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NHK杯 伊藤真吾vs羽生善治

将棋界の頂点に立つ羽生善治NHK杯に、表現はキツイかもしれないが、プロ棋士の「最下層」に位置する伊藤真吾四段が挑んだ一局。伊藤四段が勝てばこれ以上ない「下克上」「大金星」だ。

戦型は先手伊藤四段の(ゴキゲン)中飛車。プロ間でも数多く指されている。本局の序盤は遠山雄亮プロ著の『遠山流中飛車急戦ガイド (マイコミ将棋BOOKS)』の第2章で詳しく説明されており、観戦ガイドとしてお勧めだ。

本局25手目までは遠山本と同一手順、そこから△3二玉型のまま△4四歩~△4三銀~△4五歩の位取りを急いだのが羽生の構想。中飛車は金銀が分裂するので、居飛車側は本譜のように位を取って手厚い陣形を築ければ盤面の右半分で主導権を握ることができる。玉頭戦になれば、先手の7八金が取り残されてしまう。

居飛車側は玉頭を厚くして好形なのだが、急戦と違って自分から仕掛けるというわけではないので、本局のように手待ち合戦となってしまう。角を互いに持ち合っている将棋では動かす駒が難しい。△5二金上(48手目)は中央を手厚くする手で自然だが、▲7一角の筋ができるので微妙なところ。

53手目▲5五歩から開戦、銀を交換して中飛車不満のない展開。これに△4四角と据えたのがぼんやりしているようで巧い構想だった。この後先手は交換したばかりの銀を▲6六銀と打ったが、局後の感想によるとこの手が敗着とのこと。

羽生NHK杯の狙いは8筋交換から△2五歩の玉頭攻め。後手が羽生と分かっていなければ、将棋ソフトがやるような無理攻めにも見える。しかし流石は羽生という感じで、上手く攻めをつなげる。

締めは82手目の△4六歩
habuito

▲同歩に△4七歩と垂らして、と金を作って後手が優勢となった。△5九と、と飛車を取って一瞬"と金"がそっぽを向くのだが、次に△4九と、と寄った手が厳しい。4九にと金がいるので先手は△5八飛に▲3八飛の受けができない。

最後は遊んでいた7八の金をポロっと取られてその手が詰めろ。後手に桂馬があるため詰んでしまう。最後は頓死のような形となってしまった。投了図、6六に打った銀が7七に空しく取り残されている。

伊藤四段も善戦したと思うが、羽生NHK杯の指し回しがそれを上回ったということだろう。自然な駒組から自然な手の連続で勝つという名人らしい王道的な将棋を見せてくれた。



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[ 2010/11/01 07:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)