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別冊少年マガジン「将棋の渡辺くん」を読んでみた

別冊 少年マガジン 2013年 06月号 [雑誌]別冊 少年マガジン 2013年 06月号 [雑誌]
(2013/05/09)
不明

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別冊少年マガジンで伊奈めぐみさんの「将棋の渡辺くん」の連載が始まりました。

めぐみさんは渡辺竜王の奥様として有名で、「妻の小言」というブログも書いていらっしゃいます。「妻の小言」の今年4月1日の記事に「ブログが漫画になって、別冊少年マガジンで連載されることになりました。」と書いてあって、どうせエイプリルフールだろと思ってスルーしてたんですが本当だったんですね。

ということで、発売日に本屋に行って買ってきました!今話題の「悪の華」が表紙の雑誌です。コンビニだと置いてないところが多いのかな?それにしても、別マガものすごく分厚いですね。全部で855ページもあります。普通のマガジンの倍、将棋世界(約260ページ)の3倍以上ありますからね。カバンに入らないぐらい分厚い本なのでご注意ください。

さて、皆さんは渡辺竜王に対してどんな印象を持ってますか?

ヒール、合理主義者、ふてぶてしい、冷静沈着、怖い、・・・などなど。

どちらかといえばクールなイメージが強いでしょうか。確かに将棋に対する考え方は合理的だし、ものすごく仕事に厳しい人だと思います。
その一方で、ああ見えて実は面白いキャラクターの持ち主でもあります。王将戦の通称「罰ゲーム写真」では毎回ノリノリでしたし。ゆるキャラやぬいぐるみが好きだったり。そういえば名人戦第3局のニコ生でニワンゴというぬいぐるみを「この子」って呼んでました(笑)意外に可愛いところがあるんですね。この漫画はそんな渡辺くんの素顔を嫁目線でコミカルに描いた作品です。

掲載は729ページから。その前に渡辺竜王と「カイジ」で有名な漫画家の福本伸行さんとの勝負師対談もあります。



登場人物は竜王と奥様と息子さんの3人。第1回は佐藤天彦七段(クラシック音楽をこよなく愛す25歳)もチラッと出てきましたね。竜王と2人で暗号のような符号で会話する姿が描かれています。ちなみに、2人が話してた「矢倉で先手が56歩って打つ形」は阿久津流急戦矢倉の将棋ですね。△3一玉は2008年、▲羽生vs△渡辺の竜王戦第6局で指された有名な新手です。変化手順の△5一金!に天彦さんがビックリしてますが、私も当時驚いた記憶があります。

その他にはタイトル戦のおやつの話とかダイエットの話が出てきます。おやつで悩む竜王が面白いですね。
この漫画は基本的にノンフィクションですが、最後の頭突きはされてないそうです笑(と、ニコ生で竜王が言ってました)

福本伸行さんとの対談も内容が濃かったです。竜王が自分で自分の強さの理由を語っているのが新鮮でした。

渡辺 プロ棋士になると、実力は大差ないと思うんです。もし、僕に特別なところがあるとすれば、戦略性じゃないかな、と思います。
(対談より引用)

確かに渡辺竜王は戦略家、作戦巧者ですね。事前研究の深さが彼の強さの源だと思います。持ち時間の使い方にもそれが表れている。そして、実は福本さんも似たようなタイプだというのが面白かったです。

ものすごく分厚い雑誌なので毎月買うのは大変そうですが、来月以降も読んでみようと思います。

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[ 2013/05/11 20:41 ] 書籍レビュー | TB(0) | CM(0)

加藤一二三九段の『羽生善治論』

羽生善治論  「天才」とは何か (角川oneテーマ21)羽生善治論 「天才」とは何か (角川oneテーマ21)
(2013/04/10)
加藤 一二三

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加藤一二三九段の新刊『羽生善治論』が4月10日に発売されました。売れ行き好調で重版が決定したようですね。

本の帯に「天才が天才を語る」とあるとおり、「神武以来の天才」加藤一二三九段が「天才」羽生善治を分析した本です。「加藤一二三は大天才である」(大山康晴十五世名人)という前提のもとに論を進めています。

「羽生善治論」という題名に反して、著者加藤一二三の自慢話が沢山出てくるという面白い本。
まぁ予想通りの内容ですね(笑)ひふみんと羽生さんどっちも好きな人にとっては面白い本だと思いますが、ひふみんが好きでない人には向かないかもしれません。私は加藤先生のファンなので楽しく読ませていただきました。

第一章 羽生は天才か
第二章 名人への道
第三章 異次元の強さの秘密
第四章 羽生に弱点はあるのか
第五章 羽生の気配り
第六章 加藤・羽生 血涙三番勝負


第一章は主題にもなっている天才論。天才同士の共通項をいくつか挙げているが、その中でも早指しの話が面白かった。「早指しで結果を残していない人は、天才とはいえないのではないか」「将棋の本質というもは早指しにあるといっても過言ではない」と書いている。直感を重視する加藤先生らしい考え方だと思う。

第四章では「羽生が森内を苦手とする理由」が出てくる。名人戦で羽生さんは2年連続で森内さんに敗れ、今期もここまで2連敗中。「名人戦の森内」には相性が悪い。そのことについて加藤九段は「羽生さんの過密スケジュールが敗因」と言っている。確かにそれはあるかもしれない。4月はそうでもないが、6月になると棋聖戦と重なるので毎年大変だなぁと思う。

第6章は加藤・羽生血涙三番勝負ということで、例の▲5二銀を食らった将棋(NHK杯▲羽生△加藤戦)を自ら解説している。加藤先生は▲5二銀よりも▲4八玉(43手目)を絶賛していますね。「三番勝負」の残り2局は加藤九段が勝った将棋。最後に自らの会心譜を紹介して締めくくるところが加藤先生らしい(笑)

自慢話も多いですが、加藤先生が羽生さんのことをどう見ているかがよく分かる本です。

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[ 2013/04/26 07:30 ] 書籍レビュー | TB(0) | CM(0)

上野裕和「将棋・序盤完全ガイド 相居飛車編 」

将棋・序盤完全ガイド 相居飛車編 (マイナビ将棋BOOKS)将棋・序盤完全ガイド 相居飛車編 (マイナビ将棋BOOKS)
(2013/03/27)
上野 裕和

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このブログの読者はプロの将棋を観て楽しむ「観る将棋ファン」が多いと思いますが、そういう方にお薦めしたいのが上野裕和プロの『将棋・序盤完全ガイド 振り飛車編』と『相居飛車編』です。ここでは3月27日に発売された『相居飛車編』の感想を書きたいと思います。

著者のちゅう太こと上野裕和五段は、トーナメントプロとしては地味ですが将棋の普及には定評があります。

本書のターゲットは観る将棋ファン(10級~五段)、指すファンは級位者を中心に二段・三段ぐらいまで。
プロの将棋を観戦するのが好きだが、内容はよく分からないのでおやつや食事の写真、コラム等を中心に楽しんでいる」(『振り飛車編』より引用)という人にもお薦めです。

この本の感想を一言で書くとすごく分かりやすい。予備校の参考書を読んでいるような。テレビ番組でいうと池上彰のニュース解説のような分かりやすさ。私だったら「そうだったのか!現代将棋」というタイトルをつけたい。まぁそれはパクリだからダメなんだけど。もし池上彰が将棋の解説書を書いたらたぶんこんな感じになるんだろう。ここまで分かりやすい将棋の本は今までなかったと思う

発売記念のニコ生で語っていたが、著者はこの本を書くに当たって分かりやすくということを一番心がけたそうだ。まず、NGワードを設定し、10級ぐらいだと分からないような言葉は使わないようにした。例えば「あたりが強い」(=攻撃目標になりやすい)「本筋」という言葉。
そして専門用語を使う場合には最初に定義をきちんと説明するようにした。「序盤」とは何か、「作戦勝ち」とは何かというところから丁寧に説明している。

また読みやすいように色々な工夫もなされている。図面に矢印を多用し、大事な部分には網掛けを入れている。

今回発売された『相居飛車編』は相居飛車の主流戦法である矢倉、角換わり、一手損角換わり、相掛かり、横歩取りの5つを解説している。対抗形(居飛車対振り飛車)と比べると相居飛車の序盤は分岐が複雑で難しいのだが、コンパクトによくまとまっている。

本書は3部構成になっている。各部各章の内容は以下の通り

第1部 序盤の基礎知識
 第1章 相居飛車初めて講座
 第2章 相居飛車の各基本図までの手順

第2部 相居飛車の歴史を振り返る
 第1章 相居飛車の歴史
 第2章 相居飛車を理解するためのキーワード

第3部 相居飛車、主流戦法の紹介
 第1章 矢倉―これぞ将棋の純文学
 第2章 角換わり―攻め切るか受け切るか、白熱の攻防
 第3章 一手損角換わり―手損の意味を根本から揺さぶる新作戦
 第4章 相掛かり
 第5章 横歩取り―食わず嫌いは無用!最もスリリングな戦型


第1部は序盤の基礎知識ということで初手から基本図までの手順を解説する。
後手の2手目が作戦の分岐点で、2手目が△8四歩なら矢倉か角換わり、△3四歩なら横歩取りか一手損になる。序盤の一手ずつの意味が分かると観戦も面白くなると思う。例えば渡辺竜王や郷田九段は2手目△8四歩のスペシャリストだけど、その2人が△3四歩を突くと「おおっ!」となるわけですよ。去年の王座戦でも羽生さんの2手目△3二飛でネット界隈が騒然となったことがあったが、序盤の知識があると初手から駆け引きを楽しめるようになる。

第2部は相居飛車の歴史を振り返る。
第2部第2章ではその歴史を振り返る上で重要なキーワードを紹介する。「飛車先の歩の保留」「玉の堅さ」「角交換」「後手は攻め合いから守勢へ」いずれも現代将棋を語るうえで重要なキーワードですね。

第3部では相居飛車の主要5戦法について解説する。
最初にその戦法の特徴、歴史、基本定跡、先手の理想の展開、後手の理想の展開をきちんとまとめている。特に理想形についても触れているところが良い。例えば矢倉でいえば▲4六角・▲3六銀・▲3七桂の形。
級位者の方は最新の手順を追うよりもは戦法の思想、理想形を知るほうが大事だと思う。

読む前は初級者向けの本ということで軽視していたのだが、とても分かりやすく面白かった。
章末のコラム「ブレイクタイム」も面白い!上野さんの控室での失敗談が書かれていたのだが、思わず笑ってしまった。また、故・村山聖九段とのエピソードは思わず胸にジーンときてしまった。

将棋の序盤を体系的に整理することができる良書ですね。先に発売された振り飛車編と2冊セットで買うべきでしょう。
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[ 2013/04/09 07:00 ] 書籍レビュー | TB(0) | CM(0)

「現代将棋の思想 ~一手損角換わり編~」

現代将棋の思想 ~一手損角換わり編~ (マイナビ将棋BOOKS)現代将棋の思想 ~一手損角換わり編~ (マイナビ将棋BOOKS)
(2013/01/23)
糸谷 哲郎

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現役の阪大院生でもある糸谷哲郎六段の処女作。

本書は一手損角換わりの概論書である。一手損角換わりを理論的に考察することを目的としている。なぜ理論化にこだわったかについては第2章第1節に書かれている。要約すると、一手損に詳しくない人、指したことがない人にも分かりやすく伝えるためである。理論は感覚よりも大雑把にしか理解することができないが、言語化される分共有しやすい。また、理論を学ぶことでその戦法の感覚を体得しやすくなる。

理論書なので、手順の枝葉末節よりも戦法の思想を説明することに重点を置いている。
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[ 2013/02/09 17:00 ] 書籍レビュー | TB(0) | CM(0)

「永瀬流 負けない将棋」の感想

永瀬流 負けない将棋 (マイナビ将棋BOOKS)永瀬流 負けない将棋 (マイナビ将棋BOOKS)
(2012/11/23)
永瀬 拓矢

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今期の新人王戦、加古川青流戦を制した永瀬拓矢五段の初の棋書が先月発売されました。

タイトルは「負けない将棋」。この6文字に彼の将棋観が凝縮されています。本書は永瀬プロの実戦約30局を題材に永瀬流の負けないためのテクニックを解説した本です。

永瀬さんの実戦で印象に残った局面からの指し手を解説し、最後に参考棋譜を載せるという構成になっています。対話形式になっているのが特徴で、聞き手はアマ強豪の美馬和夫さん。(巻頭に名前が出てきます)永瀬将棋は受け重視で曲線的なのでアマには難しいのですが、対話形式でくだけた感じなのでとても分かりやすいです。

参考棋譜が多いのも良いですね。第1章三間飛車、第2章中飛車、第3章相振り合わせて22局収録。第4章「その他」は棋譜なしで部分図のみですが、それも合わせると計30局になります。22局+αで1500円、棋譜解説だけでなく実戦テクニックも学べると考えるとお買い得ではないでしょうか。

「黒永瀬」と「白永瀬」が交互に出てくるのがこの本の面白いところ。永瀬プロの発言には彼の似顔絵アイコンがついていて、通常は白いのですが、本音が出たときには黒くなることがあります(笑)

例えば、千日手の話。永瀬さんといえば千日手の多さで有名ですが本人はどう思っているのか。まずは「白永瀬」さん

「私は千日手は意識していません。五分以上なら千日手模様でも打開するようにしています。千日手になるときは五分ないか、避けられない手順かのときですね。無理に打開すると、まあ無理するわけなので大概悪くなります。それよりはもう一局指した方が自分にプラスになると思っています。」
本書p217より

意識してない?ほんとに?(笑)本音ではどうなんですか?
次のページをめくると「黒永瀬」が出てきて千日手の本当の秘密を語ります。この「秘密」についてはぜひ本書を読んで確認してみてください。

大山十五世名人は「人間は間違える」という勝負哲学を持っていて、相手のミスを誘う指し方に長けていましたが、永瀬さんの将棋は大山流に似ているところがあると思います。本書に出てくる「距離感を狂わせる」「相手のリズムを狂わせる」とか「相手が先々苦労しそうな手を選ぶ」という言葉にそれが表れていると思います。

級位者から有段まで幅広くオススメできる一冊です。軽いノリで書かれているので「観る将棋ファン」でも楽しめる本だと思います。

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[ 2012/12/06 07:30 ] 書籍レビュー | TB(0) | CM(0)