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棋王戦第4局 郷田棋王奪取

棋譜→第37期棋王戦五番勝負 第4局 久保利明棋王 対 郷田真隆九段

棋王戦第4局は郷田真隆九段が勝ち、3勝1敗で棋王を奪取。2001年に棋聖獲得して以来実に11年ぶりのタイトル獲得となった。敗れた久保さんは王将位に続いて棋王も失い3年ぶりの無冠。A級二冠から一気にB1九段となってしまった。去年の夏ごろには四冠もあると言われていたが、王座、竜王で挑戦を逃し、A級からも降級。勝負の世界は厳しい。

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第4局は久保棋王の先手で石田流。先手番での頼れるエースに命運を託した。対して郷田九段は最強の4手目△8四歩から飛車先を突き越す。
7手目▲7六飛の「菅井流」から升田式石田流の将棋になった。▲8六歩に△7一金も定跡で先手の捌きに備えている。この形はNHK杯で2度千日手になった永瀬佐藤戦を思い出す。

中盤△5二銀(46手目)と引いた手が印象に残った。玉を固めつつ角の逃げ場を作って味が良い。先手は6四の歩が取れそうだが端攻めがある。

△8一飛(52手目)も辛抱強い。そこで久保棋王は▲9二歩と打ったが、△8五桂に9一の香車を取らずに▲同桂は変調だったか。一気に形勢が郷田に傾いた。最近の久保棋王の不調ぶりを象徴するような崩れ方だった。

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将棋世界4月号』の「棋士が聞くプロ対談」で、郷田さんについて豊川七段がこんなことを言っていた。羽生屋敷に比べたら郷田の才能は大したことがない、でも彼の努力はものすごい。40歳を過ぎても怖いくらい将棋に浸りきって、今でも進化している。これからまた伝説を残すだろう、と。

今回の結果はまさに努力の賜物だと思う。豊川七段の予言通り、郷田さんはまだまだ進化し続けるだろう。

今回の棋王獲得でタイトルは4期。本来ならもっとタイトルを獲っていてもおかしくないと思う。この勢いで悲願の名人獲得も達成してほしいですね。


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[ 2012/03/18 08:55 ] 棋王戦 | TB(0) | CM(0)

棋王戦第2局 久保棋王vs郷田九段 早石田大乱戦

棋譜→第37期棋王戦五番勝負 第2局 久保利明棋王 対 郷田真隆九段

今週木曜に加古川で王将戦を戦ったばかりの久保利明二冠。中1日で今度は金沢で棋王戦である。3月に入ると2日にA級最終戦、4日に棋王戦第3局@焼津、そして8日に王将戦第5局と重要な対局が続く。まさに正念場を迎えている。

さて、棋王戦第2局。久保二冠の先手石田流に対して郷田真隆九段は4手目△8四歩と突いて正面から迎え撃った。

先手は昔からある早石田。プロの実戦例にはないようだが江戸時代からある定跡だ。
▲8四飛!(19手目)が狙いの一着。初見だとびっくりするが、二冠の著書『久保の石田流』にも載っている手。


25手目、▲9五角と準王手飛車をかける手もあったが、△9四飛打と受けておいて居飛車良し。△8二飛打だと▲2二銀があって先手が良くなるようだ(と、久保本に書いてあった)
本譜は▲2二角。対して8筋を突き捨てて△1二飛は凄い受けだ。これで駒損はしないけれども飛車が端で働かない可能性がある。しかし、この△1二飛はただ受けただけの手ではなかった。

△4六歩(30手目)が思った以上に厳しかった。そこから△8六飛と走って飛車を4筋に持ってきたのが上手い構想だった。
二枚の飛車でがっちり受けられてみると先手は手がなく、玉を囲うこともできない。


△3五歩(40手目)は郷田さんらしい格調高い一手。端で隠居していた飛車を3二に持ってきて、居玉のまま先手陣を攻め潰した。

88手で郷田九段の完勝。先手の無理な動きを咎め、二枚並んだ飛車で玉頭から攻め潰す構想が見事だった。

久保さんも先手番でここまで無理をしなくても良いのにと思ったが、これが「現代将棋」なんでしょうね。

本譜のような超急戦は居飛車に正確に受けられると無理、かといって持久戦になるとこの前の王将戦のように手詰まりになるのが石田流の難しいところだと思う。

久保の石田流久保の石田流
(2011/03/24)
久保 利明

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↑発売から1年経っていますが、石田流の概要を知るには良い本だと思います。
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[ 2012/02/26 07:30 ] 棋王戦 | TB(0) | CM(0)

久保反撃の1勝 第61期王将戦第4局

棋譜→第61期王将戦七番勝負第4局 ▲久保-△佐藤
佐藤康光九段の3連勝で迎えた第4局。

久保二冠の先手石田流に対して後手の佐藤九段は最強の△8四歩で真っ向から迎え撃った。△8四歩では△4二玉から飛車先を保留し左美濃に囲う将棋や第2局で指された相振り飛車もあるところ。本局の△8五歩を突き越す形は超急戦の変化もあり序盤から激しいことになりやすい。

1日目の昼前に▲7四歩(23手目)と仕掛けて、予想通り激しい展開になるかと思ったがその後は一転して捻りあいに。久保がじっと▲7八金(41手目)と上がったことで曲線的な展開になった。

お互いに手を出しづらい将棋になったが先に動いたのは後手。△8八角から馬を作ったが、先手に辛抱されてみると意外と手が続かなかった。対して先手は▲8四歩(67手目)~▲6六飛(71手目)、細かな動きで後手を歩切れにする。このあたりの手の作り方が久保さんは上手い。


▲8三歩からと金ができてはっきり先手優勢となったが、そこからの佐藤さんの粘りがすごかった。と金寄り(▲7二と)に△5一銀が凄い辛抱。当然に見えた"と金寄り"が疑問手だったとは難しい。

佐藤の粘りで形勢は混沌。△7五桂が入ったときは分からなくなったと思ったが、後で解説を読むと先手が残していたようである。

95手目、▲5八飛で勝ちと言われていたが、久保王将が指したのは▲1五歩。この端攻めが急所で厳しかった。

102手目△4八金には端攻めの効果で▲1三銀がある。後手はその前に△5六飛(88手目)と出たのが敗着で△6四飛と粘るほうが優ったようだ。

封じ手のあたりは先手を持って捌くのは難しそうに思えたが、そこを久保さんは巧く手を作って綺麗に捌いた。「捌きのアーティスト」が本領を発揮した一局だった。ここまで3局は佐藤ワールドに圧倒され良い所がなかったが、ようやく久保さんらしい将棋を見せてくれた。

久保王将が地元加古川で待望の初勝利。王将位の防衛は厳しいかもしれないが、他の棋戦(棋王戦、A級)にもつながるという意味で大きな白星となったと思う。

第5局は久保二冠が後手番でゴキゲン中飛車になるだろう。依然として佐藤九段が有利な状況は変わらないが、第5局先手番を落とすと分からなくなると思う。佐藤さんとしては次で決めたいところだ。

久保の石田流久保の石田流
(2011/03/24)
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[ 2012/02/25 07:30 ] 王将戦 | TB(0) | CM(0)

A級順位戦 羽生vs渡辺 久保vs谷川

名人戦棋譜速報

金曜日に行われたA級順位戦3回戦は、羽生vs渡辺、久保vs谷川といずれもゴールデンカード。その中でも順位戦初対決となる羽生渡辺戦は、王座戦を戦っている最中でもあり、注目の一番だった。

渡辺明竜王(2勝0敗)-△羽生善治三冠(2勝0敗)
羽生三冠がゴキゲン中飛車を採用。ゴキ中対超速3七銀の対抗形となった。後手は捌き重視の△3二銀型。角交換から先手が先に馬を作る形だが、△2五角から後手に抑えこまれ完敗。瞬間的に角桂交換の駒損でも指せるという羽生三冠の大局観が優った将棋だった。
羽生三冠快勝で三連勝。

久保利明二冠(0勝2敗)-△谷川浩司九段(2勝0敗)
久保二冠の石田流に後手は左美濃。途中までは先日の竜王戦▲久保△丸山戦と同じ将棋になった。

4五銀から6五歩と仕掛けるのも久保丸山戦と一緒。ただし、この仕掛けは先手が4連敗している。
本局も先手が好調に攻めているように見えたが、馬の利きが強く後手玉はなかなか寄らない。
逆に後手の玉頭からの反撃が厳しく後手優勢。最後までギリギリの攻防が続いたが、谷川九段が冷静に寄り切った。
この戦型は石田流が5連敗なので作戦の練り直しをしなければならないだろう。

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A級順位戦は現時点で羽生谷川が3連勝。羽生三冠のA級3連勝スタートは、A級1期目の52期以来18年ぶり2度目。森内俊之名人しか達成していないA級全勝なるか注目だ。渡辺竜王は1敗に後退したが、まだ先は長いので1差をキープして逆転を狙いたい。谷川九段は3期連続で3連勝スタートだが、前期、前々期は後半失速したので今年こそは最後までついていってほしい。

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[ 2011/09/19 23:00 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)

8月16日 竜王戦挑決第1局 丸山九段vs久保二冠

今期竜王戦の挑戦者決定戦三番勝負は1組優勝の丸山忠久九段対1組2位の久保利明二冠の対戦となった。どちらが勝っても初の竜王挑戦である。
先手久保二冠の3手目▲7五歩に丸山九段は角交換作戦。△8八角成▲同銀に今までは△2二銀が多かったと思うが、本局は△5四歩。▲5五角を防ぎつつ、銀を4二→5三と使っていく含みがある。(参考:今期銀河戦▲菅井△丸山戦)

この4手目角交換は△4五角と打つ筋を含みにして先手の石田流を牽制する作戦だが、それでも久保二冠は▲7四歩(7手目)と突いていった!後手が「石田流にさせないよ」と言っているにもかかわらず、何が何でも▲7四歩突くという強情な手だ。

実戦、丸山九段は△7四同歩と取らずに△6二銀と上がった。(棋譜に感想戦のコメントが追加され、△7四同歩のときの進行例が示されている)本譜でも、▲7三歩成△同銀で後手が手得なので不満のないところだろう。以下、相居飛車の力戦調の将棋になった。

先手は低く構えて金銀四枚で固め、後手は駒落ち上手のような陣形。中段玉から入玉を狙う。こういう将棋は丸山九段の得意とするところ。後手が4三玉(78手目)と上がった局面、先手は2四に作った拠点を払われそうで、△1五歩からの桂頭攻めもあり苦しそうだ。しかし、▲2三歩成(85手目)の成り捨てから先手が上手く攻めをつなげ、形勢は先手のほうに傾く。感想コメントによれば、玉を上がったところでは△1五歩~△3四金で2四の歩を払うことを優先したほうが良かったようだ。

最後は入玉寸前のところで後手玉を仕留めて久保二冠の勝ち。こういう居飛車の力戦でも勝てるのが久保さんの強いところだ。熱戦を制し、竜王挑戦に一歩前進。

第2局は8月31日に東京将棋会館で行われる。





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[ 2011/08/17 23:07 ] 竜王戦 | TB(0) | CM(0)