スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

第63回NHK杯 森けい二vs畠山鎮

ここ1ヵ月ぐらい週末は電王戦モードでNHK杯を見る余裕がなかったんですが、電王戦も終わったのでNHK杯の感想もボチボチ再開していきます。

今日は67歳の大ベテラン森けい二九段と畠山鎮七段の対戦。

森先生といえば、前期順位戦の最終局(近藤六段戦)は大熱戦だった。深夜の持将棋指し直しで終局が早朝5時過ぎという死闘だった。惜しくも敗れC級2組への降級が決まってしまったが、最後まで諦めない姿に心打たれた将棋だった。NHK杯本戦は2年ぶり32回目の出場。今期は予選で松本、大平、門倉を破って本戦進出を決めた。

対するは順位戦B級1組在籍の実力者、畠山鎮七段。2年前の第61回NHK杯ではベスト4に進出している。

森九段先手で▲7六歩△8四歩▲1六歩△8五歩▲7七角の出だしから角交換型の向かい飛車になった。先手の美濃囲いに後手も左美濃に囲う。

▲8五桂ポンはこの戦型では常にある狙い筋。△6四歩をみて、先手は▲8五桂を決行した。△同飛に▲8六歩から逆襲していくが、居飛車も9筋を突き捨ててから飛車を四段目に引いて△7四飛~△7六飛と走れる。ということで先手は▲8六飛と一旦受けた。

20130428森畠山1

対して畠山は△9四桂!筋良くいくなら△6五歩(△6四角が狙い)もあった。△9四桂以下▲8九飛△7六飛▲7七角△9三桂▲8四歩に△7七飛成と飛車を切って攻めていく。二枚の桂馬を跳ねて居飛車が好調に見えたが簡単には決まらない。

20130428森畠山2
後手が先に飛車を下ろしたが、▲1五歩からの端攻めが厳しかった。美濃囲いはやはり端攻めに弱い。ここから森九段がノータイム指しで攻め続けて優勢になった。

後手は馬をいじめて反撃するが、▲3七同桂(91手目)~▲2五桂が厳しかった。受けが難しいので△4九竜と切って勝負するが足りない。

最後は▲1五香で自玉を安全にしてから必至をかけて森九段の勝ち。
実力者の畠山七段相手に強い勝ち方で若々しい将棋でした。終盤の怒涛のノータイム指しは迫力がありました。

2回戦の屋敷九段戦も頑張ってほしいですね。

羽生の実戦手筋羽生の実戦手筋
(2013/04/05)
森 けい二

商品詳細を見る

スポンサーサイト
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2013/04/29 07:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

渡辺竜王が棋聖挑戦(三冠対決!)

昨日は渡辺明竜王vs郷田真隆九段の棋聖戦挑戦者決定戦がありました。

棋聖戦中継 plus: *第84期棋聖戦挑戦者決定戦
棋譜→第84期棋聖戦挑戦者決定戦 渡辺明竜王 対 郷田真隆九段

戦型は渡辺先手で角換わり腰掛け銀だった。41手目▲1八香までは3月の棋王戦第4局(▲渡辺△郷田)と同じ。棋王戦では△4三金直だったが、郷田九段は△3五歩▲同歩△2四銀と仕掛けた。部分的にはある仕掛けだが、この局面では新手らしい。
20130426渡辺郷田1

後手は銀を4三に引いて馬を作らせて、その代わりに8筋、9筋で先攻するという構想。
後手玉の堅さを生かして攻め続けるが、やや細かったようだ。中盤から終盤にかけて先手優勢の局面が続く。

それでも、郷田九段は巧みに手をつないで先手玉に迫る。△7六銀(108手目)と打たれたところはかなり際どくなっている。先手も一手間違えると奈落の底だ。
だが、ここで一時間近く残しているのが大きかった。渡辺竜王はしっかりと時間を使って勝ちを読みきった。

20130426渡辺郷田2
123手目の▲8二飛が決め手だった。△4一歩に▲1二桂成△同玉▲2四香が厳しい。135手の激戦を制して渡辺竜王が挑戦権を獲得した。

感想コメントを読むと後手に明確な敗着もなかったようなので、仕掛けそのものが無理だったのかもしれない。

===============
これで、五番勝負は羽生棋聖・王位・王座と渡辺竜王・棋王・王将の三冠対決となった。三冠同士のタイトル戦は将棋史上初めてのこと。(そもそも三冠が2人いるのが史上初)これでもし羽生さんが名人を奪取すれば四冠対三冠の頂上決戦となる。

今年に入ってからの渡辺竜王は手がつけられない強さだが、今の彼を止めるとしたら羽生三冠(と9時間制の森内名人)ぐらいかもしれない。

過去の対戦成績では渡辺三冠が25勝22敗と若干リードしているが、1日制・4時間での実績を考えると羽生三冠のほうに分があるのかなと思う。勝敗予想は非常に難しいですね。渡辺三冠の勢いを買うか、羽生三冠の1日制との相性を重視するか。

どちらが勝っても昨年の王座戦のような名勝負となることを期待します。
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2013/04/27 08:00 ] 棋聖戦 | TB(0) | CM(2)

加藤一二三九段の『羽生善治論』

羽生善治論  「天才」とは何か (角川oneテーマ21)羽生善治論 「天才」とは何か (角川oneテーマ21)
(2013/04/10)
加藤 一二三

商品詳細を見る

加藤一二三九段の新刊『羽生善治論』が4月10日に発売されました。売れ行き好調で重版が決定したようですね。

本の帯に「天才が天才を語る」とあるとおり、「神武以来の天才」加藤一二三九段が「天才」羽生善治を分析した本です。「加藤一二三は大天才である」(大山康晴十五世名人)という前提のもとに論を進めています。

「羽生善治論」という題名に反して、著者加藤一二三の自慢話が沢山出てくるという面白い本。
まぁ予想通りの内容ですね(笑)ひふみんと羽生さんどっちも好きな人にとっては面白い本だと思いますが、ひふみんが好きでない人には向かないかもしれません。私は加藤先生のファンなので楽しく読ませていただきました。

第一章 羽生は天才か
第二章 名人への道
第三章 異次元の強さの秘密
第四章 羽生に弱点はあるのか
第五章 羽生の気配り
第六章 加藤・羽生 血涙三番勝負


第一章は主題にもなっている天才論。天才同士の共通項をいくつか挙げているが、その中でも早指しの話が面白かった。「早指しで結果を残していない人は、天才とはいえないのではないか」「将棋の本質というもは早指しにあるといっても過言ではない」と書いている。直感を重視する加藤先生らしい考え方だと思う。

第四章では「羽生が森内を苦手とする理由」が出てくる。名人戦で羽生さんは2年連続で森内さんに敗れ、今期もここまで2連敗中。「名人戦の森内」には相性が悪い。そのことについて加藤九段は「羽生さんの過密スケジュールが敗因」と言っている。確かにそれはあるかもしれない。4月はそうでもないが、6月になると棋聖戦と重なるので毎年大変だなぁと思う。

第6章は加藤・羽生血涙三番勝負ということで、例の▲5二銀を食らった将棋(NHK杯▲羽生△加藤戦)を自ら解説している。加藤先生は▲5二銀よりも▲4八玉(43手目)を絶賛していますね。「三番勝負」の残り2局は加藤九段が勝った将棋。最後に自らの会心譜を紹介して締めくくるところが加藤先生らしい(笑)

自慢話も多いですが、加藤先生が羽生さんのことをどう見ているかがよく分かる本です。

このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2013/04/26 07:30 ] 書籍レビュー | TB(0) | CM(0)

第71期名人戦第2局

森内名人先勝で迎えた名人戦第2局。戦型は再び相掛かりになった。

第1局と同じく先手の引き飛車棒銀に後手は△8四飛型。第1局は相銀冠だったが、本局は先手が矢倉を選択。右銀を4七から5六に活用して4筋の位を取る。棒銀で後手の指し手をけん制しながら駒組み勝ちを狙うのがこの作戦の狙いだが、封じ手の局面(図)は先手の玉が堅く指しやすい。後手は玉を左に囲うと2筋の攻めがきついので右玉風に囲ったが、やはり玉の薄さが気になる。

20130424森内羽生1
注目の封じ手は△6二玉だった。後手は△4二金~△5二金寄~△4二金の1人千日手。対して先手は▲9八香から穴熊に組み替える。隙あらば穴熊を狙うのが現代将棋だ。これを見て羽生三冠は△3五歩から動いた。

後手は9筋も突き捨てて△5九角から馬を作ってもたれるが・・・。

20130424森内羽生2
△3五馬に森内名人は堂々と▲9四歩。これで後手が苦しい。端の突き捨てを逆用されてしまった。
以下△9七歩▲同香△8五桂▲9六香△4四馬▲9三歩成△9七歩と暴れたが▲8八玉で後が続かない。形勢ははっきり先手に傾いた。

以下は名人が着実な寄せで押し切った。109手で森内名人の完勝

終局は午後5時過ぎと早かった。後手が右玉を選んだ時点で一方的な展開はある程度予想できたが、こんなに呆気なく終わるとは思わなかった。一局を通して森内名人の良さが際立った将棋で、特に馬を作らせてから堂々と▲9四歩と突いた手に名人の強さを感じた。

これで森内名人が2連勝スタートで防衛に一歩前進。今年も9時間制の森内名人は安定感がありますね。
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2013/04/24 22:16 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)

電王戦が盛り上がった理由を挙げてみた

第2回電王戦は人間の負け越しという結果に終わりましたが、すごい盛り上がりでした。ニコ生の総視聴者数は伸べ200万人を超えたそうです。興行的には大成功だったと思います。
"将棋電王戦のニコ生総視聴者数は200万人を突破、将棋番組の史上最高値を更新" (マイナビニュース)

私の周りでも将棋を指さない・見ない人達が話題にしていたので驚きました。
なぜ、ここまで盛り上がったのか。その理由を考えてみました。

1、土曜開催
毎週土曜日に開催したのは当然ながら好手でした。将棋のタイトル戦は平日開催が多いですが、土日じゃないとじっくり観ることができないという人が多いと思います。羽生森内の名人戦もニコ生中継されていましたが、視聴者数は電王戦のほうが圧倒的な多かったです。当然タイムシフトの有無も関係しているでしょう。
平日が多いのは会場(ホテル、旅館)の都合等もあるからでしょうが、もっと土日開催を増やすべきだと思います。
持ち時間4時間も長すぎず短すぎずちょうど良かったですね。塚田九段は6時間を要望していたようですが、6時間だと夜遅くなるので興行的には4時間のほうがいいでしょうね。

2、「人間対コンピュータ」という対立軸で盛り上げた
ドワンゴが「人間対コンピュータ」という対立軸で煽ることで上手く盛り上げました。そのせいか、普段の棋戦と違って「負けられない」という雰囲気が強かったと思います。ネットで「名人戦は国内戦で電王戦は国際試合」というコメントを見かけましたが、確かにそんな感じはありましたね。「負けられない」雰囲気は棋士にとって重荷になったかもしれませんが、「負けられない戦い」だからこそ多くの人が興奮し、感動したのだと思います。

3、ドワンゴの演出が上手かった
今回はドワンゴが斬新な演出で盛り上げました。佐藤大輔氏(PRIDEの選手紹介映像も手がけた)監修のPVはどれも良かったですね。
ニコファーレでの壁面LEDを駆使した大盤解説も斬新でした。私も第2局ニコファーレに行きましたがとても楽しかったです。

4、ボンクラーズの形勢判断(評価値)を表示した
3の演出と関連するのですが、今回の電王戦では将棋ソフト(ボンクラーズ)の評価値を画面に表示しました。これは初めての試みでしたが面白かったです。将棋をよく知らない人でもこの評価値を手がかりに観戦することができたのではないでしょうか。

第4局(塚田puella α戦)では相入玉になって評価関数が無意味になり、急遽24点法点数表示グラフが作られました。これも良い仕事でしたね。あの時ニコ生のコメントでは「あと1点!」コールが飛び交ってましたが、何だかバレーボールの試合を見てるみたいでした。スポーツのように将棋を観て楽しむってこういうことなのかなぁと思いましたね。

この件に関連して、GPS将棋の金子さんが2009年に興味深い論文を書いています。
コンピュータ将棋を用いた棋譜の自動解説と評価」(リンク先PDFファイル)
その中から一部引用します。
 たとえば、野球観戦の場合には,観戦者が野球のルールを知らなくてもスコアボードを見ると試合の流れが大体判る。どちらが勝ちそうなどと判断することもできるし,応援しているチームが得点をあげれば勝ちに近付いた(あるいは負けから遠ざかった)ことを共有して一体感を持って応援することができる.
比較して,プロ棋士の将棋を観戦する場合は,将棋のルールを知らない場合はもちろん多少の対局経験があるくらいでは,どちらが優勢かどうかを判断することができない。そこで,もしコンピュータ将棋が野球における解説の役割を務めることができれば,観戦者の楽しさは大きく増すと期待される


5、解説、聞き手のプロ棋士達の喋りの上手さ
ドワンゴの演出とは別に、解説の棋士達のトークが上手かったというのもあると思います。彼らは普段から大盤解説等で喋り慣れてますからね。しかも、皆さんキャラが濃いんで面白い。
特に第4局(塚田puella α戦)の木村一基八段の解説は面白かったです。あの内容だとどうしても重い雰囲気になってしまうところを上手く盛り上げてくれました。

中継室からレポートしてくれた女流の皆さんも良い味を出してました。

今回プロ棋士の面白さを知った人達がニコ生だけでなく、大盤解説会にも来てくれるようになると良いなと思います。

==========
今回の電王戦の運営から学ぶことは多いと思います。

ドワンゴの運営はまだ将棋番組に慣れてないこともあり雑な部分も多々ありますが、今までの将棋界になかった盛り上げ方、アイディアを見せてくれました。全てを真似する必要はないですが、学ぶべきところは学ばないと。

コンピュータに負けたからといって人間同士の勝負の魅力は損なわれないと私は思いますが、そう思わない人も少なからずいるわけです。「コンピュータに負ける時代」だからこそ、もっと見せ方を工夫しないとプロ将棋ファンは増えません。

電王戦が一過性の盛り上がりにならないように関係者の方々には頑張ってほしいです。
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2013/04/23 07:00 ] 電王戦 | TB(0) | CM(0)