スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

2012年のプロ将棋~矢倉91手組

今年(2012年)のプロ将棋も色々な出来事がありましたが、その中でも矢倉の91手組と呼ばれる形で先手番が勝ち続けたことが印象に残っています。
特にA級順位戦の▲屋敷△渡辺戦で渡辺竜王が持ち時間を大量に残して敗れた将棋は衝撃的でした。

矢倉91_001

第1図(80手目△3三銀)は今年3月の第61回NHK杯決勝▲羽生△渡辺戦と同じ局面。NHK杯では▲7一馬だったが、ここから▲3四桂△1二玉に▲3三馬と切るのが最新形で以下、△3三同金▲2二金△同飛▲同桂成△同玉▲8二飛△3二歩▲8一飛成(第2図)までが「矢倉91手組」。なんとここまで前例がある。

渡辺屋敷91_001

第2図で渡辺竜王は△4三金と指したが、▲4一竜△4二歩▲3四歩△1四歩▲1一銀以下後手玉は寄ってしまった。▲3四歩~▲1一銀が渡辺の盲点となったようだ。前例のある局面から数手で優劣がはっきりしてしまった。

この形は先手が全勝で渡辺竜王も先手番を持って2回勝っている。将棋世界12月号の「勝又教授の勝手に戦法ランキング」では「赤信号疑惑のある△9五歩型」と書かれていましたね。

相矢倉ではもう1つ「銀損定跡」と呼ばれる形も流行っている。91手組は△9五歩型だったが、こちらは△8五歩型で早めに△4二銀と引く形。最近では王座戦第4局指し直し局▲羽生△渡辺戦が有名だ。
この形も先手番の勝率が高く、先日の棋王戦挑決▲羽生△渡辺も先手勝ちだった。

2010年頃に「2手目△8四歩問題」が話題になった。当時は角換わりの先後同型が後手厳しいと△8四歩と突きづらくなり、その結果矢倉も減ってしまうという話だった。その後、先後同型でない形=専守防衛型で渡辺竜王が結果を出したことで「角換わりは後手も戦える」ようになって△8四歩は復活した。

今はどちらかというと矢倉そのものが苦しくなっている。
今年の王座戦五番勝負は羽生さんの振り飛車採用と第4局の△6六銀が話題を呼んだが、渡辺竜王が後手矢倉で苦しんだシリーズでもあった。第1局は急戦矢倉で勝ったが、第3局は急戦矢倉からの雁木で完敗、第4局は相矢倉の銀損定跡で敗れた。竜王が後手矢倉で結果を出していれば防衛できたかもしれない。

後手番では2手目△8四歩にこだわる渡辺明や郷田真隆が、このままだと△3四歩にも手を出さなければならなくなるかもしれない。しかし、2手目△3四歩の後手番も大変。竜王の言葉を借りれば「後手は何をやっても苦しい」のだが、そういう中でどう工夫していくかに注目したいと思う。

スポンサーサイト
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/12/31 17:31 ] 将棋 | TB(0) | CM(0)

第2回電王戦の対局ルールが決定

第2回電王戦の詳細なルールが決まりましたね。

第2回将棋電王戦 対局ルール:将棋電王戦チャンネル - ニコニコチャンネル

詳細は上記リンク先をご覧ください。

私が気になっていたのは持将棋と千日手の判定だった。

千日手については16時までに成立した千日手は先後を入れ換えて指し直し、それ以降は引き分け扱いになるとのこと。持ち時間4時間(1分未満は切り捨て)だと午後4時の時点では中盤から終盤。定跡形だと終盤戦に突入するケースも多いと思う。16時というのはちょっと早いような気もするが、持ち時間を考えると妥当な時間設定なのかな。

持将棋はプロ公式戦と同じく24点法を採用。コンピュータ将棋に持将棋提案への諾否回答機能がない場合は、コンピュータ操作者が諾否の解答をする。また256手を超えた場合は立会人が対局を止めて持将棋判定を行うことができる。(256手ルール

その裁定を行う立会人は、日本将棋連盟の棋士1名、コンピュータ側を代表してコンピュータ将棋関係者から1名、合わせて2名を選出する。持将棋判定で2人の裁定が分かれた場合は連盟側の立会人の裁定をもって決定とする。

「持将棋が成立した場合、指し直しか否かは、千日手の場合と同様とする。」ということは16時以降の持将棋は指し直さないということか。16時より前に持将棋になる可能性はかなり低いので、ほとんど引き分けになるんでしょうね。

このルールだと人間側が後手番のときは引き分け狙いの指し方もあるかもしれない。後手番を引いた佐藤慎一プロと塚田プロがどういう作戦で臨むかに注目したい。

このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/12/28 07:30 ] 電王戦 | TB(0) | CM(0)

第38期棋王戦挑戦者決定戦第1局

棋王戦中継plus: *第38期棋王戦挑戦者決定戦第1局
棋譜→第38期棋王戦挑戦者決定二番勝負 第1局 渡辺明竜王 対 羽生善治三冠

渡辺竜王が勝てば挑戦決定、敗者組の羽生三冠が勝つともう一番という変則二番勝負の第1局。

戦型は羽生三冠先手で矢倉だった。先手の▲4六銀・3七桂に対して後手は△7三角を保留して△8五歩を急ぐ。△9五歩ならいわゆる「91手定跡」に進む可能性が出てくるが、渡辺は先の順位戦(vs屋敷戦)で痛い目にあっている。本局は△9五歩型にはしなかった。

その結果いわゆる「銀損定跡」に進んだ。今年の王座戦第4局指し直し局でも指された流行形である。先手は銀損するけれども、攻めが続けば良し。一方後手は駒得だが終始受け続ける展開になって結局負けることが多い。プロの実戦では先手のほうが勝率が良い形。

羽生渡辺棋王38_001

61手目▲3四桂が羽生三冠の新手だった。俗手なので今までプロが選ばなかった手だ。そういう手を羽生さんが指したので驚いた。
△3一玉に一本▲6四歩の突き捨てを入れる。突き捨てはこの形の常套手段だが、正直指された瞬間は狙いが分からなかった。

後手は角を交換してから△3三歩と桂取りで攻めを催促するが▲7一角が厳しい。角を切って▲4五桂(79手目)と跳ねたところでは後手を持って受け切るのは大変そう。△2七角には先ほどの突き捨ての効果で▲6八飛と回る手がある。

羽生渡辺棋王38_002

6三に飛車が成ってこのまま先手が攻め切るかというところで△6九銀!のタダ捨てがあった。竜が動くと△7八銀成から先手玉が詰んでしまうという鬼手。▲6九同竜と取らざるをえないが、△6八歩▲同竜△6七歩で竜を封じ込める。

△6九銀で難しくなったかと思ったが、そこからの羽生三冠の指し回しがまた素晴らしかった。2四の銀を取らずに▲5六銀~▲4六金~▲3七桂と自陣に投入して抑えこみにいく。二枚の金を前進させて盤面全体を制圧した。

終わってみれば羽生三冠の圧勝。途中先手は角損だったがそれでも攻め切ってしまうという相矢倉らしい将棋だった。渡辺竜王の「矢倉では角得くらいでは追いつかない場合があります。ちょっと攻められすぎましたね」(91手目棋譜コメントより引用)という感想が印象的だった。

これで両者共に1敗で年明けの第2局(実質第3局)に持ち越しとなった。第2局は改めて振り駒で手番を決めるとのこと。羽生渡辺戦は先手番の勝率が高いので振り駒勝負ということにもなりそうだが、果たしてどうなるか。

木村の矢倉 3七銀戦法基礎編木村の矢倉 3七銀戦法基礎編
(2012/12/26)
木村 一基

商品詳細を見る


このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/12/27 07:30 ] 棋王戦 | TB(0) | CM(1)

NHK杯3回戦 三浦vs木村

三浦と木村は共に1973年度生まれの同学年。解説の野月七段も1973年生まれで、今日は同い年3人が揃った。

戦型は木村の2手目△8四歩から角換わり腰掛け銀。後手は△3三銀を早めに上がり、△7四歩を保留する専守防衛型を選んだ。△7四歩を突けば渡辺丸山の竜王戦でも指された▲2八角と打つ定跡に進む可能性が高かった。

△3五歩(38手目)が木村の工夫。▲同歩に△2四銀と上がって先手の桂頭を攻める。自玉頭から攻めるのでリスクも高いが、通常形と違って△7三歩型で角打ちの隙がないので成立するとみたのだろう。

三浦木村NHK001

▲8八玉(45手目)は疑問で、一回▲2八飛と回ったほうが良かった。本譜は△3六歩▲同金△2七銀不成で金をどこに逃げても△5九角がある。この角が部分的には受からない。これは先手しびれたか?三浦は▲3三歩成△同桂▲3五金とひねり出したが、これも△2六角の両取りがある。

これで後手が駒得となったが、先手も▲2五桂から▲3三角とぶちこんで攻めが続く。先手の攻めは細いのだが、後手も受け切るのは大変。▲3四金(69手目)と食らいつかれて切らすのは難しくなった。

三浦木村NHK002

▲4五銀上(93手目)まで来ると先手がはっきり優勢になっている。103手目の▲8四香が決め手。後手の飛車が8筋から逸れたことで△8六桂の反撃も利かなくなった。

以下、三浦が押し切って勝ち。最後は一方的な展開になってしまった。
△3五歩の仕掛けで後手が上手くやったと思ったが、実戦的には攻めてる先手のほうが勝ちやすかったのかもしれない。

後手は△2四金(58手目)が△3四金ならどうだったか。△3四金も▲6一角があるが、そこで△4三銀と受けてどうか。あとは2五の桂馬を取るところで一回△2六角と出たほうが良かったか。本譜は▲3七金が角出を防いで良い手だったと思う。

感想戦の木村先生はかなり悔しそうだった。「ガックシ、ガックシ」とボヤキを連発していた。見てて面白い感想戦だったけど、負けたのは残念。

このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/12/24 08:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

B級1組10回戦 行方八段昇級決定!

B級1組対戦表(名人戦棋譜速報)
昨日のB級1組10回戦、全勝の行方尚史八段が勝って、2敗の畠山鎮七段が敗れたために行方の2位以上が確定。残り3戦を残して2度目のA級昇級が決まった。

△行方 尚史八段(8勝0敗)-▲鈴木 大介八段(4勝5敗)
行方八段は鈴木大介八段との対戦だった。
戦型は鈴木の先手中飛車・角交換型で後手に馬を作らせる将棋。後手ゴキ中vs▲7八金型でも▲2三角(△8七角)から馬を作らせる変化があるが、それと部分的には似ている。先手は馬を作らせる代わりに8筋、7筋から反撃する構想。
だが、本譜はこの馬が終始大威張りで行方の完封勝ち。注目の対局だったが、一番早く終わってしまった。

今期の行方八段は他棋戦でも白星を積み重ね、勝率8割超えと絶好調だ。去年結婚したのが良い方向に働いたのかな^^前回A級に上がったときには1勝しかできなかったが、今回は残留してほしいと思う。

ちなみに、年明け前に昇級が決まったのは54期B1の佐藤康光以来のようだ。
あとは丸山忠久(56期)以来史上2人目の全勝昇級なるか。次回11回戦の対戦相手がその丸山というのは面白い。

その他の結果は以下の通り。

鈴木 大介八段(4勝6敗)●-○行方 尚史八段(9勝0敗)
木村 一基八段(3勝6敗)○-●畠山 鎮七段(6勝3敗)
中田 宏樹八段(2勝7敗)●-○松尾 歩七段(6勝4敗)
久保 利明九段(7勝2敗)○-●山崎 隆之七段(5勝4敗)
丸山 忠久九段(4勝5敗)○-●広瀬 章人七段(6勝4敗)
井上 慶太九段(2勝7敗)●-○阿久津 主税七段(3勝6敗)
※飯塚祐紀七段(3勝6敗)は抜け番

広瀬と山崎が4敗に後退。まだ可能性が消えたわけではないが昇級はかなり厳しくなった。
次回11回戦で、2敗の久保と3敗の畠山鎮の直接対決があり、そこで久保が勝つと順位の差で昇級が決まる。

このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/12/21 07:30 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)