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JT杯決勝 久保九段vs羽生三冠

棋譜→2013年11月10日 「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」 決勝戦 東京大会 久保利明JT杯覇者 対 羽生善治三冠

昨日は東京ビックサイトでJT将棋日本シリーズの決勝戦、久保利明JT杯覇者対羽生善治三冠戦がありました。去年の決勝に続いて2年連続の顔合わせです。

久保九段が先手で▲5六歩△8四歩▲7六歩△3四歩▲2二角成△同銀▲8八飛の出だしから向飛車になりました。先手の美濃囲いに後手は銀冠。▲8六歩△同歩▲同角から動いてまずは先手が主導権を握りました。

20131110久保羽生1
角を交換してから先手は5一に角を打って打開しにいきました。△6二銀なら4二の金と刺し違えて手を繋げるのでしょう。本譜は△7二飛に▲8五歩から桂交換に。続いて▲6四歩と垂らしましたが△5二金と寄られて簡単には決まらない。このあたり先手が攻めあぐねて徐々に後手ペースになったように見えました。7八と5八に歩を受けたところは少し苦しそうな形。

終盤、後手は△1五歩(102手目)から端攻めに出ます。△1七歩と垂らされて先手玉は嫌な格好ですが、▲2九銀~▲1九歩と受けて辛抱。
△5八馬と寄られて先手玉は狭くなりましたが、▲1五金!(133手目)がありました。
20131110久保羽生2
1六の香車を外してしまえば先手玉は広く寄らない。この金打ちが勝利を呼び込む一手となりました。

最後は▲3三成桂に△1四玉と逃げていればまだ分からなかったと思います。本譜は△3三同玉に▲6六馬が攻防の王手で先手玉が寄らなくなり久保九段の勝ち。155手の大熱戦でした。

序中盤の駆け引きから終盤の攻防まで見ごたえのある名局だったと思います。久保九段の振り飛車らしい粘りが光った一局でした。
久保先生、連覇おめでとうございます!
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[ 2013/11/11 07:30 ] JT杯将棋 | TB(0) | CM(0)

JT将棋日本シリーズ羽生佐藤戦(222手の死闘)

棋譜→「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」 二回戦第一局 静岡大会 羽生善治三冠 対 佐藤康光九段

昨日はJT将棋日本シリーズ2回戦の羽生三冠vs佐藤康光九段戦がありました。
両者のこれまでの対戦成績は羽生99勝、佐藤52勝。羽生三冠はこの対局に勝つと対佐藤戦100勝目となります。

佐藤九段が先手で▲7六歩△3四歩▲7七角!△3五歩の出だしから相振り飛車になりました。まず3手目▲7七角に驚きました。データベースで調べてみると佐藤さんは過去に1度、木村八段戦(2010年、大和証券杯)で3手目▲7七角を採用しています。

序盤から前例がなく互いに構想力を問われる将棋になりました。先手は▲2八銀から1七銀と上がる囲い、対して後手は金無双に組み替えます。後手が端から先攻する展開に。

駒損ながらも後手の攻めが続きましたが、先手も中段玉で決め手を与えません。後手が寄せ切れるか、先手玉が上部に逃げ出せるかという戦いになりました。
▲3四玉(141手目)と上がったところは先手が逃げ切ったように見えました。羽生三冠もここは負けだと思ったそうです。
20130824羽生佐藤1
しかし、その後の▲5二銀(143手目)~▲6一竜はやり過ぎだったか。佐藤さんは▲5二銀△同金に▲同と、と取れると思っていたようですが、それには△4三銀があります。▲6三金に△3一飛(158手目)が攻防手で逆転模様に。

そこから先手玉の入玉を巡る攻防が50手以上続きました。先手は必死の防戦を続けましたが徐々に戦力を削られて追い詰められます。△6二歩(200手目)が決め手で大勢決した感じ。
最後は羽生三冠が先手玉を寄せ切って勝ち。将棋日本シリーズの最長手数記録(205手)を更新する222手の大熱戦でした。

この勝利で羽生三冠は対佐藤九段戦通算100勝を達成。それにしても羽生佐藤戦は毎回激戦になりますね。先日のA級順位戦も深夜1時までもつれる大熱戦でした。佐藤さんの棋風で序盤から激しい殴り合いになることが多く、そして終盤の逆転も多いと思います。
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[ 2013/08/25 07:00 ] JT杯将棋 | TB(0) | CM(0)

JT杯決勝 久保九段初優勝

今年の決勝は羽生善治三冠と久保利明九段の対戦。羽生三冠が勝てば郷田真隆以来史上2人目の3連覇、一方久保九段が勝てば初優勝となる。

棋譜→「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」 決勝戦 羽生善治JT杯覇者 対 久保利明九段

戦型は久保九段が先手で▲7六歩△8四歩▲5六歩の出だしから中飛車だった。私の予想は▲7六歩△3四歩の出だしから石田流もしくは角交換四間だったので、中飛車はちょっと意外だった。居飛車から角を交換する最新形に進んだ。30手目△5二金右に▲7五銀とぶつける将棋が多いが、本譜は▲2六歩(新手)△2二玉の交換を入れてから▲7五銀。そこから銀冠に組み替えるのが久保九段の構想だった。

久保羽生JT001

図は久保九段が▲8五銀と打って7六の銀を消しにいったところ。▲8五銀は少し変な手だが、△同銀と取ってくれれば手順に8筋の歩が伸びる。羽生三冠もこの▲8五銀は意外だったようだ。「意外だったけど厳しかったですね」(羽生三冠)

実戦は△同銀とは取らず△7七銀不成▲同金△5二飛▲5九飛△5一飛と進んだ。先手は銀桂交換で駒得だが8五の銀が遊んでしまいそうだ。後手は飛車を引いてから△3三金右~△4五歩。△4六歩をみせて飛車を4筋に回らせて5筋から動く。先手は8五の銀を9四→8三→7二と進軍させたが△5四銀と上がられて銀の活用が難しくなった。このあたりは後手の駒の働きのほうが良いので羽生さんが盛り返していると思ったのだが。

久保羽生JT002

▲7一角成(81手目)に△4六歩と突いたがこの手が甘かったようだ。久保九段は手抜いて▲4一銀の両取り。以下△3五桂には▲同馬がある。「△3五桂を切られて後手が足らない」(羽生三冠)
感想戦で谷川九段は△4六歩に代えて△6三銀を指摘していた。▲5三歩なら△7二飛▲同馬△同銀▲5二と。この変化は羽生さんも当然読んでいたが、そのときに△4六歩を入れたほうが得だと思ったとのこと。

以下は差がついてしまった。△4九飛は自陣に利かした手だが▲4七歩と飛車の利きを止められて受けが難しい。最後は▲4五桂△同銀▲6三銀成と気持ちの良い手順が決まり久保九段の勝ち。7二で遊んでいた銀が最後の最後で捌けた。

優勝の感想を聞かれて久保九段は「今年に入ってから活躍できていなかったのですが、これを復活のきっかけにしたいと思います。」と答えていた。今年は年明けに二冠を失い、順位戦でもB1に降級するなどどん底を味わった久保九段だが、ここに来て復調の兆しがみられる。この優勝が復活のきっかけになれば良いと思う。

久保先生、初優勝おめでとうございます!!
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[ 2012/11/19 07:18 ] JT杯将棋 | TB(0) | CM(0)

渡辺まさかの頓死 - JT将棋日本シリーズ決勝 渡辺竜王vs羽生二冠

JT杯決勝、現地で観戦して来ました。

今期の決勝は、連覇を目指す羽生善治JT杯と、初めて決勝に進出した渡辺明竜王・王座の対戦。

今の将棋界を代表する両雄の対戦。解説の豊川孝弘七段は「僕が今一番見たい対戦カード」と言っていたが、会場のファンも同じ気持ちだったと思う。私もハイレベルな熱戦が観られることを期待して現地に向かった。

振り駒の結果、先手となったのは渡辺竜王。▲7六歩に2手目△8四歩で次の3手目が注目されたが▲6八銀から相矢倉戦となった。

▲4六銀・3七桂の定跡形から後手が△8五歩と伸ばす形。△8五桂がないのでこの場合先手は穴熊に囲う。最近では今年の名人戦第4局が本局と同じ進行。現代矢倉のテーマ図とも言うべき局面。両者ともに研究会等では数え切れないほど指しているだろう。

図から▲3五同角に△3四歩▲7九角△3五桂という進行が多いが、渡辺竜王は先に▲1五香と走る。

以下△2五桂▲1一香成△3七歩▲1八飛△1七歩で封じ手の局面。
封じ手では▲3五角もあったが、▲2八飛。▲2八飛△1六桂の交換を入れてから3五の銀を取った。飛車を取られるにしても桂馬を1枚使わせたほうが得と見たのだろう。飛車は取られたが端を破って先手好調。3筋に香車が打てるのも大きい。

対して後手は8六突き捨ててから飛車を打って反撃。しかし先手も1三の馬が受けによく利いている。
後手は△5六歩(86手目)~△5七銀で迫るが、先手からも▲5五桂がある。激しい攻め合いとなった。

図から竜王は▲4三桂成△同金▲2三馬。「王手は追う手」で玉を逃がしているようだが、▲3三香成がある。
「そうか、越谷、千住の先かぁ、▲3三香成がありますね」(豊川七段)金銀を拾って先手のほうが速そうだ。

待望の△5五角がようやく実現したが・・・

▲7九金打とガッチリ受けられて、後手の攻めが切れたと思った。
羽生さんの手が止まり、苦しそうな表情を見せる。1分×5回の考慮時間もついになくなる。
ここで羽生二冠は△7八桂成▲同金△6七金!

最後の考慮時間を使って指された渾身の勝負手△6七金。
この手を見て今度は渡辺竜王が頭を抱えた。そして間違えてしまう。

▲7一銀(111手目)が敗着となった。
2011112018400001 (1)
△8六飛と切られて、▲同歩に△7七角成▲同桂△7九銀以下先手玉が頓死。解説が加藤一二三先生だったら「ひゃー」と声を上げてたかもしれない。歩一枚しか余らないぴったりの詰み。

感想戦では触れられなかったが、▲7一銀では▲7五桂△同歩▲7四銀△同玉▲7五銀以下の即詰みもあったようだ。(Twitter上で教えていただきましたm(__)m)しかし、これを30秒で読み切るのは難しい。これが早指しの怖さですね。

感想戦で検討されたのは▲5七金と"と金"を払う手。△6八飛成があるが▲7八金と受けて、3四の馬が受けに利いているので先手優勢だった。

△6七金はまさに「羽生マジック」という感じで、最後は観ていて興奮した。
「歴史に残る一局となったかもしれない。一生忘れられない一局となりましたね、と言いながら明日には忘れてたりするんですが(会場笑)」(豊川七段)

劇的な幕切れで羽生JT杯が2連覇を達成。羽生二冠の凄味を間近で感じた一局だった。

羽生さん、JT杯2連覇おめでとうございます!!

※棋譜はJT将棋日本シリーズの公式サイトをご覧ください
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[ 2011/11/21 20:30 ] JT杯将棋 | TB(0) | CM(0)

JT将棋日本シリーズ決勝現地観戦 山崎隆之vs羽生善治

今年も行ってきました、JT将棋日本シリーズ決勝。

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今年は東京体育館での開催。こども大会の参加者が過去最高だったとのことで会場は熱気に包まれていた。
羽生さんが決勝戦に登場するということもあったのか、プロ対局観戦の来場者も昨年を上回っていたように思う。

さて、羽生善治-山崎隆之の決勝戦。

振り駒の結果、山崎七段が先手に。山崎先手なら相掛かりか横歩取りになるだろうと予想していたが、羽生名人が2手目に△8四歩と突いたことで相掛かりの将棋になった。先手の山崎七段は得意の引き飛車棒銀。羽生名人との王座戦五番勝負でも指された戦型だ。後手が8筋を交換してきたのに対して歩を受けずに▲7六歩と突いたことで乱戦模様となった。「▲8七歩と受ける将棋は羽生先生とも何回かやったことがあったので、今日はなんとなく▲7六歩と突いてみた」ということだが、「なんとなく」というのが山崎七段らしい。

羽生山崎1

第1図で封じ手予想クイズとなった。▲8二歩、▲7七角、▲2二角成、▲4五銀などが候補に挙げられる。▲8二歩は△9三桂と逃げられて意味がなさそう。ということで、私は大盤操作の荒木三段指摘の▲2二角成に一票を投じたが、その予想が的中し山崎七段は▲2二角成。

▲7七金で飛車を追い返して、▲8八飛と回るのが山崎流の構想だった。次に▲8三歩と垂らせれば先手優勢、かといっておとなしく△8三歩と受けるのでは作戦負けとみた羽生名人は△8七歩。▲同飛に△3五歩が巧い手で▲同銀に△6五角から馬を作った。

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この馬が好位置で、後手からは飛車を切って△6九金の一手詰めがあるので先手は一回受けなければならない。後手から先に桂馬を取られる展開となったが、この局面自体はまだ難しく、山崎七段もやれるとみていたとのこと。先手からはどこかで▲4四歩~▲1六角と後手玉のコビンを攻めるのが楽しみ。この攻めが恐いと見て△3四歩と一回銀を追い払ったのは落ち着いた一手だった。

山崎七段が悔やんだのは、そこから10手ほど進んだ51手目の局面(第3図)

JTHabu_003

ここで▲8四歩と垂らしたが、△4八馬~△9二金と竜を殺されてしまった。8四に歩がいなければ竜は生還できる。この局面では▲4九歩あるいは▲5六角と受けておけばまだまだ長く難しい将棋だったようだ。

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↑▲5六角は△4四飛と回られるのを受ける手。冷静に見れば銀得の後手が良いはずだが、まだまだ長い勝負。

竜を殺してはっきり後手が優勢となった。△4四飛と回られてから△2九飛。二枚飛車で先手玉はサンドウィッチ状態となってしまった。

▲3九桂と必死の頑張りをみせる山崎七段だが、その後の羽生名人の△8四飛が本局最も印象に残った一手。
歩を受ければ先手は歩切れで、2筋に香車を打たれると厳しい。本譜の▲6七角には△8八歩。大盤解説の島九段が「羽生さんの語録に『終盤はゆっくりした手でいくのがいい』というのがある」と言っていたが、△8四飛~△8八歩はまさにそのような手だったと思う。

以下、難なく挟撃体制を作り、羽生名人の勝ちとなった。

短手数で終わったが、乱戦の面白い将棋でお互いの持ち味、らしさの出た一局だったように思う。この2人は対戦成績こそ大きく離れているが常にエキサイティングな内容となる。
今回生で観戦して改めて感じたのはお二人とも華があるということ。タイトル戦などの大舞台でこの2人の対戦をもっともっと見てみたいですね。


JT_581
↑解説の島朗九段、聞き手の清水市代女流


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[ 2010/11/24 20:00 ] JT杯将棋 | TB(0) | CM(0)