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第23期女流王位戦挑戦者決定戦 里見vs清水

棋譜→第23期女流王位戦挑戦者決定戦 里見香奈女流三冠 対 清水市代女流六段

四冠を狙う里見香奈と2年連続の挑戦を目指す清水市代の対戦。この2人が対戦するのは今年度9局目となる。

過去の対戦成績は里見の15勝10敗。タイトル戦では里見が圧倒しているが、意外にも番勝負以外では清水が全勝。
参考:清水市代対里見香奈(棋士別成績一覧)
最近では昨年の女流王位戦の挑決、今年のマイナビの準決勝で清水が勝って里見のタイトル挑戦を阻んでいる。

戦型は先手の升田流向かい飛車。4筋に位を取って木村美濃に組み替えるのが里見の構想だった。対して後手は△7三桂から急戦を仕掛ける。自陣角を打って先手の飛車のコビンを攻める。単調なようでこの攻めが煩かった。


△9五桂(46手目)はそっぽなので指しにくい手だが、意外と受けが難しい。受けてもキリがないとみた里見は▲2五桂から攻め合いを選ぶ。後手は桂損だが飛車先を突破。一方先手は9六の金が遊んでいる。このあたりは形勢は難しいが居飛車を持ってみたい。


局面は進んで終盤、△4一玉の早逃げに▲1三歩成が大胆かつ冷静な一着だった。ここで後手からの寄せがありそうだが先手玉は上部が厚く意外と寄らない。▲2三と~▲2四とで入玉ロードが開けてきた。
以下、先手の入玉が確定して形勢がはっきりした・・・と思ったがここからが長かった。

▲5五歩(131手目)では▲7三桂で先手が明快に勝ちだった。▲7三桂は次の一手で出てくるような手で△同歩でも△同銀でも左右挟撃が決まる。しかし、里見は▲7三桂を逃してしまう。以下相入玉まであるという泥仕合になった。

後手は必死の防戦で入玉を目指す。
この不屈の粘りこそが清水市代の真骨頂だ。今まで何人もの女流棋士がこの粘りに間違え逆転負けを食らった。本局も先手が里見さんでなかったら入玉を許していたかもしれない。

213手で辛くも逃げきり里見の勝ち。これまでタイトル戦以外では清水さん相手に全敗だった里見さんだが、ようやくその壁を乗り越えることができた。一方で清水さんは19期連続で女流王位戦に登場していたが、その記録が途絶えてしまった。

甲斐智美女流王位との五番勝負は4月26日に開幕する。里見の4冠達成なるか、それとも甲斐が意地をみせるか。甲斐vs里見のタイトル戦は初めてなのでどういう戦いが見られるか楽しみだ。

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[ 2012/03/27 07:30 ] 女流 | TB(0) | CM(0)

第5回女流最強戦 清水市代初優勝

棋譜→甲斐智美女流王位 対 清水市代女流六段

女流最強戦決勝、現地(大和証券本社)で観戦してきました。

今回の決勝は第一人者清水市代女流六段と第1回の覇者、甲斐智美女流王位の対戦。清水は上田女王を倒して、そして甲斐は前回の覇者中井六段と里見女流三冠を倒して決勝進出。

戦型は甲斐女流王位のゴキゲン中飛車に清水女流六段の「超速」。▲6六歩と角道を止めたのでじっくりした戦いになった。「森内流を拝借して」と清水さんが言っていたが、▲6六歩(23手目)の局面は昨年の名人戦第3局と同一。名人戦で羽生さんは△4四歩と突いたが甲斐さんは銀を5三に上がる。△5六歩のあたりまでは実戦例があって、△3八歩が甲斐さんの工夫だったが、これが得だったかは微妙なところ。


▲3六金(59手目)が印象に残った一手。ここに金を打てる人はなかなかいない。いかにも清水さんらしい手だと思う。その前の▲5五銀とあわせて先手はじっくりおさえこむ方針。
対して甲斐さんが6筋に飛車を回った手が良くなかったようで、▲4三銀不成から1一の香車を取って先手が優勢になった。遊びそうだった3六の金も中央に使えて悪いところがない。

△4四金(90手目)には▲同成銀と取るのが明快だったと思うが清水さんは飛車を引く。攻め合いにはしないつもりだったようだが、成銀をただで取られてしまった。一時は取られそうだった飛車を捌けて、振り飛車もやる気が出てきたのではないか。先手勝勢から一転して混戦になった。


終盤△5五歩(136手目)が痛恨のクリックミス。甲斐さんは6五に着手する予定だったようだ。△6五歩もしくは金を逃げる手(△3五金)を指していればまだまだ難しい戦いが続いていただろう。4四の金をただで取られて形勢ははっきりした。

最後は見事な即詰みで清水女流六段の勝ち。この大会5回目にして初優勝を飾った。


優勝の感想を聞かれて、清水さんは声を詰まらせていた。今年は全てのタイトル戦に挑戦者として登場したが、いずれも敗退。最後に1つ獲れて良かったですね!

これで清水女流六段は今期39勝目、年間勝数記録で中井広恵(2001年度)に並び歴代1位タイとなった。この記録も凄い。男性棋界では「羽生世代」の活躍が話題になっていますが、女の世界も「羽生世代」がまだまだ強い!
今年度はあと2局対局の予定があるということで記録更新に期待がかかります。


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[ 2012/03/20 08:47 ] 女流 | TB(0) | CM(0)

マイナビ女子オープン 清水、長谷川決勝進出

マイナビ女子オープン中継サイト

昨日は準決勝2局が行われ、清水市代女流六段と長谷川優貴女流初段が挑戦者決定戦に進出した。

斎田晴子女流五段-△長谷川優貴女流初段
2回戦で甲斐女流王位を破った新鋭、長谷川初段と振り飛車党の実力者斎田五段の対戦。両者振り飛車党ということで相振り飛車になった。
先手が勝ちそうだったが87手目▲3七同玉と取ったのが痛恨の失着。同桂ならば先手が逃げ切っていた。逆転で長谷川初段の勝ちとなった。
長谷川初段は女流プロになってまだ3ヶ月。予選の時点ではまだアマチュアだったわけで、凄い。
奨励会員(加藤さん)のタイトル獲得よりもこちらのほうが驚きですね。

清水市代女流六段-△里見香奈女流三冠
他の2人には申し訳ないが、「事実上の挑戦者決定戦」と言ってもいいこのカード。
過去の対戦成績は里見の12勝8敗。タイトル戦では里見さんが圧倒しているが、それ以外では清水さんのほうが勝ち越している。
最近では昨年の女流王位戦の挑決で清水さんが勝って挑戦者となった。

後手の里見さんが四間飛車で、先手の清水さんが左美濃→端玉銀冠の対抗形となった。
四間飛車対左美濃は「藤井システム」(対左美濃の)で来られると四枚美濃に組めないことが多い。そこで先手は▲6八銀~▲6六歩~▲7七銀と工夫して四枚銀冠を目指す。

組みあがったところ(41手目)では個人的には居飛車を持ってみたい。金銀四枚の銀冠に組めて、後手に△2二飛と回らせて不満がない。ここまで組めないことも多いので。

△9二香(52手目)と上がって△2一飛~△9一飛を目指した里見さんだが、結果的にはこの香車が中途半端になってしまった。

終盤、先手が玉頭から猛攻を仕掛ける。先手は大駒を全て取られたが金銀7枚持っているのが大きく攻めが途切れない。「堅い、攻めてる、切れない」で四枚銀冠の必勝形になった。

里見清水マイナビ001
137手で清水さんの完勝。この勝ち方は強い!

これで清水さんは今年度成績が32勝9敗。年間対局数も最多記録を更新しそうな勢いだ。
タイトル戦では里見、甲斐、加藤といった若手に敗れ続けている清水さんだが、タイトル戦以外では他を圧倒している。負けても負けてもすぐ立ち上がるその不屈の精神は素晴らしいと思う。


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[ 2012/01/12 21:56 ] 女流 | TB(0) | CM(0)

加藤桃子さんが初代女流王座獲得!

リコー杯女流王座戦中継

女流王座戦五番勝負第5局は、加藤桃子奨励会1級が清水市代女流六段を破り3勝2敗で初代女流王座を獲得した。

最終局までもつれた今回の五番勝負だったが、内容的には加藤さんが圧倒していたと思う。初めての大舞台で力を出し切るのは大変なことだが、加藤さんは16歳とは思えないほど落ち着いていた。

今回の番勝負、私の予想は清水持ちだった。実力的にはほぼ互角でも、大舞台での実績や経験値の差が出るのではないかと思ったからだ。私自身が清水ファンなのでタイトルを獲ってほしいという期待もあった。
しかし、その予想は外れた。
第4局の逆転はそういう部分が出たのかもしれないが、それ以外は加藤さんの指し回しが素晴らしかった。

女流棋士の資格を持たない奨励会員がタイトルを獲ったことについては色々な意見があると思う。個人的にはこの結果にはそれほど驚きはない。奨励会1級の里見さんが3つタイトルを持ってるのだから4つ目も奨励会1級が取るのは不思議ではないよね。ゼロが1になったというよりは3が4になったという感じかもしれない。

それでも、「女流将棋界のさらなる発展に寄与するため」という名目で始まった棋戦なので女流棋士に頑張ってほしいという思いもあった。上田さん、甲斐さん、矢内さん・・・etcの奮起にも期待したい。(もちろん清水さんも)

加藤 この一年は、この棋戦に出させていただいいたおかげで、自分でもわかるくらい成長しているな、強くなっているなと感じました。この勢いで奨励会の方も調子を上げていきたいと思います。この一年は人生で一番将棋が好きになったので、もっと将棋の勉強をしていきたいと思います。
リコー杯女流王座戦中継ブログ: 記者会見

加藤さんのこの感想を聞くと、今回出場することができて良かったなぁと思う。
本人もこの結果が最終目標ではないと思うので、是非プロの「四段」を目指してこれからも頑張ってほしいですね。

最後になりましたが、今回は本当におめでとうございます!

以下、新聞各紙の記事
奨励会の加藤1級が初代女流王座 将棋リコー杯 (日本経済新聞)
【時の人】初代女流王座 加藤桃子さん | 静岡新聞(※加藤さんは静岡県牧之原市出身)
中日新聞:16歳で初代女流王座に 奨励会の加藤桃子1級

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[ 2011/12/13 07:30 ] 女流 | TB(0) | CM(0)

11月27日 里見倉敷藤花防衛 NHK杯高橋vs阿部健

午前のNHK杯は個人的に応援している阿部健治郎五段(収録時は四段)が出るということで、とても楽しみにしていた。
対戦相手は現役A級の高橋道雄九段.

先手の高橋九段が横歩取り模様から横歩を取らず飛車を下段に引く。この後手に横歩を取らせる作戦を、高橋九段は先手番で頻繁に採用している。今期のA級vs郷田戦がそうだったし、最近では今月の朝日杯vs西尾戦もこれだった。

▲2二飛成(35手目)と飛車を切って乱戦になった。後手が8四の飛車を8二に引いたのが正解だったようで、▲5五角には△6四桂と受けて先手の攻めが続かない。

9一の馬を▲9二馬(49手目)と引いて活用しようとしたが、△6三銀から飛車をぶつけられ、一手パスみたいな手になってしまった。飛車一枚だけ持っても攻めが足りないし、▲7一飛に△7三香が激痛。
takamichi_abe001.jpg

以下は大差でアベケンの勝ち。高橋九段らしさが見られなかったのは残念だった。

====================

第19期 大山名人杯倉敷藤花戦(中継サイト)

倉敷藤花戦第2局は里見香奈倉敷藤花が清水市代女流六段を倒し、2連勝で4連覇を達成した。

戦型は里見さんのゴキゲン中飛車に清水女流六段が▲7八金型から抑え込みに行く形。
62手目の△6七銀が解説にもあるとおり「凄い手」だった。
shimizu001_倉敷
堅さを生かした猛攻で先手陣を一気に攻め潰す。まさに圧勝という内容で4連覇を達成した。

里見さんは、今年初めの女流名人戦に続いて清水さん相手にストレート防衛ということになる。
2年連続で女流名人戦A級全勝、非奨励会の女流棋界では無敵を誇る清水さんだが、里見さんにはどうしても勝てない。
ここまで来ると相性の問題ではなく、力の差を感じてしまう。
清水さんも今年度番勝負以外では1敗しかしていないんですけどね・・・

里見、加藤、伊藤の奨励会勢が相当強いということなのだろう。



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[ 2011/11/28 07:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)