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第61回NHK杯 北島忠雄六段vs屋敷伸之九段

日曜日のNHK杯を一日遅れで鑑賞。

先手の北島忠雄六段は時折振り飛車を採用することもあるが基本は居飛車党。テレビ将棋では2年前の銀河戦で羽生善治名人を破ったのが印象に残っている。また2006年には同じく銀河戦で森内名人(当時)を破って8人抜きを達成している、早指しを得意としている棋士だ。
対するは、最年少タイトルホルダー、今年悲願のA級昇級を達成した屋敷伸之九段。

戦型は後手の屋敷九段が2手目△3四歩から横歩取りに誘導、今流行の△5二玉型の中座飛車となった。38手目△2四歩と控えて打てば今期名人戦第1局と同進行だったが、本譜は△2五歩。どちらが得かは難しいところ。

kitajima_yasiki001.jpg

第1図、後手は先手の飛車のコビンが開いた瞬間を狙って、△7五歩(42手目)と仕掛ける。これを取るのは後手の攻めに調子がつくので先手は▲3七桂。その後の数手の応酬は先手が後手の攻めをうまくおさめた感じ。

第2弾として△9六歩(54手目)から端を絡めて攻めていったが、▲4六歩(61手目)とじっと自玉の懐を広げてから▲7五歩(63手目)以下ごちゃごちゃして先手が優勢になった。端攻めの善悪は分からないがこの▲4六歩が入って先手が良くなったような気がする。後手は9筋を破ったが先手の攻めのほうが速く、間に合わなかった。

81手目の▲2五桂が好手。ついつい▲3三馬と桂馬を取ってしまいがちだが、このほうが玉の懐が広がり飛車先も通る。この手で先手がリードを広げた。

最後は長手数の詰みだったが、北島六段がしっかりと詰ましてみせた。
kitajima_yashiki002.jpg

投了図うっかり▲3七銀と上がるのは△3五玉で打ち歩詰めだが、さすがにプロはそんなミスはしない。投了図以下△2六玉▲4四角成に桂香合いは▲2七歩~▲3四角成、飛車合いが長いが▲3五同馬 △同玉 ▲3六飛 △4四玉 ▲3四飛 △5五玉 ▲5六歩までの詰みとなる。

結果的には4六の歩が4七ならばこの即詰みはなかったわけで、中盤の▲4六歩が懐を広げるだけでなく、詰みにも働く、大きな一手となった。これは北島六段の快勝と言っていいだろう。

勝った北島六段は二回戦で怪物・糸谷哲郎五段と対戦する。


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(2011/02/16)
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[ 2011/05/31 06:30 ] NHK杯 | TB(1) | CM(0)

第52期王位戦プレーオフは羽生vs藤井に決定

王位戦中継サイト

昨日行われた王位戦白組プレーオフ、羽生善治vs村山慈明戦は凄い将棋だった。

戦型は後手羽生名人のゴキゲン中飛車からの相穴熊。

序盤は駒組みが長く、正直あまり見ていなかったのだが、5筋にと金ができたあたりでは居飛車が良いだろう。先に桂損しているが玉の堅さが違う。その後、馬を作って駒損も解消される。

habu_murayama001.jpg

上図は馬取りになっているが村山五段は▲7二角成と角を切って決めに行った。これがやり過ぎだったということはないだろう。△5七歩成がまだ何でもないので、この瞬間殺到すれば決まるはず、と思って見ていたが・・・

habu_murayama002.jpg

▲7九金(111手目)に△4五角が「詰めろ逃れの詰めろ」で逆転!一転して後手勝ちとなった。▲7九金では▲7九銀でも△4五角が詰めろ。先手が渡した桂馬でぴったり詰んでしまう。ひゃぁー。王手がかかりにくい▲7九金を選んで何とか後手玉に迫ろうとした村山だが時既に遅し。どうやっても後手玉に詰めろが続かず無念の投了となった。

戻って▲7二角成△同金に▲6一銀(101手目)と引っ掛けたところでは▲6二金ならば「先手勝ち」だったようだ。▲6二金以下△5七歩成▲7二金△7九金▲同銀△4五角と進むと今度は桂馬を渡していないので△4五角が詰めろにならない。

<追記>
しかし▲6二金でも「先手勝ち」だったかは疑問のようだ。詳しくは勝又清和先生の突き抜けないブログを読んでください。△4五角が詰めろになるカラクリも丁寧に解説されている。▲6二金でもダメということはずっと後手が良かったということになるだろうか。


互いに秘術を尽くした攻防、非常に見ごたえのある一番だった。しかし、名人の将棋はどうして毎回劇的な展開になるのだろう。

これで白組優勝の羽生善治名人と紅組優勝の藤井猛九段が挑戦者決定戦を戦うことになった。藤井九段には久々のタイトル獲得へ向けて頑張ってほしいし、昨年の挑決以来対戦のない羽生広瀬戦も見たい。

注目の羽生藤井戦は6月13日(月)に行われる。できれば藤井九段の先手で「藤井矢倉」を見てみたいがどうなるか。 このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2011/05/29 10:00 ] 王位戦 | TB(0) | CM(0)

第70期順位戦昇級者予想(B1、B2)

名人戦棋譜速報

前回のC2、C1に続いて今回はB2、B1の予想。

<B級2組・・・昇級者2名>
実力者揃いのB級2組。上(B1、A級)を経験した棋士が多数。当たりのきついゆるいは関係ないと思う。
B1から落ちてきたのは豊川、杉本の2人だが、彼らよりも実績のある棋士がなかなか戻れないのをみると、一期での復帰は厳しいと思う。

本命は広瀬章人王位(21位)。このクラス唯1人のタイトルホルダーであり、王位戦以外での活躍をみても昇級は堅いだろう。悪くても8勝2敗、B2は昇級ラインが下がることがあるのでこの順位で2敗でも昇級の可能性は大いにある。

2枠目は難しい。候補は島朗九段(5位)、戸辺誠六段(6位)、飯島栄治七段(7位)あたりだろうか。実績でいえば島さんだが、1年毎に好不調が分かれる傾向がある。7勝→3勝→7勝→5勝→7勝と来ているので今期は成績が落ちそうだ。戸辺さんは今期昇級を決めれば順位戦参加通算五期でのB1昇級、これは羽生、森内(いずれも6期)を上回るスピード出世となる。2回戦、対広瀬戦は注目の一番。安定感でいえば飯島七段を推したい。毎年7勝以上の好成績を残している。

去年惜しかったのが中川(3位)、北浜(4位)。中川さんは理事との兼務なので2期連続の好成績は難しいのではないか。北浜七段の昇級はありそう。

個人的に注目しているのは野月浩貴七段(11位)爆発力があり、今期はなんとなく走りそうな雰囲気がある。

◎広瀬
○飯島、戸辺、北浜、島、野月


<B級1組・・・昇級者2名、降級者2名>
A級から落ちてきた木村、藤井の即復帰がなるか、それとも新顔がA級に昇級するのか。
過去の順位戦で降級者2人(1位、2位)が揃ってA級に即復帰した例はない。意外な感じもするが、それだけB級1組のレベルが高いということだ。

過去の実績でいえば木村、藤井、深浦の3人。この中で1人選ぶとしたら木村一基八段(1位)。一時期不調だったが、2月の朝日杯で優勝するなど復調の兆しがみられる。過去の順位戦勝率も高く、負け越したのは前期のみ。中終盤のねじり合いに強く、長時間の順位戦向きだと思う。

藤井猛九段(2位)は、木村深浦に大きく勝ち越している(木村に11-4、深浦に19-9)のが強みだが、対深浦戦の勝ち越しは藤井システム全盛時の貯金で最近は互角。両者とも藤井九段が後手番というのが気になる。前期のA級順位戦では先手藤井矢倉で2勝したが、後手の角交換型の振り飛車では全く勝てなかった。今期は後手番でどれだけ勝てるかがポイントとなるだろう。

深浦康市九段(3位)はB1での成績が10勝→9勝→8勝→7勝と悪化している。実力者なのだが、順位戦との相性は良くない、というか運が悪い。昨年一昨年は王位戦シーズンの連敗が響いた。今期は王位戦がないがその代わり棋聖戦がある。棋聖戦の結果が順位戦にどう影響するか。個人的に応援している棋士なので頑張ってほしいのだが・・・

前例をみると、1位2位の同時復帰の確率は低いので、木村、藤井or深浦で1枠という感じだろうか。

もう1枠は、「若手」という言葉が適当かどうかわからないが、アラサー組(松尾、山崎、橋本、阿久津)の中から出てくると思う。

本命は松尾歩七段(4位)。この4人の中では安定感抜群。特に苦手としている相手もなく今年こそ昇級を決めてくれるだろう。橋本阿久津は降級はないと思うが昇級もない感じだろうか。山崎七段はそろそろA級で見たいという意味を込めて丸印をつけておく。

その他では、行方尚史八段(5位)も侮れない。上位陣と互角の対戦成績を残している。初戦の木村八段戦は注目の対戦、本命を倒して勢いに乗りたい。

最後に、あまり大きな声では言いたくないが降級候補。井上、鈴木、中村、畠山、この4人になるだろうか。井上九段は今期B1勢との対戦成績が悪い(カモにされている相手が多い)、プラス年齢。中村畠山は過去のB1での成績。鈴木八段は最近めっきり陰が薄くなった。前期は最後連勝で残留したがそのうちの2人が消えており今期も厳しい戦いになるだろう。


◎木村、松尾
○藤井、深浦、山崎


B級1組順位戦は来週6月3日(金)に開幕する。





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[ 2011/05/28 18:00 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)

第61回NHK杯 01回戦08局 阿久津主税vs窪田義行

先手の阿久津主税七段は昨年度講座「あっくんの目ヂカラ~」でお馴染み。前期順位戦でB級1組昇級を決めたが、抽選時はB2だったので予選を勝ち抜いての本戦出場だ。対する松平義七郎行頼こと窪田義行六段。将棋だけでなく言動も個性的で、私の好きな棋士の1人だ。対局中の動きが大きく、喋り方も独特で、ある意味TV向きの棋士だと思う。本局は窪田六段の対局中の動きも鑑賞ポイントだろう。

後手藤井システム対右銀急戦の対抗形となった。端歩を突き越すこの形を指す棋士は限られており、今では窪田六段と室岡七段ぐらいだろうか。解説の松尾七段曰く「10年くらい前に指されていた将棋」。後手は大山流の△3二金で急戦を受け止める。△3二金では△3二飛もあり好みの分かれるところ。金を上がって受けるのはいかにも窪田流といった感じがする。

2011窪田阿久津001


先手は先に桂損したが、3筋を抑え、2筋に飛車を回っての反撃があり均衡が取れている。△5四金(上図)は▲2九飛に△4三飛の受けを用意したもの。形にとらわれない窪田流の金上がりだが、それでも▲2三歩成~▲3三歩成から2筋を突破して先手が優勢となった。

そこから数手進んで73手目の局面。

2011窪田阿久津002
▲3四桂と打って無理やりこじあける手もあったが、阿久津はじっと▲1四歩。意味は△3二銀に▲2三歩△同竜▲1五桂を用意したもの。後手は△7六金とプレッシャーをかけたがそこで▲7七銀と受けたのが好手。以下△7七同金▲同角で金銀を交換して8八の角も捌けて先手がさらに指しやすくなった。

97手で阿久津七段の中押し勝ち。投了の局面先手は角得で自陣が鉄壁なのに対し、後手は粘りようがない。窪田さんの将棋ということで長手数の熱戦を期待したが、(直近の銀河戦、vs野月戦では200手を超える大熱戦だったが・・・)阿久津七段の巧みな指し回しの前に最後は大差となってしまった。



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↑6月号のリレー自戦記は窪田六段。とても面白かったので未読の方は是非。


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[ 2011/05/22 21:31 ] NHK杯 | TB(1) | CM(0)

第69期名人戦第4局 羽生vs森内 2日目

名人戦第4局1日目
(1日目の続き)注目された封じ手は前例どおり▲1四歩だった。これに対し後手が3五の桂馬をどちらに成るか。定跡書では2七に成るのが有力とあったが森内九段が選んだのは△4七桂成だった。こちらは香車を取れないのでリスクが高いと言われていた。水面下の研究では2七では先手良しと結論づけられていたのかもしれない。

先手は端から先手陣を崩したい。対して後手は入玉を含みに先手の攻めを焦らせ、受け手からのカウンターを狙う方針。

△1七歩(84手目)が素人目に見ても明らかな疑問手だった。直後の▲1三銀~▲2四銀成で攻めがつながる。玉を下段に落とされ入玉の味もなくなってしまった。先手がはっきり優勢となった。しかし代わる手として指摘されていた角道を止める手でも森内九段は自信がなかったのかもしれない。

1三に銀を打ち込まれて「さすがにこれは後手ダメだろう」と思ったのだが、そこからの森内九段の粘りが見事だった。先手は色々な勝ち方があっただろうと思うが、羽生名人は最も派手な順を選ぶ。先手の攻めが決まったかに思われたが、△3三飛(112手目)が「飛車は最強の受け駒」という言葉を思い出させる鋼鉄の受け。「すわ逆転か?」と控室は色めき立ったが、それでも▲2四飛(115手目)があって先手勝ちだった。

2011森内羽生_24hi001

控室の面々が見えていなかった▲2四飛だが、名人はこの十数手前、決めに行ったときからこの手が見えていたのだろう。カッコいい決め方だった。

羽生名人が一番返して意地を見せた。個人的には森内さんの4連勝を見たかったが、そう上手くはいかない。第5局、森内九段は得意の先手番なので是が非でも決めたいところだろう。本局は次に引きずるような負け方ではなかったので大丈夫だとは思うが、相手が羽生名人なので何が起こるがわからない。次局、羽生名人が後手番でどのような秘策を用意しているか注目だ。


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[ 2011/05/21 22:00 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)