スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

人生“中盤”の一手~奨励会昭和57年組

昨日NHKで、ドキュメンタリー同期生「人生“中盤”の一手~奨励会 昭和57年組」が放送された。

昭和57年組とは、昭和57年にプロ棋士の登竜門である奨励会に入会した人達のことを指す。彼らの中から羽生善治三冠、森内俊之名人、佐藤康光九段、郷田真隆九段ら8人のプロ棋士が生まれた。名人を3人(森内、羽生、佐藤)も輩出した黄金世代だ。

昭和57年度奨励会入会者
http://www.ne.jp/asahi/yaston/shogi/syoreikai/douki/S57nyukai.htm

その一方で多くは年齢制限で奨励会を退会し、別の道を歩むこととなった。
↑のホームページに昭和57年入会組の名簿が載っているが、入会者24人のうち四段昇段したのは8人。残りの16人はプロになれず奨励会を去った。その中の1人が秋山太郎さん(46歳)。奨励会入会試験では羽生に勝利。周囲からはプロ入り間違いないと言われていたが、三段時代、大事な対局で自分より勝率の低い相手に負けることがあり結果を残せなかった。

秋山さんは現在都内のレコード会社で経理課長を務める傍ら、アマ棋戦にも出続けている。アマチュアのタイトル戦で優勝すれば年齢に関係なく奨励会(三段リーグ)編入試験を受けられるようになった。
放送では触れていなかったが、秋山さんは過去に2度「三段リーグ編入試験」を受験している。結果は不合格だった。それでもなお挑戦し続けている。「自分が20年前に出せなかった結果を出しに行く」と秋山さんは語る。

一方、プロになれたものの勝負の世界の厳しさを実感している同期生もいる。
豊川孝弘七段、46歳。羽生森内らが10代から活躍していたのに対し、豊川が四段になったのは24歳と遅咲き。それでも徐々にトップとの差を詰め、18年掛けてB級1組に昇級した。しかし、2年でB級2組に降級。収入も減った。現在は副業として知人の経営する道場で指導対局を行っている。

今年の名人戦は森内と羽生の同期生対決だった。第5局、森内は前例を覆す新手△3七銀(ponanza新手ですね)を出し快勝。同期森内の将棋に対する姿勢を見た豊川は改めて自分の将棋を見直した。「自分は勝ちたい、勝ちたい、邪念の塊なんですよね。」と豊川は語る。

秋山さんは7月にアマチュア名人戦の東京予選に出場した。2連勝したが3局目で敗れ決勝には勝ち進めなかった。今回はアマタイトルを取る目標は叶わなかったが、今後も挑戦を続けるそうだ。

豊川は一歩ずつ上を目指す決意を新たにしていた。「先も長くない。もしかしたら終わってるかもしれない。でもやってる限り、少し上でも目指す」と語る。今期の順位戦はここまで2勝1敗。3回戦では若手有望株の稲葉陽を倒している。もう一度上を目指して頑張ってほしいと思う。

羽生森内といった勝者ではなく、「敗者」にもスポットを当てた良い番組だったと思う。
普段の豊川プロはオヤジギャグを連発するような明るく陽気なキャラだが、この番組では暗く鬱屈した一面が描かれていた。対局に負けて一人暗い夜道を帰るシーンはグッときました。

この「ドキュメンタリー同期生」は月曜日に放送された相撲回も良かったので是非定期化してほしいなと思います。
スポンサーサイト
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2013/08/14 20:30 ] 将棋 | TB(0) | CM(0)

第37期棋王戦第1局 久保棋王先勝

棋譜:第37期棋王戦五番勝負 第1局 久保利明棋王 対 郷田真隆九段

久保利明棋王vs郷田真隆九段の棋王戦が開幕した。

昨年の棋王戦では強敵渡辺竜王を圧倒し防衛。第4局の△7六玉は今でも強く印象に残っている。しかし今年はいまひとつ調子が伸びない。王将戦で2連敗スタート、順位戦でも降級の危機に瀕している。心配しているファンも多いだろう。

対する郷田九段は名人戦以来3年ぶりのタイトル挑戦。棋王戦は14年ぶりの登場となる。郷田九段というと名人をあと一歩で逃したというイメージが私の中では強い。安定して強いけれどもここ一番で弱いという印象があるが、それを克服できるか。

===================

将棋は久保棋王のゴキゲン中飛車に郷田九段の「超速」の対抗形となった。後手が△4四銀型を選んだため持久戦になった。先手は相穴熊もあったが左美濃から銀冠に構える。

後手は△6二飛(34手目)から6筋を争点にして動く。コメントにもあるように中飛車からこの形になるのは珍しい。先手は▲8五歩~▲8六角~▲7七桂と組みたいが、それをけん制する意味があるのだろう。

先手が3筋からの仕掛けを自重し、穴熊に組み替えたことで長い中盤戦となった。タイトル戦らしいジリジリとした展開が続く。このあたり形勢は難しいが、後手が左の金銀を囲いに近づけることができたのに対し先手は4六の銀が遊んでいて歩切れなので少し苦しい。


先手が▲9六銀!と囲いを崩して玉頭攻めをみせたのに対し、後手は△7三桂と穴熊の桂馬を跳ねる。出ました!久保利明の「パンツ脱ぎ」。しかし、この2手を予想できた人はほとんどいないだろう。結果的にはこの桂跳ねが好手となった。先手は遊んでいる銀を5五に出るがすぐに追い返されてしまう。依然として歩切れで先手苦しい。


▲5六歩(91手目)~▲5五歩もすごい。郷田さんらしい手で格調高い。普通は▲2四飛だけどそれではダメなのだろう。遊んでいる4六の銀を使わずには勝てないとみたが、後手に5筋から捌かれて形勢ははっきりした。

そこから郷田九段も必死の粘りで頑張ったが、久保二冠が着実な寄せでそのまま押し切った。△7六歩(134手目)が「味良し道夫」の決め手。

△7三桂の「パンツ脱ぎ」から久保ワールド全開という内容で、久しぶりに久保さんらしい将棋を見たような気がする。この白星が薬となって調子も上がっていくだろう。

以下余談。この将棋はニコ生でも中継されていたが解説の豊川孝弘七段が面白かった。まぁ面白いのは前から知ってたけど。いつものようにオヤジギャグを織り交ぜながら分かりやすい解説だったと思う。ギャグのレパートリーがあんなに沢山あるとは思わなかったwこの将棋は中盤が長かったので豊川解説でなければ皆退屈したんじゃないかな?

ちなみに、この放送で出てきたギャグはWikipediaに「オヤジギャク履歴」として詳しくまとめられているのでそちらをご覧ください(笑)

豊川孝弘 - Wikipedia

豊川先生はトークが上手いのでニコ生向きだと思う。また機会があれば解説してほしいですね。

将棋世界 2012年 03月号 [雑誌]将棋世界 2012年 03月号 [雑誌]
(2012/02/03)
不明

商品詳細を見る

↑挑戦者・郷田真隆九段へのインタビューは必見
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/02/06 22:17 ] 棋王戦 | TB(0) | CM(0)

渡辺まさかの頓死 - JT将棋日本シリーズ決勝 渡辺竜王vs羽生二冠

JT杯決勝、現地で観戦して来ました。

今期の決勝は、連覇を目指す羽生善治JT杯と、初めて決勝に進出した渡辺明竜王・王座の対戦。

今の将棋界を代表する両雄の対戦。解説の豊川孝弘七段は「僕が今一番見たい対戦カード」と言っていたが、会場のファンも同じ気持ちだったと思う。私もハイレベルな熱戦が観られることを期待して現地に向かった。

振り駒の結果、先手となったのは渡辺竜王。▲7六歩に2手目△8四歩で次の3手目が注目されたが▲6八銀から相矢倉戦となった。

▲4六銀・3七桂の定跡形から後手が△8五歩と伸ばす形。△8五桂がないのでこの場合先手は穴熊に囲う。最近では今年の名人戦第4局が本局と同じ進行。現代矢倉のテーマ図とも言うべき局面。両者ともに研究会等では数え切れないほど指しているだろう。

図から▲3五同角に△3四歩▲7九角△3五桂という進行が多いが、渡辺竜王は先に▲1五香と走る。

以下△2五桂▲1一香成△3七歩▲1八飛△1七歩で封じ手の局面。
封じ手では▲3五角もあったが、▲2八飛。▲2八飛△1六桂の交換を入れてから3五の銀を取った。飛車を取られるにしても桂馬を1枚使わせたほうが得と見たのだろう。飛車は取られたが端を破って先手好調。3筋に香車が打てるのも大きい。

対して後手は8六突き捨ててから飛車を打って反撃。しかし先手も1三の馬が受けによく利いている。
後手は△5六歩(86手目)~△5七銀で迫るが、先手からも▲5五桂がある。激しい攻め合いとなった。

図から竜王は▲4三桂成△同金▲2三馬。「王手は追う手」で玉を逃がしているようだが、▲3三香成がある。
「そうか、越谷、千住の先かぁ、▲3三香成がありますね」(豊川七段)金銀を拾って先手のほうが速そうだ。

待望の△5五角がようやく実現したが・・・

▲7九金打とガッチリ受けられて、後手の攻めが切れたと思った。
羽生さんの手が止まり、苦しそうな表情を見せる。1分×5回の考慮時間もついになくなる。
ここで羽生二冠は△7八桂成▲同金△6七金!

最後の考慮時間を使って指された渾身の勝負手△6七金。
この手を見て今度は渡辺竜王が頭を抱えた。そして間違えてしまう。

▲7一銀(111手目)が敗着となった。
2011112018400001 (1)
△8六飛と切られて、▲同歩に△7七角成▲同桂△7九銀以下先手玉が頓死。解説が加藤一二三先生だったら「ひゃー」と声を上げてたかもしれない。歩一枚しか余らないぴったりの詰み。

感想戦では触れられなかったが、▲7一銀では▲7五桂△同歩▲7四銀△同玉▲7五銀以下の即詰みもあったようだ。(Twitter上で教えていただきましたm(__)m)しかし、これを30秒で読み切るのは難しい。これが早指しの怖さですね。

感想戦で検討されたのは▲5七金と"と金"を払う手。△6八飛成があるが▲7八金と受けて、3四の馬が受けに利いているので先手優勢だった。

△6七金はまさに「羽生マジック」という感じで、最後は観ていて興奮した。
「歴史に残る一局となったかもしれない。一生忘れられない一局となりましたね、と言いながら明日には忘れてたりするんですが(会場笑)」(豊川七段)

劇的な幕切れで羽生JT杯が2連覇を達成。羽生二冠の凄味を間近で感じた一局だった。

羽生さん、JT杯2連覇おめでとうございます!!

※棋譜はJT将棋日本シリーズの公式サイトをご覧ください
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2011/11/21 20:30 ] JT杯将棋 | TB(0) | CM(0)

第69期順位戦B級1組第12回戦

佐藤康光九段が既にA級復帰を決めているB級1組。2人目の昇級枠を掴み取るのは誰になるだろうか?

注目局だけ感想を書きます。

山崎隆之七段-△深浦康市九段
昇級の可能性を残す両者の対戦。先手の山崎七段が、得意の相掛かり引き飛車棒銀を採用した。後手は△8四飛型で△3三角と上がる最もオーソドックスな受け方。対して先手は▲6六歩(33手目)から矢倉に組む。

途中5筋に飛車を回った先手だったが、動いた割には戦果は得られなかったようだ。端攻めもからめて後手の深浦がリードを奪う。

終盤△9八飛~△7七角成が鋭い寄せで深浦の勝ちとなった。終局時点ではわずかに昇級の可能性を残した深浦だったが、他の結果(松尾勝ち)によりA級復帰の目は無くなった。山崎は5敗に後退しこちらも昇級戦線から脱落。開幕当初、深浦九段を本命視していた自分としては前半戦の連敗は意外だった。しかし、そう簡単には転ばないのが深浦康市という男。後半の追い上げは流石だった。

佐藤康光九段-△豊川孝弘七段
この2人は奨励会同期だが、(四段になってから)これまで2回しか対戦は無く、成績は1勝1敗。順位戦では初の対戦である。豊川プロにとって佐藤康光は常に前を行く存在だった。佐藤康光「名人」の時代、豊川プロはC級2組でもがき苦しんでいた。プロ二十年目にしてついに実現した順位戦での佐藤康光戦、既に降級が決まっているとはいえ、相当気合が入っていただろう。

戦型は先手佐藤九段の石田流。佐藤九段の3手目▲7五歩が公式戦初というのが意外だった。ここ数年角交換型の力戦振り飛車を多投している佐藤九段なので、(3手目▲7五歩からの)石田流も一局ぐらいやっててもおかしくないと思っていたからだ。本局石田流を採用したということは、来期A級に向けて芸域を広げようとしているのだろうか。

後手が端を突き越して先手は穴熊、後手は銀冠に構えた。飛車角交換から互いに飛車を打ち込む。こういう捌きあいになると穴熊の堅さが生きる展開になりそうだが、豊川七段の△7一歩(58手目)が気づきにくい好手。ここで稼いだ一手が大きかった。△2四桂を先着し、穴熊崩しの準備完了。そこから露骨に桂馬のおかわりで穴熊を崩していった。先手も穴熊流の怒涛の攻めで後手玉に迫ったがあと一歩及ばず、後手の一手勝ちとなった。

豊川七段が意地を見せた一局。来期B2に降級してしまうが「なんちゃって」と言わずにまだまだ頑張ってください!

▲松尾歩七段-△中村修九段
初手▲2六歩に△3二金のオープニングから変則的な相掛かりとなった。香車を成り捨ててから▲6三銀(67手目)が凄い手だった。控室の感想コメントも面白い。しかし、中村九段は渋い受けで決め手を与えない。「受ける青春」真っ盛り、形勢は中村優勢と言われていた。しかし、急転直下、116手目△6三桂と決めに行ったところ、中村玉が頓死してしまった。

際どい勝負を物にして松尾七段がA級昇級に望みをつないだ。

屋敷伸之九段-▲井上慶太八段
対局前は2番手につけていた屋敷九段。対する井上八段は後半失速し4勝6敗、降級の可能性を残している。
後手の屋敷九段の横歩取り8五飛、最近流行の5二玉型中原囲いを採用した。端を突き捨ててから▲2一角の両取りの筋があるのが5二玉型の弱点だが、その筋を△2三銀と上がって先受けする。手順は異なるが今期A級の谷川丸山戦と同様の進行。

形勢が二転三転した将棋だった。途中は井上優勢と言われていたが、その後、自玉の右辺を固めた屋敷が優勢に。しかし▲4五香(103手目)の田楽刺しが厳しかったようで再逆転。実際のところ形勢は微差だったのではないか。

屋敷九段は敗れて、最終戦松尾七段との直接対決に悲願のA級昇級をかけることになった。

さて、12回戦が終了して成績は以下のようになった。

【9勝3敗】佐藤康(2位)※昇級
【7勝4敗】松尾(5位)、屋敷(7位)
【6勝5敗】深浦(3位)、山崎(6位)
【5勝6敗】井上(1位)、行方(4位)、鈴木(8位)、(ここまで残留)
 畠山鎮(11位)、中村修(12位)、中田宏(13位)
【4勝7敗】杉本(10位)
【3勝8敗】豊川(9)※降級

最終戦、松尾屋敷の直接対決の勝者がA級昇級となる。降級争いは下位の4人に絞られた。

前回11回戦終了時の更新で「降級の可能性が残っているのは4勝6敗の井上、鈴木、杉本、畠山の4人」と書いてしまったが誤りでした。5勝5敗の中村九段、中田八段にも降級の可能性は残っていました。該当記事は削除させていただきました。以後気をつけます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2011/02/06 12:02 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)

第60期NHK杯 中座vs豊川

久々にNHK杯を観戦

先週から第60期がスタートしたNHK杯テレビ将棋トーナメント
今日は、B1昇級で今期から予選シードとなった豊川孝弘七段に、「8五飛戦法」の創始者として有名な実力者中座真七段の対決だ。

戦型は先手中座の相掛かり棒銀。横歩取らせ8五飛で有名な中座さんだが、相掛かりもよく指す。
対する豊川は8五飛と浮いて銀の動きをけん制する作戦に出た。

棒銀が上手くいかないと見て中座が▲4五銀~5六銀と中央に活用する方針に切り替えた手に対し
豊川は端から手を作る。部分的には昨年の山崎vs羽生の王座戦でも現れた端攻めだ。ここから後手が9筋にと金を作ることに成功し、ややリードを奪ったか。
と金寄りが間に合わないように先手は激しく攻め合う。角金交換から竜を作るのに成功したが、攻防の自陣角△3二角~△2三角打で竜を消されてしまう。これでは先手辛い。

しかし、中座も苦しいながらも粘り、7二銀型中住まいの弱点でである4筋と5三の地点に狙いをかけたが8筋方面に上手く逃げられてしまった。その前に8二に作った成香を抜かれてしまったのが痛かった。豊川の手厚い寄せが決まり、154手の激戦の末豊川七段の勝ち。


終盤、ハンカチを食いしばって対局する豊川が印象に残った。何度も噛むのでちょっと面白かったが、豊川の気迫が画面越しに伝わってくるようだった。やはり豊川さんは色んな意味で「魅せてくれる」棋士だなぁと思う。


↑今日の将棋にも出てきた棒銀vs△8五飛の対抗型もフォローされている相掛かりの最新定跡書。「解説名人」の野月七段の著書だけあって非常に丁寧で分かりやすいです。

このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2010/04/11 20:18 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)