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第60回NHK杯 松尾歩vs丸山忠久

丸山vs松尾。過去の対戦成績は丸山の5勝2敗。ただ、昨年(2010年)は3回当たっていずれも丸山勝ち。その1つは竜王戦1組決勝の大きな勝負だった。順位戦B1では二年連続で勝ち越し、他棋戦でも安定的に勝っている松尾だがタイトル挑戦は未だない。対丸山戦が1つの壁となっているようだ。

本局は、後手丸山の△8三歩型での一手損角換わり。相腰掛銀の将棋となり後手が6筋の位を取って、最近よく見かける右四間飛車に構えた。角換わりでは端歩は受けることが多いが、本譜は丸山が9筋の位を取らせる。終盤のことを考えるとこの端の位は大きい。「詰ますのに金銀5、6枚違ってくる」(解説の野月七段)

43手目、後手からのカウンターを警戒して仕掛けを見送り▲7九玉と手待ち。手損だが後手からの仕掛けはないとみたのだろうが、ここで後手は△9四歩といきなり仕掛けていった!▲9三歩成とされても怖くないとみている。厳密には成立していなかったかもしれないが、早指しの後手番ということを考えれば、この仕掛けはアリだったと思う。何か他の手では先手の攻めを受けるだけの展開になってただろうし。

後手の攻めを先手が受けきれるかという展開。▲7三角(51手目)と打って飛車取りと▲8四角成をみせ先手の攻めを催促したが、桂馬のおかわりから△7七角が強烈、一見細そうな後手の攻めがつながった。ただ感想戦によると△7七角はやり過ぎだったとのこと。

先手も飛車を二段目に打ち込んで攻めあいになったが、▲2五歩に△7一金と寄って飛車取りに当てたのが気づきにくい好手。飛車を4段目に追いやって自玉は安全、後手の勝ちがはっきりした。

先手が手得、端の位も取って作戦勝ちのはずが、▲7九玉の手待ちで台無しにしてしまった。取った端の位を逆用され、最後は端で詰まされる。プロからすると相当悔しい負け方だろう。逆に、わずかな隙を見逃さずに果敢に仕掛けた丸山九段の攻めが見事だったといえる。「激辛流」と呼ばれ、受けのほうだけがクローズアップされるが、攻めも強いことを示した一局だった。


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[ 2011/01/31 08:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

羽生善治名人、プロデビュー25周年!

加藤一二三、谷川浩司に次ぐ史上3人目の中学生棋士となった羽生善治現名人。今から25年前の今日、1986年(昭和61年)1月31日は羽生さんのプロデビュー戦でした。

王将戦の一次予選、相手は王座戦の挑戦者決定戦に進出した経験を持つ実力者の宮田利男プロ。矢倉の将棋で激戦となりましたが結果は118手で羽生四段の勝ち。見事デビュー戦を白星で飾りました。

羽生宮田1
↑図から△4五銀と捨てたのが決め手。▲同銀は飛車打ちがあるので▲4三歩成と下駄を預けたが、以下△2七飛 ▲3七歩 △同銀成 ▲同銀 △3六歩まで羽生四段の勝ち。

終盤の粘りと切れ味は今見ても流石ですね。この将棋から「羽生伝説」が始まりました。


棋士生活25年、40代に突入した羽生さんですが、何歳までトップの座を維持し続けるのか、多くのファンが興味を持っていることだと思います。故・大山康晴15世名人は69歳までA級の座を維持しました。中原名人は50代半ばでフリークラスに転出されましたが61歳まで現役を続けました。

私は、羽生さんなら60代でのタイトル&A級を達成するのも夢ではないとみているのですが、どうでしょうね。強い若手がどんどん出てくるので容易なことではないと思いますが。大山名人を超える70歳A級はさすがに無理でしょうか。「大山超え」となったら凄いですね。

前例から考えて、残り現役生活は多く見積もっても30年。羽生さんも棋士人生の折り返し地点にさしかかったわけです。「前期羽生」は谷川さん、森内さん、佐藤さんら同世代の強豪との戦いが多かったですが、これからは、渡辺さん、広瀬さんら若手とのタイトル戦が増えてくるでしょう。「渡辺世代」の若手が集団で強くなってきているので、今後2~3年は正念場となるでしょうね。

今後羽生さんはどんな伝説を作っていくのでしょうか?


羽生VS森内百番指し羽生VS森内百番指し
(2011/01/29)
羽生 善治、森内 俊之 他

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[ 2011/01/31 07:00 ] 将棋 | TB(0) | CM(0)

郷田真隆「プロの勝負力」

以前にも紹介した郷田九段のショートエッセー

ダイヤモンド社のリトルマガジン『経 kei』の2008年11月号(巻頭エッセイ)に寄稿していたもの。エッセイから引用はしたがエッセイそのものの内容については紹介していなかったので、ここにまとめておきます。

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[ 2011/01/29 15:00 ] 将棋 | TB(0) | CM(0)

第60回NHK杯 藤井猛vs深浦康市

藤井深浦戦。過去の対戦成績は藤井の18勝7敗と大きくリードしている。実績的にはそれほど変わらない両者なので、この対戦成績は意外な感じもする。解説の鈴木大介八段は「深浦は藤井システムの犠牲者。この対戦成績は藤井システムの時の貯金でしょう(笑)」

藤井九段が後手番ということで、いつもの角交換振飛車かと思っていたが、4手目に角道を止めた。矢倉を警戒して先手が早々と▲2五歩△3三角を決めたので向飛車の選択肢もあったが、四間に振った!伝家の宝刀「藤井システム」だ!

対して深浦は▲3六歩~▲5五角、いわゆる「▲5五角急戦」で対抗。振り飛車側の出方によっては急戦でいきますよ、という作戦だ。これに△3二飛(28手目)~△4二角(30手目)も部分的には定跡だが、3七に角を引いていたので▲1五角のぶつけが生じてしまった。ここで時間を使うようではおかしい。藤井に見落としがあったか。

角交換に応じて、△2二飛と回るようでは「何をやっているかわからない」(藤井)序盤早々後手が駒組みに苦労する展開に。序盤巧者の藤井さんにしては珍しい。

先手は▲7五歩からの構想が上手かった。玉頭に位を取って模様勝ちを狙う。後手からの△7四歩の反発が気になるが、後手陣にスキが多いのでできないとみている。▲6八銀~▲7七銀右と引き付けて、さらに8筋の位も取る。角打ちを消すために5二に上がった金を4二→3二と動かしているようでは後手は辛い。下図は先手作戦勝ちの図。

深浦藤井1

ただ、先手も模様は良いが、実利を得ているわけではないのでまだこれからの勝負。これが位取り将棋の難しいところでもある。じっとしていると先手の模様が良くなるだけなので後手は5筋から動く。△4九角と打ち込んでやや無理気味でも迫る。飛車を成って何とか形にはなってきたが・・・

得意の一段金で迫る藤井だが、わずかに足らない感じ。しかし深浦も間違える。▲4三角成(85手目)では一度▲8三歩を利かすほうが優った。△8三桂が粘りある手で△7五桂跳ねもみている。接戦となったが、早逃げで凌ぎ▲5五桂と捨てたのが決め手。以下鮮やかな即詰みに討ち取った。投了図以下、△同玉に▲6六飛と回って詰みだ。

深浦九段が、藤井九段の序盤のミスを見逃さず、▲7五歩から位を取る構想でリードを広げ、最後は序盤の貯金を活かして逃げ切ったという感じの将棋だった。久しぶりの藤井システムということで興奮させられたが、藤井九段らしからぬミスで残念な一局となってしまった。でも、たまにはこういう四間飛車もやってほしい。次は期待してます、藤井先生!

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↑少し古い本ですが、藤井システム対右銀急戦を解説している数少ない定跡書です。 このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2011/01/24 08:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

第60回NHK杯 佐藤康光vs久保利明 

昨年、一昨年の棋王戦五番勝負で熱戦を繰り広げたライバル対決だ。過去の対戦成績は21勝21敗の五分。

予想通り、後手番久保二冠のゴキゲン中飛車。先手の「超速3七銀」急戦に後手は王将戦でも採用した△3二銀型。

後手の5筋交換に対して先手が角交換、互いに馬を作りあう力戦調の将棋となった。お互い一手一手が難しい。
観てる側からしても難しい将棋だったが、中村修九段の解説が分かりやすかった。

37手目、▲4五歩と4四銀出を防いで位を取った局面。先手の3五の馬が好位置で美濃囲いに組むのはのちに▲6二銀と打たれる隙ができてしまう。そこで後手は△9二香(46手目)から穴熊に囲った。対して先手は抑えこみ。▲6六金は棋譜だけ見ても「佐藤康光でーす」という声が聞こえてきそうだ。

後手の穴熊に対して、先手は地下鉄飛車の構想をみせる。この動きを察知した久保二冠は遊んでいた銀を引きつける。4二の銀を7三に持ってきたことで上部にも強い穴熊になった。先手は動いた割には8筋の歩を交換するのみに終わってしまった。△8三歩を打って「後手は一安心」(中村九段)

後手は「てっぱん」の穴熊に組めたが、後手からの動き方も難しい。そこで△7一飛と回って逆に7筋からの反撃を見せたが、▲6八玉と寄ったのが好手。『将棋世界』の企画での里見香奈女流戦を思い出す変幻自在の玉捌き。後手は△7一飛と回った手が空振ってしまった。玉頭方面から攻めても先手玉が広く5七→4八と逃げられる。▲6八玉と寄った局面、こういう展開になるのであれば玉が広い先手を持ってみたい。

後手から先手玉に迫る手もないので、先手は竜を作ってゆっくり攻めていけばいい。とは言うものの後手の堅い玉を崩すのは容易ではないのだが、佐藤九段はよどみなく攻めをつなげた。久保二冠は最後王手をかけるのがやっとで、157手で佐藤九段の完勝。

佐藤九段が力で圧倒した感じだった。これはB級の将棋ではないですね。次の準々決勝、佐藤羽生戦が楽しみ。
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[ 2011/01/17 06:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)