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第53期王位戦第1局 羽生王位vs藤井九段

王位戦中継サイト

藤井猛九段が羽生善治王位に挑戦する王位戦七番勝負。第1局から藤井ワールド全開の将棋となった。

千日手局棋譜→第53期王位戦七番勝負 第1局 羽生善治王位 対 藤井猛九段
藤井九段が後手で角交換振り飛車を採用したが、2日目の午後に66手で千日手が成立し指し直しとなった。千日手局で印象に残っているのは28手目△4二銀。


銀の動きだけでも二手損、序盤の角交換、飛車の途中下車も含めると四手損している。藤井九段にしか指せない将棋だと思う。この形(振り飛車美濃)は居飛車に玉頭の位を取られると勝ちにくいというイメージがあるが、藤井九段は△5三銀から相手の手に乗って矢倉に組み替えた。このあたりのまとめ方は上手い。局面が進むにつれ序盤の手損が関係なくなった。

△3八歩(46手目)と垂らしたところから局面が動いたが、結局千日手になった。先後どちらも打開する順がありそうだったが、打開できなかった。藤井九段としては後手番なので千日手歓迎という考え方もあっただろう。

千日手については色々な意見があるかもしれないが、観戦する側からすれば藤井先生の序盤がたくさん見られるのは良いことだと思う。

指し直し局は藤井九段先手で藤井システムになった。
指し直し局棋譜
角交換振り飛車も悪くないけどやはり藤井システムのほうが盛り上がる。対して羽生王位の作戦は△5五角急戦だった。△5五角に対しては▲4七金、▲4七銀もあるところだが、藤井九段が選んだのは▲4五歩。後手の囲い方が少し変だが、羽生さんが用意していた構想なのだろう。


▲8五桂(図)のあたりは振り飛車の模様が良さそうだったが、この桂跳ねが藤井九段曰く「敗着」。対する羽生王位の△6二飛が良い手だった。単に飛車を取っても大したことがないが、この2枚飛車の攻めは迫力がある。先手は△6六飛と走られたときの受け方が難しかった。藤井九段の▲5五歩もそんなに悪い手だとは思わなかったが、端に手をつけられると急に先手持って自信がない。手筋は▲2六歩と突くところだがそれができない。こうなってみると序盤の△2五歩、△1二香が生きている。

▲8七角、▲6九歩はすごい粘りだが、これでは辛い。あっという間に後手勝勢となっていた。以下は一方的な展開となり羽生王位の勝ち。

どこで振り飛車が悪くなったのか分からない、不思議な将棋だった。▲8五桂が「敗着」というのは結果論のような気もするが、藤井九段が言うように元々良くなかったのかもしれない。

規定により第2局は藤井九段が再び先手番となる。次の先手番も落とすと完全に流れが羽生王位に傾いてしまうので、藤井先生にはなんとか頑張ってほしい。
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[ 2012/07/12 22:46 ] 王位戦 | TB(0) | CM(0)

藤井渡辺の激闘/第53期王位戦挑戦者決定戦

王位戦中継サイト

昨日の王位戦挑決は凄い将棋だった。藤井猛九段が渡辺明竜王を破り挑戦者となったが、正直藤井九段が勝つとは思っていなかった。戦前の予想では8:2で渡辺挑戦だろうと思ったのだが、勝負は何が起こるか分かりませんね。

棋譜→第53期王位戦挑戦者決定戦 渡辺明竜王 対 藤井猛九段
藤井九段が後手で最近連投している角交換振飛車になるかと思ったが、4手目△4四歩からまさかの藤井システム。対して渡辺竜王はシステム対策の▲5五角から角を転回して持久戦策を取った。

序中盤は藤井九段のほうがが指しにくい将棋になった。7筋の位+3七の角が後手陣を睨んでおり居飛車の模様が良い。対して後手はまとめるのが難しそうだ。△3五歩(50手目)~△6三金は苦心の手順。先手の角筋を緩和してから△4六歩と突いて捌きに出る。

△4六歩からの仕掛けはやや無理気味だったが、飛車角を捌いて勝負形に持ち込むことができた。しかし今の竜王相手ではきっちり余されて一手負けになりそうだと思った。

あえて両取りをかけさせる▲3四歩(65手目)には驚いた。△6九銀には受けずに▲4二と。次に飛車を下ろして▲5二との"と金攻め"を狙う。▲4二とは「手勝ちを読み切った」と言わんばかりの堂々とした手だが、藤井九段の次の一手(三手)が好手だった。

△4一歩▲3二飛に△6二金引
藤井渡辺王位002

△4一歩(74手目)は受けの手筋で▲同とならば"と金"の位置が悪くなる。対して竜王は3二に飛車を打ち込んだが、"と金"を取らずに△6二金引がこれまた好手。この数手の応酬で形勢は後手に傾いた。

そこから得意のガジガジ攻めで先手玉に襲い掛かる。振り飛車必勝というところまでいったが、竜王も凄まじい粘りで決め手を与えない。藤井先生も何回か明快な勝ちを逃し怪しい雰囲気が漂う。▲7四桂(146手目)が入ったときは形勢が入れ替わったかと思ったがギリギリ後手が残していたようだ。最後は「一歩千金」△3八歩で先手玉を受けなしに追い込んだ。

それにしても、あの竜王相手に逆転勝ちできるとは思わなかった。最近は終盤で競り負けることが多かったが、この将棋は全盛期を彷彿とさせる迫力があった。藤井先生というと「序盤巧者だけど終盤は逆転負けが多い」というイメージがあるが、本当は終盤も強いんです。

藤井システムがというよりは、藤井猛が強かったという将棋だった。

最後に勝又六段のツイートを引用して締めます。



七番勝負でも鰻屋の鰻が見たいですね。相手は強敵だけどなんとか陣屋(6局、7局)まではもつれてほしい。
頑張れ、藤井先生!

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[ 2012/05/31 22:54 ] 王位戦 | TB(1) | CM(0)

B級1組8回戦 藤井システムで連敗脱出

4日(金)の順位戦B級1組。
実力者揃いのB1なので今期も混戦は予想されたが、藤井猛九段の6連敗は誰が想像しただろうか。

その藤井九段が中田宏樹八段戦、千日手指し直し局で藤井システムを採用した。

19手目、藤井九段がこの局面を指すのは2005年以来、なんと6年ぶりとのこと。

藤井システムの登場にTwitterでは将棋クラスタが大騒ぎ(笑)藤井システムのハッシュタグまで出来ていた。私は確認していないけど、TwitterのHOTワードで「藤井システム」が上位に来たらしい。藤井先生の人気の凄さを改めて実感させられました。

先手の藤井システムに対して中田八段は△7四歩~△6四銀から急戦。「準急戦」と呼ばれる形だが、最近では珍しいかもしれない。システム対策の急戦では、銀を6四に出る前に7筋を突き捨てて速攻で潰すというのが多い。本譜の準急戦も有力だが、緩やかな流れになるので先手の端の位が生きると思う。2八まで玉を囲えるのも大きい。

先手の捌きvs後手の抑え込みという戦いとなったが、振り飛車が上手く捌き、居飛車は6五に跳ねた桂馬をタダで取られてしまい先手優勢となった。玉形の差もありこうなっては居飛車が苦しい。

一番印象に残ったのが89手目の▲5九金打。控室は▲6三歩成で勝ちとみていたが、こちらのほうが手堅い。このあたりは最短の勝ち筋を探す控室と対局者の違いかもしれない。この手を見て「激辛三兄弟」という言葉を思い出した。藤井先生の絶対に負けないという気持ちが伝わってくる一手だった。

投了図、先手の2枚並んだ金が堅く後手から迫る手がないので投了もやむなし。
藤井九段がエース戦法で今期順位戦の初白星を挙げた。

一ファンとしてはほっとしたけれども、依然として厳しい状況なのでなんとか踏ん張ってほしいですね。

====================

その他の結果は以下の通り
畠山 鎮七段(4勝4敗)●-○行方尚史八段(6勝2敗)
鈴木大介八段(4勝3敗)○-●中村 修九段(1勝6敗)
深浦康市九段(4勝3敗)○-●阿久津主税七段(3勝4敗)
井上慶太九段(5勝3敗)○-●木村一基八段(4勝4敗)
山崎隆之七段(5勝3敗)●-○橋本崇載七段(5勝2敗)
(松尾歩七段は抜け番)

山崎橋本戦が好局だった。角換わりの熱戦となったが、最後はハッシーが山崎玉を37手詰みに討ち取った。

昇級争いは6勝2敗の行方八段が単独トップ。次いで橋本七段が5勝2敗で追う。
木村一基八段が4敗というのも信じられないが、まだ可能性は残っているので巻き返しに期待したい。

3敗、4敗勢も含めて最後まで混戦となりそうだ。

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[ 2011/11/06 08:00 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)

第61回NHK杯 01回戦08局 阿久津主税vs窪田義行

先手の阿久津主税七段は昨年度講座「あっくんの目ヂカラ~」でお馴染み。前期順位戦でB級1組昇級を決めたが、抽選時はB2だったので予選を勝ち抜いての本戦出場だ。対する松平義七郎行頼こと窪田義行六段。将棋だけでなく言動も個性的で、私の好きな棋士の1人だ。対局中の動きが大きく、喋り方も独特で、ある意味TV向きの棋士だと思う。本局は窪田六段の対局中の動きも鑑賞ポイントだろう。

後手藤井システム対右銀急戦の対抗形となった。端歩を突き越すこの形を指す棋士は限られており、今では窪田六段と室岡七段ぐらいだろうか。解説の松尾七段曰く「10年くらい前に指されていた将棋」。後手は大山流の△3二金で急戦を受け止める。△3二金では△3二飛もあり好みの分かれるところ。金を上がって受けるのはいかにも窪田流といった感じがする。

2011窪田阿久津001


先手は先に桂損したが、3筋を抑え、2筋に飛車を回っての反撃があり均衡が取れている。△5四金(上図)は▲2九飛に△4三飛の受けを用意したもの。形にとらわれない窪田流の金上がりだが、それでも▲2三歩成~▲3三歩成から2筋を突破して先手が優勢となった。

そこから数手進んで73手目の局面。

2011窪田阿久津002
▲3四桂と打って無理やりこじあける手もあったが、阿久津はじっと▲1四歩。意味は△3二銀に▲2三歩△同竜▲1五桂を用意したもの。後手は△7六金とプレッシャーをかけたがそこで▲7七銀と受けたのが好手。以下△7七同金▲同角で金銀を交換して8八の角も捌けて先手がさらに指しやすくなった。

97手で阿久津七段の中押し勝ち。投了の局面先手は角得で自陣が鉄壁なのに対し、後手は粘りようがない。窪田さんの将棋ということで長手数の熱戦を期待したが、(直近の銀河戦、vs野月戦では200手を超える大熱戦だったが・・・)阿久津七段の巧みな指し回しの前に最後は大差となってしまった。



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↑6月号のリレー自戦記は窪田六段。とても面白かったので未読の方は是非。


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[ 2011/05/22 21:31 ] NHK杯 | TB(1) | CM(0)

第60回NHK杯 藤井猛vs深浦康市

藤井深浦戦。過去の対戦成績は藤井の18勝7敗と大きくリードしている。実績的にはそれほど変わらない両者なので、この対戦成績は意外な感じもする。解説の鈴木大介八段は「深浦は藤井システムの犠牲者。この対戦成績は藤井システムの時の貯金でしょう(笑)」

藤井九段が後手番ということで、いつもの角交換振飛車かと思っていたが、4手目に角道を止めた。矢倉を警戒して先手が早々と▲2五歩△3三角を決めたので向飛車の選択肢もあったが、四間に振った!伝家の宝刀「藤井システム」だ!

対して深浦は▲3六歩~▲5五角、いわゆる「▲5五角急戦」で対抗。振り飛車側の出方によっては急戦でいきますよ、という作戦だ。これに△3二飛(28手目)~△4二角(30手目)も部分的には定跡だが、3七に角を引いていたので▲1五角のぶつけが生じてしまった。ここで時間を使うようではおかしい。藤井に見落としがあったか。

角交換に応じて、△2二飛と回るようでは「何をやっているかわからない」(藤井)序盤早々後手が駒組みに苦労する展開に。序盤巧者の藤井さんにしては珍しい。

先手は▲7五歩からの構想が上手かった。玉頭に位を取って模様勝ちを狙う。後手からの△7四歩の反発が気になるが、後手陣にスキが多いのでできないとみている。▲6八銀~▲7七銀右と引き付けて、さらに8筋の位も取る。角打ちを消すために5二に上がった金を4二→3二と動かしているようでは後手は辛い。下図は先手作戦勝ちの図。

深浦藤井1

ただ、先手も模様は良いが、実利を得ているわけではないのでまだこれからの勝負。これが位取り将棋の難しいところでもある。じっとしていると先手の模様が良くなるだけなので後手は5筋から動く。△4九角と打ち込んでやや無理気味でも迫る。飛車を成って何とか形にはなってきたが・・・

得意の一段金で迫る藤井だが、わずかに足らない感じ。しかし深浦も間違える。▲4三角成(85手目)では一度▲8三歩を利かすほうが優った。△8三桂が粘りある手で△7五桂跳ねもみている。接戦となったが、早逃げで凌ぎ▲5五桂と捨てたのが決め手。以下鮮やかな即詰みに討ち取った。投了図以下、△同玉に▲6六飛と回って詰みだ。

深浦九段が、藤井九段の序盤のミスを見逃さず、▲7五歩から位を取る構想でリードを広げ、最後は序盤の貯金を活かして逃げ切ったという感じの将棋だった。久しぶりの藤井システムということで興奮させられたが、藤井九段らしからぬミスで残念な一局となってしまった。でも、たまにはこういう四間飛車もやってほしい。次は期待してます、藤井先生!

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↑少し古い本ですが、藤井システム対右銀急戦を解説している数少ない定跡書です。 このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2011/01/24 08:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)