そんな中で橋本の「脱研究会宣言」は波紋を呼んでいる。この決断が良い方向に出るかどうか。

将棋は先手鈴木の石田流に後手が△6五歩からの急戦。本局の進行も5局の中で最も早く激しい展開となった。「角を成ってこい」と▲2八玉と早逃げしたのは鈴木さんらしい実戦的な好手だと思ったが、後手もと金ができたのが大きく形勢は後手良し。

最後は先手の粘りを振り切って鮮やかな収束をみせてくれた。最近のハッシーはほんと強いね。これで12連勝!来週6日(水)には羽生二冠との竜王戦(決勝トーナメント)が組まれている。こちらも楽しみだ。

山崎隆之七段(0勝1敗)-△松尾歩七段(0勝1敗)
今期B1のアラサー組の中ではこの2人が昇級候補と予想したが、両者ともに黒星スタート。本局の敗者が早くも2連敗ということになる。

横歩取りの出だしだったが、先手の山崎がなかなか3四の飛車を3六に引かず力戦調の展開となった。そこから長い駒組を経て後手はガチガチの穴熊に囲う。先手は金美濃。囲いだけみれば後手を持ちたくなる。

終始穴熊ペースで先手が苦しいとみられていたが、得意の「チョイ悪逆転術」で差を縮め、難解な終盤戦に突入。
最後は控室も気づかなかった華麗な即詰みを見せ、山崎七段の勝ち。ド派手な「逆転サヨナラホームラン」に、TL上の多くのファンが酔いしれた。最後は打ち歩詰めの筋があったので控室も詰まないと錯覚してたようだが、△3九角を決めさせたことで▲1七歩が打てる(ので詰み)という高度な逆転術だった。この将棋はNHKの講座の題材に使えそう。

井上慶太九段(1勝0敗)-△行方尚史八段(0勝1敗)
過去の対戦成績は井上の1勝8敗。井上九段は今期B1で苦手な相手を何人か抱えており心配だ。

相矢倉、森下システムの定跡形となった。20年前ぐらいに流行った定跡でその後しばらく指されていなかったが、昨年の佐藤康-行方戦で先手が新手を出して勝ち。前例で敗れた行方が52手目で修正案を出してきた。
76手目の△9七角成!で先手玉があっという間に寄り。行方の鋭い寄せが炸裂した将棋だった。

藤井猛 九段(0勝1敗)-△畠山鎮 七段(1勝0敗)
先手の藤井が「藤井矢倉」を採用。序盤の駒組、▲7七銀よりも先に▲7九角と引いたのが藤井九段らしい個性的な組み方だ。思わずニヤリとしてしまう。
藤井畠山001
後手の畠山は二枚の銀を繰り出しての急戦矢倉で対抗。

途中藤井が良いと言われていた局面があったが、マモルの攻めに応手を誤り逆転負け。藤井九段はまさかの連敗スタートとなってしまった。先手番を1つ落としてしまったのは痛い。畠山鎮七段は昨年に続いての連勝スタート。前期は途中で失速してしまったが、今期はこのまま昇級争いに絡みたい。


2回戦を終えて木村、畠山鎮、橋本の3人が2連勝で暫定首位。やはり木村一基八段が昇級候補の本命となるだろうか。

棋聖戦のため延期となった深浦康市九段対中田宏樹八段戦は7月5日(火)に行われる。



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[ 2011/07/02 12:32 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)

第61回NHK杯1回戦 船江恒平vs村山慈明

昨年前期三段リーグで四段昇段を決めた船江恒平四段がNHK杯本戦初出場。解説は師匠の井上慶太九段。詰将棋では有名だが、彼が将棋を指すのを観るのは初めてだ。対戦相手は若手強豪、「序盤は村山に聞け」の村山慈明五段。小学生名人→新人王の超エリート棋士。現在進行中の王位リーグ白組では3連勝と単独首位。この人も次にタイトル挑戦を期待されている若手の1人だ。


流行の横歩取り△8五飛+5二玉型の将棋。△7四歩(24手目)に▲3八金なら穏やかだが▲3六歩(25手目)で激しくなった。「▲3六歩と突かれたら行くしかない」と村山。後手が主導権を握る展開になった。

この将棋、前例(王将戦▲中村修△飯島、中村勝ち)では△7三桂に▲6六歩△7六飛▲6七玉と顔面受けしたのだが、さすがにその展開は自信が持てなかったか。しかし、本譜△7六飛(34手目)に▲7七歩と受けるののでは辛いような気もする。

funae_murayama001.jpg

上図、△8七歩の叩きが痛打。▲7六歩と角道を開けた後だと7七角とかわされるが、この瞬間は▲同金しかない。形を乱して△2四飛と飛車交換を迫る。△8七歩▲同金を入れた効果で次に△6五桂が厳しい。(▲6八銀と受ければ△7八飛)後手優勢となった。先手陣はバラバラで収拾がつかない。

以下、村山五段が着実にリードを広げ勝ち。初出場の船江四段は良い所なく終わってしまった。

久々に長い感想戦となったが、師匠の井上九段の弟子にかける暖かい言葉が印象に残った。良いお師匠さんですねぇ。



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[ 2011/05/01 18:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

第69期順位戦B級1組第12回戦

佐藤康光九段が既にA級復帰を決めているB級1組。2人目の昇級枠を掴み取るのは誰になるだろうか?

注目局だけ感想を書きます。

山崎隆之七段-△深浦康市九段
昇級の可能性を残す両者の対戦。先手の山崎七段が、得意の相掛かり引き飛車棒銀を採用した。後手は△8四飛型で△3三角と上がる最もオーソドックスな受け方。対して先手は▲6六歩(33手目)から矢倉に組む。

途中5筋に飛車を回った先手だったが、動いた割には戦果は得られなかったようだ。端攻めもからめて後手の深浦がリードを奪う。

終盤△9八飛~△7七角成が鋭い寄せで深浦の勝ちとなった。終局時点ではわずかに昇級の可能性を残した深浦だったが、他の結果(松尾勝ち)によりA級復帰の目は無くなった。山崎は5敗に後退しこちらも昇級戦線から脱落。開幕当初、深浦九段を本命視していた自分としては前半戦の連敗は意外だった。しかし、そう簡単には転ばないのが深浦康市という男。後半の追い上げは流石だった。

佐藤康光九段-△豊川孝弘七段
この2人は奨励会同期だが、(四段になってから)これまで2回しか対戦は無く、成績は1勝1敗。順位戦では初の対戦である。豊川プロにとって佐藤康光は常に前を行く存在だった。佐藤康光「名人」の時代、豊川プロはC級2組でもがき苦しんでいた。プロ二十年目にしてついに実現した順位戦での佐藤康光戦、既に降級が決まっているとはいえ、相当気合が入っていただろう。

戦型は先手佐藤九段の石田流。佐藤九段の3手目▲7五歩が公式戦初というのが意外だった。ここ数年角交換型の力戦振り飛車を多投している佐藤九段なので、(3手目▲7五歩からの)石田流も一局ぐらいやっててもおかしくないと思っていたからだ。本局石田流を採用したということは、来期A級に向けて芸域を広げようとしているのだろうか。

後手が端を突き越して先手は穴熊、後手は銀冠に構えた。飛車角交換から互いに飛車を打ち込む。こういう捌きあいになると穴熊の堅さが生きる展開になりそうだが、豊川七段の△7一歩(58手目)が気づきにくい好手。ここで稼いだ一手が大きかった。△2四桂を先着し、穴熊崩しの準備完了。そこから露骨に桂馬のおかわりで穴熊を崩していった。先手も穴熊流の怒涛の攻めで後手玉に迫ったがあと一歩及ばず、後手の一手勝ちとなった。

豊川七段が意地を見せた一局。来期B2に降級してしまうが「なんちゃって」と言わずにまだまだ頑張ってください!

▲松尾歩七段-△中村修九段
初手▲2六歩に△3二金のオープニングから変則的な相掛かりとなった。香車を成り捨ててから▲6三銀(67手目)が凄い手だった。控室の感想コメントも面白い。しかし、中村九段は渋い受けで決め手を与えない。「受ける青春」真っ盛り、形勢は中村優勢と言われていた。しかし、急転直下、116手目△6三桂と決めに行ったところ、中村玉が頓死してしまった。

際どい勝負を物にして松尾七段がA級昇級に望みをつないだ。

屋敷伸之九段-▲井上慶太八段
対局前は2番手につけていた屋敷九段。対する井上八段は後半失速し4勝6敗、降級の可能性を残している。
後手の屋敷九段の横歩取り8五飛、最近流行の5二玉型中原囲いを採用した。端を突き捨ててから▲2一角の両取りの筋があるのが5二玉型の弱点だが、その筋を△2三銀と上がって先受けする。手順は異なるが今期A級の谷川丸山戦と同様の進行。

形勢が二転三転した将棋だった。途中は井上優勢と言われていたが、その後、自玉の右辺を固めた屋敷が優勢に。しかし▲4五香(103手目)の田楽刺しが厳しかったようで再逆転。実際のところ形勢は微差だったのではないか。

屋敷九段は敗れて、最終戦松尾七段との直接対決に悲願のA級昇級をかけることになった。

さて、12回戦が終了して成績は以下のようになった。

【9勝3敗】佐藤康(2位)※昇級
【7勝4敗】松尾(5位)、屋敷(7位)
【6勝5敗】深浦(3位)、山崎(6位)
【5勝6敗】井上(1位)、行方(4位)、鈴木(8位)、(ここまで残留)
 畠山鎮(11位)、中村修(12位)、中田宏(13位)
【4勝7敗】杉本(10位)
【3勝8敗】豊川(9)※降級

最終戦、松尾屋敷の直接対決の勝者がA級昇級となる。降級争いは下位の4人に絞られた。

前回11回戦終了時の更新で「降級の可能性が残っているのは4勝6敗の井上、鈴木、杉本、畠山の4人」と書いてしまったが誤りでした。5勝5敗の中村九段、中田八段にも降級の可能性は残っていました。該当記事は削除させていただきました。以後気をつけます。
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[ 2011/02/06 12:02 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)