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第63回NHK杯 行方尚史vs先崎学

A級復帰、王位挑戦を決めて絶好調の行方尚史八段と先崎学八段の対戦。解説が羽生善治三冠ということで楽しみにしていた人も多かったでしょう。

行方さんと先崎さんといえば、10年以上前の「灰皿事件」を思い出します。

夏の終わりの頃のこと。タイトル戦が終わり、みんなが酒を飲んだりして遊んでいる席で、ちょっとした事が起こった。

酔った行方五段が「ひどいヘボをやった。先崎レベルの将棋になってしまった」とボヤいた。大きな将棋に負けたのを悔やんでいたのだろう。聞いた話なのでこの通りだったかどうかは知らない。とにかく先崎六段がカチンとくることを言った。

それを聞きつけた先崎君は「もう一度言ってみろ!言ったら灰皿を投げるぞ」とやり返した。すると行方君は、「先崎レベルの将棋になってしまった」。しらっとくり返した。灰皿が飛んだことは言うまでもない。

将棋世界1998年1月号、河口俊彦七段「新・対局日誌」より


その2、3ヵ月後に行方先崎戦があって、その打ち上げで2人は仲直りしたそうです(笑)今では懐かしい笑い話かもしれません。

さて、将棋は行方先手で角換わり腰掛け銀になりました。先手が4筋の位を取り、後手も6筋の位を取ります。後手の6筋位取りはよく見かけますが、先後共に位を取るのは珍しいと思います。

△3五歩に対し▲4七金は積極的な一手。先手が3筋から動いて戦いが始まりました。

20130603先崎行方1
61手目▲3七飛はひねった感じの手。飛車を逃げずに▲3三歩成△同金▲5八歩が予想された手ですが行方さんは自信がなかったのかもしれません。しかし、△5六馬と銀を取られて後手は次に△6六歩と突く味が良い。先手が忙しい局面になりました。

20130603先崎行方2
▲3五飛と走った手に対し△3二歩(70手目)が受けの好手。局後行方さんはこの△3二歩をうっかりしたと言っていました。次に2三の銀を取られると先手は終了です。しかしここで▲7一角!がありました。△7二飛で角の行き場がないようですが、▲3三飛成△同歩▲3二歩△4一玉▲6二金で先手の攻めが繋がりました。

以下、熱戦が続きましたが行方八段が後手玉を着実に寄せて勝ちました。最後の詰みは鮮やかでしたね。
途中、△5六馬のあたりは後手が良くなったようにも見えましたが、▲7一角からの攻めが鋭かったです。行方さんの最近の勢いがそのまま出たような将棋でした。羽生三冠との王位戦も楽しみです。
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[ 2013/06/03 07:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

第62回NHK杯準決勝 郷田棋王vs羽生三冠

タイトルホルダー同士の対戦となった準決勝第2局。期待通りの大熱戦となりました。

棋譜→2013年03月10日第62回NHK杯準決勝第2局

戦型は後手羽生三冠のゴキゲン中飛車に先手郷田棋王の超速。後手の△4四銀型に先手が二枚銀を繰り出す形となった。

序中盤は先手の郷田ペースで進む。先手が攻め、後手が辛抱する展開。羽生三冠は△5五歩(50手目)から△3八銀(58手目)と曲線的に指していたが、ここに銀を投資するようでは辛い。先手優勢のまま終盤に突入した。

郷田羽生nhk62_001
▲5三桂成(95手目)では▲4九歩と手堅く受ける手もあったが、郷田は決めにいった。▲5三桂成は筋の良い手だが、駒を渡すのでリスクもある。▲6一金と張り付いた手に対して羽生は受けずに△5七角成と攻め合う。そこで郷田は▲5三馬△同銀▲5二飛△6二歩▲5三飛成(下図)と詰めろをかけたが、駒を渡しているので先手玉は詰んでもおかしくない。

このあたりから羽生の表情が激しく揺れ動く。頭に手をやり髪を掻き毟りながら苦悶の表情で詰みを探す。

郷田羽生nhk62_002

結論から言うと図(103手目▲5三飛成まで)の先手玉には即詰みが生じている。ただ、手順は難しい。

解説の先崎八段は竜を切って△6九銀から詰むと指摘していた。▲同玉は△7九金▲5九玉△4七桂、▲7七玉と上がるのも△8五桂▲8六玉△7四桂▲7五玉△6六馬▲6四玉△3七角以下詰んでいる。(先崎は読み切れてなかったが)
だが、羽生が指したのは△6九角だった。これだと▲7七玉に△8五桂と打っても6四まで逃げられて詰まない。
しかし、そこで△8六銀!があった。

郷田羽生NHK62_003
先崎「ほぉー、銀からですか。銀から。あ、なるほど最後7二に桂が打てると言ってんだ。いや、これは凄いことが起きましたね。いやこれは気がつかなかった。天才ですね、さすが。ええ。いや、天才です。羽生さんは昔から天才だとは知ってたんですけどねぇ。なるほど、天才の詰みですこれは。」

▲8六同玉△7四桂▲7五玉△6六馬▲6四玉のときに桂馬が持駒に残っているので△7二桂と打って詰み。これを30秒将棋で読み切ったのは流石としか言いようがない。

△8六銀と打たれた瞬間、郷田は意表を突かれたような表情をして頭を抱えた。ここで投げてもおかしくなかったが、視聴者向けに分かりやすいところまで指し続けた。

元天才(失礼)の先崎先生が「天才」という言葉を連呼してかつてのライバルを絶賛していたのが印象的だった。

劇的な逆転で羽生三冠が勝ち決勝進出。そして、NHK杯の連勝記録も24に伸ばした。来週は5連覇&25連勝をかけて渡辺竜王との対戦。これは注目ですね。

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[ 2013/03/12 07:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

NHK杯 羽生vs先崎

第一人者羽生善治NHK杯に多芸多才の個性派、先崎学八段が挑んだ今日のNHK杯

羽生先手で戦型は矢倉
▲羽生がいわゆる「藤井流」の矢倉早囲いをみせる。
先崎羽生

ここで後手の先崎は△9四歩と指したが、これがどうも緩手だったようだ。
私も、△9四歩指された瞬間、「あれ、これは早いんじゃない」と違和感を覚えたが、解説の森下卓九段も直ぐ「この手はプラスになったいません」と緩手の烙印を押す。
森下曰く「△9三桂と跳ねる余地を作ったという意味もあるかもしれないが、△9四歩▲7九角に△7四歩(桂馬を7三から使う意味)と指しているのでは、指し手に一貫性がない」とのこと。
この後、終局直前まで森下は序盤の△9四歩のについて何度も言及。森下さんって結構毒舌なんですね。

△9四歩もそうだが、個人的には1図の直前▲2六歩に△5二金右でなく、△7四歩と指していれば早囲いをとがめる急戦を仕掛けられたのではないかと思う。先手としては▲2六歩~▲2五歩があるので急戦はそれほど怖くないというのが「藤井理論」だが、後手は△7四歩で行くぞとみせかけてから△5二金右とじっくり組むほうが良かったのではないか。▲2六歩で先手の早囲いの狙いが見抜けなかったのか、急戦を仕掛けるよりもじっくり組みたいと考えたのか分からないが、本譜の先崎の方針は終始ちぐはぐだったように思う。

この後、後手は7筋の歩を切ってから△6五桂と跳ねて攻めていったが、細い攻めで上手くいかず、その後先手の反撃が決まり、中盤で大差の将棋になってしまった。矢倉戦は序盤の一手一手が重要なのだということを改めて感じた。

先崎さんにとっては不本意な将棋となってしまったが、感想戦は終始和やかな雰囲気だった。羽生さんも、森下さん、先崎さんとは昔からの付き合いということでリラックスしている様子だった。

先崎さんの独創的な序盤を見たかった自分としては内容的にはちょっと残念だった一局 このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2010/01/17 23:02 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)