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第26期竜王戦 森内名人9年ぶりの竜王復位

一昨日から昨日にかけて行われた竜王戦第5局は挑戦者の森内俊之名人が渡辺明竜王を破り、4勝1敗で竜王位を奪取。渡辺竜王の竜王戦連覇記録は9でストップしました。

棋譜→第26期竜王戦七番勝負 第5局 渡辺明竜王 対 森内俊之名人
森内名人の3勝1敗で迎えた第5局。戦型は相矢倉になりました。今期は5局全て矢倉の「矢倉シリーズ」でしたね。
本局は▲4六銀・3七桂の定跡形に進みました。

45手目、森内名人は宮田新手の▲6五歩ではなく▲2五桂を選びました。先後を変えて第4局と同じ形です。森内名人はまた往復ビンタを狙おうとしているのか。
59手目▲4四歩までは定跡手順。そこで△4四同金か△4五馬の2つ選択肢があります。第4局後手の森内名人は△4五馬と銀を取りましたが、本譜後手の渡辺竜王は△4四同金。以下▲7一角△4三金引に▲5七金が名人の用意してきた新手でした。馬を引いてくれれば先手の得ですが、竜王は強く△同馬と取りました。
20131129森内渡辺1

72手目△6九銀で封じ手。この時点では後手の攻めがうるさそうに見え、解説も後手持ちという見解でした。
しかし、ここから森内名人が強靭な受けを見せます。まず▲6八金から馬を自陣に引きつけて、▲7九金と貼り付けて自陣を補強。これで先手玉は寄らなくなりました。

20131129森内渡辺3
続いて▲5七角(87手目)~▲4八歩。この角打ちは受けだけでなく攻め(次に▲2四角)もみています。形勢は先手に傾きました。

対して竜王は△6七香~△5七銀と食いつきます。次に△6八銀不成が詰めろ。これは先手も少し嫌な格好に見えましたが・・・

20131129森内渡辺4
▲3三桂打(99手目)~▲2一竜(105手目)が好手順でした。▲2一竜が詰めろなので後手は△3一金打と受けるしかないですが、金を一枚使わせたことで先手玉が安全になりました。この手順は思いつきませんでしたね。先手玉に詰めろが続かず、一方後手玉は▲5三銀が厳しく寄り。以下は差がついて森内名人の勝ちとなりました。

森内名人の持ち味である受けの強さが存分に発揮されたシリーズだったと思います。本局もそうでしたが、名人の鉄板の受けの前に渡辺さんが終始攻め急がされている感じでした。

竜王戦で渡辺さんに4-1、そして春の名人戦では羽生さんに4-1、現時点では棋界最強と言っても良いのではないでしょうか。
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[ 2013/11/30 09:18 ] 竜王戦 | TB(0) | CM(0)

第26期竜王戦第4局 森内名人、奪取に王手

竜王戦中継Plus
棋譜→第26期竜王戦七番勝負 第4局 渡辺明竜王 対 森内俊之名人
挑戦者・森内俊之名人の2勝1敗で迎えた第4局。第1局~第3局に続いて本局も矢倉になった。これまで3局はいずれも後手の急戦矢倉だったが、今回はじっくり組み合う相矢倉戦に。▲4六銀・3七桂の定跡形に進んだ。

20131122渡辺森内1
45手目▲2五桂は昔よく指されたが最近ではあまり見られなくなった手。ここ10年ぐらいは▲2五桂に代えて▲6五歩の「宮田新手」が主流だ。定跡書(例:森内俊之「矢倉の急所」)では▲2五桂は△4五歩で「後手良し」と解説されている。だが、直近3局はいずれも先手が勝っている(そのうち2局は先手中田宏樹八段)。実際やられてみると難しいということだろう。

春の名人戦第5局では宮田新手▲6五歩に対し、森内名人が新手△3七銀(ponanza流)を出して快勝した。そのこともあって▲6五歩はやりにくかったのかもしれない。

67手目までは定跡化された手順。そこで△4四歩と受けるか、△4四馬と引くか2通りあったが森内名人は前例が1局しかない△4四馬を選んだ。以下▲3七角△4五歩▲6五歩に△7五歩(72手目)で前例から離れる。
20131122渡辺森内2
形勢は難しいが、2日目のニコ生解説の羽生三冠は4四の馬の存在が大きく後手持ちという見解を示していた。渡辺竜王も普通に攻めては上手くいかないとみて▲3二歩と工夫した。

△6五銀に▲5五銀!(83手目)は勝負手。4四の馬をどかさないと攻めきれないとみたのだろう。この勝負手が実って先手の攻めが繋がりそうにも見えたが・・・

20131122渡辺森内3
△5二角(106手目)が鉄板の受け。この角打ちが好手で先手の攻めが続かなくなった。▲1一飛成には△6六歩と攻め合って後手玉は寄らない。竜王は後手玉を必死に追いかけたが捕まらず森内名人の勝ち。後手の馬が終始大威張りで最後は詰みにも働いた。森内名人の頑強な受けが光った一局だった。

これで森内名人が3勝1敗で竜王奪取に王手。3連敗4連勝で防衛したことがある渡辺竜王だが今回はさすがに厳しいかもしれない。 このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2013/11/23 07:41 ] 竜王戦 | TB(0) | CM(1)

NHK杯2回戦 大石直嗣vs行方尚史

A級棋士の行方尚史八段に関西若手強豪の大石直嗣六段が挑んだ一局。

大石六段が先手で▲7六歩△8四歩▲1六歩△3四歩▲1五歩△8五歩▲2二角成・・・の出だしからダイレクト向飛車になった。大石六段は先後問わずダイレクト向かい飛車を得意としていて本も出している。
ダイレクト向かい飛車徹底ガイド (マイナビ将棋BOOKS)

▲8八飛に△4五角は▲3六角と合わせて大丈夫。行方は角を打たずに玉の囲いを優先させた。

先手は片美濃に囲ってから▲8六歩△同歩▲同銀の逆棒銀に出た。
銀取りの▲7五歩に対し、後手は銀を逃げずに△8五歩。これに▲8五同桂もあったと思うが、大石は▲同銀と取って飛車、銀の総交換になった。

20131117大石行方1
互いに敵陣に飛車を下ろしてから、後手は狙いの△4八銀。▲同金△3九角には▲3七玉で金に紐がついているので大丈夫そうに見えるが、そこで△8五飛成!▲同飛成△4五桂がある。よって大石は△4八銀に▲7九銀と埋めたがこれでは辛い。この局面は行方が優勢になっている。

20131117大石行方2
ところが、▲8八歩と飛車馬を封じ込めた手に対し、行方は△同馬!と取ってしまう。8九の飛車が竜ならば7八の金を取れるのだが、これはタダ。プロの将棋でもこういうポカがあるのか・・・

△8八同馬を境に形勢は逆転。後手は攻めが切れてしまった。以下、大石六段が着実にリードを広げ77手で中押し勝ち。行方八段にとってかなりショックな敗戦となってしまった。

自分だったら感想戦なしで即帰りたいくらい辛い負け方だが、テレビなのでそういうわけにはいけない。感想戦によると直前まで4九に銀がいたので錯覚したようだ。ため息をつきながら「こんなことやったのは初めてです。自分もこういうポカやる年になっちゃったんだ。将棋は残酷なゲームですね・・・」とボヤいていましたね。行方さんの人間臭さが伝わってくる感想戦だった。
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[ 2013/11/18 06:30 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)

JT杯決勝 久保九段vs羽生三冠

棋譜→2013年11月10日 「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」 決勝戦 東京大会 久保利明JT杯覇者 対 羽生善治三冠

昨日は東京ビックサイトでJT将棋日本シリーズの決勝戦、久保利明JT杯覇者対羽生善治三冠戦がありました。去年の決勝に続いて2年連続の顔合わせです。

久保九段が先手で▲5六歩△8四歩▲7六歩△3四歩▲2二角成△同銀▲8八飛の出だしから向飛車になりました。先手の美濃囲いに後手は銀冠。▲8六歩△同歩▲同角から動いてまずは先手が主導権を握りました。

20131110久保羽生1
角を交換してから先手は5一に角を打って打開しにいきました。△6二銀なら4二の金と刺し違えて手を繋げるのでしょう。本譜は△7二飛に▲8五歩から桂交換に。続いて▲6四歩と垂らしましたが△5二金と寄られて簡単には決まらない。このあたり先手が攻めあぐねて徐々に後手ペースになったように見えました。7八と5八に歩を受けたところは少し苦しそうな形。

終盤、後手は△1五歩(102手目)から端攻めに出ます。△1七歩と垂らされて先手玉は嫌な格好ですが、▲2九銀~▲1九歩と受けて辛抱。
△5八馬と寄られて先手玉は狭くなりましたが、▲1五金!(133手目)がありました。
20131110久保羽生2
1六の香車を外してしまえば先手玉は広く寄らない。この金打ちが勝利を呼び込む一手となりました。

最後は▲3三成桂に△1四玉と逃げていればまだ分からなかったと思います。本譜は△3三同玉に▲6六馬が攻防の王手で先手玉が寄らなくなり久保九段の勝ち。155手の大熱戦でした。

序中盤の駆け引きから終盤の攻防まで見ごたえのある名局だったと思います。久保九段の振り飛車らしい粘りが光った一局でした。
久保先生、連覇おめでとうございます! このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2013/11/11 07:30 ] JT杯将棋 | TB(0) | CM(0)

第26期竜王戦第3局 急戦矢倉でリベンジ

竜王戦中継Plus
棋譜→第26期竜王戦七番勝負 第3局 渡辺明竜王 対 森内俊之名人

森内名人の2連勝で迎えた第3局。
第1局、第2局に続いて戦型は三たび急戦矢倉になりました。竜王も名人も意地っ張りですね。

▲7六歩(37手目)までは第2局と同じ進行。第2局は△3三桂でしたが、本局竜王は△3三銀を選びました。この△3三銀は昨年の第70期名人戦第3局(▲森内△羽生戦)と同じ将棋。森内羽生戦は先手の森内名人の完勝でした。▲8二角で先手は香得が確定。名人戦ではこれで「先手良し」と言われていたが後手はどうするのか。

20131108森内渡辺2

△2二玉(44手目)が渡辺竜王の研究手でした。駒損する代わりに玉の堅さを主張する構想。渡辺将棋の特徴として実戦的であることが挙げられますが、本局の構想はまさに実戦的だと思います。
△1四歩▲9六歩の交換を入れてから△7五歩▲同歩△6四飛と仕掛けて封じ手となりました。この仕掛けも凄いですね。香車+桂馬を取らせても指せるという大局観。
20131108森内渡辺1

以下2日目は後手の渡辺竜王が攻め続け、森内名人が受けるという展開になりました。後手の細い攻めが続くか微妙なところでしたが、竜王は巧く攻めを繋げました。流石の森内名人でもこの猛攻は凌ぎきれませんでした。

終盤は形勢が揺れ動き先手にもチャンスが訪れましたが、時間がなく読み切れなかったようです。感想コメントによると▲2三歩(103手目)で▲2四同角ならば先手有望だった模様。最後は△6九角以下長手数の即詰みに打ち取って竜王の勝ちとなりました。

久々に渡辺竜王らしさが出た将棋でした。敗れた森内名人も持ち味を出せたと思います。最後は急転直下の幕切れでしたがあれは仕方ないですね。他に上手い受けもなかったみたいですし。

渡辺竜王が1つ返して番勝負は面白くなりました。この勝利で流れは変わるのか、第4局以降も目が離せません。
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[ 2013/11/09 09:30 ] 竜王戦 | TB(0) | CM(0)