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第62回NHK杯準決勝 渡辺明vs鈴木大介

棋譜→2013年03月03日第62回NHK杯準決勝第1局
今期のNHK杯も佳境を迎え残り3局となっている。準決勝第1局は渡辺明竜王と鈴木大介八段の対戦。

先手の鈴木八段は対局前のインタビューで「渡辺竜王得意の穴熊に組ませて勝ちたい」と力強く意気込んだ。現代将棋では穴熊に組ませない角交換系の振り飛車(石田流やゴキゲン中飛車)が流行っているが、そうではなく堂々とノーマル振り飛車で行くと宣言した。

その宣言通り鈴木八段のノーマル四間飛車になった。後手の渡辺竜王は注文どおり居飛車穴熊。鈴木は準々決勝でも四間飛車を採用して屋敷九段の居飛車穴熊を破っている。後手は△4二金寄~△3二金寄~△4三金で千日手含みで待つ。

鈴木渡辺NHK001

図は▲1七銀と上がったところ。元々6六にいた銀がここまで来た。先手は次に▲2六銀右~▲2八玉とすれば手厚く堅い囲いが完成するが、この瞬間が怖い。ここがチャンスとみた竜王は△8六歩▲同歩△9五歩▲同歩△5五歩▲同歩△7五歩▲同歩△9五香と仕掛けた。9五の香車を取ると、△7六歩がある。本譜は▲7四歩△8四角の交換を入れてから香車を取ったが、その香車を▲8五香と打つのではちょっと辛い気がする。

とはいえ、形勢は難しかったのだが、その後先手に疑問手があって一気に差がついた。▲8一香成(89手目)ではじっと▲6五飛と引いておいたほうが良かったと思う。△5五飛から捌かれて「堅い・攻めてる・切れない」の穴熊の勝ちパターンに入ってしまった。

122手で渡辺竜王の勝ち。

感想戦によると、▲1七銀が隙を作ってしまったので、▲6七飛と待ったほうが良かったようだ。

「穴熊に組ませて勝つ」宣言は格好よかったが、ちょっと男らしすぎたかな。結果論だけど、竜王相手に穴熊に組ませないほうが勝率は上がったと思う。でも、これで準決勝まで勝ちあがってきたわけだし仕方ないですね。

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[ 2013/03/04 20:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

三段ロケット(NHK杯準々決勝 屋敷伸之vs鈴木大介)

2013年02月17日第62回NHK杯準々決勝第3局(←NHKの公式サイト、月曜の昼以降更新される)

戦型は後手鈴木八段のノーマル四間飛車。鈴木八段は3回戦の高橋九段戦でもノーマル四間を採用し、高橋の左美濃を倒している。

対して先手は居飛車穴熊。この穴熊が嫌なのでプロで角道を止める四間飛車が激減したわけだが、鈴木は今でも穴熊に組ませる戦い方を得意としている。
後手△5四銀型四間飛車対先手▲7九金型居飛穴の定跡形に進んだ。▲3七角まではよくある将棋。

屋敷鈴木nhk001
先手が▲6八銀と引いたところで後手は2筋から動いた。このタイミングだと先手の飛車が動けない。△3五角(62手目)の局面は角が急所に利いていて、▲2六歩と打たせているので振り飛車十分だと思う。以下▲4八角△3四歩▲2八飛に△9六歩から端攻めに出た。桂馬が後手に渡ると△3六桂があるので先手は受け方に制約がある。

屋敷鈴木nhk003

△9二香打(74手目)に▲7八金と受けさせてから、今度は△4六歩のB面攻撃。ここで屋敷九段はと金を作らせる順を選んだが、この手は良くなかったかもしれない。素直に▲4六同歩と取って△同角に▲3七歩と辛抱するのもあった。

屋敷鈴木nhk002

△9三香打(100手目)で後手の三段ロケットが完成。単純な攻めだけども受けにくい。△5八銀のキズもある。先手は香車四枚手にしたが使う場所がない。以下後手の攻めが途切れることなく、鈴木の圧勝となった。

仕掛けから収束まで一手の緩みもない完勝譜。見事な穴熊退治だった。

屋敷にとっては不本意な一局となってしまった。本譜は受け一方になってしまい穴熊の堅さが生きる展開にならなかった。

順位戦では降級圏内の鈴木八段だが、得意の早指しで指し慣れた形になるとやはり強いですね。
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[ 2013/02/18 07:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

7月1日 第70期順位戦B級1組2回戦

名人戦棋譜速報

名人戦が終わり、第70期の順位戦が本格的にスタート。

開幕前に私が昇級候補に挙げた藤井猛九段、松尾歩七段が黒星スタートとなったB級1組。実力者揃いで、今年も混戦となりそうだ。昨日は棋聖戦の影響で延期された深浦中田戦を除く、2回戦5局が行われた。

木村一基八段(1勝0敗)-△中村修九段(0勝1敗)
「千駄ヶ谷の受け師」と「受ける青春」の対決。後手中村修九段の一手損角換わりに、先手木村八段が早繰り銀。受けの棋風の両者らしく序盤はじっくりとした渋い展開となった。△6五歩(50手目)に▲4五歩(51手目)で一転して攻め合いになったが、両取りをかけさせて、"と金"を作ったのが好手だったようで先手が優勢→勝勢に。しかし中村九段も粘り強い受けをみせ、後手玉はなかなか寄らない。後手の入玉もあるかと思われたが、▲2九香(125手目)が入玉を阻む決め手となった。終わってみれば木村八段の快勝譜だった。

鈴木大介八段(0勝1敗)-△橋本崇載七段(1勝0敗)
現在11連勝と絶好調のハッシーこと橋本崇載七段。先日の読売観戦記(竜王戦2組決勝)によれば、他の棋士との研究会を止めたそうだ。現代では棋士同士の共同研究は当たり前。そんな中で橋本の「脱研究会宣言」は波紋を呼んでいる。この決断が良い方向に出るかどうか。

将棋は先手鈴木の石田流に後手が△6五歩からの急戦。本局の進行も5局の中で最も早く激しい展開となった。「角を成ってこい」と▲2八玉と早逃げしたのは鈴木さんらしい実戦的な好手だと思ったが、後手もと金ができたのが大きく形勢は後手良し。

最後は先手の粘りを振り切って鮮やかな収束をみせてくれた。最近のハッシーはほんと強いね。これで12連勝!来週6日(水)には羽生二冠との竜王戦(決勝トーナメント)が組まれている。こちらも楽しみだ。

山崎隆之七段(0勝1敗)-△松尾歩七段(0勝1敗)
今期B1のアラサー組の中ではこの2人が昇級候補と予想したが、両者ともに黒星スタート。本局の敗者が早くも2連敗ということになる。

横歩取りの出だしだったが、先手の山崎がなかなか3四の飛車を3六に引かず力戦調の展開となった。そこから長い駒組を経て後手はガチガチの穴熊に囲う。先手は金美濃。囲いだけみれば後手を持ちたくなる。

終始穴熊ペースで先手が苦しいとみられていたが、得意の「チョイ悪逆転術」で差を縮め、難解な終盤戦に突入。
最後は控室も気づかなかった華麗な即詰みを見せ、山崎七段の勝ち。ド派手な「逆転サヨナラホームラン」に、TL上の多くのファンが酔いしれた。最後は打ち歩詰めの筋があったので控室も詰まないと錯覚してたようだが、△3九角を決めさせたことで▲1七歩が打てる(ので詰み)という高度な逆転術だった。この将棋はNHKの講座の題材に使えそう。

井上慶太九段(1勝0敗)-△行方尚史八段(0勝1敗)
過去の対戦成績は井上の1勝8敗。井上九段は今期B1で苦手な相手を何人か抱えており心配だ。

相矢倉、森下システムの定跡形となった。20年前ぐらいに流行った定跡でその後しばらく指されていなかったが、昨年の佐藤康-行方戦で先手が新手を出して勝ち。前例で敗れた行方が52手目で修正案を出してきた。
76手目の△9七角成!で先手玉があっという間に寄り。行方の鋭い寄せが炸裂した将棋だった。

藤井猛 九段(0勝1敗)-△畠山鎮 七段(1勝0敗)
先手の藤井が「藤井矢倉」を採用。序盤の駒組、▲7七銀よりも先に▲7九角と引いたのが藤井九段らしい個性的な組み方だ。思わずニヤリとしてしまう。
藤井畠山001
後手の畠山は二枚の銀を繰り出しての急戦矢倉で対抗。

途中藤井が良いと言われていた局面があったが、マモルの攻めに応手を誤り逆転負け。藤井九段はまさかの連敗スタートとなってしまった。先手番を1つ落としてしまったのは痛い。畠山鎮七段は昨年に続いての連勝スタート。前期は途中で失速してしまったが、今期はこのまま昇級争いに絡みたい。


2回戦を終えて木村、畠山鎮、橋本の3人が2連勝で暫定首位。やはり木村一基八段が昇級候補の本命となるだろうか。

棋聖戦のため延期となった深浦康市九段対中田宏樹八段戦は7月5日(火)に行われる。



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[ 2011/07/02 12:32 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)

永瀬拓矢NHK杯初見参! vs佐藤康光九段

18歳の新鋭、永瀬拓矢四段がNHK杯本戦初登場。振り飛車党で、特に三間飛車を得意としており、大山十五世名人を彷彿とさせる受けが評判を呼んでいる。また、プロになる前は将棋倶楽部24で3000点超えの強豪として知られていた。(今もたまに指しているようだ)。大和証券杯で羽生名人を破った菅井竜也四段もそうだが、小学生時代からネット将棋に触れ強くなった棋士の1人である。

対戦相手は大豪、佐藤康光九段。昨年度B級1組に落ちていたため今回は久々の1回戦からの登場だ。

なんと、この対局二度千日手となった。これはNHK杯史上初とのこと。

永瀬四段は千日手が多く全対局の約1割が千日手、しかも千日手指し直し局で負けたことがないという珍記録を持っている。何日か前のTwitterでネット中継記者の八雲記者が以下のような呟きを流していた。

昨日の西川-永瀬戦は、千日手指し直しの末、永瀬四段の勝ち。連勝記録を16に伸ばしました。さらに永瀬四段は千日手指し直し局8戦全勝という怪記録。千手観音ならぬ千日手観音とお呼びしたいです。
http://twitter.com/#!/yakumokisha/status/73172251989643264


「千日手名人」(by鈴木大介八段)、「千日手観音」、色々な呼び名があるようだが、これだけ千日手が多い棋士は珍しい。後手番で無理をせずにドローを狙うというのはよくあるが、永瀬四段の場合は、後手番だけではなく先手番でも千日手にすることが多いのが特徴だ。しかも千日手に対する考え方が独特のようで、曰く「後手がうまくやってきたら千日手でも仕方がない」というもの。「千日手になれば序盤で有利になるチャンスが2回ある(から千日手になっても問題ない)」というのも面白い。

永瀬佐藤千日手001
第1局は上図から▲6八飛△6二飛▲8八飛△8二飛・・・以下千日手。途中鈴木八段指摘の▲5六角から打開するのもあったが永瀬は千日手を選んだ。指し直し局は後手永瀬のゴキゲン中飛車に先手佐藤の超速3七銀だったが再び千日手に。


二度目の千日手指し直し局は先手永瀬の升田式石田流、これも手詰まりになりやすい将棋なので三度目の千日手を心配したが、さすがにそうはならなかった(笑)。▲9六歩と一手待ってから▲8六歩と仕掛けたのが永瀬四段の工夫。
nagase_sato3-001.jpg

上図で先手は▲9五歩と仕掛けた。△同歩に▲9三歩で、この端攻めが思いの外厳しかった。以下端を突破して自然に駒得を重ねた先手が優勢となった。

苦しい展開の佐藤、勝負手を繰り出し追い上げを見せる。頑強な粘りで決め手を与えない。しかし永瀬は重いようでも着実な指し手を続けて佐藤玉を追い詰めた。▲3一成銀~▲4一成銀(105手目)でゆっくり駒を補充する手が間に合うくらいだから見た目以上に大差だったのだろう。


佐藤康光九段相手に堂々の指し回しで永瀬が金星。鮮烈なデビューを飾った。2局千日手となったが、3局とも序盤から永瀬がリードを奪う展開だったのは素晴らしい。

永瀬四段はこれで18連勝!この連勝記録がどこまで伸びるかにも注目だ。


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[ 2011/06/05 21:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

第61回NHK杯 遠山雄亮vs鈴木大介

石田流三間飛車を得意とする両者の対戦。▲7六歩△3四歩▲7五歩△3五歩からの相三間飛車となった。
4手目△3五歩から金無双に囲うのが最近の流行形。阿部健治郎四段が連採して注目されている形である。

14手目△3四飛と浮いた手が機敏。△8四飛を受けるために▲7七銀と上がった形は飛車角の利きが止まってしまうのでこの瞬間は気持ち悪い。しかし、4月5日の王位リーグ(対戸辺戦)でも▲7七銀~▲7六銀と出る将棋だったのでこれは遠山流なのかもしれない。

後手の△2五桂跳ね(28手目)は指しすぎだったようだ。2五の桂馬を相手にせず6五銀から5六に角を打ったのが好打。
tooyama002_56kaku.jpg
△8七角を受けつつ4六の取り込みも防いでいる。後手玉の玉頭にも狙いをつけた八方にらみの角。この角打ちで先手がペースをつかんだ。以下7七桂から▲8五桂と跳ねて先手の攻めが続く。

tooyama002.jpg

終盤、8三玉から上部脱出にかけた後手だったが、上図で▲5六角と引いた手がぴったり。放っておけば▲7六銀がある。この角引きを鈴木はウッカリしていたようだ。以下先手が危なげなく寄せきった。最後は5六の角を7四角と捨てて必至。中盤5六に打った角が最後までよく働いた。

遠山編集長はNHK杯戦、嬉しい初勝利。最近の2人の勢いの差がそのままあらわれたような将棋だった。




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[ 2011/04/11 06:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)