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6月25日 第82期棋聖戦第2局 羽生vs深浦

棋聖戦中継サイト

3日前の22日に名人位を失冠したばかりの羽生善治棋聖。ゆっくり休む暇もなく豊田に移動しての棋聖戦である。毎年こういうハードスケジュールをこなして結果を出し続ける羽生さんは本当に凄いと思う。羽生さんも人間だから失冠の影響が全くないわけではないだろうが、気持ちを切り替えて本局に臨んでいるはずだ。

対する挑戦者の深浦康市九段。羽生善治相手に互角の成績を残し「羽生キラー」と呼ばれることが多かったが、最近は5連敗中。このあたりで連敗を止めたいところだろう。

後手の深浦康市九段が一手損角換わりを採用、対して先手は棒銀
habu_fuka0625_001.jpg

馬を作った後手だが、▲7七角(47手目)で馬を消される。△9八馬なら▲9九銀がある・・・と思ったが、深浦九段は△9八馬。以下▲9九銀には△9七香~△8五桂で手がつながるようだ。おそらく深浦さんの研究なのだろう。控室では駒得の先手がやれるとみていたが、羽生棋聖は▲8八金△9九馬▲7八金・・・の千日手を選んだ。

そして指し直し局。後手となった羽生棋聖がなんと藤井流の角交換四間飛車穴熊(レグスペ)を採用した。TL(Twitterのタイムライン)上では大盛り上がり(笑)棋譜コメントにも藤井猛の名前が何度も登場し、藤井先生はくしゃみが止まらなかっただろう。

このレグスペ、本家の藤井九段の将棋では上手くいったところをあまり見たことがない(失礼)。羽生流の味付けはどのようなものかに注目した。中盤、やはり手詰まりになったが、△4五歩(50手目)から打開、桂馬を跳ねてじっと馬を作る。後手は駒損しているが、先手の右金を3六に遊ばせたのが大きい。

そこから長い長い中盤戦となった。お互いの玉が見えず、素人には理解不能な指し手が続く。

△8八馬(136手目)~△6九飛でようやく先手玉がみえてきて、控室は「後手優勢」を断言。しかし▲7八飛(141手目)が根性の受けで寄りが見えない。

habufuka002.jpg

△5四角と引いた手が▲8一竜からの詰みを消した「詰めろ逃れの詰めろ」で、決め手となった。△5四角に対して▲6五桂(181手目)もハッとさせられる。「これが歩なら?」という声があったが、後で検討してみたところ▲6五歩には本譜同様△9九角▲7六玉と逃げたときに△6六金▲8五玉△9三銀!(参考1図)で先手玉は受けなし、後手玉は▲8一竜に△同角と取って詰まないので後手勝ち。

habufuka0625_003.jpg
△8四銀の詰みを受けるなら▲6四飛だが、△8四銀▲同飛△同歩▲同玉△8三歩~△8二飛で詰み。
6五の歩が桂馬だと上図で▲7三桂不成が「詰めろ逃れの詰めろ」になるようだ。以下△8四銀▲7四玉△7三銀には▲8三玉で凌いでいる。

結果的には▲6五桂でも負けだったわけだが、最善の粘りだったのだろう。
深浦さんに勝ちがあったとすれば、直前の▲6一飛成(177手目)で▲7二金だったかもしれない。この辺りは観戦記待ち。

いずれにせよ、これは名局賞候補でしょう。

とは言うものの、私は深浦九段のファンなので負けたのは残念。次局なんとか1つだけでも返してほしいが、ちょっと厳しいかもしれない。


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[ 2011/06/26 07:29 ] 棋聖戦 | TB(0) | CM(0)

深浦康市九段、2年連続で棋聖戦挑戦決定

今年の初め、このblogで「新春予想 2011年将棋界」という記事を書いたが、そこで私は「今年は広瀬、豊島に次ぐ第三の若手がタイトル戦に挑戦する。候補は佐藤天、戸辺、稲葉etc.」と予想した。その中の1人、佐藤天彦棋聖戦の挑決に進出。今期はここまで森内、木村、北浜、渡辺、郷田と錚々たるメンバーを倒してきている。この勝ち上がりを見るとタイトルを取る雰囲気を感じる。

対する深浦九段、昨年の棋聖戦では羽生棋聖に3連敗。その後王位失冠、王将リーグ陥落と苦しんだ。2010年度は棋士人生初の負け越しだった。言葉は悪いが「羽生さんに負けて壊れたかなぁ」と思った。それでも順位戦は最後連勝で締め、この棋聖戦でも挑決まで勝ち上がってきた。個人的に応援している棋士の1人なので早く完全復活してほしいと思う。


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後手の深浦が4手目△3三角からの中飛車。この形は昨年の王座戦第3局▲羽生△藤井戦を思い出す。深浦は4月8日の王座戦、対▲村山慈明戦でもこの振り飛車を採用している。そのとき村山五段は左美濃から銀冠に囲ったが、本局佐藤は6七銀から7筋の位を取った。4手目△3三角の出だしだったが、組みあがってみるとゴキゲン中飛車対▲7八金でよく見かける将棋。

20110428佐藤深浦32手

△5三角が深浦用意の一着。直接的には7五の歩を狙っているが、真の狙いは8六に角を打たせること。後手の角のほうが働きが良く、先手の8六の角は負担になっている。序盤は深浦九段が主導権を握り、先手が苦労する展開になった。

この角を使うために▲4二銀(57手目)から無理やり馬を作って、そこから飛車を8筋に展開する。飛車の大転換は位取りでは常に狙いとしてはあるが、実現することは少ない。佐藤六段らしい雄大な構想だ。このあたりは差が詰まっていると検討陣はみていたようだ。混戦のねじりあいとなったが、ねじりあいは深浦九段も得意とする展開。

20110428佐藤深浦75手

▲8四桂(75手目)は「ちょいワル」からの逆転を狙った勝負手だったが、かまわず△5六歩が好手だった。▲同歩なら△7五銀で直前に打った4九の角がよく利いている。最後は△7九金(86手目)が決め手となった。▲同玉に△5七馬。王手で7五の銀を抜いて後手の上が厚くなった。

序盤巧者の深浦九段が主導権を握り、中終盤は佐藤六段に追い上げられたが最後は力でねじ伏せた。相居飛車でなく、△3三角からの振り飛車を採用したのは若手の研究を避けるという意味合いもあったのかもしれないが、それでも(村山戦に続いて)勝つのだから強い。

2年連続の羽生深浦五番勝負は6月11日、千葉県柏市「旧吉田家住宅」にて開幕する。深浦ファンとしては今年は1勝ぐらいはしてほしいと思う。一日制の羽生さんは抜群の強さを誇るので羽生棋聖防衛と予想するが、昨年に比べると調子が良くないので深浦さんにもチャンスはある。作戦巧者の深浦九段がどんな作戦をぶつけてくるか(特に後手番での)注目したい。梅田望夫氏曰く「相思相愛」のお二人なので濃厚な番勝負がみられるだろう。




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[ 2011/04/29 22:38 ] 棋聖戦 | TB(0) | CM(0)