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第61回NHK杯3回戦 郷田vs広瀬

この2人は日本シリーズ、先週の棋王戦決勝に続いて、今年3度目の対戦。
前二局は相穴熊郷田真隆九段の勝ち。本局も広瀬章人七段の四間飛車からみたび相穴熊の将棋となった。

相穴熊の将棋は一方的な展開になりやすいし、個人的に埋め合い剥がし合いは好きではないのだが、この将棋は熱戦でとても面白かった。

先手は▲6六銀型。先後逆だが日本シリーズ(→棋譜)、棋王戦と類似の進行である。

中盤のポイントは46手目△6三銀と飛車交換を迫ったところ。この手を見て郷田九段は長考に沈む。飛車交換から2九の桂馬を取られる変化は自信が持てなかったか、郷田九段は▲5五歩と自重。しかし、いかにも利かされで、「取れないんじゃひどかった」(郷田)

その後5五の地点で交換になって先手が飛車を先着するが、解説の鈴木大介八段は5五の角の位置が良いので後手持ち。しかし先手の角を切っての食いつきも相当でギリギリの終盤戦となった。

問題の局面
広瀬郷田NHK001

ここで後手がどう指すか?
本譜の△7六歩は▲5五角が攻防の好位置。なので、△5五角と敵の打ちたいところに打つのが良さそうに見えるが、△5五角には▲5四角があるとのこと。8七の地点に利かしてこれまた攻防になっている。
ということで広瀬七段は△7六歩を選ぶ。

以下▲5五角△7九竜▲7二歩成で後手玉は必至、先手玉は詰むや詰まざるや。

感想戦で▲7二歩成では▲7九同銀と取る手が指摘されていた。△7七歩成は▲8一成香△同玉▲7二歩成(△同玉は▲8四桂、△同金左は▲6一龍)以下詰みのようである。

30秒将棋のなか、郷田九段は▲7二歩成で詰ましてみろと開き直った。△8八竜▲同玉△7七歩成以下王手の連続で迫ったが先手玉はわずかに詰まない。103手で郷田九段の逃げ切り勝ちとなった。

最後△9九銀(94手目)では△8九金(※追記)からの長手数の詰みがあったようである。
しかしこれを30秒将棋で詰ますのは至難の業だ。

非常に難解だったが、スリリングで見ごたえのある終盤戦だった。
しかし広瀬さんからすると得意の振り穴で郷田さんに3連敗というのはキツいだろう。羽生世代の壁はまだまだ厚い。

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[ 2011/12/11 23:01 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

第61回NHK杯 行方尚史vs菅井竜也

5月の大和証券杯で羽生善治名人(当時)を倒した菅井竜也四段がNHK杯初登場。石田流、ゴキゲン中飛車を得意とする振り飛車党で、久保利明二冠の研究パートナーとしても知られている。今日はその久保二冠が解説だ。
対戦相手は実力者の行方尚史八段。対振り飛車を得意としており、今日解説の久保二冠にも対戦成績で勝ち越している。

後手となった菅井竜也四段がゴキゲン中飛車、対する行方尚史八段は今流行りの超速3七銀で対抗した。「銀対抗型」(▲4六銀に△4四銀で対抗)から相穴熊となった。△4四銀型だと▲3五歩や▲4五銀からの急戦がなくなるが、その代わり角道が止まってしまうので本譜のように穴熊に組まれてしまう。

組みあがって後手が6筋から動いたの対して、居飛車は▲2四歩から仕掛ける。
菅井行方001

△同歩に▲2二歩もあったと思うが、それではあまり良くならないのだろう。▲3七桂から▲4五銀が行方さんらしい手厚い攻め。しかし、振り飛車も△3五歩からと金を作って形勢は難解。

この"と金"を寄って飛車が成りこめれば振り飛車優勢だが、そうはさせない。馬で飛車をおさえこんで居飛車がはっきり優勢となった。下図の▲5二銀が痛い。

菅井行方002

しかし「両取り逃げるべからず」の△3三桂に▲8一馬(79手目)と馬を切っていったのはやり過ぎだった。振り飛車は△8一同金と取った形が意外としっかりしている。逆に△6九角(90手目)からしつこく絡まれて形勢は逆転。自玉に王手がかからないので駒損でも攻めがつながれば良し。これが穴熊の恐ろしさだ。以下後手の猛攻が通って120手で菅井四段の勝利。

▲8一馬では馬を引いてじっくりさせば先手の完勝だったように思う。行方八段も感想戦でこの手を悔やんでいた。

勝った菅井竜也四段は2回戦で師匠の井上慶太九段と対戦する。師弟対決が今から楽しみだ。



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[ 2011/07/03 23:33 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

第61回NHK杯 畠山鎮vs森けい二

「終盤の魔術師」森けい二九段が4年ぶりのNHK杯本戦出場。予選で飯島、小倉、佐藤義を破って3連勝、御年65歳にしてこの活躍は素晴らしい。対戦相手は「マモルは攻める」の畠山鎮七段。

戦型は後手森九段のゴキゲン中飛車、対して畠山鎮七段は持久戦を選び相穴熊の将棋となった。対局前のインタビューで「乱戦にしたい」と語っていた森九段、序盤△3三角と上がることが多いところで△6二玉(10手目)として▲2四歩を誘ったが、畠山は挑発に乗らず▲7八玉。結局よくある形となった。

個人的な感想を言えば、この相穴熊は居飛車がすごく堅いので居飛車持ち。後手は「ゴキゲン」な感じがしない。攻めの主導権を後手が握っている(いつでも△7五歩がある)ので後手もやれるということなのだろうか。それにしても、四枚の穴熊は堅い。本局も後手がと金を作って穴熊を崩しにいったが、一枚剥してもまだ堅い。

中盤の駒組が長かったが、後手が8筋と9筋両方の歩を伸ばしたのはどうだったのだろう?確かに8六の角が邪魔だったが、後に8四の空間に香車を打たれてしまった。

後手はと金を作ったのだが先手が四枚穴熊なので一枚剥がしてもダメージは少ない。対して先手はじっと▲7五歩~▲7四歩(101手目)と伸ばして攻めの拠点を作る手が間に合った。▲7三銀と打ち込んで攻めが切れなくなった。以下、畠山七段が棋風どおり細い攻めを繋げて優勢、しかし魔術師も怪しい粘りを見せる。

森畠山001

最終盤、後手は7五の桂で6七の金を取ったが、この瞬間先手玉はゼット(絶対詰まない形)。▲7二竜からばらして▲7四銀(151手目)以下後手玉は一手一手となり、森九段の投了となった。

解説の南九段によれば△6七成桂で竜を取っていればまだ難しかったとのこと。しかし二枚飛車を持たれても▲6九歩があるし、▲7五香と桂馬を取って次の▲8四桂が厳しい(~▲9三銀で受けなし)ので、竜を取っても依然として先手優勢だったのではないだろうか.



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↑終盤強化の定番ですね。
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[ 2011/06/20 06:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

NHK杯将棋 広瀬章人王位vs渡辺明竜王 相穴熊

振り飛車穴熊を多投し、王位奪取に成功した広瀬王位と、堅い玉を好む渡辺竜王の対戦、
となれば大方の戦型予想は相穴熊だろう。果たして、相穴熊の将棋となった。

後手居飛車の渡辺竜王が△4四銀型の穴熊に組んで、△5五歩から△5三銀と引き直す形を選択した。定跡形なので広瀬王位も当然熟知している形だろう。

相穴熊の将棋では、と金を作って相手の穴熊を攻めるので、相手よりも先にと金を作れれば有利ということが多い。本局は後手の渡辺竜王が先に5筋にと金を作ることに成功、対して先手も▲6三飛成と竜を作ったが、△5一歩と受けられてみると後続がなく、ここでは後手が有利だろう。

△4七銀から渡辺竜王が猛攻、しかし、と金と金駒だけの攻めなので金銀のはがし合い埋め合いになった。

95手目(下図)、▲4七金がまたしぶとい受けだった。次に4八の地点に打たれると苦しいのでこの一手なのかもしれないが、素人にはなかなか思いつかない受けだ。Twitter上でも感嘆の声が数多く上がっていた。
広瀬渡辺
この手に対する△4九金もまた妙手。相穴熊を指すことは少ないのでよく分からないが、こうやって食らいつくものなのだろう。

この後も延々と金銀の打ち替えが続き、一時は千日手模様に。しかし渡辺竜王が打開し、先手の粘りを必死に振りほどいて勝ち。192手!の大熱戦だった。相穴熊戦らしい攻防で見ごたえがあったが、観ているほうからすればお腹いっぱいというか少々疲れる対局でもあった。

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[ 2010/10/26 06:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)