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女子オープン第1局 甲斐vs上田 超速3七銀

マイナビ女子オープン(中継サイト)

甲斐智美女王に上田初美女流二段が挑戦するマイナビ女子オープンが開幕。
今回が2度目のタイトル挑戦となる上田女流二段。近年成長著しく各棋戦で上位に進出しているが、里見甲斐の両タイトルホルダーに大きく負け越している。甲斐女王との対戦成績はこれまで2勝8敗。ここで世代の近い二人との差を詰めたいところだろう。

両者振り飛車党だが、本局は先手の上田が居飛車を選択、対して甲斐女王はゴキゲン中飛車を採用し、対抗形の将棋となった。

20110405上田甲斐11手

先手は、昨年度升田幸三賞を受賞した「超速3七銀戦法」。現在ゴキゲン中飛車対策として最も人気のある、エース戦法である。

ちなみに、上図の局面は平成22年1月から今年2月2日まで公式戦で117局指され、先手の56勝61敗(※1)、ほぼ互角だが、居飛車側が負け越しているのは意外な感じもする。この「超速」は序盤から主導権を握れて、決まったときの破壊力がある。その一方で玉は薄いので勝ちきるのは大変。また歩越し銀は本来良くない形なので、うまく攻めないとカウンターを食らって失敗に終わってしまう。

本局も終盤で居飛車の玉の薄さが響いたように思う。53手目▲4二銀は両取りだがそれほど厳しくない。「両取り逃げるべからず」で、△5七歩~△2八飛が厳しい。振り飛車の攻めのほうが速く甲斐優勢。▲3一飛にも受けずに△5八銀で振り飛車勝ち。格言にあるように「箱入り娘は手がつくと早い」。

本譜は△5八銀でなく△4一桂(60手目)だったが、これも落ち着いた手で、甲斐女王が優勢のようだ。

しかし最終盤、まさかの見落としがあって頓死。
最後は簡単な7手詰めだったので、ちょっと信じられない。

逆転で上田女流二段が白星スタート。この幸運を生かすことができるか。

※1 『将棋世界 2011年4月号』「最強久保振り飛車 さばきのエッセンス」より引用


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(2011/04/02)
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↑挑戦者・上田女流二段へのインタビュー記事が良かったです。これから応援したくなりました(←今までは応援していなかったのか?笑)



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[ 2011/04/06 07:00 ] 女流 | TB(0) | CM(0)

第60回NHK杯 佐藤康光vs久保利明 

昨年、一昨年の棋王戦五番勝負で熱戦を繰り広げたライバル対決だ。過去の対戦成績は21勝21敗の五分。

予想通り、後手番久保二冠のゴキゲン中飛車。先手の「超速3七銀」急戦に後手は王将戦でも採用した△3二銀型。

後手の5筋交換に対して先手が角交換、互いに馬を作りあう力戦調の将棋となった。お互い一手一手が難しい。
観てる側からしても難しい将棋だったが、中村修九段の解説が分かりやすかった。

37手目、▲4五歩と4四銀出を防いで位を取った局面。先手の3五の馬が好位置で美濃囲いに組むのはのちに▲6二銀と打たれる隙ができてしまう。そこで後手は△9二香(46手目)から穴熊に囲った。対して先手は抑えこみ。▲6六金は棋譜だけ見ても「佐藤康光でーす」という声が聞こえてきそうだ。

後手の穴熊に対して、先手は地下鉄飛車の構想をみせる。この動きを察知した久保二冠は遊んでいた銀を引きつける。4二の銀を7三に持ってきたことで上部にも強い穴熊になった。先手は動いた割には8筋の歩を交換するのみに終わってしまった。△8三歩を打って「後手は一安心」(中村九段)

後手は「てっぱん」の穴熊に組めたが、後手からの動き方も難しい。そこで△7一飛と回って逆に7筋からの反撃を見せたが、▲6八玉と寄ったのが好手。『将棋世界』の企画での里見香奈女流戦を思い出す変幻自在の玉捌き。後手は△7一飛と回った手が空振ってしまった。玉頭方面から攻めても先手玉が広く5七→4八と逃げられる。▲6八玉と寄った局面、こういう展開になるのであれば玉が広い先手を持ってみたい。

後手から先手玉に迫る手もないので、先手は竜を作ってゆっくり攻めていけばいい。とは言うものの後手の堅い玉を崩すのは容易ではないのだが、佐藤九段はよどみなく攻めをつなげた。久保二冠は最後王手をかけるのがやっとで、157手で佐藤九段の完勝。

佐藤九段が力で圧倒した感じだった。これはB級の将棋ではないですね。次の準々決勝、佐藤羽生戦が楽しみ。
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[ 2011/01/17 06:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

第60期王将戦七番勝負第1局 久保王将vs豊島六段

王将戦 - 毎日jp(毎日新聞) 王将戦 - 毎日jp(毎日新聞)

豊島将之六段が史上最年少の挑戦者となった第60期王将戦七番勝負がいよいよ開幕した。

弱冠二十歳、体重47kg、表情にはあどけなさの残る豊島くんだが、その所作振る舞いはタイトル初挑戦とは思えないほど落ち着いていたという。和服の着付けも自分1人で行ったということで感心させられた。和服を身につけ盤上に向かうその姿は非常に華がある。

挑戦を受ける立場の久保利明王将。前期第6局難解な終盤を制した「トリプルルッツ」の将棋は名局だった。「羽生善治」という厚い壁に何度も跳ね返されていただけに、前期は久保さんを応援しながら観ていた。今期は久保さんにタイトルを死守してほしいという思いと世代交代も見てみたいという思いが半々。今までとは違い、今度は自らが若手の壁となるわけで、逆の意味で難しさがあると思う。年下相手の防衛戦という意味では久保さんも「初体験」のタイトル戦なのだ。


さて、将棋の内容は後手番となった久保王将の「ゴキゲン中飛車」。豊島六段は流行の「超速3七銀」急戦を採用し、対して久保王将は△3二銀型に構えた。居飛車の銀の進出に対して軽く捌いて指すというのがこの△3二銀型の思想だと私は理解している。

23手目、豊島六段の側から新構想が出た。▲5八飛。
5筋を交換させず、何もしなければもう一枚銀を繰り出して5五の歩を取って中央を制圧するという狙い。△3二銀型の弱点を突いたとも言え、振り飛車は△4四歩と止めて、3二の銀を4三→5四と使いたいが△4四歩と止めた瞬間5五の歩を取られてしまう。そこで7二の左銀を6三→5四と動かして5筋を死守した。本来は玉の囲いに使いたいが仕方がない。

封じ手の局面(下図)、
豊島久保1
中飛車側は5筋と6筋の位を取ったが、金銀がバラバラでスキの多い陣形。居飛車は堅いが中央を制圧され、角が使いずらい。角の働きだけ見れば後手のほうが良い。この局面まではおそらく豊島六段も想定の範囲内で「指せる」とみていたのではないか。この局面をどう見るか?解説の南九段が言うように「どちらも持ちたくない将棋」だと思う。

振り飛車はここから角を6四に転換する。居飛車は依然として角が使いづらいということで端に出て角をぶつけた。角交換後の端攻めがみえるので決断の一手といえる。本譜もやはり端攻めから△6三角で香取りが確定。これに対して▲1八角と「遠見の角」を放ったが、この角が働かず結果的には敗着となったようだ。

取られた香車を8四に打たれて8七の地点を数で攻められては居飛車苦しい。その後も後手が優勢を維持しそのまま押し切った。磐石の指し回しで久保王将が先勝。久保王将の強さが際立った一局だった。

豊島挑戦者にとっては残念な一局となってしまった。だが、あの羽生さんも竜王初挑戦の時は島竜王(当時)に2連敗スタート(正確には●-持将棋-●の2敗1持将棋)だったわけで、まだ分からない。1つ勝てば景色が変わってくると思うので、2局目以降に期待したい。








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[ 2011/01/09 23:28 ] 王将戦 | TB(0) | CM(0)