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驚愕の端攻め~第60期王座戦第1局

王座戦中継blog

待ちに待った渡辺vs羽生の王座戦が始まった。過去の対戦成績は渡辺19勝、羽生16勝と拮抗しているが番勝負に限定すると渡辺の3-1。2008年、2010年の竜王戦、そして去年の王座戦と渡辺が3連勝している。羽生二冠からするとここで流れを変えたいところだ。

棋譜→第60期王座戦五番勝負 第1局 渡辺明王座 対 羽生善治二冠
羽生二冠が先手で▲7六歩△8四歩▲6八銀から矢倉になった。ガッチリ組み合う相矢倉は先手の攻めを受け続ける展開になるが、本局後手の渡辺王座は積極策を選んだ。△5三銀右からの急戦矢倉だ。羽生の▲2五歩(21手目)が珍しく、あまり見たことのない形となった。最近は定跡形の矢倉が多かったのでこれは面白そうだ。

▲9七角と上がって端から角を使っていくのが羽生二冠の構想だった。△6五歩から△6六歩と取り込まれても指せるという大局観。
渡辺羽生王座60_001

先手が▲2四歩と合わせてきたのに対して、渡辺は受けずに△9五歩!飛車を切って▲7二角の両取りや▲2三歩が見えているが、強く攻め合いに出る。ただ、このあたり渡辺王座は作戦負けを自覚していた。

先手は角を切ってからじっと▲4五桂と跳ねる。解説の佐藤王将が「歴史上見たことがない」という表現で驚いていたが、確かにあまり見ない筋ではある。いかにも羽生さんらしい緩急自在の指し回しだ。対して渡辺は堂々と△9六歩と取り込む。
渡辺羽生王座60_002
次に△9七歩成~△8七とが詰めろだが、その2手の間に攻め潰されそうなので怖いところである。

渡辺羽生王座60_003

終盤、▲4五銀が味良く見えるので先手が良いかなと思っていたら、△6七桂(76手目)が厳しかった。▲同銀は先手が自信ないので▲6九玉でどうかと言われていたが、羽生は素直に桂馬を取る。(感想戦のコメントにもあったがここは▲6九玉が正着で、むしろ先手有望だったようだ。)▲6七同銀以下△4五銀▲6六銀に△9七歩成。ついに端攻めが間に合った。

その後も難しい終盤戦が続いたが、渡辺王座が羽生二冠の攻めを余して勝ち。△9五歩から△9六歩の取り込みが最後の最後に間に合って詰みに働くという凄い将棋だった。

一局目から凄い内容で感動しました。これが最高峰の戦いなんですね。
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[ 2012/08/30 21:31 ] 王座戦 | TB(0) | CM(0)

大和証券杯最強戦 佐藤王将優勝

羽生世代対決となった決勝戦。過去の対戦成績は佐藤25勝、郷田24勝と全くの互角。2人にとって50局目の節目の戦いとなった。

モバイル中継ブログに写真がupされていたが、佐藤王将は和服での対局だった。佐藤さんはタイトル戦以外でも大事な対局では和服着用が多いけど、ネット対局でも着てくるとは思わなかった。パソコンの前に扇子を置いて画面を睨んでる写真はなんかシュールな感じがする。

棋譜→第6回大和証券杯・ネット将棋 最強戦決勝 郷田真隆棋王 対 佐藤康光王将

将棋は佐藤王将が先手で角交換型の向飛車。対して後手の郷田九段は居飛車で銀冠に囲う。この形は互いに角を持ち合っているため手詰まりになりやすい。後手は千日手でも構わないという姿勢だ。千日手の可能性もあったが佐藤は▲6五桂(45手目)から打開する。


桂交換の後の▲6六桂(49手目)は思いつかなかった。5四桂は△5三銀で受かるし、▲7四桂と跳ねても次に何かあるわけではない。いわゆる「もたれ指し」というやつ。

後手が1筋に飛車を回って、先手の8筋攻めは間に合わない。郷田の猛攻を佐藤が受ける展開となった。先手は▲6一角(79手目)から馬を作ってプレッシャーをかける。後手の攻めが一息ついたところで▲6三馬から反撃だ。


激しい終盤戦になった。▲1五桂(117手目)に郷田棋王は△同飛!と切って勝負をかける。△1六桂から△4五桂と二枚の桂馬で寄せようとしたが、▲5七歩(123手目)が受けの好手。△2八成桂から詰ましにいったが詰まず、佐藤王将の勝ちとなった。

戻って▲1五桂には木村八段指摘の△2四銀打と受ける手もあった。郷田さんなら飛車切りそうな感じはしたが。その後の△2六歩(126手目)では△2八金が難解でこちらは結論が出なかったようだ。

それにしても▲6六桂~▲7四桂で勝つとは佐藤康光恐るべし。佐藤さんが持ち前の腕力でねじ伏せたという感じの将棋だった。

佐藤王将はこれで今期13勝2敗と絶好調。早指し棋戦で稼いでいるのもあるが、順位戦も2連勝スタートだし、もう1つタイトルを取りそうな勢いがある。この調子で久々の名人挑戦、二冠を目指して頑張ってほしい。


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[ 2012/08/27 08:00 ] 大和証券杯最強戦 | TB(0) | CM(0)

王位戦が終わって次は王座戦

王位戦中継サイト

王位戦第5局は羽生善治王位が勝ち、4勝1敗で防衛を果たした。

第5局は後手藤井システム対▲5五角急戦の定跡形だった。何となく懐かしい感じがする将棋。新手を出したのは羽生さんのほうだった。▲1六角(37手目)はひねった感じのする手だったが、これが名角となって羽生王位が優勢に。▲5四歩(53手目)が急所で決め手となった。羽生王位の完勝。序盤から終盤まで隙が無かった。

今回の王位戦は内容が濃く面白い番勝負だった。特に藤井先生の序盤戦術が秀逸で毎局感心させられた。最近のタイトル戦は1日目からハイペースで前例をたどる将棋が多いが、今回は序盤の構想力を問われるような将棋だったので1日目からじっくりと楽しむことができた。序盤だけ見れば藤井九段が主役と言っても過言ではないだろう。

しかし、羽生王位は強かった。特に第4局がそうだったが終盤力が凄まじかった。2人の中終盤の力の差がそのまま出たようなシリーズだった。

藤井九段にとっては残念な結果となったが、十分に存在感を示したと思う。6年ぶりに呪縛も解けたし、「新鉱脈」の角交換振り飛車で成果を出すこともできた。またタイトル戦の舞台に帰ってきてほしいですね。

王位戦が終わったばかりだが、今週水曜からは羽生さんが渡辺王座に挑戦する王座戦が始まる。夏が終わり、渡辺明がタイトル戦に出てくると秋が来たという感じがする。王位戦は同世代対決ということもあってか比較的和やかな雰囲気だったが、今度の王座戦は緊張感あふれる番勝負になりそう。


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[ 2012/08/26 21:01 ] 王位戦 | TB(0) | CM(0)

中学生棋士誕生なるか?第51回三段リーグ(ラス前終了)

第51回三段リーグ(2012年前期)は16,17回戦が終了し、残すところあと2戦となっている。

成績表→第51回奨励会三段リーグ戦(日本将棋連盟)

21日(火)に行われた「ラス前」の結果、上位陣の成績は以下の通りとなった。(カッコ内数字は順位)
13勝4敗:上村亘(27)
11勝5敗:宮本広志(6)、石田直裕(14)、渡辺大夢(17)、増田康宏(33)
10勝6敗:千田翔太(12)、杉本和陽(13)、森村賢平(15)、井出隼平(18)

最終日に石田vs増田の5敗勢直接対決があるので、7敗以下には昇級の可能性はない。
首位の上村亘は最終戦勝てば昇段の「マジック1」。仮に負けても宮本、石田、渡辺のうち2人が1敗すれば上がれる。

5敗勢の中で注目は増田康宏くん14歳(森下卓九段門下)。渡辺明以来5人目の「中学生棋士」の期待がかかる。ただ、順位が悪いので2連勝しないと厳しい。最終日、石田との直接対決で敗れるとその時点で昇段の可能性は消えてしまう。

上位陣で唯一次点を持っているのが渡辺大夢三段。今回次点ならば次点2回=フリークラス編入権を行使する可能性がある。

中学生棋士も見てみたいが、個人的には年齢制限が迫っている人たちに上がってほしいと思っている。具体的には25歳の上村と26歳の宮本の2人。

三段リーグ最終戦は9月8日に行われます。


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[ 2012/08/23 07:30 ] 奨励会 | TB(0) | CM(0)

第62回NHK杯 渡辺竜王vs深浦九段

棋譜→2012年08月19日第62回NHK杯2回戦第2局

2回戦屈指の好カードとなった渡辺深浦戦。渡辺竜王は深浦さんを苦手としている。これまでの対戦成績は渡辺7勝、深浦12勝。今年に入ってからも3月の棋聖戦と8月10日の順位戦で深浦九段が勝っている。事前インタビューで渡辺竜王は「負け越しているので非常に嫌な相手です」と率直に答えていた。

渡辺竜王が先手で横歩取りになった。後手は今流行りの△8四飛+5二玉型。△9四歩(28手目)が珍しい。この端歩の意味は深すぎて分からない。△7四歩(30手目)までは10日に指されたA級順位戦▲渡辺△深浦と同じ進行。但し本局の収録のほうが順位戦よりも先だと思う。(対戦成績には順位戦の結果も反映されていたが、あれはアフレコだろう。)

深浦渡辺2012nhk_001
1筋攻めを受けて△2三歩(36手目)と打ったがどうだったか?歩を打たずに△2三銀と受けるのが普通だが、あえて工夫したという感じだ。手堅いけれども、持ち歩が減って攻めが薄くなるというデメリットがある。実際にこの△2三歩が後で響くことになる。

後手の狙いは端攻めだった。対して先手は▲7五歩と突いて飛車の横利きで受ける。後手は△5四角と打って攻めをつなげようとするが少し細い。激しい攻め合いになったが先手が余せそうだ。

▲7四歩が残っていて一直線の攻め合いは後手負けということで深浦は粘りに出る。△8五馬~△7四馬で7四の歩を払ったが・・・

深浦渡辺2012_002

▲7二歩(65手目)が竜王らしい堂々とした一着。と金を活用するまでは3手かかるが、後手からもそれを上回る攻めがないことを見切っている。2筋に歩が利かない、プラス端の位が大きく先手玉を寄せるのは難しい。ここに来て序盤の△2三歩が祟ってしまった。

以下▲7一歩成~▲6一金(73手目)が確実な攻めで後手玉は受けなしとなった。87手で渡辺竜王の快勝。

感想戦はとてもピリピリとした雰囲気だった。全く表情を変えず言葉も少ない深浦。不甲斐ない将棋にしてしまった自分への怒りもあっただろう。一方、渡辺も厳しい表情で笑顔はなかった。この2人の対戦はいつもこんな感じだ。対局開始前から感想戦まで常に緊張感が張り詰めている。そこが観ていて面白いところでもある。
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[ 2012/08/20 07:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)