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第71期名人戦第3局 羽生三冠快勝

この2人は共に先手番での勝率が高いことで知られている。どちらが先に後手番を取るかが七番勝負の見どころだったが、第1局森内名人が後手番をブレイクし、その勢いで第2局の先手番も勝って連勝スタートに成功した。羽生三冠は今回の先手番を落とすと厳しい状況に追い込まれてしまう。

戦型は森内の2手目△8四歩から角換わり腰掛け銀。41手目▲1八香が最近の流行だ。

50手目▲3七角の局面は前例がいくつかあって、有名なのは1月18日の朝日杯▲村山△渡辺戦と同日の▲渡辺△郷田戦がある。
渡辺明竜王 対 村山慈明六段→棋譜 
渡辺明竜王 対 郷田真隆棋王→棋譜

渡辺郷田戦は△9二飛とかわしたが先手勝ち。村山渡辺戦は△6二飛以下▲3五歩の村山新手で先手優勢になったが村山が間違えて渡辺の逆転勝ち。本譜は△6二飛だった。前例で渡辺竜王は▲3五歩(55手目)に△同歩と取ったが、後手が苦しくなったので△1七角は修正案。

20130510羽生森内1
馬を作って入玉含みで受け切るというのが後手の構想だったが、結果的にこの馬は働かずに終わってしまった。

封じ手の直前は後手が手厚そうにも見えたが、▲1三香成(65手目)から先手の攻めが続いた。▲1四同飛に森内名人は長考の末△1一香(70手目)。解説の渡辺竜王曰くひねった受け方だが、この受けでも先手の攻めは途切れなかった。

91手で羽生三冠の圧勝。2日目はどう指しても後手が苦しそうな感じだったので、敗着は1日目まで遡るのだろう。今後この形は出てこないかもしれない。

羽生三冠はこれが今期初勝利。今週発売の某週刊誌に書かれていた不調説を払拭する完璧な内容だった。依然として森内名人有利な状況だが、次も勝てば流れは変わると思う。渡辺竜王が言っていたように第4局が両者にとって大事な一局となるだろう。
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[ 2013/05/11 07:30 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(1)

棋王戦第4局 渡辺明三冠達成!

棋王戦中継plus: *第38期棋王戦五番勝負第4局
棋譜→第38期棋王戦五番勝負 第4局 郷田真隆棋王 対 渡辺明竜王

昨日行われた棋王戦第4局。結果から先に書くと渡辺明竜王・王将が郷田真隆棋王を破って3勝1敗で棋王奪取、自身初の三冠を達成した。将棋界での三冠王は升田、大山、中原、米長、谷川、羽生、森内に次いで8人目となる。

渡辺の2勝1敗で迎えた第4局。戦型は渡辺先手で角換わり腰掛け銀になった。今回の五番勝負は、第1局相掛かり、第2局横歩取り、第3局矢倉、そして第4局角換わりと色んな味が楽しめて面白いシリーズだった。

後手は△7三桂を保留する専守防衛型。41手目▲1八香が最近の流行で、以前は▲2五桂△2四銀▲2八角の将棋が多かったが、後手の勝率が良いため先手は避けるようになった。43手目までは1月の朝日杯▲渡辺△郷田戦と同じ将棋だったが、郷田の△9二香でその前例と離れる。
対して先手は長考の末に▲4五歩△同歩▲同銀と仕掛けた。この攻めが繋がるかどうか。

20130324渡辺郷田1
▲5三桂成(51手目)に郷田棋王は2時間24分の長考で△5三同金。先日のA級順位戦渡辺戦での3時間の大長考を思い出した。その将棋は郷田が渡辺の攻めを受け切った名局だったが、本局は渡辺の攻めが切れそうで切れなかった。

20130324渡辺郷田2
局面は進んで終盤。▲3六桂(87手目)に郷田は△7八飛成!と切って勝負に出る。▲同玉に△4五角の王手桂取りが狙いだが、飛車を切ったことで先手玉も寄りがなくなった。感想コメントによると飛車切り以降は後手に有力な変化は見つからなかったようだ。その前の△3六馬(70手目)のタイミングも疑問で先手に一歩余計に渡してしまい形勢を損ねた。

この後、将棋は157手まで続き最後まで熱戦となったが、渡辺竜王が押し切った。途中は郷田さんが受け切れそうに見えた時間もあったが、竜王の攻めが最後まで淀みなかった。

===============
年が明けてから、渡辺竜王は王将棋王のダブル挑戦で過密日程の中戦ってきた。この3ケ月で20局以上の対局をこなした。タイトル戦の場合、これに加えて移動日、前夜祭もある。対局過多による疲労が心配された。

2月上旬は特に多忙だった。1日にA級順位戦羽生戦、3日に棋王戦第1局郷田戦(長野)、6日に王位リーグ佐藤康戦、9日に朝日杯準決勝・決勝、11日に棋聖戦行方戦、13日に王将戦第3局(岩手)、と休む暇もなかった。そしてこの間、羽生、郷田、佐藤に3連敗を喫した。この時は正直「三冠獲るのは厳しいだろうな」と思った。しかし、竜王はこの程度で挫ける男ではなかった。3連敗で迎えた朝日杯では見事優勝。その勢いで王将を奪取し、NHK杯でも優勝した。そして今回三冠達成。改めて渡辺竜王の精神力の強さ(本人は精神論を否定するが)を感じた3ケ月間だった。

これで将棋界のタイトル保持者は森内名人、羽生三冠、渡辺三冠の3人となった。次は羽生vs渡辺、三冠同士の直接対決が見たい。渡辺さんには棋聖戦、王座戦で挑戦者になれるよう頑張ってほしい。

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[ 2013/03/25 07:30 ] 棋王戦 | TB(0) | CM(0)

第25期竜王戦第3局

竜王戦中継Plus
まずはじめに、第3局について神崎健二七段が書いているブログが面白いので紹介。
竜王戦第3局、角換、先手からの変化 - ある棋士の日常 2

今まで角換わり腰掛け銀は後手番が工夫の手を出すことがほとんどで先手番から手を変えるということが少なかった。これはその通りだと思う。だが、今回の竜王戦は先手の丸山九段が新手を出す展開になっている。丸山九段の工夫が実るかがこのシリーズの見所となっている。

棋譜→第25期竜王戦七番勝負 第3局 渡辺明竜王 対 丸山忠久九段
第1局は△7三桂保留型の角換わり腰掛け銀だったが、本局は△6五歩型の将棋になった。丸山九段の▲8八玉が早かったが、竜王の△6五歩を誘った意味があるのかな?▲8八玉で▲6六歩なら第1局と同じ形になってただろう。この6筋位取りはここ数年渡辺竜王が得意としている指し方である。

後手の6筋の位に対していきなり▲6六歩(41手目)と反発するのが丸山九段の新構想。その一手前の▲5九金が珍しかったが、この▲6六歩~▲6八飛の反発を用意したものだった。ただ、このバラバラの陣形で動くのはリスクも高そうだ。

△4二銀に先手は貴重な一歩を使って▲6三歩と叩く。△同銀に▲7七銀△6四歩▲4八飛。(ここで封じ手)後手は一歩得したが、二枚の銀と飛車の動きで損している。後手玉のコビンが開いて飛車銀が重くなってるこの瞬間を狙って4筋から仕掛ける。これが丸山さんの狙いだったのだろう。

丸山渡辺253_001

封じ手は桂頭を攻める△3五歩だった。対して丸山九段は▲4五歩と突いて大決戦になった。△5四金に2時間の大長考で▲2五桂と跳ね△3七歩成には▲4五飛と切って先手の攻めが続く。

先手が攻め、後手は入玉含みでしのぐ。この戦型の後手番ではよくある展開だ。先の名人戦でも角換わりで後手が入玉を目指すという将棋があった。

丸山渡辺253_002
王手竜取りがかかった後の△3六と!が本局最も印象に残った一手。後手はこのと金で攻め駒を掃除して上部脱出を狙う。しかし、2五の桂馬を取りきるまでに手数がかかるのでなかなか指せない手だ。本譜は先手の▲1五歩がぬるかった(?)ため桂馬を無事取りきることができた。

先手が寄せ切ることができるか、後手が入玉できるか。難解な終盤戦になった。後手玉が捕まりそうで捕まらない。先手にもう1枚歩があれば▲3八金(89手目)で▲3八歩と打ったり、▲4七歩と合わせる手があるのだが、歩切れなので寄せ方が難しい。そうこうしているうちに「逆転」してしまった。

丸山渡辺253_003
▲1四角(101手目)では控室でも指摘されていた▲4七角が優ったようだ。本譜は際どく逃げ切って渡辺竜王の勝ち。

<追記>しかし、▲4七角△3七玉の変化でも△3四角と受けると後手玉は寄らなかったらしい。
竜王戦中継plus: 後手玉は寄らなかった?

最後は丸山九段のほうに何か勝ちがありそうだったが、持ち時間がないのも影響したかもしれない。6筋の飛車銀が全く使えてないのに後手が勝ってしまうという不思議な将棋だった。これで勝つんだから竜王は強い。

丸山九段が序盤から工夫を見せて面白い将棋だった。ようやく二日制らしい内容の濃い戦いを楽しむことができた。それだけに最後丸山さんに勝ってほしかったが、渡辺明の壁は厚かった。

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[ 2012/11/10 08:31 ] 竜王戦 | TB(0) | CM(0)

第25期竜王戦七番勝負第1局 渡辺圧勝

竜王戦中継plus

渡辺明竜王に丸山忠久九段が挑戦する七番勝負が始まった。昨年の七番勝負は丸山先手で角換わり腰掛け銀、渡辺先手のときは後手一手損角換わりの角換わりシリーズだった。今年も再び角換わりシリーズになりそうだ。

棋譜→第25期竜王戦七番勝負 第1局 渡辺明竜王 対 丸山忠久九段
振り駒の結果丸山九段が先手となって初手▲2六歩。対して後手の渡辺竜王はいつものように△8四歩を突く。3手目▲7六歩から予想通り角換わり腰掛け銀の将棋になった。

後手の作戦は△7三桂保留型。今期名人戦の第2局、第6局でも指された定跡形である。後手が飛車を切って△4六金と打つところまではおなじみの形。定跡形なので両者ともに指し手が早い。特に渡辺竜王は74手目までに46分しか使っていない。1日目の午前中で75手目まで進んだ。まるで1日制のタイトル戦のような速さだ。

丸山渡辺竜王251_001

74手目まで前例は一局。先月29日に指された▲豊島△渡辺戦で結果は千日手だった。その豊島渡辺戦は△7五歩に▲8五銀とかわしたが本譜は強く▲7五同銀。△7六歩を打たれても大丈夫なのだろうか。ちなみに豊島渡辺戦は▲8五銀以下、△9三桂▲9四銀△7六歩▲2三歩△同玉▲2一竜△2二金▲5一竜△3二金右▲4一竜と進んでいる。▲8五銀でも△7六歩を打たれてしまうので難しいところ。取れそうな桂馬を△9三桂と活用されるのが不満だったのかもしれないが、結果的に新手は不発に終わった。

▲2三歩に△同金(76手目)は形が悪くなるので意外だった。△3二金までは渡辺竜王の想定の範囲内だと思う。
△2三金の形に隙ありと見て先手は角をぶつけたが、上手くいかなかった。逆に△3三角と先着されてしまったのでこの角交換は先手が損だったと思う。△3二金に▲4四角が成立しないのが丸山九段の誤算だったようだ。

丸山渡辺竜王251_002

△3三角に▲4四歩(87手目)と垂らして封じ手。しかし、ここでは既に大差で後手優勢だったようだ。封じ手の△6五桂から△5七金(94手目)が厳しく先手は受け切れなかった。

106手で渡辺竜王の勝ち。終局は13時58分。昨年の第1局が14時14分の終局だったが、それよりも早い。竜王戦七番勝負史上最も早い終局だった。

終盤の捻り合いを期待していたが、一方的な展開になってしまったのは残念。角換わりのスペシャリスト相手に何もさせなかった竜王の指し回しは見事だとは思うが、物足りなさの残る将棋だった。

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[ 2012/10/17 07:30 ] 竜王戦 | TB(0) | CM(0)

第70期名人戦第6局 森内名人vs羽生二冠

第5局まで先手勝ちが続いていた今期の名人戦。最終局の振り駒勝負になるかと思われたが、第6局森内名人が後手番でブレイクし防衛を果たした。

2手目△8四歩シリーズとなっている今期の七番勝負。本局は森内名人の△8四歩に羽生二冠が3手目▲2六歩を選んで角換わり腰掛け銀の将棋になった。後手の作戦は第2局と同じ△7三桂を跳ねない専守防衛型。第2局は△2七金の新手が不発で森内名人の完敗だった。本譜はその△2七金ではなく前例の多い△4六金から△2六角とした。後手は上部を厚くして入玉を視野に入れている。「入玉」がこのシリーズにおける後手番のテーマとなっているが、ここまで結果は出ていない。

羽生森内70-61

本局はここから森内名人が驚きの構想をみせた。それが68手目の△3六金。大駒を押さえ込むために打った金を動かすので浮かびにくい手ではある。4六に桂を打つスペースを作ったのがこの△3六金の意味だった。いかにも森内さんらしい手厚い指し方だと思う。対して羽生二冠は▲2四歩。1日目にして終盤戦の様相を呈した。

羽生森内70-62

局面は進んで79手目、銀取りを受けて▲6九銀と引いたが、△7五歩が厳しく先手を持って自信がない。▲6九銀では▲1七角とぶつけてから▲4四桂と金を攻めるほうが良かったようだ。その前の▲5一竜もどうだったか。▲1一竜だと手番を渡してしまうので本譜の順を選んだのだろうが.

▲6三と(85手目)は流石の勝負手だが、△3八桂成▲5三と△4九成桂▲5四と△5九角成に▲5五角が詰めろにならない。一直線の寄せ合いは先手負けということで羽生二冠が苦しくなった。
羽生森内70-63

本譜は△5九角成(90手目)に▲6八銀と受けたが△6七歩成と成り捨てる手が厳しい。以下も難解な終盤戦が続いたが、名人は正確な寄せで押し切った。水面下には際どい変化がいくつもあったが森内名人が間違える雰囲気はなかった。こんなに強い人が去年11連敗していたとは信じられない。

===============

開幕前は羽生二冠の奪取を予想する声が多かったと思う。それもそのはず。かたやA級順位戦全勝の挑戦者に対して、森内名人は半年勝ち星がなく、勝率は3割台と苦しんだ。局後のコメントを読むと名人本人も厳しいのは自覚していたようだ。
しかし、名人戦の森内は強かった。6局通じて安定感があった。勝った4局はいずれも羽生さんの追い上げが凄かったが、名人は全く動じなかった。

こういう森内名人らしい将棋が(名人戦以外でも)もっと見たい!今年は他の棋戦でも活躍してほしいですね。

局後の森内名人の記者会見はこちらから↓
将棋名人戦第6局2日目ダイジェスト(朝日新聞デジタル)

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[ 2012/06/15 22:22 ] 名人戦・順位戦 | TB(1) | CM(0)