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羽生善治『大局観 自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)』

大局観  自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21 C 198)大局観 自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21 C 198)
(2011/02/10)
羽生 善治

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<デビュー25周年を迎えた羽生善治の言葉>
<棋士人生の後半戦に向けた羽生善治の決意>


当ブログでも紹介したが、先月1月31日は、羽生善治名人が公式戦デビューを果たした記念日だった。(→「羽生善治名人、プロデビュー25周年!」)史上3人目の中学生棋士としてデビューしてから今年で25年。25年後には65歳、引退していても不思議ではないことを考えると、棋士人生の折り返し地点を迎えたとも言える。本書は、満40歳を迎えた羽生名人が、25年のプロ棋士生活のまとめとして執筆したものである。


ここ数年、羽生は「大局観」という言葉をよく使うようになった。年齢を重ねるにつれ、若い頃よりも読みの量や瞬発力は衰える。では、将棋は若い人のほうが有利なのかというと、そうではない。将棋は「読み」と「大局観」のゲームであり、「大局観」は経験を積めば積むほど精度が上がっていく。「大局観」とは文字通り大局に立って考えることであり、「大局観」を駆使することで無駄な読みを省略できるのだと羽生は語る。

本書では触れられていないが、羽生は講演等で大山十五世名人の例を挙げる。大山将棋について羽生は「大山先生は深く読んで指しているようにはみえなかった。それなのに急所にスッと手が伸びてくる」(※)と述べる。

晩年の大山名人は読みの量は衰えていたのかもしれないが、谷川、羽生ら若手強豪を倒し、69歳で亡くなるまで第一線で活躍し続けた。有望な若手が続々と出てくる将棋界、これからは羽生も下の世代との対局が増えていくだろう。羽生名人にも「読み」の力では若手に負ける時が来るかもしれないが、「大局観」では彼らには負けないという強い意志が感じられる。

「大局観」は後期羽生将棋を語る上で重要なキーワードとなるだろう。


最後に、第5章のまとめが強く印象に残ったので引用する。
私はこれまで、何と闘うという目標を立ててやってきていない。
信じていただけないと思うが、常に無計画、他力志向である。
突き詰めると、「結論なし」となる。人生は突き詰めてはいけないと思う。何のために闘うのかは、七十歳になってから考えたいと思う。

「七十歳」という言葉に反応したのは私だけだろうか。「常に無計画」と述べているが、七十歳までは若手に負けずに一線で闘い続けるぞという決意とも読み取れる。羽生ならば「69歳A級」の大山十五世名人を超える活躍を見せてくれるのではないか。今後羽生がどのような進化をみせるのか楽しみだ。

符号は全く出てこないので将棋を知らない人でも読める。
昨年末から数えると羽生本も4冊目。「また羽生本か!」と思われた方もいるかもしれない(笑)が、内容は非常に面白いのでぜひ読んでみて下さい。

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[ 2011/02/25 21:00 ] 書籍レビュー | TB(0) | CM(0)
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