スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

第61回NHK杯3回戦 深浦vs菅井

深浦康市九段と大和証券杯覇者の菅井竜也五段の対戦。順位戦のクラスは深浦九段のほうがずっと上だが、最近の活躍は菅井五段のほうが上回っている。事前インタビューで深浦九段も「トップ棋士の1人だと思うので気を引き締めたい」とその力を認めていた。私は深浦さんのファンだけど、今日の相手では負けても仕方ないと思っていた。

深浦さんの作戦は3手目▲2五歩の「ゴキゲン封じ」。これはアマチュアだとよくあるがプロは嫌うオープニング。いつかの「イメージと読みの将棋観」では「次元が低い手」とされてた手だ。逆に言うと、それだけ菅井君の力を認めているということなのだろう。▲5三角も手損になるけれども形を決めさせて菅井五段に力を出させないようにする。

23手目の▲7五歩は突っ張った手。△2四歩からの逆棒銀に備える意味はあるが、この歩が負担になる可能性もある。実際、そうなってしまった。深浦さんは序盤で頑張りすぎるというか、工夫を凝らしすぎて負けることがよくある。本譜も若手に負けられないという気合が空回りしたような将棋だった。

居飛車が5筋から動いてきたのに対して振り飛車は△6二銀~△3三桂と捌く。▲2二角から先手が先に駒得となったけれども、桂馬が捌けて玉が堅い後手を持ちたい。

菅井深浦001
△5六歩(48手目)に香車(▲5四香or5五香)は構わず歩を成って「5七のと金」が大きいので後手良し。飛車を取られても後手玉は堅く底歩も利く。対して先手は歩切れなのが痛い。実戦は▲3二と△同金▲5五香と工夫したが、今度は4二に飛車を逃げることができる。

△6九角(54手目)で馬ができたのも大きい。後手は駒損しているが馬で駒を補充しながら攻めをつなげることができる。歩の裏側から香車も食らって先手が苦しい。

菅井深浦002

▲4六角(95手目)で後手玉に詰めろがかかったが、手筋の△5五歩を入れてから△9二玉(98手目)が振り飛車の奥義。さらに7一に金を埋めて後手玉は相当寄らない。後手勝勢がはっきりとした。

馬筋を止めた△4三歩(126手目)も見習いたい一手。今日の菅井五段は終始落ち着いていた。

最後の深浦九段の粘りも凄かった。あそこまで粘れるのは深浦さんしかいないと思う。

菅井五段は初出場でベスト8進出。次は渡辺竜王との対戦だ。この前の朝日杯では実現しそうでしなかったカードなので楽しみだ。ベスト4に進出している朝日杯とあわせて頑張ってほしい。
スポンサーサイト
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/01/30 07:06 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

まさかの逆転劇 第61期王将戦第2局 久保vs佐藤

まさかの逆転だった。
▲6三竜のあたりまでは中継を確認していたのだが、終局のところは観戦できなかった。
あれを佐藤九段が勝つとは思わず、終局後に結果を見てビックリしましたw
リアルタイムで盛り上がりたかった!

====================
棋譜→第61期王将戦七番勝負第2局 ▲久保-△佐藤

第2局、久保利明王将の先手石田流に対して佐藤九段が選んだ作戦は4手目△3五歩からの相三間飛車だった。

石田流対策は、4手目△4二玉から飛車先を保留し銀冠に組む指し方が最近では多いと思う。有名なところでは昨年の竜王戦挑戦者決定戦第3局の久保丸山戦がある。この形の後手の勝率は高いのだが、やや守勢になる。攻めの棋風の佐藤九段は石田流対策でも序盤から激しい戦いに持ち込むことが多い。本局は相振りだが、より積極的に動いていくという意味で△3五歩を採用されたのだと思う。

しかし、封じ手の局面は後手の佐藤九段が作戦負け。久保王将の▲7四歩(15手目)~▲7六飛(19手目)が機敏で後手は矢倉に組めなくなった。7三の銀を△8二銀と引いて辛抱し、8五桂跳ねには△7二歩(本当は△7二金と上がりたい)とまた辛抱。それでも久保さんは上手くいっているとは思ってなかったようだ。

角交換から馬を作りあう展開になったが、馬の働きも先手が良い。飛車も成り込んで先手がはっきり優勢となった。後手は金を寄って防衛線を築くが、▲2四香からの強襲で突破されてしまう。

それでも玉の早逃げから中段玉で踏ん張るのは佐藤九段らしい。第1局の▲5七玉もそうだったが、力強い玉捌きが佐藤将棋の特徴でもある。しかし、久保さんの▲6三竜(81手目)が5二への逃げ道を防ぐ好手。着実に包囲網を築かれてしまう。これでダメかと思ったが、ここから佐藤九段が猛烈な追い上げを見せる。


まず継ぎ桂から入って、△6九成香!(92手目)が妖しい勝負手。これは取りにくい。そして△6八成香~△6九角でついに先手玉に詰めろがかかる。対して、後手のラピュタ玉は意外に寄らなかった。

▲3六香(101手目)では▲3六銀で先手勝ちだったようである。
終盤の大逆転:王将戦中継ブログ - 毎日jp(毎日新聞)


しかし、これはもう指運としか言いようがない。それよりも佐藤九段の凌ぎ、寄せが見事だった。今日は佐藤さんが強すぎた。

PC中継の100手目、青葉記者のコメントに同感。
これが人間同士の将棋だ。だから面白い。

この言葉に尽きると思う。

意地の張り合いのような序盤戦、中盤のジリジリとした駆け引き、そして終盤の勝負術、いずれも人間同士ならではの面白い将棋だった。いくらコンピュータが強いからと言って、こんなアツい将棋を見せることができるだろうか?

それにしても、久保さんは惜しい将棋を落としてしまった。来週には順位戦のラス前があり、そして棋王戦も始まる。ここから果たして立ち直れるのだろうか。

このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/01/28 18:44 ] 王将戦 | TB(0) | CM(0)

第61回NHK杯3回戦 羽生vs阿久津

名門・八王子将棋クラブ出身の先輩後輩対決。過去の対戦成績は羽生善治二冠の8勝1敗。この2人は数年前に朝日オープンの番勝負でぶつかったことがある。阿久津七段の1勝はそのときのもの。

阿久津七段のゴキゲン中飛車に先手が超速3七銀の対抗形となった。後手が△4四銀型なので相穴熊になるかと思ったが先手は二枚銀を選ぶ。

後手は美濃囲いでなく△7二金・△6二銀の金美濃。△7二金を最初に指したのは確か藤井九段だっただろうか?このほうが5三の地点をカバーして中央に厚い。

桂交換から△6五銀。この銀が玉頭に圧力をかけてうるさい。
そして△7七桂!(46手目)と派手な手が飛び出した。解説の森下九段が「やらないだろう」と言っていた手だ

羽生阿久津NHK001
▲同桂には△5五飛と銀を取れる。これで先手困ったかと思ったが▲2六飛と浮いて(銀取り)、▲4七桂の自陣桂が好手で簡単には決まらない。後手は△7七銀成~△6五桂から突撃していったが攻めを切らされてしまった。

▲7八歩(67手目)で後手の銀が詰んでしまい駒損が酷い。先手勝勢となった。

そこから後手も必死に手を作って粘ったが届かなかった。137手で羽生二冠の勝ち。
羽生さんの横綱相撲と言っていい内容だった。本音を言えばもう少し熱戦を期待したのだが、途中で大差となってしまった。
△7七桂は意表を突いた手だったけれどもちょっと無理だったのかもしれない。

才能は続けられること (100年インタビュー)才能は続けられること (100年インタビュー)
(2012/01/25)
羽生 善治

商品詳細を見る

↑また羽生さんの本が出るみたいです。
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/01/23 07:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(2)

第5回朝日杯 菅井五段ベスト4進出

朝日杯将棋オープン中継サイト

20日(金)に行われた朝日杯、ベスト4の残り1枠をかけた戦いを勝ち抜いたのは新鋭菅井竜也五段だった。これで予選のプロアマ戦から数えて8人抜きということになる。

午前は久保二冠相手に相矢倉(!)で快勝。

そして午後の行方尚史八段戦。
ゴキゲン中飛車対「超速」の対抗形となった。▲4六銀に△4四歩の「菅井流」を自ら採用。先日の王将戦では佐藤九段の▲3四銀~▲5七玉が話題を呼んだが、行方八段は「柔の▲7八玉」を選ぶ。ちなみに先日のA級順位戦(▲羽生△久保戦)でも▲7八玉だった。佐藤先生の「誰も真似してくれない」という声が聞こえてきそうだ。


歩損の後手は局面が収まってしまうとダメになる、ということで△5六歩と突いて乱戦に持ち込む。馬を作り飛車を3筋に回って捌いていく。このあたりの菅井五段の手の作り方が巧い。

初めは後手が無理をしているように見えたが、いつの間にか綺麗に捌けていた将棋だった。

最後は先手の攻めが切れたかと思ったが、行方八段は諦めず桂香を拾い、一時は先手勝ちもあるところまでいったようである。行方さんの粘りも見事だった。大熱戦でした。

これで朝日杯は羽生、菅井、郷田、広瀬の4人がベスト4に進出。菅井五段は羽生二冠との対戦となる。昨年の大和証券杯(ネット対局)では菅井五段が勝っているが、再度金星なるか注目だ。私は優勝もあると思っている。

ちなみに準決勝・決勝は有楽町マリオンで公開対局ということで観覧者(定員500人)を募集しているそうです。↓

asahi.com(朝日新聞社):観覧希望者を募集 朝日杯将棋オープン戦 - 将棋 このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/01/22 07:40 ] 朝日杯 | TB(0) | CM(0)

A級順位戦7回戦 谷川九段2敗に後退

名人戦棋譜速報

昨日は7回戦の残り2局が行われた。
全勝の羽生二冠を追いかける1敗の谷川九段に注目して観ていたが、残念ながら敗れてしまった。

屋敷伸之九段(3勝3敗)-△谷川浩司九段(5勝1敗)
谷川九段のゴキゲン中飛車に屋敷九段の「超速」。後手が△4四銀型を選び相穴熊戦となった。
33手目までは今月12日に行われた朝日杯と同一。
棋譜:第5回朝日杯将棋オープン戦本戦 谷川浩司九段 対 佐藤康光九段

△1七角成から互いに馬を作る展開となった。後手は△5九銀から絡んでいったが戦力不足で攻めがつながらず。この5九銀が空振りになってしまいましたね。
先手の穴熊は金銀四枚+馬も引き付けて磐石。屋敷九段の中押し勝ちとなった。

屋敷伸之九段は初めてのA級で残留が決定。順位戦では長く苦労した屋敷九段だけに、今期の活躍は嬉しい。

佐藤康光九段(3勝3敗)-△三浦弘行八段(3勝3敗)
佐藤康光九段もこれに勝てば残留決定という一番。対戦成績では佐藤九段が大きくリードしているがここ2、3年はほぼ互角。
三浦八段の横歩取り△8五飛に先手が中住まい+▲3八銀型。昔流行った定跡形となった。

この一局は佐藤九段の玉の動きに注目したい。まず、51手目、5七の玉を▲6八玉と引いた手。ここまでは佐藤九段も研究済みだったようだ。そして5七角の王手に5九に引いて、最後は77手目の▲6八玉の早逃げ。先手陣はバランスの取り方が難しいが、佐藤九段はうまくまとめてみせた。

後手の猛攻を凌いでから、▲2一角(67手目)が好手だったようだ。

以下後手の必死の粘りを振り切り、107手で佐藤九段の勝ち。2期ぶりのA級で残留が決まった。来期は挑戦目指して頑張ってほしい。
敗れた三浦八段は残り2連敗でも順位で丸山、久保を上回るので残留が確定している。

********************

7回戦終了時点での成績は以下の通り
【7勝0敗】羽生(1位)
【5勝2敗】渡辺(2位)、谷川(7位)
【4勝3敗】郷田(4位)、佐藤康(9位)、屋敷(10位)
【3勝4敗】三浦(5位)
【1勝6敗】高橋(3位)、丸山(6位)、久保(8位) 

羽生二冠のプレーオフ以上が確定。残り2連敗するとも思えず挑戦は間違いないでしょう。
残留争いは高橋、丸山、久保の3名に絞られた。


このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/01/21 18:00 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)