スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

NHK杯 野月浩貴vs深浦康市

バリバリの攻め将棋の野月浩貴七段と、手厚い受けに定評がある深浦康市九段(未だについ"王位"と呼んでしまう)の対戦。

後手一手損角換わりから、相腰掛銀の将棋となった。一手損の腰掛銀は△8四歩型が△8五桂跳ねの余地があるぶん、通常の角換わりよりも後手が有利と言われていた。そのため先手は後手の手損を咎めるべく早繰り銀や棒銀で先攻する将棋を選択することが多かった。しかし後手にも有力な対抗策が発見され、早繰り銀や棒銀での先攻に行き詰まり感のある現状、腰掛銀もまたボチボチと指されるようになっている。この辺りの話は NHK 将棋講座 2010年 11月号 [雑誌] の村山糸谷戦の観戦記に詳しいのでそちらをご覧ください。

さて、本局。先手は▲4五歩から普通の腰掛銀のように先攻するのもあったが、▲4八飛と回ってから▲2六角と打つ形を選択。対して後手が3三に銀を上がるのではなく金を寄ったのが趣向。珍しいが、部分的には今期竜王戦1組▲阿部隆-△羽生戦で後手の羽生が見せた形で4筋からの当たりを予め避けていて堅い。

nozuki1

先手は4筋に飛車角銀桂を集中させ、攻めの「理想形」を構築したが、2手余分に費やしている。ということで後手が先攻する。第1図から深浦は△8五桂。戦前の予想に反して深浦が攻め、野月が受ける展開となった。

△6六歩と取り込んで△6九角と金取りに打ち込んだ手が存外厳しく、▲6八歩と屈服させられては先手辛い。この局面は後手が良いように見えたが、そこから後手が決め急いだか。
△7七歩~△9五香と決めに行ったが、後手の攻めが細く、一方で先手陣は手厚く入玉模様となった。

しかし、「しぶとく、諦めの悪い」(事前インタビューで野月談)深浦。ここから粘りを見せ、ギリギリのところで入玉を阻む。

nozuki002

第2図から▲7四玉の早逃げに対して△8二飛!の妙手。
先手が簡単に入玉できそうに見えたが、ギリギリの所で入らせないのは流石である。いつの間にか先手玉は下に落とされてしまっていた。最後は▲1五歩の詰めろに対して△4六銀と捨てたのが決め手。同玉に△3四銀と桂馬を払った手が詰めろで後手陣は寄り付きがなくなっている。ここで先手の投了となった。

先手は▲3四桂と寄せを目指した前後で入玉にこだわるほうが優ったようだが、野月七段は棋風に抗えず寄せ合いを選択したとのこと。しかし、それが持ち味でもあるから仕方のないところだろう。お互いの「意地の張り合い」が、観てるほうからすれば非常に面白く、互いの持ち味が十分に発揮された名局だったと思う。







関連記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2010/11/15 08:00 ] NHK杯 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL