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B級1組順位戦8回戦

昨日はB級1組順位戦8回戦。結果は以下のようになった。

松尾 歩七段(5勝3敗)○-●山崎 隆之七段(4勝3敗)
井上 慶太八段(4勝3敗)●-○行方 尚史八段(3勝5敗)
杉本 昌隆七段(3勝4敗)○-●中田 宏樹八段(3勝4敗)
佐藤 康光九段(7勝1敗)○-●中村 修九段(4勝4敗)
屋敷 伸之九段(4勝3敗)○-●畠山 鎮七段(4勝3敗)千日手指し直し
深浦 康市九段(3勝4敗)○-●豊川 孝弘七段(2勝6敗)

最後に終局を迎えた、深浦豊川戦が印象に残る「熱局」だった。途中千日手模様になったが、長考の末に後手番の豊川が果敢に打開。本譜の順で打開して後手が指せているように見えたが、深浦も容易に土俵を割らない指し回しを見せる。後手豊川が入玉を目指す展開となり、相入玉となれば大駒3枚を持つ後手が有利と見られていたが、後手に誤算があったか竜を取られてしまう。最後は深浦九段の鮮やかな寄せが決まった。投了図、後手の無念さが伝わってくる。


昇級争いは佐藤九段が一敗を守って、一期での返り咲きに大きく前進。もう昇級はほぼ間違いないと言っていいのではないか。2番手争いは混戦。私が春先昇級候補に挙げていた屋敷九段も4連勝で調子を上げてきた。4敗の深浦九段含めて最後までもつれそうだ。

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[ 2010/10/30 06:30 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)

第23期竜王戦七番勝負第2局

渡辺竜王の先勝で迎えた第2局、

竜王が後手番ということでその作戦選択に注目して観ていた。竜王の今年度ここまでの成績は17勝8敗だが、8敗のうち7敗が後手番で喫した黒星となっている。(参照→「将棋 棋士別成績一覧」
今期前半は、傍から見ると後手番での作戦選択に迷っているようだった。居飛車の正統派で2手目に△8四歩と突くことが多い竜王が、2手目△3四歩から角交換振飛車を採用することもあった。(棋聖戦挑決vs深浦)

課題の後手番でどのような作戦を披露するか注目が集まった本局、竜王は2手目に△8四歩と突いた。これに羽生名人が▲2六歩と応じれば角換わりの可能性が高くなる。角換わり腰掛銀同型の将棋は今年に入ってから後手が苦しいと言われてきた。△8四歩と突いた以上はそれに対する何か研究を準備しているはずだ。竜王はどのような秘策を用意しているのだろうか?多くのファンがそこに期待して観ていたと思う。

しかし羽生名人は▲2六歩と突かず、▲6八銀から矢倉を志向した。矢倉も珍しくはないのだけれども、角換わりの例の変化で何か新たな進展があるか?期待していただけに肩透かしを食らった感はある。しかし、私の視野が狭かっただけかもしれない。羽生名人は矢倉でもファンを唸らせる新構想を見せてくれた。

矢倉で今一番HOTな▲4六銀-3七桂の将棋になった。54手目△3七銀と打つ将棋は最近先手の勝率が思わしくない。先手の対策が注目されたが、羽生名人の構想は▲6四歩(57手目)から▲1五香(新手)。先に香車を捨てるので浮かびにくい順だが、先手の攻めが途切れない。「コロンブスの卵」とは言い得て妙だ。

公式戦では新手となる▲1五香だが、研究会では既に登場している手らしい。以下某プロのつぶやきより引用
三段陣の中では盛んに研究されている形らしい。私がこの新手を聞いたのは1ヶ月くらい前。最近の将棋界は情報があっという間に駆け巡る。1週間何もしなかったら浦島太郎気分だw

竜王戦。最近、奨励会員から聞いた新手がそのまま使われていた。渡辺君の方が手を変えたと言っていいのかな。

一昨年竜王戦の急戦矢倉の将棋でもこういうことはあったので今更驚きは無いが、興味深い呟きだ。当然、竜王もこの手については知っていただろう。どこで「手を変えた」かはこのつぶやきだけでは分からないが。(おそらく74手目の△9六歩だろうか)

昼休前、竜王の△9六歩からの端攻めには驚いた。
竜王96hu

大量の持ち歩を使って叩く。角換わり腰掛銀での渡辺将棋を髣髴させる攻めだった。善悪は別として羽生名人を焦らせる勝負手だった。そこから先手が▲8四馬と馬をを切って桂馬と交換したのがやや無理だったようだ。後手の歩切れに期待したようだが、竜王の冷静な受けの前に攻めがあと一歩及ばなかった。

渡辺竜王が2連勝となって防衛の確率はかなり高まったように思う。しかし長い七番勝負どこで流れが変わるか分からない。一昨年の逆パターンも考えられる。第3局は渡辺先手ということで今度は羽生名人が2手目、4手目に何を指すか、再び横歩取りになると予想するが、果たしてどうなるか。


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[ 2010/10/27 06:30 ] 竜王戦 | TB(0) | CM(0)

NHK杯将棋 広瀬章人王位vs渡辺明竜王 相穴熊

振り飛車穴熊を多投し、王位奪取に成功した広瀬王位と、堅い玉を好む渡辺竜王の対戦、
となれば大方の戦型予想は相穴熊だろう。果たして、相穴熊の将棋となった。

後手居飛車の渡辺竜王が△4四銀型の穴熊に組んで、△5五歩から△5三銀と引き直す形を選択した。定跡形なので広瀬王位も当然熟知している形だろう。

相穴熊の将棋では、と金を作って相手の穴熊を攻めるので、相手よりも先にと金を作れれば有利ということが多い。本局は後手の渡辺竜王が先に5筋にと金を作ることに成功、対して先手も▲6三飛成と竜を作ったが、△5一歩と受けられてみると後続がなく、ここでは後手が有利だろう。

△4七銀から渡辺竜王が猛攻、しかし、と金と金駒だけの攻めなので金銀のはがし合い埋め合いになった。

95手目(下図)、▲4七金がまたしぶとい受けだった。次に4八の地点に打たれると苦しいのでこの一手なのかもしれないが、素人にはなかなか思いつかない受けだ。Twitter上でも感嘆の声が数多く上がっていた。
広瀬渡辺
この手に対する△4九金もまた妙手。相穴熊を指すことは少ないのでよく分からないが、こうやって食らいつくものなのだろう。

この後も延々と金銀の打ち替えが続き、一時は千日手模様に。しかし渡辺竜王が打開し、先手の粘りを必死に振りほどいて勝ち。192手!の大熱戦だった。相穴熊戦らしい攻防で見ごたえがあったが、観ているほうからすればお腹いっぱいというか少々疲れる対局でもあった。

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[ 2010/10/26 06:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

阿部健治郎新人王

アマチュアの加來博洋さんが決勝に進出したことが話題を呼んだ新人王戦。

決勝3番勝負でも、第1局こそ阿部四段がプロの貫禄を見せるも、第2局加來さんが驚異的な終盤力で逆転勝ちを収め、第3局までもつれた。アマチュア(といっても元奨励会三段のいわば「セミプロ」だが)の「快挙」達成なるか否か、多くの人の注目が集まった。

後手となった加來アマは、またしても序盤で個性的な構想をみせてくれた。この大一番に阪田流向かい飛車をぶつけてきた。最近になってプロでも採用が増えている戦法ではあるが、依然「奇襲戦法」に近い扱いであることは関係者の反応をみてもわかる。

10手目の△4四角が加來流の構想。通常、角は手持ちにしておいたほうが良いが穴熊をけん制する狙いだろうか。それでも先手の阿部四段は、現代風に穴熊を目指す。▲9八香と上がったタイミングで、「穴には入らせん」とばかりに仕掛けていく。4四の角と7三の桂馬の連携による攻めは、あの「清水市代vsあから2010」の将棋を髣髴とさせる。

kaku_abe

上図、▲4五桂が飛車金両取りで3七桂と跳ねたときからの先手の狙い、しかし後手からの△6六歩(54手目)も厳しくみえる。金を引いてしまっては試合終了なので▲7七金。瞬間的には金桂交換だが、後手も飛車金両取りをかけられているので駒損はすぐ取り返せる。また△7七桂成に▲同桂と取った形がしっかりしている。この局面は先手が指せていたようだ。

後手は桂を取らずに△4六飛から飛車を捨てての猛攻。しかし、攻めが単調だったかもしれない。先手に冷静に受け切られてしまった。

終盤を迎えて下図
kaku_abe_2

ここで、▲7三銀が控室も見失っていた手で、鮮やかな決め手だった。△同玉▲7一飛以下▲9六歩まで必至がかかった。後手陣には金銀四枚あるが、悲しいことにいずれも働いていない。右玉の弱点である玉形の薄さが最後に響いてしまった。

阿部四段、優勝おめでとうございます!

三段時代にややもたついたそうだが、四段昇段以降は勝率8割は立派。順位戦も直ぐ上のクラスへ昇っていくのではないだろうか。作戦巧者であり、(本局でもみられた)中終盤での容易に崩れない粘り強さを兼ね備えているという点で、深浦さん(康市九段)と似ている、と個人的には思う。彼のように、地元の応援を味方にして、いつかはタイトル戦の大舞台で活躍してほしいですね。


Ustreamでの西尾五段による解説(録画)
リアルタイムでは観れませんでしたが、とても分かりやすい解説でした。

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[ 2010/10/24 06:00 ] 新人王戦 | TB(0) | CM(0)

NHK杯 小林裕士六段vs島朗九段 急戦矢倉

銀河戦準優勝の実績があり、早指し戦では毎年結果を残している「関西のコバヒロ」こと小林裕士六段と、
言わずとしれた実力者の島朗九段の対戦。互いに居飛車党ということで相居飛車、矢倉の将棋となった。

△6四歩(18手目)と突いて、△7三桂(24手目)と跳ねたことで急戦が確定。ここから飛車を5筋に振って仕掛けていった。

sima_kobayashi_1

第1図、通常の「矢倉中飛車」と異なり、左銀を△3三銀~△4四銀と活用しているのが特徴。2筋は薄くなるが中央突破という点においては破壊力がある。ここから△6五歩と突いて桂馬も攻めに参加させる。プロの実戦例も、30年近く前だが(南五段対脇五段)あるようだ。
あえて作戦に名前をつけるとすれば「矢倉中飛車 米長流mix」だろうか。

桂跳ねから△5七歩と垂らして第2図(44手目)

sima_kobayashi_2

次に銀交換から△5八銀と打ち込む手があるので受けるなら▲5九歩。しかし相手の言いなりになったようで気分が悪いので、攻めの棋風のプロならばこのタイミングで何か味をつけておきたいと考えるところだろう。
ここで小林六段は▲5四歩。取れば銀交換後に飛車が銀に当たり、放置すれば5三に打ち込む手を見せて巧手に見えたが、構わず△5五銀左
先手は銀を二枚渡してしまうと△5八銀~△6九銀(詰めろ)が早く厳しい。5三に打ち込む手が間に合わないのだ。

以下、島九段の猛攻が続く。

△5八銀の打ち込みから先手の金を外した手に対して、先手は▲8六角の勝負手を見せたが、△5八歩成~△5六銀!が本局の決め手とも言うべき上手い切り返し。遠く角が利いているので詰めろ。先手は銀を取れないのだ。以下68手の短手数で島九段の勝ち。急戦の将棋らしい鮮やかな勝ち方だった。

一手間違えれば一気に攻めつぶされてしまう。急戦矢倉の破壊力とその恐ろしさを十二分に感じさせられた一局だった。


↑最新の阿久津流急戦矢倉の変化についても触れられており、観るファン、指すファンともにオススメの一冊。


↑難解ですが、現代矢倉の歴史を深く掘り下げて勉強したい人にはお勧め。

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[ 2010/10/18 22:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(2)