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第63回NHK杯決勝 郷田真隆vs丸山忠久

タイトルホルダー、A級棋士が次々と敗れる波乱の大会となった今期のNHK杯だが、最後に残ったのは「羽生世代」の2人だった。丸山九段は優勝した第55回以来8年ぶりの決勝進出。対する郷田九段は第49回(1999年度)以来14年ぶりの決勝進出で初優勝を目指す。

この2人の過去の対戦成績は丸山30勝、郷田16勝と丸山九段が大きく勝ち越している。丸山郷田戦は丸山先手だと角換わりになることが多く、9割近くが角換わり。郷田は丸山の角換わりに何度も苦しめられながら、それでも毎回角換わりを受け続けてきた。本局も丸山九段が先手になった時点で角換わりを予想した人が多かっただろう。しかし、その予想は外れて戦型は横歩取りになった。

先手の指し方は3四の飛車を引かずに▲3六歩を突く「青野流」。対して後手は△4一玉型の中原囲いに構える。最近の対青野流は△5二玉型が多く本局の△4一玉型は古い指し方だ。

▲4五桂(27手目)まではおそらく前例があるはず。そこで郷田九段は長考の末、角を逃げずに△3七歩!と叩いた。
20140323丸山郷田1
解説の森内名人曰く「私のデータでは新手」とのこと。後手の狙いは3七同銀に角を交換して△5五角。この受け方が色々あって難しい。
20140323丸山郷田2
本譜は▲7七角(33手目)だったが、▲8七歩や▲9七角もあった。▲7七角以下△7六飛▲8四飛△3七角成▲8一飛成△7五飛と進んだ。先手は銀取りを受けずに▲8四飛と回ったが、△7五飛と1つ浮く手をウッカリしていたようだ。4五の桂取りが受からず郷田九段が優勢になった。
20140323丸山郷田3

そこから丸山九段も上手く粘ったが、最後まで差は縮まらず形を作るのがやっとだった。82手で郷田九段の完勝に終わった。

勝った郷田九段は43歳にして初のNHK杯優勝。今年度の郷田九段は3棋戦(棋聖、竜王、王座)で挑戦者決定戦に進出したが、いずれも敗退。あと一歩タイトル・優勝に手が届かないシーズンだった。最後にNHK杯を獲れて良かったですね。

郷田九段優勝おめでとうございます!
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[ 2014/03/24 07:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

第63回NHK杯準決勝 大石直嗣六段vs丸山忠久九段

今期NHK杯でA級棋士3人(行方八段、羽生三冠、屋敷九段)を破ってきた大石直嗣六段と優勝経験者の丸山忠久九段の対戦。解説は大石六段の兄弟子、片上大輔六段だった。

大石六段が先手で▲7六歩△3四歩▲2六歩△8八角成の出だしから一手損角換わり。序盤の駆け引きを経て、なんと相振り飛車になった。先手は端の位を取ってから▲3八銀~▲2七銀~▲8八飛と陽動振り飛車。これを見て後手も△2二飛と振った。あまり見たことのない相振り、おそらく前例はないだろう。先手は端の位を生かすために飛車を振って右に囲ったが、銀冠は向かい飛車に対して当たりが強い。ただし、後手も△6三銀型なので堅くは囲えない。

まず後手が3筋から動いた。歩を取り込んでから3四に歩を打って△3五銀を狙う。ただ、すぐ銀をぶつけても▲3七金と引かれて続かない。そこで3六の金に狙いをつけて△6九角(46手目)と打った。
20140309大石丸山1
以下▲7五歩△3六角成▲同銀△2六飛▲2七金△2二飛▲2六歩△3五金(54手目)と進んだ。
20140309大石丸山2
△3五金はちょっと見えにくい手だが意外と受けにくく先手が困った。▲同銀は△同銀で次に2六銀がある。そこで大石六段は3六の銀を3三の桂と交換するひねった受け方をみせたが、後手の攻めは途切れず丸山九段が優勢になった。

先手は受けが難しいので8筋での攻め合いに転換したが、歩切れで攻めが続かず。以下丸山九段がそのまま優位を拡大し104手で快勝。

ここまで快進撃をみせてきた大石六段だが、本局は力を出せないまま終わってしまった。△6九角一発で潰された感じの将棋だった。

丸山九段は優勝した第55回(2005年度)以来8年ぶりの決勝進出となった。相手は同世代のライバル郷田九段。決勝戦は再来週3月23日に放映される。

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[ 2014/03/10 07:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

第63回NHK杯準決勝 郷田真隆vs西川和宏

波乱が続いた今期のNHK杯。タイトルホルダー3人(森内、羽生、渡辺)は既に姿を消している。ベスト4に残ったのは郷田真隆九段、丸山忠久九段、西川和宏四段、大石直嗣六段の4人。羽生世代の常連(郷田、丸山)対関西若手(大石、西川)という構図になった。

そして今日は郷田九段と西川四段の対戦。西川四段は振り飛車党で1回戦から準々決勝までの4局全て振り飛車で勝ち上がってきている。本局も先手番でノーマル三間飛車を採用した。西川四段は最近では珍しく角道を止める振り飛車を指すことが多く、準々決勝の村山六段戦もノーマル三間だった。

後手の郷田九段は居飛車穴熊。これを見て先手は石田流に組み替えた。石田流対△6三銀型居飛穴のよくありそうな将棋だが、▲5九角と引いたまま▲7四歩と仕掛けていったのが先手の工夫だろうか。

20140302西川郷田1
先手が▲7五歩(39手目)と歩を合わせたのに対し郷田九段は長考の末△6三銀と引いて辛抱する。△7五同歩▲同飛△6六角とは出られなかったということか。しかし、これは一度引いた銀を引くのでちょっと辛い。後手が作戦負け気味の序盤となった。

先手も飛車が狭いのでゆっくりはしていられない。6筋を突き捨ててから▲2六角と出て△4二金と受けさせてから▲3七桂~▲4五桂と跳ねていく。さらにもう一枚の桂馬も跳ねて5三の地点を強襲したが、ちょっと無理攻めだったか。
20140302西川郷田2

20140302西川郷田3
後手の穴熊に▲3二金(71手目)と貼りついたが、△5五角▲4七金の交換を入れてから△5二飛打。この自陣飛車で先手の攻めは切れ模様になっている。以下西川四段が駒損しながらも攻めを繋げようとしたものの、郷田九段に丁寧に受け切られてしまった。

128手で郷田九段の勝ち。序盤は西川四段ペースだったと思いましたが、▲6五桂のあたりでもう少し上手い攻め方がなかったかというところでしょうか。郷田九段の受けの強さが光った将棋でした。
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[ 2014/03/03 07:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

第63回NHK杯準々決勝 屋敷伸之vs大石直嗣

3回戦で羽生善治三冠を破った大石直嗣六段とA級の屋敷伸之九段の対戦。
解説は豊島七段でした。両対局者の印象を聞かれて「(屋敷九段は)序盤中盤終盤、隙がない」「(大石六段は)駒が躍動する将棋」と答えてましたね。まさか豊島さんがあのネタを入れてくるとはw・・・思わず笑ってしまいました。

将棋は大石六段が後手で得意のダイレクト向かい飛車を採用しました。3回戦の対羽生戦もこのダイレクト向かい飛車で白星を挙げています。対して屋敷九段の作戦は6五角を打たずに▲3七銀から▲4六銀を急ぐ指し方でした。この先手の指し方は手詰まりになりやすいので少ない、と豊島七段。

先手は▲7五歩から玉頭位取り、後手は銀冠に組み替えます。後手が△4五桂(46手目)と跳ねて戦いが始まりました。
以下▲4五同桂△同歩▲同銀に△4一飛が気づきにくい好手でした。
20140223屋敷大石1
△4一飛は次に△5二金と寄って銀取りと4七飛成を狙っています。そこで屋敷九段は▲3四銀と出て△5二金▲4八金と受けましたが、豊島説の▲2七飛△5二金▲4六歩と受けるほうが良かったか。大石六段も感想戦でこのほうが嫌だったと言ってましたね。

20140223屋敷大石2
本譜は△5六桂~△4九角以下飛車を成り込むことに成功し後手が優勢になりました。先手は2九に自陣角を打って勝負しますが、△4七歩~△4八成桂で角と飛車の利きを遮断されてかなり辛い格好に。

それでも先手は玉頭に嫌味をつけて勝負形に持ち込みますが、後手に冷静に対処されてあと一歩及ばず。102手で大石六段の勝ちとなりました。

これで大石六段はA級棋士3人(行方、羽生、屋敷)を倒してベスト4進出。準決勝は、優勝経験のある実力者丸山忠久九段との対戦です。
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[ 2014/02/23 23:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

NHK杯3回戦 羽生善治三冠vs大石直嗣六段

NHK杯4連覇・24連勝の大記録を持つ羽生三冠に関西若手強豪の大石直嗣六段が挑んだ一局。各所で話題になっていると思うので結果から先に書きますが、大石六段が羽生三冠を破る大金星を挙げました。

将棋は大石六段が後手でダイレクト向かい飛車を採用。大石さんはこの戦法を得意としていて『ダイレクト向かい飛車徹底ガイド』という本も出しています。▲6五角△7四角に▲同角△同歩▲7五歩△7二飛・・・と進みました。この△7二飛と回る形は振り飛車というより相居飛車、角換わり腰掛け銀のような将棋になります。通常の角換わりに比べると7筋の歩が切れているのが後手の主張。

羽生三冠が▲3五歩△同歩▲6一角(51手目)と仕掛けて戦いが始まりました。▲6一角は飛車を8筋に動かすことで「飛車を攻撃に参加させない意味がある」と解説の山崎八段。

20131222羽生大石1

以下△8二飛▲7二歩に△6九角が気づきにくい角打ちでした。▲5八銀には△7八角成▲同玉△5一金があります。本譜羽生三冠は▲3八銀と引いて△3六歩に備えましたが、やはり△7八角成▲同玉△5一金。先手玉は薄くなって飛車銀が不自由な格好。後手の大石六段が優勢になりました。

そこから羽生三冠も粘りましたが、逆転には至らず。中盤でついた差が大きかったようです。大石六段の冷静な指し手の前に押し切られてしまいました。羽生三冠はまさかの3回戦敗退。羽生さんがNHK杯でベスト8に進めなかったのは2006年度の対深浦戦以来7年ぶりです。

今期の大石プロは4月に五段昇段、5月に竜王戦ランキング戦2回連続昇級で六段昇段、そして順位戦C級2組でも7戦全勝と好調をキープしています。順位戦でも昇級して飛躍の年にしてほしいですね。
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[ 2013/12/23 07:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)