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3月のライオン

漫喫に行ったら『3月のライオン』1~3巻があったので読んでみた。



(※以下ネタバレあり)







幼い頃に家族を亡くしながらも、義父・幸田の支えもあって将棋に打ち込み史上5人目の中学生棋士となった主人公・桐山零。
しかし、桐山は幸田家の家族とうまくいかず、居場所を失い一人暮らしを始める。高校に通い始めたが、友達はできない。そんな「孤独」な桐山だが、川本三姉妹と知り合い、次第に川本家にお世話になり始める。

第3巻の冒頭に印象深い言葉があったので、引用する。

何度も何度も同じ夢をみた
子供の頃から繰り返しみてきたヤツだ
長い 長い エスカレーターを登る夢
何が怖いというわけではない ただ
登って 登って 登りつめた そこには
還る道が 無いのだ


「還る道」のない「エスカレーター」をどう登っていくか
人とのつながりが薄い桐山は、自分の力だけで「エスカレーター」を登ろうとする。
しかし、それは17歳の男の子には過酷なものだった。

高校では常にひとりぼっちで友達を作ろうとしない。幸田家には連絡は取らず、マンションで一人暮らしだが、家事をしっかりこなせているわけではない。
そんな桐山に対して高校の林田先生が投げかけた言葉が桐山の胸に強く突き刺さる。

人に頼られたい、そう望むならば、まずは自ずから人に頼れ。そうしなければ誰もお前に頼ることはできないんだ。


第3巻で登場する島田開八段
彼は、故郷山形を心の拠り所として、地道に努力を続けながら「エスカレーター」を登り、「A級昇級・タイトル挑戦」まで到達した棋士だ。粘り強く、決して諦めない棋風の持ち主で、その姿は現役棋士でいえば深浦、豊川を想い起こさせる。

獅子王戦のトーナメントで桐山は島田に敗れる。獅子王戦に賭けていた桐山にとっては大きな挫折だった。
この挫折から桐山がどう立ち直るか?
桐山は巻末で島田に研究会入りを申し込む。
自分一人の力だけではなく、誰かを頼ることで桐山は前に進もうとする。


4巻以降で、桐山が周囲の支えによってどう成長していくのだろうか?

4巻が発売されるのが待ち遠しいですね~
全体的に面白く、将棋をあまり知らない人でも興味深く読むことができるのではないでしょうか。
テーマは若干重めですが、その重さをあまり感じさせない作者の描写がうまいなぁと思います。





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[ 2010/03/31 22:17 ] 書籍レビュー | TB(0) | CM(0)

久保利明棋王防衛・九段昇段 棋王戦第5局

フルセットまで持ち込まれた棋王戦五番勝負
振り駒で佐藤挑戦者の先手番となり、後手久保棋王のゴキゲン中飛車となった。
本シリーズ、久保の先手石田流に対しては善戦(2勝)している佐藤康光九段だが、中飛車に対しては2敗と苦戦している。

本局中飛車にどのような作戦で臨むか注目されたが、佐藤九段の作戦は3七銀急戦だった。
これに対して久保棋王は穴熊に組み替える趣向。
順位戦B1対屋敷戦での快勝が思い出される。先手は手厚く抑え込んだが、後手玉が遠いのも大きい。
本譜は終盤まで玉の遠さが生きる展開となった。

終盤、形勢が二転三転
久保優勢とみられてたが△5九竜に▲2六角で一気に先手に形勢が傾いた。

久保佐藤

上図の局面、先手のほうからは穴熊の弱点である8三の地点に殺到する狙いがあり、先手優勢の局面。
ここで▲5四銀としたが、これが一手パスのような手だった。と金を残しても鮮やかに一手勝ちが望めるとみたのだろうが、ここで残ったと金が存外働いた。
▲5四銀に△4六馬~△6四馬で形勢は再び混沌。
ここからの久保の指し回しが見事だった。詳しくは棋譜を参照していただきたいが、一手間違えれば一気に危なくなる局面だったが、一手一手冷静に佐藤玉を追い詰め、最後は鮮やかな必至。

これで久保利明棋王は2期連続で佐藤九段を撃破して2冠を維持。羽生佐藤という強敵を倒しての2冠は見事の一言に尽きる。羽生、佐藤という名前に負けることなく強い精神力を持って獲得した2冠である。久保時代の到来と言っても過言ではないかもしれない。しばらくはこの強さを持続し続けるのではないか。

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[ 2010/03/30 22:27 ] 棋王戦 | TB(0) | CM(0)

羽生2連覇 第59回NHK杯決勝 羽生vs糸谷

実家のテレビで観戦した日曜日のNHK杯、
一年経つのは早いものでもう決勝だ。

歴代1位、8回目の優勝を目指す第一人者羽生善治NHK杯に対して、今期永世名人2人+永世竜王を撃破して勝ち上がってきた新鋭糸谷哲郎五段が挑む決勝戦。糸谷の勝ち上がりは解説の谷川九段も言うように五段時代の羽生が名人経験者を4人破って優勝した1988年度のNHK杯を彷彿とさせる。糸谷の勢いが羽生にどこまで通用するか?

将棋は後手羽生の一手損角換わり、先手早繰り銀の最新形となった。

habuitodani

9筋の突きあいが入っているのが今までの実戦例と異なる。序盤早々糸谷のほうから▲9六歩と突いた。何気ない端歩の違いだが、これで将棋が全く違うものになる。

先手の糸谷が先に動く。▲8三歩と叩いてから3三に銀を打ち込んで竜を作る。単純な攻めだが、逆にプロからすると盲点になりやすいようだ。後手陣は竜を作られ、辛いようだが、6二から右のほうに逃げて耐久力があると羽生はみている。糸谷が▲3二竜と一手詰めの詰めろをかけたが、△5二金打とがっちり受けられてみると先手に思わしい手がない。

逆に羽生が先手陣に打ち込んだ急所の△4九角が厳しい角打ちだった。いつもは超早指しで進めていく糸谷が長考に沈む。いつもは相手よりも持ち時間を大量に残す糸谷の考慮時間が、羽生よりも早いペースで減っていく。今期NHK杯では初めてみる光景だ。

糸谷も▲5五角と出る勝負手で何とか迫ろうとする。第2図
羽生糸谷

「成桂を寄りたいが、桂馬を渡すと後手も危ない」と谷川九段が解説したこの局面、桂馬を渡さずにどう寄せるのか?
ここで羽生が指した手は悠々と△8五歩!
なんとこの手が詰めろ!詰めろということでは先手は▲同歩と取るよりないが、△8六歩▲同銀と銀の守備力を弱めて△7八と
以下、羽生が鮮やかに寄せきった。
糸谷も最後ギリギリの一手違いにまで持ち込んだが、流石は羽生、糸谷の仕掛けた罠には嵌らずに快勝。
羽生の強さが際立った今回のNHK杯だった。

敗れた糸谷、今回のNHK杯での対局姿を見て彼のファンになった。観ていて面白い人だなぁと思う。
大学ではヴィトゲンシュタインをやっているらしいけど、哲学の話も聞いてみたいなぁ。
早見え、早指しで早指し棋戦では強いけど、持ち時間の長い棋戦(順位戦など)ではまだ結果が出せてないようだ。
このままただの「早指しの強い棋士」で終わってしまうか、それとも大物棋士となれるか・・・

いつかタイトル戦などの大きな舞台で観てみたいですね。
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[ 2010/03/22 23:32 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

久保二冠

京都に小旅行に行っている間に、久保棋王が王将を奪取し、2冠達成。

旅行中はほとんどネットに触れていなかったので、今棋譜を並べてみたが、非常に大熱戦だったようだ。

羽生さんに終盤ミスがあったようだ。久保玉が詰みそうにみえたが、わずかに詰まない。しかし「羽生マジック」というブランドに惑わされず、正確に指し進めることができた久保さんを褒め称えるべきだろう。昨年初タイトル棋王位を獲得して精神的に一皮向けたか。

さて、今日の棋王戦
ゴキゲン中飛車▲7八金型から相木村美濃に。
▲5八金右超急戦と異なり、本局のような将棋は序盤から細かな駆け引き、渋い応酬がみられて面白い。
(序盤から激しい超急戦はそれはそれでスリルがあって面白いですけど)
と、ブログを書いてたら局面が動いたようだ。
どちらが良くなっているのだろうか。

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[ 2010/03/19 14:17 ] 将棋 | TB(0) | CM(0)

羽生王将が逆転防衛へ一歩前進(王将戦第5局)

リアルタイムでは観戦できなかったが、終盤までどちらが勝ってもおかしくないほどの大熱戦だったようだ。

まず、封じ手は意表をつく△54歩。しかし、指されてみればなるほどという手だ。「歩越銀には歩」で、5三に銀の引き場所を作った手。
久保さんも予想していなかったようで、△5四歩に対して40分以上使って▲6四歩。意表の△5四歩ではあったがその後の進行は久保さんが巧く捌いていったように思う。

「捌きのアーティスト」らしい一手が出たのが第2図
kubohabu_65gin

△5二香と角筋を止めた手に対して▲6五銀!
ただのところに銀捨て!
これも指されてみればなるほどという手だが、浮かびにくい手だ。羽生王将もこの手には驚いたようだ。
久保らしい「アート」な一手だった。

この後、4一の角を切って2三の銀を取り、▲3一銀と打ったところは先手が良さそうにみえた。しかしこの▲3一銀は局後の久保曰く「重かった」ようだ。その後の羽生の追い上げが見事だった。
飛車取りを放置して△5五馬から△3六桂のコビン攻めを実現。こういう展開になると封じ手では▲4六歩と一手待っておくべきだったかとぼやきたくなるが、それはまた結果論。羽生の、中盤受け一方ながらも簡単に土俵を割らない指し回し、そして終盤の寄せの構図の描き方が見事だった。

これで久保の3勝2敗。依然数字では久保がリードしているが、私は久保挑戦者の奪取が厳しくなったとみている。久保ファンからは怒られそうだが、この一局で流れが大きく羽生王将に傾いたように感じる。

第六局は久保の後手番、おそらくゴキゲン中飛車を採用するであろう。対羽生戦のゴキ中の勝率が低いのが久保にとっては悩み所だ。羽生の対策は穴熊と予想する。ここ最近過密日程もあってか失速気味の久保、なんとか流れを変えることができるか?


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[ 2010/03/12 22:40 ] 王将戦 | TB(0) | CM(0)