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王位戦第6局は羽生二冠が勝ち、最終戦へ

棋譜:広瀬章人王位 対 羽生善治二冠

第6局は角交換型の相振り飛車となった。前例の少ない力戦形ということもあって序盤から一手一手の意味が難しい戦いだった。

後手が6四に打った角が働くかどうかが序中盤のポイント。しかし、2日目に入ってその角が8二に隠居して「壁角」となってしまった。48手目の局面は後手の3三の桂馬も取られそうで先手が良さそう。

感想にもあるように49手目の▲7八角では▲2六歩と突いて▲3四歩から桂馬を取りに行くほうが良かったと思う。角は成れるが、飛車を取っても大したことがない。「壁銀」ということを考えるともう少し安全運転でいくべきだったのかもしれない。

そうこうしているうちに後手の角も働き出して3三の桂馬にも逃げられてしまった。形勢は逆転、後手ペースに。

△3七角(80手目)はごつい。以下の攻めはひと目細いようにも見えるが、後手玉が堅いので成り立つのだろう。防戦一方の先手だが、駒得なのでここを凌ぎきればチャンスが巡ってきそうだ。しかし、なかなか手番が回ってこない。そこで▲5一と(103手目)と捨ててスピードアップを図る。△同銀に▲4六角は不思議な手順だ。飛車を逃がしてからの▲5三桂に期待をかけた。


攻防風の▲2六角で5三の桂馬に紐をつけたが、△5六金以下寄せられてしまった。
しかし、ここでは▲7五角!という手があった。詳しくは中継ブログを参照されたい。
「最終盤での妙手順」王位戦中継ブログ)

9三の地点を狙うのが急所で、もう一枚金が入れば▲6一飛△8二玉▲9三銀以下の詰みが生じる。よって△5六金と、金を渡すのはダメなので△5三金と桂馬を払うのだろうが▲5七角とこちらも金を取って、長い戦いになりそうだがこれならば先手が勝てそうだ。

控室、そして将棋ソフトも発見できなかった幻の妙手▲7五角。これで勝っていたらカッコ良かったですね。

最後は妙手を逃してしまったが、熱戦の良い将棋だった。難解な将棋だったけれども見ごたえがあった。
第7局、振り駒でどちらが先手番となるか、そして広瀬王位は穴熊を投入するのかどうか?序盤から目が離せない戦いになりそうだ。最終局も熱戦を期待します!





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[ 2011/08/31 07:30 ] 王位戦 | TB(0) | CM(0)

リベンジ 永瀬拓矢vs佐藤康光 第24期竜王戦決勝T

NHK杯での2千日手が話題を呼んだ永瀬拓矢四段、今期の竜王戦でも快進撃を続け、決勝トーナメントでは稲葉陽五段、佐藤秀司七段を破って3回戦進出。そして、今日の対戦相手は元竜王の佐藤康光九段。あのNHK杯以来、2度目の対戦だ。最高棋戦の大舞台でもその力を見せつけることができるかどうか。佐藤九段としても若手相手に2連敗はしたくないだろう。

棋譜:佐藤康光九段 対 永瀬拓矢四段

先手となった永瀬四段の3手目▲7五歩は予想通り。対する佐藤康光九段の4手目に注目したが、相振り含みの△5四歩だった。4手目の棋譜コメントにもあるように、佐藤九段は石田流には△8四歩を選ぶことが多いので、相振り飛車というのは意外だった。△8四歩は居飛車の最強手だが、序盤早々激しい展開になりやすい。本局は研究一発で決まるような将棋ではなく、じっくりした展開に持ち込みかったのだろう。

後手は玉の囲いと△5五歩を省略し、2筋に勢力を集めて玉頭を攻める構想。2筋を突き捨ててから△7三歩(36手目)は渋い。じっと自陣のキズを消し、着々と攻めの態勢を築く。

△1五歩(46手目)から端をからめて先手玉に襲いかかる。この攻めが思いの外厳しかった。先手は▲4六香から角をいじめる手に期待したようだが、角を追っても△5五角から切って△2一香の数の攻めがある。棋譜コメントによれば▲4六香に代えて▲1六歩が優ったようだが、この手で受け切れていたかは微妙なところである。

後手の攻めが筋に入って、さすがの永瀬四段も受け切れない。先手は早逃げに望みを託したが、駒をポロポロ取られながら寄せられて敗勢。


△5八成桂に対し、▲6五桂(79手目)と「詰めろ逃れの詰めろ」をかけて見せ場を作ったが、△7二金打と受けられて次が続かない。最後はきれいな一手勝ちで佐藤九段の勝利、NHK杯のリベンジを果たした。

ここまで快進撃を続けてきた永瀬四段だったが、1組棋士の壁は厚かった。しかし、この経験を生かして近い将来タイトル戦に出てくるだろう。来期以降の活躍に期待したい。

勝った佐藤康光九段は26日に深浦康市九段(1組4位)と対戦する。今年度はここまで6勝9敗と負けが込んでいる佐藤九段だが、相性の良い竜王戦で復調のきっかけをつかめるか。


佐藤康光の石田流破り佐藤康光の石田流破り
(2010/04/23)
佐藤 康光

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[ 2011/07/22 06:34 ] 竜王戦 | TB(0) | CM(0)

第52期王位戦七番勝負開幕 広瀬王位先勝

王位戦中継サイト

広瀬章人が王位を奪取してから早いもので1年が経った。今年は、最強の挑戦者羽生善治を迎えての初防衛戦である。
意外にもこの2人の公式戦での対戦は過去に一度しかない。(非公式戦の新人王戦記念対局を含めると2局)その1局は前期の挑戦者決定戦。相穴熊の将棋で広瀬が快勝を収め、王位挑戦権を獲得した。

今回のシリーズの見どころは、広瀬穴熊に対する羽生さんの対策。

振り飛車穴熊を駆使して王位を獲得したが、この1年間振り飛車穴熊そのものは全く流行らなかった。理由は一言で言えば、真似をするのが難しいから。戦法云々ではなく、独特の感性と抜きん出た終盤力を持っているからこれだけ勝てる。そして、誰も真似しないので対策を練るのも難しい。前期、深浦さんは広瀬穴熊を研究するのにだいぶ苦労したようだ。誰にも真似できない「広瀬ワールド」を羽生さんはどうやって攻略するのだろうか。


さて第1局だが、羽生二冠が3手目に▲6六歩と角道を止めて予想外の相振り飛車となった。
3手目▲2六歩なら四間飛車穴熊のほかにゴキゲン中飛車、相居飛車の可能性もあった。▲6六歩ならば戦型を絞れて、じっくりした展開に持ち込むことができる。広瀬穴熊を避けるという意味もあっただろう。

本局は△3二飛から相振りとなったが、広瀬王位が4手目に△8四歩と突いて居飛車を選んでたら、羽生さんは何をやったのだろう?あるいは、四間飛車穴熊だったかもしれない。それはともかく、3手目▲6六歩と突いた以上高い確率で相振りになるとは予想していただろう。先手金無双に後手は美濃囲い、途中までは先日の竜王戦▲橋本△羽生戦と同じ進行を辿った。

封じ手のあたりは先手が面白いと言われていた。後手の△3五銀からの攻めは細いとみられていたが、78手目△3六歩▲同金に△4九銀を食らったあたりから先手がおかしくなった。後手の3六の馬が攻防ともに好位置で簡単には負けない雰囲気が出てきた。

▲2五歩(93手目)は焦点の歩で巧い手に見えたが、この瞬間△5七桂▲3九玉△2八歩が利いたのが大きく後手勝勢になった。ここは単に▲4六銀で5七桂を防いでもダメだったのだろうか?

↑局面図は、将棋の局面図を生成するWebAPIで作成。

最善の粘りであと一歩のところまで追い上げたが、△8三桂が詰めろで万事休す。直前の長考でこの難解な即詰みを読みきっていたようだ。強い!

広瀬王位が持ち前の終盤力をみせて白星スタートを切った。羽生さんの奪取を予想していた人が多いと思うが(私もその1人だが)、この勝ち方を見ると普通に防衛しそうな気もする。


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[ 2011/07/14 06:30 ] 王位戦 | TB(0) | CM(0)

橋本崇載七段が羽生二冠に勝利 第24期竜王戦決勝トーナメント

竜王戦中継サイト

第24期竜王戦の決勝トーナメントが開幕。通常は5組優勝者と6組優勝者による1回戦から始まるのだが、羽生二冠が多忙を極めている(来週からは王位戦も始まる)ということで、準々決勝の本局が前倒しで行われることになった。

大本命の羽生善治二冠は1組で久保利明二冠に敗れたが3位で決勝トーナメント進出。対するハッシーこと橋本崇載七段はここまで12連勝(2011年度は9戦全勝)と絶好調。「眠れる獅子」がついに目覚めたようだ。第一人者の羽生二冠に勝てばこの強さは本物だろう。最近の勝ちっぷりを見ると羽生さん相手に一発入ってもおかしくないとは思っていた。しかし、まさかこんな結末になるとは・・・


将棋は3手目に先手の橋本七段が角道を止めて相振り飛車となった。3手目▲6六歩は角換わりや横歩取りの急戦を避け自分好みのじっくりした将棋を作っていく指し方。

序中盤のポイントは先手の端攻めに9三同玉(52手目)と応じたところだろうか。パッと見は怖いのだが、後手が凌げているようだ。結果的にはこのタイミングでの端攻めは成立しないということになるのだが、駒組みが飽和状態なので仕掛けるしかなかったのだろう。

先手の攻めが細く、逆に後手から△7九角(66手目)以下の反撃が厳しく羽生二冠が優勢となった。しかし橋本七段も粘り強い受けをみせる。玉の懐を広げる▲2六歩(83手目)、飛車を取らずに▲5七金(95手目)が好手だったと思う。

羽生二冠は飛車の押し売りから最短の寄せを目指したが、▲6一角があるので怖いところでもある。△4七香成が失着、まさかの逆転劇となった。

羽生橋本001
△4七香成は詰めろ(次に△2五銀から詰む)で部分的には受けがないように見える。だが、▲6一角△7二銀打で銀を使わせたことで先手玉の詰めろが消え、逆に後手玉が受けなしとなってしまった。

橋本羽生002


投了図、何か受けがありそうだが、①△8三同銀▲同馬△8二飛は、▲6一馬が▲7一金△9二玉▲9三銀!△同玉▲9九飛以下の詰めろで受けがない。対して先手玉は詰みなし。5九の飛車が働いて詰んでしまうんですね!

②単に△8二飛と受けるのは▲同歩成△同玉▲9四桂△同香▲9一銀△7一玉(△同玉は▲7一飛以下詰み)▲5二角成で必至。先手玉は詰まず先手勝ち。

中継の棋譜コメントによれば△4七香成で△4七銀ならば後手の勝ち筋だったようだ。羽生さんには珍しい逆転負けとなったが、意外と難しかったのかもしれない。橋本さんの決め手を与えない指し回しも見事だった。

早くも本命が消えた竜王戦だが、もともと「竜王ドリーム」という言葉があるようにこの棋戦は若手にもチャンスがあるのが特徴だった。その代表例が藤井猛、渡辺明である。数年前に1組棋士に有利な制度に変わってからは若手の挑戦者はみられなくなったが、今年は久々に「ドリーム」が見られるかもしれない。そういう意味では面白くなったと思う。ハッシーにはこの勢いで「竜王ドリーム」を叶えてほしい。


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[ 2011/07/07 23:30 ] 竜王戦 | TB(0) | CM(0)