スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

第60期王座戦第2局

王座戦中継Blog
昨日行われた王座戦五番勝負第2局は凄い将棋でした。

棋譜→第60期王座戦五番勝負 第2局 渡辺明王座 対 羽生善治二冠

渡辺王座が先手で▲7六歩△3四歩▲2六歩の出だし。4手目△8四歩からの横歩取りを予想した人が多かったと思うが羽生二冠は△4二飛。藤井猛九段が連採している角交換型の四間飛車だ。私も本命は横歩取りだったが、振り飛車もどこかであるかなとは密かに思っていた。羽生二冠はオールラウンダーなので振り飛車はそれほど珍しくはない。ゴキ中ではなく角交換四間だったのは先の王位戦の影響もあるだろう。

渡辺王座は対振り飛車を少し苦手としているイメージがある。正確な勝率は調べていないが、相居飛車に比べると良くないと思う。前期A級順位戦の2敗はいずれも対振り(羽生戦のゴキ中、谷川戦の2手目△3二飛)だったし、今期は藤井九段相手に2連敗(王位戦挑決と銀河戦)。久保さんにも昨年の棋王戦五番勝負で敗れるなど負け越している。もちろん対戦相手が強いというのもあるが、相居飛車に比べると隙があるという印象。渡辺ファンとしてはそこが少し心配だった。

本局に話を戻すと、羽生さんが早い段階で△4四歩(16手目)と突いたのが珍しい。この形では△4四銀~△2二飛とする将棋が多いが、ここを突くと2筋に飛車を回りづらくなる。勝又教授曰く▲4六歩をけん制する意味があるようだ。

対して、渡辺王座の駒組みが上手かった。5筋の位を取ってから穴熊に組み替える。5筋の位を取っても▲5六銀と上がらずに▲6八銀と引き付けるところが現代的だと思う。羽生二冠は指す手がなくなり△9二玉~△8二玉の「一人千日手」。これは後手が作戦負けだろう。先手の形だけが良くなっていく。42手目から52手目の間に後手は6手損したことになる。

羽生渡辺王座2_002
先手は千日手にせず打開を目指す。▲4八飛(53手目)△1二香と上がらせて▲2八飛と戻る。ここで後手は仕掛けがないので△9二玉とパスしたが、それを見て渡辺は▲2四歩と仕掛けた。▲3五歩に△5二角(62手目)は苦心の受け。ここに角を手放すようでは辛いと思った。

羽生渡辺王座2_001

後手の飛車角の働きがイマイチなのに対して先手は四枚穴熊。角も手持ちにしている。先手が良さそうに見えたが実際は難しかったようだ。そして、ここからの端の折衝で先手は形勢を損ねる。

具体的には▲9六香(85手目)と走った手が良くなかったようだ。本譜は端攻めに対して受けに回りすぎたような気がする。羽生さんの△8四桂が良い手で先手容易ではない形勢となった。

▲7九香以下は深く検討されなかったようだが、私は次の△2五歩(96手目)が印象に残っている。8筋、9筋の攻防から一転して盤面の右側に手を動かす。いかにも羽生さんらしい一手だ。局地的な戦いにせず、盤面全体を見ている。飛車を引かせてから△4四銀~△3二飛。遊んでいた飛車角と銀が使えるようになり後手が良くなった。辛抱して5二に打った角が見事に働く展開となった。

最終盤、渡辺から▲4六桂(131手目)という鬼手が飛んできた。執念の粘り。最後まで罠を用意している。ちなみに△3一金で歩合いだと▲6三桂△6二玉▲3二竜△同歩▲4二飛以下の頓死筋があるが、本譜の順で詰まない。金合いが最善と言うと前期NHK杯決勝の最終盤を思い出す。最後まで見ごたえのある将棋だった。

中盤までは先手が良かったと思うが、羽生二冠の追い上げが凄かった。後手があれだけ手損しているのにそれでも難しいとは、将棋というゲームは奥が深い。個人的には渡辺さんに勝ち切ってほしいと思っていたが、相手が強すぎた。

今年度最もエキサイティングな一局だったことは間違いないでしょう。
残り3局も熱戦になることを期待します。

関連記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
[ 2012/09/06 21:36 ] 王座戦 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL