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第51期王位戦第2局

挑戦者の広瀬章人六段先勝で迎えた第2局。挑戦者が後手ということで、ゴキゲン中飛車も考えられたが、前局同様十八番の四間飛車穴熊を採用。

深浦康市王位の対策が見物だったが、相穴熊ではなく、▲6六角、▲7七桂の構えから穴熊の端と玉頭に狙いをつける作戦に出た。昔は結構指された作戦のようだ。

プロでは珍しい作戦のようだが、アマチュアでは本譜の先手のような構えはよく見かける。
端に狙いをつけているが、チャット解説の阿部四段が言うように、実際は端一発では決まらないし、穴熊は「8二に銀がいるので実は端に強い囲い」である。そこで先手はまず3筋に飛車を回って手持ちの歩を増やしつつ、右辺での攻撃態勢を整える。

49手目の局面、先手は桂馬を跳ねた金無双のような囲い。穴熊の端に狙いをつけ、右辺は▲3六飛-▲3七桂の攻めの好形を実現したが、▲7七桂-▲8八銀の形が(個人的には)気持ち悪い。棋譜コメにもあるように銀冠にしたいが間に合わないようだ。また角が狭いので角頭を攻められたらどうするのだろうか?

封じ手の局面、後手には色々な選択肢があったが広瀬挑戦者は角頭を攻めるために飛車の位置をずらす△3五歩を選んだ。同飛に△5六歩と角の頭を叩いて、4六に逃げるかと検討されていた第1図

広瀬

ここで▲9三角成の強襲が成立していた。
端を破って居飛車がペースをつかんだかに見えた。しかし、後手は容易には崩れない。69手目、悩ましい桂馬の王手、続いて相手の手を殺す△5三角が渋い好手で後手もギリギリの所でバランスを保ち続け、逆転の雰囲気が漂った。

87手目、引いたら負けという局面で思い切って竜を切ったのが好判断だった。そして、そこから自陣に手を入れ、8六の桂馬を取りに行ったのがいかにもプロらしい。この辺りの一連の手順は非常に印象に残った。

桂馬を取って優勢を拡大、広瀬六段も最後まで罠を仕掛けたが、冷静な指し手を続けた深浦王位がそのまま勝ち切った。

本局は深浦王位らしい積極的な序盤戦術が見事に炸裂した一局だったように思う。時折この積極性が空回りすることもあるのだが、本局は持ち味を出せたのではないだろうか。

序盤の引き出しの多さが深浦王位の強みと言われるが、次局はどんな対策を見せてくれるだろうか。今から楽しみだ。

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[ 2010/07/29 00:13 ] 王位戦 | TB(0) | CM(0)

王位戦第1局、竜王戦挑戦者決定トーナメント羽生vs藤井

注目の対局が2つも中継されるという、将棋観戦日和だった昨日。

結果は意外とあっさり決まった感があるが、なかなか面白い将棋だったと思う。
以下、感想。

■王位戦第1局
先手番を引いた広瀬が十八番・四間飛車穴熊を選択。対して深浦王位は直近の大和證券杯最強戦同様、穴熊に囲って相穴熊戦となった。右金の動きを保留したまま、△7四歩を急いだのが深浦の趣向のようで、本譜は△7二飛と回って千日手模様となった。ここまでは深浦の研究範囲で、千日手を含みに戦う後手番ならではの作戦だといえる。この局面では深浦王位らしい強かな序盤戦術がうまくいったのではないかという感想を持った。

対して広瀬は千日手にはせず5筋から打開。封じ手直前の▲5四歩はいかにも「勝ちました」と言わんばかりの手。
しかし、▲5三銀の打ち込みはやや重そうに見えた。角を取っても△同金が味の良い手。控室のプロも大方同様の見方をしていた。

63手目、角を取ってから▲5三歩成と成り捨てて、馬を作りにいった。この成り捨てがもったいないようだが、指されてみるとなるほどという鋭い手だったように思う。馬ができてみると先手が良さそうにみえる。

77手目、飛車角交換した時点で広瀬は優勢を意識していたという。その直後の▲3八金寄が渋い好手。なるほどこのタイミングで自陣を補強するのかと感心させられ、勉強になった。

深浦王位の側からみると、特に悪手を指していないのにいつの間にか悪くなっていたという感じだろうか。強いて言えば72手目で△5五桂の攻め合いがあったかどうか。非常手段で歩頭の桂打ちで迫ったが及ばず、既に大差がついていたという相穴熊らしい将棋だった。

第2戦は深浦先手、おそらく居飛車対振り飛車で挑戦者が穴熊に再び組むことが予想されるが、もしかしたら深浦王位が変化球を投げてくるかもしれない。例えば先手一手損角換わりとか。次局は深浦王位の序盤作戦に注目して観たいと思う。


■竜王戦 羽生vs藤井
なんと3年ぶりという人気棋士同士の対戦。藤井九段は今年に入って絶好調なだけに好勝負を期待していた。

が・・・


何ともあっけない終局となってしまった。

先手を引いた藤井九段が角交換型の四間飛車穴熊、いわゆるレグスペを選択。対して羽生名人は矢倉模様で対抗する将棋となった。序盤の天才と呼ばれる藤井九段だが、本譜は序盤の構想に誤算があったようで8筋から仕掛けていったのだが、うまく切らされてしまった。投了図、先手の攻めは細すぎる、一方で後手の7七のと金が大きい、プロ的には大差なのだろう。

もう少し指してほしかったというファンの意見もあるだろうが、まぁこれも藤井プロの個性だと思うのでどうこう言うつもりはない。


先の大和證券杯佐藤康-渡辺戦でもそうだったが、「レグスペ」の将棋は手詰まりになりやすく、居飛車側にじっくり待たれると苦しい印象がある。居飛車の矢倉は柔軟性があり優秀だと思う、というかそもそも「レグスペ」の作戦自体が無理気味なのだろう。

藤井九段、今回は残念だったが、王座戦で挑戦者となって今度は良い内容の将棋をみせてほしいと思う。




↑王将戦で佐藤挑戦者のレグスペに羽生王将が4筋位取り→4筋の突き捨てから穴熊を見事に崩した将棋の実戦譜が載っています。

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[ 2010/07/15 23:28 ] 王位戦 | TB(0) | CM(0)

順位戦B級1組2回戦

久しぶりの将棋観戦。

いつの間にか棋聖戦も終わってしまった。名人戦、棋聖戦ともにストレートで決着がついてしまった。前期はどちらもフルセットまでいったので、例年に比べると(将棋観戦的な意味で)暇な感じがするのは私だけだろうか。

それだけ、今期は羽生さんの調子が良いということなのだろう。その一方でいわゆる「2番手争い」は依然として混沌とした状態。渡辺竜王は結局棋聖、王位、王座いずれも挑戦権を逃し、羽生キラーと言われた深浦王位は棋聖戦3連敗に終わった。代わって、広瀬、戸辺といった若手の台頭、藤井丸山の復活(?)

さて、B1の話に移るが、ここ数年「2番手集団」の一角としてタイトル戦に常に絡んできた佐藤、深浦の両巨頭が黒星スタートとなった。「佐藤深浦がすんなり昇級するほど甘くはない」という予想を立ててはいたものの、この2人の黒星スタートは意外だった。リーグ戦、先はまだまだ長いし、見方を変えれば順位が良いのであと3つ負けても昇級できると考えることもできるが、連敗だけは避けたいところだろう。佐藤深浦の両巨頭がどういう将棋を見せてくれるかに注目しながら観ていた。


▲鈴木大介八段-△佐藤康光九段

鈴木は久しぶり(?)に「新・石田流」を採用。居飛車のほうがやや良いということで、最近は本人曰く「二軍調整」させていたようだが、順位戦で、強豪佐藤九段相手に新手をぶつけてきた。
新手の意味は、いずれ7七に角を引かされるのだから、最初から7七に置いて、右辺の攻撃態勢を急ぐというものだろうか。
新手▲7七角に対して佐藤九段は桂跳ねで応戦、「桂馬の高跳び、歩のえじき」というがこの桂馬を殺す展開にならなかったのが鈴木八段にとっては誤算だったか。飛車回りから、△佐藤九段のいかにも本筋と言う感じの攻めが決まり程なく終局、最後は一手差にするのがやっとだった。

新手の善悪はよく分からないが、鈴木八段からすると痛い負け方かもしれない。開幕前予想でも挙げたがこのままだと降級が心配される。逆に佐藤九段は、らしい鋭い攻めを見せてくれた。ファンとしては一安心といったところか。

▲畠山鎮七段-△深浦康市王位

初戦で佐藤九段を破り好スタートを切った畠山七段と、初戦黒星&棋聖戦3連敗で不調が心配される深浦王位の対戦。再流行の感がある横歩取り△8五飛の将棋となった。「鎮(まもる)は攻める」という言葉があるほど攻め将棋のハタマモ七段。本局でも、穏やかに歩を伸ばしていく前例が多かった局面で、7筋の歩の突き捨てて開戦、やはり先攻する展開となった。先手の攻めは細いようだが上手い具合に続いていった。
その後、後手の反撃があり、「先手やり過ぎたか」との声も控室から聞かれたが、75手目の▲1六角が攻防で、終わってみればこの手が決め手だったかもしれない。最後まで難解な戦いだったが、攻めを上手くつないだ畠山七段が後手玉を鮮やかに寄せきった。

畠山七段はこれで佐藤、深浦の両巨頭を破っての連勝スタート。正直いってこの連勝スタートを予想した人は少なかったのではないか。やはり攻め将棋の人は嵌まると怖いですね。

対して、連敗スタートの深浦王位、順位戦はまだ長いので、昇級の可能性は十分あると思うが、これだけ連敗が続くと王位戦に影響しないか心配だ。


その他の結果は以下の通り

鈴木 大介八段(0勝2敗)●-○佐藤 康光九段(1勝1敗)
中村 修九段(1勝1敗)○-●屋敷 伸之九段(0勝2敗
行方 尚史八段(1勝1敗)●-○山崎 隆之七段(2勝0敗)
松尾 歩七段(2勝0敗)○-●豊川 孝弘七段(1勝1敗)
畠山 鎮七段(2勝0敗)○-●深浦 康市王位(0勝2敗)
杉本 昌隆七段(0勝2敗)●-○井上 慶太八段(1勝0敗)

まだまだ先の長い順位戦だが、最後まで分からない混戦になりそうだ。

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[ 2010/07/03 23:36 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)