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B級2組順位戦 藤井vs野月

名人戦棋譜速報
一昨日のB級2組順位戦。1敗の藤井猛九段は野月浩貴七段との対戦だった。

戦型は先手藤井の角交換振り飛車。図は野月七段が△6四歩と突いたところ。後手は玉の囲いよりも△7四歩~△6四歩を優先したが、反面先手に争点を与えてしまうデメリットがある。「相手の指した手を必ず悪手にする」のが藤井将棋。当然この手を咎めにいく。
藤井野月001

図から▲6六歩△7三桂▲7七桂

△8八角が見えているだけに大胆な手だが、この手が成立していた。△8八角には解説にもあったように▲6五歩から6筋を突破できそう。

そこで野月七段は長考の末に△7二金と自重したが、△8八角が打てなかった時点で既に勝負アリの感がある。▲6五歩から桂交換になって先手がポイントを奪った。

後手は△7三金と上がって辛抱するが、▲4六角から▲6四飛(35手目)と気持ちよく捌いて振り飛車がリードを広げた。
以下、後手に何もさせず61手で藤井九段の圧勝。序盤で△7四歩から△6四歩を急いだ後手だったが、▲7七桂で見事に咎められてしまった。

===============
7回戦終了時点でのB級2組の成績は以下のようになっている。
6勝1敗:藤井(1)、飯島(5)、窪田(15)、豊島(22)
5勝2敗:佐藤天(21)
4勝3敗:北浜(3)、戸辺(4)、畠山成(8)、杉本(12)、阿部隆(13)、安用寺(20)
3勝4敗:中村修(2)、島(7)、堀口(9)、野月(10)、森下(11)、南(14)、先崎(16)、田村(18)
2勝5敗:豊川(19)、青野(24)
1勝6敗:中川(6)、泉(17)、神谷(23)

佐藤天彦七段が窪田六段に敗れ、2敗に後退した。昇級者争いは1敗の4人と2敗の天彦までだろうか。次回は飯島vs窪田の直接対決がある。

藤井先生は残り3つ、先崎、森下、神谷との対戦が組まれている。いずれも手強い相手だがこのまま勝ち続けてB1に戻ってほしい。

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[ 2012/12/15 08:05 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)

第1期リコー杯女流王座戦五番勝負開幕

リコー杯女流王座戦中継

今日から第1期女流王座戦の決勝五番勝負が始まります。

五番勝負開幕にあたって、女流王座戦の中継サイトもリニューアルされた。
両対局者の直前インタビューやプロモーションムービーなどもあり、気合の入った作りになっている。
その中でも特に、梅田望夫さんと野月浩貴七段の対談、これは是非読んでほしいと思う。

特集 | リコー杯女流王座戦中継 特集 | リコー杯女流王座戦中継

今回決勝に勝ち上がったのは、清水市代女流六段と加藤桃子奨励会員。
清水市代女流六段は言わずと知れた女流の第一人者。一方の加藤桃子さんについてはまだあまり知らない人も多いかもしれない。彼女は「女流棋士」ではなく、奨励会に在籍しプロ棋士を目指し修行している。現在、里見香奈女流三冠と同じく1級。(関西と関東で在籍は異なるが)

しかし、奨励会1級と言われてもどれくらいの実力か、ピンと来ない人が多いのではないかと思う。奨励会が強者揃いで厳しい世界だということは知っているが、どのくらい厳しくてどのくらいの強さなのかはこの世界を経験した者でなければ分からない部分だと思う。男性のプロ棋士と奨励会1級の間にはどれくらいの差があるのか。アマチュアの強い人と比べるとどうなのか?そのあたりを梅田さんとの対談で野月七段がうまく言語化している。

野月 そうですね。奨励会ということで考えていくと、奨励会に入った時点では、みんなアマチュアのなかの強い子達ということで、6級ですとアマチュアで強い人というレベルですね。そこから修行を重ねてきて3級とか2級とかになると将棋の質や考え方が変わってきてプロの将棋の一番下という位置に属性が変わってくる。ちょうど変わり目くらいで個人差もありますけど技術的な面で変化がみられるのが2級から3級くらい、というのがありますね。
我々は三段と四段で区切っていません。そこでスパッと棋力が違いますとは思っていないので。

梅田 それは制度上そうなっているだけだということですか?

野月 そうです。ひとつの流れで基本的に奨励会の6級までがプロ集団だとみているわけですね。今いったように2、3級位でひとつの区切りがあって考え方が我々に近いというか我々と同じようなことを考えるようになってくる。(後略)

野月七段によれば、基本的には奨励会の6級までがプロ集団。数年の修行を経て「奨励会1級」ともなると、プロに近いレベルに達している。
加藤さん、里見さん、そして伊藤沙恵さん(彼女も1級)は今そのレベルで戦っているわけだ。

女流王座戦でのここまでの加藤さんの将棋を観て「鍛えが入っている」という印象を持った。BlogやTwitter上でも同様の感想を目にした。不利でも簡単に崩れない、そして優勢の将棋を確実に辛く勝ちに行く。野月七段が「将棋の質や考え方が違う」と言うのもなんとなく分かる気がする。

一方で、清水さんは奨励会に所属した経験はないが、「自分で叩き上げた将棋」(by野月)で女流の第一人者の座を守り続けてきた。矢内さん、千葉さん、甲斐さんなど奨励会経験者は今までにもいたが、彼女らを退け女流トップに君臨し続けた。しかし、ここ1、2年は若き天才、里見香奈の後塵を拝している。それでも今回決勝まで勝ち上がってくるのは流石だ。今回は女流の代表として貫禄を見せることができるか。

実力は両者互角に近いので、どちらが初代女流王座を勝ち取ってもおかしくない。
大舞台の経験値や実績という点では清水さんに分があるので、個人的には清水持ち。だが、普段どおりに戦えば加藤さんにも十分チャンスはあるだろう。

第1期にふさわしい熱戦となることを期待します。

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[ 2011/10/22 08:00 ] 女流 | TB(0) | CM(0)

NHK杯 野月浩貴vs深浦康市

バリバリの攻め将棋の野月浩貴七段と、手厚い受けに定評がある深浦康市九段(未だについ"王位"と呼んでしまう)の対戦。

後手一手損角換わりから、相腰掛銀の将棋となった。一手損の腰掛銀は△8四歩型が△8五桂跳ねの余地があるぶん、通常の角換わりよりも後手が有利と言われていた。そのため先手は後手の手損を咎めるべく早繰り銀や棒銀で先攻する将棋を選択することが多かった。しかし後手にも有力な対抗策が発見され、早繰り銀や棒銀での先攻に行き詰まり感のある現状、腰掛銀もまたボチボチと指されるようになっている。この辺りの話は NHK 将棋講座 2010年 11月号 [雑誌] の村山糸谷戦の観戦記に詳しいのでそちらをご覧ください。

さて、本局。先手は▲4五歩から普通の腰掛銀のように先攻するのもあったが、▲4八飛と回ってから▲2六角と打つ形を選択。対して後手が3三に銀を上がるのではなく金を寄ったのが趣向。珍しいが、部分的には今期竜王戦1組▲阿部隆-△羽生戦で後手の羽生が見せた形で4筋からの当たりを予め避けていて堅い。

nozuki1

先手は4筋に飛車角銀桂を集中させ、攻めの「理想形」を構築したが、2手余分に費やしている。ということで後手が先攻する。第1図から深浦は△8五桂。戦前の予想に反して深浦が攻め、野月が受ける展開となった。

△6六歩と取り込んで△6九角と金取りに打ち込んだ手が存外厳しく、▲6八歩と屈服させられては先手辛い。この局面は後手が良いように見えたが、そこから後手が決め急いだか。
△7七歩~△9五香と決めに行ったが、後手の攻めが細く、一方で先手陣は手厚く入玉模様となった。

しかし、「しぶとく、諦めの悪い」(事前インタビューで野月談)深浦。ここから粘りを見せ、ギリギリのところで入玉を阻む。

nozuki002

第2図から▲7四玉の早逃げに対して△8二飛!の妙手。
先手が簡単に入玉できそうに見えたが、ギリギリの所で入らせないのは流石である。いつの間にか先手玉は下に落とされてしまっていた。最後は▲1五歩の詰めろに対して△4六銀と捨てたのが決め手。同玉に△3四銀と桂馬を払った手が詰めろで後手陣は寄り付きがなくなっている。ここで先手の投了となった。

先手は▲3四桂と寄せを目指した前後で入玉にこだわるほうが優ったようだが、野月七段は棋風に抗えず寄せ合いを選択したとのこと。しかし、それが持ち味でもあるから仕方のないところだろう。お互いの「意地の張り合い」が、観てるほうからすれば非常に面白く、互いの持ち味が十分に発揮された名局だったと思う。







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[ 2010/11/15 08:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

相掛かり棒銀vs△8五飛(NHK杯山崎vs羽生)

一昨日、新刊の『最新の相掛かり戦法』(野月浩貴七段著)を購入。

近年、相掛かりは引き飛車型が登場して定跡が目まぐるしく変わっている。しかし名人戦などの大舞台で登場する割には相掛かりの定跡書は少なく、よく分からない戦型というイメージを持っているアマチュアは多いと思う。本格的な相掛かりの定跡書は10年以上振りのようだ。
一読してみたが、野月さんらしい、分かりやすく丁寧な解説で良書だと感じた。
詳しいレビューは気が向いたら後日改めて記してみたい。




今日のNHK杯、山崎羽生戦は、先手山崎得意の相掛かり引き飛車棒銀、これに後手は△8五飛と浮く最新の対策で応じた。

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ここで▲2五銀と出られるのが後手としては気になるが、△3五歩から△3六歩と飛車のコビンを攻めるのだろう。
激しい攻め合いになるが、先手それほどうまくいかないようだ。先手は▲6八銀と自重、後手は△7五歩と先手の角を使いづらくする。これに先手は7五の歩を目標にして銀を繰り出した。

中盤
羽生山崎2
第2図、山崎らしい▲8八金寄り!、普通の人なら思いつかないような手が出た。狙いは7筋に飛車を回っての▲7四歩。確かにこれはまともに食らうと厳しい筋だ。そういえば、山崎は去年のNHK杯羽生戦でも2二金型のまま右玉の飛車を3筋に展開していた。普通の人なら金は7八(3二)に置いておきたいと考えるところだが、山崎さんは形の悪さをあまり気にしない。

羽生さんも意表をつかれたようで、ここで時間を使ったが、▲7八飛に角を切って△6七銀と打ち込んだのが好判断。
△5六銀成から4六の角を取ってその角を8五に打ったのが好手だった。
以下、細かい攻めを巧くつないて羽生の勝ち。最後は大差となったが、後手が羽生でなかったら逆転してもおかしくない将棋。山崎の粘りもしぶとかったが、羽生さんの攻めのつなぎ方が完璧だった。
流石ですねぇ。

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[ 2010/02/28 21:29 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)