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中田宏樹八段の新刊『対矢倉 左美濃作戦』


マイナビ将棋BOOKS 対矢倉 左美濃作戦マイナビ将棋BOOKS 対矢倉 左美濃作戦
(2012/01/25)
中田 宏樹

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中田宏樹八段の処女作『対矢倉 左美濃作戦』が発売されました。

中田八段は居飛車党の本格派で、タイトル・A級経験はないので地味だが、通算勝率6割を超える実力者。また新手も数多く生み出している。島朗九段曰く「地味な新手メーカー」(NHK杯中田村中戦の解説より)。人真似を嫌い、自らの読みを信じて独自の構想を創り出す棋士だ。

「対矢倉 左美濃」は中田先生が最近よく採用している作戦。
最近のプロの相矢倉戦は先手が主導権を握り、後手は専守防衛からカウンター狙いという将棋が多い。▲4六銀・3七桂の後手番はまさにそうだろう。それで後手も戦えるとなっているが、受け一方になりがち。
「左美濃作戦」は後手番ながら積極的に攻勢を取る。左美濃は矢倉よりも囲いにかける手数が2手少なくて済むので、その2手を攻撃に使い堅陣を生かして攻めまくるという思想だ。

第1章は「左美濃の概要」。左美濃のメリット・デメリットを矢倉と比較しながら解説している。矢倉よりも早く囲えて堅いので、速攻を仕掛けることができる。また対矢倉戦の場合、▲4六銀・3七桂に対して受けやすいというメリットもある。
その反面、コビン攻めや端攻めに弱い点には注意が必要となる。

第2章「左美濃編」では先手矢倉と後手左美濃の戦いを解説。
対矢倉左美濃000
「対矢倉左美濃作戦」は銀を7三から8四に持ってきて攻め合いを目指す。
「途中図」から先手が▲3七銀戦法(→▲4六銀・3七桂、雀刺しetc.)で来たときと▲3七桂で来たときに分けて後手の攻め筋を解説している。
対矢倉左美濃001

第3章「▲2五歩早突き~矢倉編」は、先手が▲3七銀型のまま▲2五歩を急いだとき。
対矢倉左美濃002

2筋を受けない指し方もあるが解説にもあるように先手が優勢となる。本章の大部分は▲2五歩に△3三銀と受けてからの相矢倉戦の将棋。

▲2五歩を早めに決めると▲2五桂はなくなるが、後手に離れ駒が出来るのでその瞬間に仕掛けられる。後手は第2章と同じく△7三銀からの攻め合いもあるが、囲いに手数をかけるぶん一手遅れているので先手が指しやすい。よって7三には角を持ってきて先手の攻めをけん制しながら戦うこととなる。

第4章は実戦編。
森下システム、▲2五歩早突き型(第3章)、藤井流早囲いとの戦いを3局紹介。巻末の参考棋譜2つも含めると計5局収録されている。先手が藤井流早囲いを目指してきたときの解説は講座編にないので、実戦編を参考に研究が必要になるだろう。

激しい斬り合いを好むのが中田将棋の特徴だと思うが、この本でも早いタイミングで△8六歩の突き捨てを入れて攻めまくっている。大駒をバッサリ切って小駒で食らいつくという場面が何度も出てくるので面白い。

全体的に丁寧な解説でよくまとまっている。ただし、内容は難しいので上級者向きだと思う。

後手番でも積極的に攻めたいという人、定跡形に飽きたという人は読んでみると良いかもしれない。

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[ 2012/02/05 21:38 ] 書籍レビュー | TB(0) | CM(0)
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