スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

A級順位戦 1回戦 藤井九段vs久保二冠

昨日行われた順位戦の開幕カード藤井久保戦

開幕早々、藤井九段が独創的な構想をみせてくれた。
直近の対戦では2局続けて矢倉となったこのカードだが、本局は3手目▲6六歩に久保が三間に振ったことで相振りになった。

普通に美濃に組んだ久保に対して、藤井は▲3八金から▲4八銀のカニ囲いを選んだ。▲3八金を先に上がるのが珍しく相振りでは先に▲2八銀~▲3七銀、もしくは▲3八銀から美濃に囲うことが多いが、藤井は形をできるだけ決めない方針。相振りでこのような囲い方は珍しいのかもしれないが、左右反転させた相居飛車の将棋(例えば飛車先保留の角換わり腰掛銀の将棋)では▲6八銀-▲7八金で銀上がりを保留するのはよくある指し方だ。相居飛車を反転させた将棋としてみれば、先手の構えは自然な構えである。藤井九段の序盤感覚の鋭さを改めて感じさせられた。

41手目の▲7五歩で先手の方針がようやく見えてきた。もしかして角を打つのかなと思ってみていたら、やはり角打ち。次に▲7四歩からの攻めをみている。▲7五歩に対して△1四歩と端を突いた手が手渡しに近く、この局面では「形勢は互角だが先手が主導権を握った」という感じだろうか。

ここから藤井は▲7四歩~▲7三歩成を実行。しかし、8八の飛車が敵角の射程に入っているので飛車のコビンを攻める反撃がある。61手目の局面金桂交換で後手の玉形はむしろしっかりした感もあり、局面が収まれば後手のほうがよくなりそうに見えた。

しかし、ここから藤井が得意の「ガジガジ流」の攻めをみせる。先手の駒損ではあるが攻めが筋に入り、後手陣は一気に崩壊。控室の形勢は一気に先手優勢に傾き、将棋ソフトの評価値も先手に大きく傾いたようである。しかし、ここからの先手の指し方が難しかった。感想戦でも結論が二転三転していたようで、先手優勢のようにみえて実は形勢はかなり難しかったようだ。この辺りは、後日専門紙で詳しい解説を読みたい。

待望の桂跳ねから久保反撃のターンとなったが、ここからの久保の迫り方が上手かった。104手目の△5九銀!が検討陣も予想していなかった勝負手。先手は飛車を取ってしまうと詰まされてしまう。

厳密にはこの手自体は微妙で、藤井が金打ちで受けた手が疑問手だったようだが、秒読みのなかでこの手を指せるのはやはり凄い。並の精神力では指せないような最強の勝負手だったと思う。

以下は、「後手勝ち」の順となり、危なげなく寄せきって白星スタート。名人挑戦に向けた大きな一勝となった。

羽生さんが以前何かのインタビューで「将棋は最強の手を指すとそのぶん反動も大きい」というようなことを話していたが、本局はまさにそのような展開だったように思う。藤井九段らしい独創的な構想から、最強の攻めを見せたが、先手陣は手がつくと早かった。ある意味藤井九段らしい負け方だった

しかし、あれだけ苦しそうにみえた局面で反撃手を見つけ出し、指せる久保さんは凄い。本当に勝負強い。

関連記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2010/06/02 23:26 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL