スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

清水市代女流王将vs「あから2010」

一昨日(11日)は東大工学部2号館@本郷に行って、表題の対局を生観戦してきました。

Olympus 542

将棋ソフトvs人間の対戦ということで大きな関心を集めたようで、会場は超満員。開場30分前の11時半に東大に到着したのですが、既に長い行列ができていました。何とか座席に座ることができましたが、12時以降に来訪されたお客さんは立ち見を余儀なくされ、急遽サブ観戦室が設けられるほどでした。


将棋のほうは、既に報じられているとおり「あから2010」の勝利となりました。しかし、敗れたとはいえ清水市代女流王将も、「絶対負けない」という気迫が感じられる将棋、清水さんらしい将棋を見せてくれたと思います。対局後、解説会場で凛とした立ち振る舞いで対局を振り返る姿は、我々観戦者の胸を打つものがありました。コンピュータ将棋がいかに進化しようとも、気迫、立ち振る舞いといったものは人間にしか出せません。今回の一回の敗戦だけでプロの将棋の価値が低くなるということはないと思います。


今回の対局、COM側は複数の将棋ソフトによる合議制という形を取りました。将棋ソフトの大会では過去に合議制が導入されてたかと思いますが、対人間となると今回が初めてになります。合議制という形を取ることで、将棋ソフト単体で戦うのに比べてプラスとなるか、それともマイナスとなるか、そこに関心を置いて観戦しました。

現地の解説会、感想戦では、「あから」側の読み筋はほとんど明かされなかったので、その辺はよく分からなかったのですが、昨日「あから」側のログが公開され(→情報処理学会 「棋譜とログ」)、また勝又清和六段が、ブログにてわかりやすく擬人化して解説してくださっています。
(→「突き抜けないブログ」
詳しい指し手の解説については勝又先生のブログ、他のブロガーの方の記事をご覧ください。


「あから」の指し手で印象に残ったのは、①▲4五歩と角取りに突き出した手を△同桂と取った手(瞬間桂損)、そして②終盤の△6九金(筋悪の一段金)~△5七角の2つでしょうか。

①の局面では、Bonanza、GPS将棋は△7七角成と切る手を推奨していたようです。序盤でも積極的に角金交換をするbonanzaらしいです。日頃bonanzaを愛用している(笑)筆者は、ここで角を切る手もあるのではないかと思って観ていましたが、やはり予想通りでした。しかし角を切っても攻めが続きそうにない、先手も9九玉と潜れそうなので無理攻めではないかと、下手なりに読んでいました。

やはり本譜のように桂損でも4四に角を置いたままのほうが、穴熊に潜らせないという意味で優ったと思います。合議制を上手く生かしたと言えるのかもしれません。ただ、各ソフトへの票の比重の置き方によっては別の指し手になっていたわけで、難しいところですね。結局のところ、その比重を決めるのは人間ですからね。研究者の方々からすれば、そこが大変なところなのかもしれません。

次に②、64手目の局面。
▲8六桂と据えて駒が入れば詰みを狙う手に対して、受けずに△6九金と打った手には驚かされました。
△6九金の次の狙いはバレバレ、先手からは本譜以外にも複数の受けが考えられるのでここに金を打つのはもったいないような気がします。その次の△5七角が清水さんが本局で唯一驚いたという手。

人間ならば、経験的に自玉の危険を考えて何か受けを考えるところ。ここで激指は△3三角と飛車走りを防ぐ手を提案していたようで、この手のほうが人間からすれば「まとも」に見えますが、他のソフトは強気に△6九金を主張、結果的には「好手」となりました。

▲8六桂に対して危険を感じず、受けなかった。

コンピュータ将棋の特徴が如実に表れた局面だと思います。人間ならば形で危険を察知し、恐れるところをCOMは恐れない、このことはコンピュータの強みであり、本譜はその強みが十分に発揮されたのではないでしょうか。しかし、弱点となることもあるわけで、例としては、3年前の渡辺bonanza戦で穴熊の弱点である竜切りの筋を見逃したことが挙げられます。読まなくても形で将来の損失(利得)を察知できるのが人間の強みでもあるので、一長一短といえますね。

対局前は、なぜ今さらこの時期にやるのかという疑問もあったのですが、終わってみれば非常に面白いイベントでした。ソフトの対戦相手を引き受けるまでは清水さんもかなり悩まれたと思います。「英断」に拍手を送りたいですね。


閃け!棋士に挑むコンピュータ閃け!棋士に挑むコンピュータ
(2011/02/10)
田中 徹、難波 美帆 他

商品詳細を見る




関連記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2010/10/13 23:00 ] コンピュータ将棋 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL