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第62回NHK杯 羽生三冠vs橋本八段

棋譜→2012年10月28日第62回NHK杯2回戦第12局(NHKの公式サイト、月曜の昼以降に更新される。)

昨日のNHK杯はハッシーこと橋本崇載八段と4連覇中の羽生善治NHK杯の対戦、A級棋士同士の好取組だった。NHK杯では無敵を誇る羽生三冠だが、直近の対戦(竜王戦)で橋本さんに2連敗している。今回も密かにハッシーの「金星」を期待していた。

本局はそれよりもハッシーがどんなネタを仕込んでくるかに注目していた人が多いのではないでしょうか。事前に矢内さんがtwitterで何か面白いことがあったと呟いてましたからね。そして予想通り対局前のインタビューでやってくれました(笑)

―羽生NHK杯にはどのような印象をお持ちですか?
羽生さん?強いよね。序盤、中盤、終盤、隙が無いと思うよ。だけど、オイラ負けないよ。
―本局への意気込みをお願いします
えー、こまだっ、駒たちが躍動するオイラの将棋を皆さんに見せたいね。

えーと、これは佐藤紳哉さんのモノマネじゃないですか(苦笑)こういうのやるんだろうなとは思ってましたが、まんまパクリとはw最初テレビで見たときは正直引いちゃって見ていられなかったです。でも後で↓の比較動画を見るとその面白さが分かってくるというか、これは元ネタを知らないと笑えないですよね。



さて、将棋のほうは橋本八段が先手で3手目▲6八飛からの角交換振り飛車に。橋本さんは先手でも後手でも角道を止める派だったが、今年の夏ぐらいから角交換振り飛車の採用が増えている。先手の美濃囲いに後手は矢倉。囲い以外は先後同型だ。そこから筋違いに角を打ち合ってのねじり合いになった。

橋本羽生NHK001

中盤、▲4六銀(77手目)が手厚い一着でここは先手が良さそうだ。後手の角の逃げ場所が難しい。そこで羽生三冠は△7六桂(78手目)と金取りで角道を止める。ただ、この桂馬は本来別の場所に使いたかったので感触は良くない。対して6八の金を逃げる手もあったと思うが、橋本はシンプルに▲4五銀△6八桂成▲6三歩成△9六香▲8七角△7九成桂の取り合いを選んだ。飛車の取り合いは後手も玉が堅いのでやる気が出ると思ったが、どうだったのだろう。

▲6三歩成に飛車を取らずに先に△9六香。羽生は「いやぁー」と呟きながら香車を走った。この瞬間は意味が分からなかったが、後でこの△9六香が利いてくる。

▲9一飛に対して、先ほど入手した香車を△4八香(88手目)と打つ手が厳しかった。▲同金には△8八飛の両取りがある。橋本は▲3九金とかわしたがそれでも△8八飛。ここで角を逃げたが、阿久津七段が指摘していたように▲1五歩と端攻めで勝負するほうが良かったかもしれない。△4九金と貼りつかれて先手が苦しくなった。

橋本羽生NHK002

102手目の△5六歩が決め手となった。△5七歩成からのと金攻めと△5五角の王手飛車をみて一石二鳥。以下橋本も粘ったが、134手で羽生三冠の勝ち。これでNHK杯の連勝記録を21に伸ばした。

途中までは橋本さんが良かったと思うが、いつの間にか逆転していた。やはり早指しの羽生さんは強い。感想戦がなかったので詳しいことは分からないが、△7六桂のところで飛車の取り合いにしないほうが良かったかもしれない。

最後は差がついてしまったけれども、観てて面白い将棋でした。ハッシーの対局前のインタビューも含めてね(笑)
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[ 2012/10/29 07:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

第25期竜王戦七番勝負第1局 渡辺圧勝

竜王戦中継plus

渡辺明竜王に丸山忠久九段が挑戦する七番勝負が始まった。昨年の七番勝負は丸山先手で角換わり腰掛け銀、渡辺先手のときは後手一手損角換わりの角換わりシリーズだった。今年も再び角換わりシリーズになりそうだ。

棋譜→第25期竜王戦七番勝負 第1局 渡辺明竜王 対 丸山忠久九段
振り駒の結果丸山九段が先手となって初手▲2六歩。対して後手の渡辺竜王はいつものように△8四歩を突く。3手目▲7六歩から予想通り角換わり腰掛け銀の将棋になった。

後手の作戦は△7三桂保留型。今期名人戦の第2局、第6局でも指された定跡形である。後手が飛車を切って△4六金と打つところまではおなじみの形。定跡形なので両者ともに指し手が早い。特に渡辺竜王は74手目までに46分しか使っていない。1日目の午前中で75手目まで進んだ。まるで1日制のタイトル戦のような速さだ。

丸山渡辺竜王251_001

74手目まで前例は一局。先月29日に指された▲豊島△渡辺戦で結果は千日手だった。その豊島渡辺戦は△7五歩に▲8五銀とかわしたが本譜は強く▲7五同銀。△7六歩を打たれても大丈夫なのだろうか。ちなみに豊島渡辺戦は▲8五銀以下、△9三桂▲9四銀△7六歩▲2三歩△同玉▲2一竜△2二金▲5一竜△3二金右▲4一竜と進んでいる。▲8五銀でも△7六歩を打たれてしまうので難しいところ。取れそうな桂馬を△9三桂と活用されるのが不満だったのかもしれないが、結果的に新手は不発に終わった。

▲2三歩に△同金(76手目)は形が悪くなるので意外だった。△3二金までは渡辺竜王の想定の範囲内だと思う。
△2三金の形に隙ありと見て先手は角をぶつけたが、上手くいかなかった。逆に△3三角と先着されてしまったのでこの角交換は先手が損だったと思う。△3二金に▲4四角が成立しないのが丸山九段の誤算だったようだ。

丸山渡辺竜王251_002

△3三角に▲4四歩(87手目)と垂らして封じ手。しかし、ここでは既に大差で後手優勢だったようだ。封じ手の△6五桂から△5七金(94手目)が厳しく先手は受け切れなかった。

106手で渡辺竜王の勝ち。終局は13時58分。昨年の第1局が14時14分の終局だったが、それよりも早い。竜王戦七番勝負史上最も早い終局だった。

終盤の捻り合いを期待していたが、一方的な展開になってしまったのは残念。角換わりのスペシャリスト相手に何もさせなかった竜王の指し回しは見事だとは思うが、物足りなさの残る将棋だった。

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[ 2012/10/17 07:30 ] 竜王戦 | TB(0) | CM(0)

NHK杯2回戦 佐藤天彦vs佐藤康光

棋譜→2012年10月14日第62回NHK杯2回戦第10局(NHKの公式サイト、月曜の昼以降に更新される)

天彦vs康光の佐藤対決。先手の佐藤天彦七段は今期竜王戦2組で優勝、順位戦B2でも5戦全勝と好成績を残している。対する後手の佐藤康光王将も今期絶好調。先日の大和証券杯で優勝し、勝率は8割を超えている。好成績者同士の対戦ということでとても楽しみにしていた。

戦型は後手佐藤王将のゴキゲン中飛車に先手の超速3七銀となった。様々な超速対策がある中で康光王将が選んだのは△4四歩の「菅井流」。あの▲5七玉が出た将棋(王将戦第1局、佐藤vs久保)もこの菅井流だった。1月の王将戦では△4四歩に▲4六銀と出たが、本譜は▲7八銀からもう一枚の銀を繰り出す。

▲7七銀に△6四歩(18手目)が珍しい。この△6四歩は9月19日の棋王戦▲森内名人△佐藤王将戦(佐藤勝ち)で指された「佐藤新手」(但し本局の収録のほうが先かもしれない)。▲6六銀には△6五歩と突いて追い返そうという手だが、自玉の頭なのでリスキーな手ではある。天彦さんも意表を突かれたのかここで時間を使う。いきなり乱戦になる可能性もあったが、康光王将が無難な進行を選んで互いに囲いあう展開となった。

天彦康光002

先手は3筋に飛車を回って角頭に狙いを定める。ただ、すぐに▲3五歩△同歩▲同飛は△6五歩~△5六歩と捌かれてしまう。▲6八金上△2二角の交換を入れてから先手は▲3五歩と仕掛けた。解説の先崎は▲3五同飛に△6五歩と突きたいと言っていた。▲7七銀と引いてくれればそこで△3三桂。しかし、康光王将は単に△3三桂と跳ねる。△6五歩には▲同銀と取られるのが嫌だったのかもしれない。

△4五桂から後手は角桂を捌いたが、先手は飛車を成れる。55手目単に▲3一飛成は△6二飛で難しいが、先に▲4三角と打つのが良い手で先手の攻めのほうが速い。▲5四歩△同金に▲5二金(65手目)が厳しく先手優勢だ。

天彦康光001

局面は進んで最終盤、▲4四桂(79手目)が厳しかった。△同金なら▲5三歩で受けがなくなる。康光は△5九銀▲同玉△2六角から4四の桂馬を抜くがこれでは辛い。桂馬を抜いても▲4三銀がある。

そこから先手が危ない寄せ方をしたために手数はかかったが、最後は華麗に詰まして天彦七段の勝ち。双玉形で竜二枚で後手玉を仕留めるという詰将棋の世界でしかお目にかかれないような投了図が出来上がった。この収束はカッコいい。


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[ 2012/10/15 07:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

NHK杯2回戦 木村vs永瀬

「千駄ヶ谷の受け師」木村一基八段と永瀬拓矢五段の対戦。「受け師対決」ということでとても楽しみにしていた。2人とも受け将棋だが、受けの性質は少し異なる。解説の広瀬曰く、永瀬は「丁寧な受け。相手の攻めを一枚一枚取っていく」対して木村は「自分から根こそぎ取りにいく受け」。木村流はどちらかといえば攻撃的な受けだと思う。

永瀬といえば千日手が多いことでも有名である。対局前のインタビューで木村は「千日手になるかもしれないですけど、千日手3回4回でも根性で負けないようにしたい」と答えていたが、その予想通り(笑)千日手が成立した。

千日手局は永瀬の先手中飛車に居飛車が角交換する定跡形だった。△5二金右が最近の流行。初出は棋王戦挑決の▲広瀬△郷田戦(郷田勝ち)だったと思う。解説の広瀬もその将棋について触れていた。▲6六銀は郷田戦で広瀬が「失敗した手」だが、本譜は▲9六歩を突いてあるので▲9七角がある。

永瀬木村NHK001

終盤、△5八金▲3九金打△4九金▲同金△5八金・・・以下千日手が成立した。△4九金には▲同銀でも先手が良さそうだったが永瀬は打開しなかった。永瀬さんらしいと言えばらしいが、少しもったいなかった気もする。

指し直し局は後手永瀬のゴキゲン中飛車に先手の▲3七銀急戦。先手の二枚銀に対して後手は4四銀と上がる銀対抗を選んだ。これもよくある定跡形である。▲2九飛に△2二角(32手目)が後手の対策。2筋を交換されてしまうが▲4五桂が角当たりにならない。

▲3九飛に△5二飛(42手目)はどうだったか。3二の金に紐をつけた手だが、▲3五歩△同歩▲3三歩で困ってるような。割り打ちを避けて△5四飛と浮く手には▲2五桂が厳しい。以下▲角金と△飛の二枚換えで先手が優勢となった。

後手は二枚飛車の攻めに勝負をかけるが、足りなかった。△7六桂は詰めろだが、▲5八銀と受けられて次に詰めろがこない。△5九銀もギリギリ詰めろにならない。

指し直し局は木村八段の快勝譜だった。
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[ 2012/10/08 22:53 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

王座戦第4局 羽生王座奪還

王座戦中継Blog
王座戦第4局は羽生善治挑戦者が渡辺明王座を破り、3勝1敗で王座奪取。通算20期目(これは同一タイトル獲得記録で史上1位タイ)の王座獲得となった。

第4局は後手の羽生さんの作戦に注目していた。2手目△8四歩から矢倉角換わりを受けるのではなく、△3四歩から振り飛車にするのではないかと思っていたが、やはり振り飛車。しかし、2手目△3二飛には驚いた。

千日手局棋譜→第60期王座戦五番勝負 第4局 渡辺明王座 対 羽生善治二冠
10手目△7二玉が挑発の一手。▲2四歩といけば激しいことになる。しかし、渡辺王座は穏やかに▲4八銀。挑発には乗らず無難に駒組みを進める。この辺は渡辺さんらしい。自分の研究範囲外では無難に進める傾向があると思う。

渡辺羽生王座4_002

渡辺が穴熊ではなく天守閣美濃に囲ったのをみて、羽生は△4四歩と角道を止めた。結局、昔指されたノーマル振り飛車vs左美濃の将棋に合流した。前例はいずれも20年以上前、(対左美濃の)藤井システムが生まれる前の将棋だ。この形の代表局は、第3期竜王戦第5局▲谷川△羽生戦。羽生さんが初めてタイトルを失った将棋である。△3二飛という最先端の出だしで始まったのにレトロな戦型に合流するところが面白い。

△4四銀(50手目)が大胆な一手で、この日の羽生さんは挑発的な指し手が多かったと思う。先手に7筋から動かれてしまうが、△5五歩と角道を止めてから△4六歩の突き捨てが上手いタイミングで後手ペースになっていった。

△6四金打~△7二飛と回って後手が厚く優勢という見方が多かったが、そう簡単にはいかないのが渡辺羽生戦。渡辺の粘りで難解な終盤戦になった。先手玉が意外と詰まないのでこれは渡辺勝ちか、と思われた瞬間△6六銀!という鬼手が飛んできた。

羽生渡辺王座4_001

▲6六桂を消して詰めろ逃れ。かつ△8八角成▲同玉△7七銀成▲同玉△6五桂以下の詰めろになっている。というのは指されてみれば分かるのだがどうしてこんな手が思いつくのか。渡辺は▲6六同歩と取ったが△8九金以下千日手が成立した。

劣勢になってからの渡辺さんの辛抱も見事だったし、土俵際に追い詰められてからの△6六銀も凄かった。この2人でなければ作れない棋譜だと思う。千日手になってしまったが、今年の名局賞候補でしょう。

指し直し局は羽生先手で矢倉。渡辺は急戦矢倉でなくがっぷり四つの相矢倉を選んだ。▲4六銀・3七桂で先手が9筋を受ける定跡形。
相矢倉の後手番は先手の攻めをひたすら受け続ける展開になる。この将棋も先手の攻めが途切れず、反撃のターンが回ってこなかった。これを見ると第1局・3局で急戦矢倉を採用した理由がなんとなくわかる。後手矢倉の苦しさを感じた一局だった。

印象に残ったのは▲5五馬(103手目)。▲6四歩としたくなるがこうやって駒を補充するのが手堅い勝ち方か。これまで羽生さんは渡辺竜王相手だと攻め急ぐことが多かったと思うのだが、今日は最後まで落ち着いていた。

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番勝負全体を振り返ってみると、第2局、挑戦者が角交換振り飛車を採用して勝ったのが大きかったと思う。勝負の流れ的にはあれで決まった感がある。第1局終えた時点では今年も渡辺かと思ったが、第2局羽生勝利で雰囲気がガラっと変わった。2勝分、3勝分の価値がある白星だった。

2008年の竜王戦以降、羽生は渡辺を苦手としていた。対戦成績で負け越し、番勝負では3回続けて敗れた。しかし、今回の王座戦でその苦手意識を完全に克服したと思う。この王座戦は羽生渡辺戦における1つのターニングポイントとなりそうだ。

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[ 2012/10/05 07:30 ] 王座戦 | TB(0) | CM(0)