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深浦康市九段、2年連続で棋聖戦挑戦決定

今年の初め、このblogで「新春予想 2011年将棋界」という記事を書いたが、そこで私は「今年は広瀬、豊島に次ぐ第三の若手がタイトル戦に挑戦する。候補は佐藤天、戸辺、稲葉etc.」と予想した。その中の1人、佐藤天彦棋聖戦の挑決に進出。今期はここまで森内、木村、北浜、渡辺、郷田と錚々たるメンバーを倒してきている。この勝ち上がりを見るとタイトルを取る雰囲気を感じる。

対する深浦九段、昨年の棋聖戦では羽生棋聖に3連敗。その後王位失冠、王将リーグ陥落と苦しんだ。2010年度は棋士人生初の負け越しだった。言葉は悪いが「羽生さんに負けて壊れたかなぁ」と思った。それでも順位戦は最後連勝で締め、この棋聖戦でも挑決まで勝ち上がってきた。個人的に応援している棋士の1人なので早く完全復活してほしいと思う。


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後手の深浦が4手目△3三角からの中飛車。この形は昨年の王座戦第3局▲羽生△藤井戦を思い出す。深浦は4月8日の王座戦、対▲村山慈明戦でもこの振り飛車を採用している。そのとき村山五段は左美濃から銀冠に囲ったが、本局佐藤は6七銀から7筋の位を取った。4手目△3三角の出だしだったが、組みあがってみるとゴキゲン中飛車対▲7八金でよく見かける将棋。

20110428佐藤深浦32手

△5三角が深浦用意の一着。直接的には7五の歩を狙っているが、真の狙いは8六に角を打たせること。後手の角のほうが働きが良く、先手の8六の角は負担になっている。序盤は深浦九段が主導権を握り、先手が苦労する展開になった。

この角を使うために▲4二銀(57手目)から無理やり馬を作って、そこから飛車を8筋に展開する。飛車の大転換は位取りでは常に狙いとしてはあるが、実現することは少ない。佐藤六段らしい雄大な構想だ。このあたりは差が詰まっていると検討陣はみていたようだ。混戦のねじりあいとなったが、ねじりあいは深浦九段も得意とする展開。

20110428佐藤深浦75手

▲8四桂(75手目)は「ちょいワル」からの逆転を狙った勝負手だったが、かまわず△5六歩が好手だった。▲同歩なら△7五銀で直前に打った4九の角がよく利いている。最後は△7九金(86手目)が決め手となった。▲同玉に△5七馬。王手で7五の銀を抜いて後手の上が厚くなった。

序盤巧者の深浦九段が主導権を握り、中終盤は佐藤六段に追い上げられたが最後は力でねじ伏せた。相居飛車でなく、△3三角からの振り飛車を採用したのは若手の研究を避けるという意味合いもあったのかもしれないが、それでも(村山戦に続いて)勝つのだから強い。

2年連続の羽生深浦五番勝負は6月11日、千葉県柏市「旧吉田家住宅」にて開幕する。深浦ファンとしては今年は1勝ぐらいはしてほしいと思う。一日制の羽生さんは抜群の強さを誇るので羽生棋聖防衛と予想するが、昨年に比べると調子が良くないので深浦さんにもチャンスはある。作戦巧者の深浦九段がどんな作戦をぶつけてくるか(特に後手番での)注目したい。梅田望夫氏曰く「相思相愛」のお二人なので濃厚な番勝負がみられるだろう。




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[ 2011/04/29 22:38 ] 棋聖戦 | TB(0) | CM(0)

竜王戦1組、久保利明二冠決勝進出

25日(月)に行われた竜王戦1組準決勝羽生久保戦は久保二冠の勝ち。本戦進出を決めた。
竜王戦道場の会員でないので棋譜はチェックしていないが、ゴキゲン中飛車対3七銀急戦の将棋だったようだ。
昨年の竜王戦で久保二冠は挑決で羽生名人に2連敗、本局はそのとき以来の対戦となったが見事リベンジを果たした。棋王戦で渡辺竜王を破った久保さんに連覇阻止を期待するファンも多いだろう。ぜひこの調子で勝ち進んでほしい。

一方敗れた羽生名人は名人戦とあわせて新年度3連敗スタートとなった。強敵相手なので仕方ないかもしれないがちょっと心配。竜王戦は郷田九段との3位決定戦に回り、昨年に続く「1組3位」からの挑戦を目指すこととなる。


さて先週の読売観戦記は1組ベスト4進出をかけた久保飯島戦。久保二冠が後手番ということでゴキゲン中飛車対居飛車の対抗形が予想されたが、飯島七段が3手目に▲9六歩と突き相振り飛車となった。

先手が金無双から素早く攻撃の理想形を作ったのに対して、後手は駒組みが遅れ作戦負け。玉を入るところで△2四歩~△2五歩を急ぐべきだったと久保二冠は振り返っている。先手は飛角銀桂の理想的な攻めで後手陣に襲い掛かる。

飯島久保001


上図、飛車を横に逃げるのは▲8四銀と出られて、9三の地点が受からず後手支えきれない。△7五飛▲同角△8五歩は▲8五同飛が両取りで先手の攻めが続く。この局面で後手の次の一手は?


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[ 2011/04/28 00:00 ] 竜王戦 | TB(0) | CM(0)

第69期名人戦第2局 羽生vs森内 藤井矢倉

名人戦棋譜速報

▲7六歩△8四歩▲6八銀・・・のオープニングから、先手の羽生名人が「藤井矢倉」を採用した。名人戦で藤井矢倉が登場するのはこれが初めてである。先手は居玉のまま▲4六銀3七桂型を目指す。本家藤井九段ならば▲4六銀のところで▲2五歩と指すところ。この▲4六銀はかつてA級順位戦で先手森内九段が郷田九段相手に見せた構想だ。森内流の藤井矢倉を羽生名人が採用した、ということになるのだろうか。両者居玉のままいきなり激しい展開となった。

1日目は▲7一角(41手目)まで進み、42手目を森内九段が封じて、1日目が終了。
封じ手は大方の予想通り△7二飛だった。以下▲6一銀 △3六角成で第1図



手の流れとしては▲5二銀成 △同飛 ▲同飛成といきたいところだが、飛車を渡すことで先手玉も危険になる。以下寄せ合いの変化は後手の勝ち。ということで羽生名人は▲7二銀成と飛車のほうを取ったが、この手は素人目に見ても感触が悪い。

次に成銀を寄せる手に期待したが、△5三金(48手目)が控室も予想していなかった強防手。この手で後手玉に攻めが続かなくなった。この△5三金は「金使いの名手」森内俊之らしい力強い受けの好手だったように思う。

一息ついて後手からは△3六馬~△7八銀の反撃が厳しく、先手玉は受けがなくなってしまった。最後は△4一桂(64手目)が鉄板流の決め手で森内九段の完勝。68手、名人戦史上3番目の短手数の将棋だった。本譜、羽生名人は単調に行き過ぎたかもしれない。感想戦でも指摘されたが▲7二銀成では一回▲5七飛と引いておけば難解だったようだ。

これで森内九段が2連勝スタート、名人奪取に大きく前進した。後手番で挙げたこの1勝は大きい。逆に第3局得意の先手番で落とすようだと一気に流れは羽生名人に傾くだろう。3年前の名人戦第3局では歴史に残る大逆転劇が起きたが、今回はどうなるだろうか。




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[ 2011/04/22 06:30 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)

NHK杯 中村修vs金井恒太

ダンディ中村修九段に、古風な男前金井恒太五段の対戦。
女性人気の高いお二人の登場ということで、私のTL上でも密かな盛り上がりをみせていた。

中村は対局前のインタビューで大震災の被災者にエールを送り気合を入れていた。一方の金井は本戦出場2回目とは思えないほど落ち着いた受け答え。前回初出場の時は2勝する活躍をみせたが、感想戦でのハキハキとした態度が印象に残っている。

将棋は▲7六歩△3四歩に▲7七角のオープニングから先手中村の角交換振飛車となった。後手で4手目△3三角というのは多いが先手で3手目▲7七角をやる棋士は少ない。本譜もそうだが桂頭をカバーするために金銀が玉から離れる。しかし受け将棋を得意とする中村九段はこのような薄い玉も苦にしない。

43手目▲3九玉はいかにも中村流といった感じで、素人には意味が分からない。位の圧力を避けつつ手待ちなのだろうか。この局面は玉頭の2つの位が大きく後手が良さそうだ。しかしここから先手は後手の攻めを利用して8筋を逆襲、形勢は先手良しに傾いていく。

20110417中村金井96手

上図、解説のハッシーこと橋本七段は「先手が良い」と言っていた。先手の勝ち筋が色々ありそうな局面だ。
ここで中村は▲5三と~▲4一馬~▲7二飛成。飛車を成りこんだが、△4五角が攻防手で決まらない。△5六歩もあって逆に先手陣が危ない。

△5六歩▲6六銀に△4四角(112手目)ともう一枚の角を放つ。2八が壁銀なので次に銀を取った手が詰めろになってしまう。一転して後手勝勢。以下先手玉は簡単に寄ってしまい金井の逆転勝ちとなった。

先手が駒得でと金も作って優勢のように見えたが、3筋と4筋の拠点が大きく、プラス壁銀でそれほど良くなかったのだと思う。▲5三とではと金を残して▲6四馬ぐらいが良かったのかもしれない。拠点がプレッシャーとなって先手は焦ってしまったのだろう。しかし、「チョイ悪」な局面でじっとプレッシャーを与える金井の指し回しはとても参考になった。

これで金井五段は前回に続く初戦突破。次は憧れの郷田九段との対戦ということでとても楽しみだ。






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[ 2011/04/18 00:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

【新刊】『将棋連盟文庫 塚田正夫の詰将棋』


将棋連盟文庫 塚田正夫の詰将棋将棋連盟文庫 塚田正夫の詰将棋
(2011/04/13)
塚田 正夫

商品詳細を見る


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4月の新刊から一冊紹介。

本書は昭和49年初版の『塚田詰将棋代表作』を再編集して文庫化したものである。

初版の『塚田詰将棋代表作』は200題+番外2題収録されていたのだが、文庫化にあたって「文庫判に適した15手詰以下の問題183問を収録し再編集」している。旧版の184番以降(17手~49手詰)は割愛された。

問題数が減ったのは残念だが、構成は非常に読みやすいものとなっている。
初版では見開き右側に問題2問、左側に答えが掲載されていたが、この構成だとどうしても答えが目に入ってしまうのが難点だった。今回は見開き左側に問題が1問、答えは次のページに載っているので問題集として使いやすい。裏透けも(個人的には)気にならないレベルだ。

問題は平易な5手詰からスタート(『5手詰ハンドブック』と変わらない難易度)し、7手詰め→9手詰めと進んでいく。85番以降99題が11手詰以上ということで少し長めの詰将棋にチャレンジしたいという人にオススメかもしれない。

トリッキーな問題は少ないが、手筋一発で決まるような問題は少ない。実戦で出てきそうな形が多く、指し将棋のためのトレーニングとしても使える本だと思う。私は詰将棋素人なので専ら指し将棋のために詰め将棋を解くが、そんな私でも詰ましてみたくなるような問題が多かった。歯ごたえのある問題が多く、良い読みの訓練になった。

約40年前の本になるが、こうやって版を重ねているのは良書の証しだろう。








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[ 2011/04/15 07:00 ] 書籍レビュー | TB(0) | CM(0)