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豊島将之五段、王将戦挑戦権獲得!

将棋:王将戦 豊島五段が挑戦権…20歳、史上最年少(毎日jp)

第60期王将戦の挑戦者決定リーグの最終戦が昨日行われ、豊島将之五段が、佐藤康光九段との1敗対決を制し挑戦権を獲得した。

今期は二次予選で谷川、丸山の名人経験者を、挑戦者決定リーグ(王将リーグ)では、森内、深浦、三浦、羽生、佐藤と錚々たるメンバーを倒しており、文句のつけようのない勝ち上がり方だ。

ここ十五年のタイトル戦は羽生世代(羽生、森内、佐藤、郷田、藤井、丸山)とその周辺世代の棋士達(谷川、久保、深浦、木村、etc...)によって争われてきた。渡辺明が登場し、竜王6連覇を達成したものの、若手の中で孤軍奮闘という状況だった。それが今年に入って、1987年生まれの広瀬章人の王位挑戦→獲得、豊島の王将挑戦、さらには棋王戦では豊島のライバル格の糸谷哲郎が挑戦者決定戦に進出するなど、世代交代の流れを感じる。

第一人者・羽生善治が初めてタイトル挑戦、獲得したのが1989年(平成元年)、島朗との竜王戦で当時19歳だった。その翌年に生まれたのが豊島将之だ。平成生まれの棋士としては初のタイトル挑戦となる。今回タイトルを獲得することになれば、世代交代が一気に進むかもしれない。予選からこれだけのトップ棋士を倒してきたのだからタイトル獲得の可能性は十分にある。

もちろん、久保利明王将もそう簡単にはタイトルの座を明け渡さないだろう。しかし、年下相手のタイトル戦は羽生佐藤相手よりもやりにくいのではないかと私はみている。新時代の幕開けが訪れるかどうか、年明けからの七番勝負が今から楽しみだ。


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[ 2010/11/30 07:30 ] 王将戦 | TB(0) | CM(0)

NHK杯 木村一基 vs 松尾歩 横歩取り8五飛

2回戦最終局は実力者の居飛車党同士の対戦となった。

2人は共に羽生名人主催の研究会に属しており、いわば「研究仲間」。お互いの手の内を知り尽くしている同士の対戦といえる。対戦成績は5-5と互角。

木村一基八段の先手で後手松尾の横歩取り8五飛となった。先手は「ベーシックな」3八金型の中住まい。後手は△2五歩と打って飛車を下段に引かせてから△7五歩と仕掛けた。竜王戦第3局と同じ展開だ。もっとも本局の収録は竜王戦よりも前に行われたようだが。

△2六歩(タダの歩だが取りにくい)を入れてから王手飛車ラインを避けるために△3一玉と寄る。手順は異なるが45手目▲4七銀の局面は竜王戦第3局と同一局面。後手は王手飛車を避けたが壁形、一方で先手のほうも4七に銀が上がったことで横から攻められたときに4七玉と逃げられなくなっている。互いに壁形なので均衡がとれているということなのだろうか。

そこから本譜は竜王戦と異なり△6六歩と取り込んだ。角交換から後手が△8七角成と8筋を破って攻め込む。△7八龍から△6七歩と迫られるが、先手も早逃げで耐えている。▲6二と~▲5一と(詰めろ)を先着することができれば先手勝ちだ。

▲6二とを放置して松尾は△2七歩成!
木村松尾1

これは詰めろなのか?解説の郷田は「詰めろだったかどうかあやしい」
いずれにせよ、30秒でこの手を指されると焦る。▲同飛と取った木村だが、△8九龍~△1五桂と先手先手で迫られてしまう。

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74手目の△2六歩が横歩取りらしい軽妙な決め手だった。横歩取り8五飛の将棋では先後ともに持ち歩の数が重要になるという。スペシャリストの高橋九段によれば「常に持ち歩二歩以上をキープ」したいとのこと。(『最新の8五飛戦法 』より引用)
竜王戦では羽生名人の歩切れがクローズアップされたが、逆に持ち歩をキープしていれば本局のような寄せ(△2七歩成~△2六歩)が成り立つということだろう。

必死の受けを見せた木村だったが、最後は即詰みに打ち取られた。

感想戦ではいつものように木村八段のボヤキが炸裂して面白かった。それにしてもNHK杯で木村先生が勝ったところをあまり見たことがない。負けてぼやく木村先生も面白いが、来年は笑顔の感想戦を観たいものだ。





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[ 2010/11/29 22:02 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

JT将棋日本シリーズ決勝現地観戦 山崎隆之vs羽生善治

今年も行ってきました、JT将棋日本シリーズ決勝。

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今年は東京体育館での開催。こども大会の参加者が過去最高だったとのことで会場は熱気に包まれていた。
羽生さんが決勝戦に登場するということもあったのか、プロ対局観戦の来場者も昨年を上回っていたように思う。

さて、羽生善治-山崎隆之の決勝戦。

振り駒の結果、山崎七段が先手に。山崎先手なら相掛かりか横歩取りになるだろうと予想していたが、羽生名人が2手目に△8四歩と突いたことで相掛かりの将棋になった。先手の山崎七段は得意の引き飛車棒銀。羽生名人との王座戦五番勝負でも指された戦型だ。後手が8筋を交換してきたのに対して歩を受けずに▲7六歩と突いたことで乱戦模様となった。「▲8七歩と受ける将棋は羽生先生とも何回かやったことがあったので、今日はなんとなく▲7六歩と突いてみた」ということだが、「なんとなく」というのが山崎七段らしい。

羽生山崎1

第1図で封じ手予想クイズとなった。▲8二歩、▲7七角、▲2二角成、▲4五銀などが候補に挙げられる。▲8二歩は△9三桂と逃げられて意味がなさそう。ということで、私は大盤操作の荒木三段指摘の▲2二角成に一票を投じたが、その予想が的中し山崎七段は▲2二角成。

▲7七金で飛車を追い返して、▲8八飛と回るのが山崎流の構想だった。次に▲8三歩と垂らせれば先手優勢、かといっておとなしく△8三歩と受けるのでは作戦負けとみた羽生名人は△8七歩。▲同飛に△3五歩が巧い手で▲同銀に△6五角から馬を作った。

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この馬が好位置で、後手からは飛車を切って△6九金の一手詰めがあるので先手は一回受けなければならない。後手から先に桂馬を取られる展開となったが、この局面自体はまだ難しく、山崎七段もやれるとみていたとのこと。先手からはどこかで▲4四歩~▲1六角と後手玉のコビンを攻めるのが楽しみ。この攻めが恐いと見て△3四歩と一回銀を追い払ったのは落ち着いた一手だった。

山崎七段が悔やんだのは、そこから10手ほど進んだ51手目の局面(第3図)

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ここで▲8四歩と垂らしたが、△4八馬~△9二金と竜を殺されてしまった。8四に歩がいなければ竜は生還できる。この局面では▲4九歩あるいは▲5六角と受けておけばまだまだ長く難しい将棋だったようだ。

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↑▲5六角は△4四飛と回られるのを受ける手。冷静に見れば銀得の後手が良いはずだが、まだまだ長い勝負。

竜を殺してはっきり後手が優勢となった。△4四飛と回られてから△2九飛。二枚飛車で先手玉はサンドウィッチ状態となってしまった。

▲3九桂と必死の頑張りをみせる山崎七段だが、その後の羽生名人の△8四飛が本局最も印象に残った一手。
歩を受ければ先手は歩切れで、2筋に香車を打たれると厳しい。本譜の▲6七角には△8八歩。大盤解説の島九段が「羽生さんの語録に『終盤はゆっくりした手でいくのがいい』というのがある」と言っていたが、△8四飛~△8八歩はまさにそのような手だったと思う。

以下、難なく挟撃体制を作り、羽生名人の勝ちとなった。

短手数で終わったが、乱戦の面白い将棋でお互いの持ち味、らしさの出た一局だったように思う。この2人は対戦成績こそ大きく離れているが常にエキサイティングな内容となる。
今回生で観戦して改めて感じたのはお二人とも華があるということ。タイトル戦などの大舞台でこの2人の対戦をもっともっと見てみたいですね。


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↑解説の島朗九段、聞き手の清水市代女流


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[ 2010/11/24 20:00 ] JT杯将棋 | TB(0) | CM(0)

第69期A級順位戦5回戦終了

金曜日行われたA級順位戦5回戦の最終局、渡辺明-藤井猛戦。

藤井九段はここまで星が伸びていない、プラス本局に負けると単独最下位となってしまうため何としても勝っておきたい。対する竜王は今週、佐藤康光(王将リーグ)、広瀬章人(棋王戦)に相次いで敗れ、竜王戦第3局と合わせて3連敗中。悪い流れを早く断ち切って竜王防衛&名人挑戦へと前進したいところ。

戦型は後手藤井九段の角交換振飛車。△8二玉-△7二金で囲いを済ませ、2筋から早々と仕掛けていったのはいかにも藤井九段らしい積極的な序盤だった。

終盤、第1図

わたふじ_1


この局面、後手が駒得であるが、成り駒の働きが良くない。対して先手からは香車と桂馬で8三の地点を攻める手が厳しい。後手は▲7五桂と打たれるのを消すために△7四歩と受けたかったが、▲3七角(王手成香取り)がある。そこで底歩を用意した△2三飛は苦心の受けだが、第1図から渡辺竜王が目の覚めるような寄せを見せてくれた。




▲8三桂成 △同金 ▲6二竜! △同銀 ▲8三香成 △同玉 ▲6一角 (第2図)

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上下からの挟み撃ちで後手玉はあっという間に寄り形に。「大外から一気に」来たという表現があてはまるような鮮やかな寄せだった。もっとも、終盤で守りの金を剥がすのは寄せの鉄則なので▲6二竜自体は驚くような手ではないのかもしれないが、それでもやはり決め手を逃さないのは流石である。

必死に反撃を探した藤井九段だったが、竜王の手堅い指し手の前に及ばず、79手目▲6六金を見て駒を投じた。


さて、A級順位戦は金曜日の渡辺藤井戦で5回戦が終了。現時点での成績は以下の通りである。


【4勝1敗】森内九段(3位)、谷川九段(6位)、渡辺竜王(9位)
【2勝3敗】三浦八段(1位)、高橋九段(2位)、丸山九段(4位)、木村八段(5位)、郷田九段(7位)
久保二冠(10位)
【1勝4敗】藤井九段(8位)


挑戦者争いは永世称号者3人に絞られた感がある。前期は谷川森内の両名がここから失速し三浦八段が逆転で挑戦権を獲得したので3敗勢の可能性もないことはないが、ここからの4連勝は厳しいだろう。3人の先頭集団のなかでも渡辺竜王が本命とみてるが、谷川羽生の久々のタイトル戦も見てみたいので最後まで頑張ってほしい。

降級戦線は大混戦。藤井九段は順位が良くないので最低でも4勝はほしいところ。残り4戦負けられない戦いが続く。












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[ 2010/11/21 08:00 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)

矢倉党必携の一冊 「光速の寄せ 矢倉編」



谷川浩司九段の名著「光速の寄せ」シリーズがマイコミから「将棋連盟文庫」として文庫化されました。
10月に発売された「振り飛車編」に続き、今回は「矢倉編」となります。単行本としては第3巻と第4巻に分かれていたものが、まとめて一冊になって1,155円はかなりお得感があります。

構成は、第1章が基礎知識編。ここでは矢倉囲いの種類、弱点など基礎的な知識を解説しています。

第2章は「光速の手筋」編。矢倉崩しの基本手筋、必至のかけ方が40問×2紹介されています。居飛車対振り飛車の対抗形ではヨコからの攻めが中心でしたが、矢倉の場合タテ、ヨコ、端と崩し方にもバリエーションがあります。反復練習することで実戦ですぐ急所に手が行くようにしたいものです。

第3章は「光速の即詰み」編では、矢倉の実戦における即詰みのパターンを10問×2紹介しています。長手数の詰みもありますが、5分ぐらい考えて分からなかったら、覚えるつもりですぐ答えを見てしまうのが良いでしょう。よくプロが「一目詰み」という言葉を使いますが、プロは囲い別の詰みのパターンを沢山知っているので、長手数でも詰ますことができます。例えば、一段飛車とのコンビネーションで▲2三飛成から詰ます筋(本書のp83第5問~第7問、下図)は知らなければ詰ませられない典型かと思います。

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詰み形を知れば知るほど、実戦で長手数であっても詰みに気づくことができるようになるでしょう。

第4章の「実戦 次の一手編」は、振り飛車編にはなかった章です。第2章、3章は部分図でしたが、本章は実戦からの出題。実戦から「寄せのコツ」をつかんでほしい、とあります。

第5章は著者の実戦解説。難解ですが、棋譜並べとして使えそうです。

著者曰く「囲いが崩れてから粘りがある」のが矢倉の特徴ですので、その粘りを封じるには終盤の知識が必要になります。矢倉戦特有の終盤の定跡を網羅した本書は矢倉を指しこなす上で必携の一冊となるでしょう。









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[ 2010/11/18 06:30 ] 書籍レビュー | TB(0) | CM(0)