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184手の死闘 第2回電王戦第3局 船江恒平vsツツカナ

"第2回 将棋電王戦 第3局 船江恒平五段 vs ツツカナ"(ニコニコ生放送)

序盤から意表の出だしになった。船江先手で▲7六歩△3四歩▲2六歩にツツカナは△7四歩!
プロでもたまにある袖飛車の出だしだが、全くの予想外だった。ツツカナは前日の準備段階で4手目△7四歩に絞り込んで設定してきたそうだ。開発者の一丸さん曰く先手の研究に嵌るのを避け力戦に持ち込んだとのこと。△7四歩に対して▲5八金右も珍しい。

紆余曲折あって角換わりの将棋になった。ツツカナが飛車先交換しなかったため先手だけが一歩を手持ちにしている。前局もそうだったが、将棋ソフトは飛車先の交換を重視しないようだ。
後手は早繰り銀で先攻する。△7六歩以下の攻めはプロでなくても無理に見えるのだが、ソフトはこういう攻めが好きだと思う。42手目の△6六角!もコンピュータらしい手だが、▲5四歩からの反撃が厳しく形勢は人間に傾いた。

だが、そこで簡単に崩れないのがソフトの強さ。△2二金打~△5五香!(74手目)で流れが変わった。
20130407船江ツツカナ1

△5五香は馬の利きを止めてしまうので人間には指しにくい手。こういう手を指されると人間は焦る。△6六桂が入ってプロ検討陣も後手優勢の声が多くなった。

しかし、▲2四歩△同玉を利かしてから▲5五竜(87手目)が冷静な好手で詰めろになっている。対してツツカナは△4三金と取ったが、▲同飛成(89手目)が再び詰めろ。対して先手玉は詰みがない。しかし、画面上のボンクラーズの評価値は人間から見てマイナス900点と後手持ち。
20130407船江ツツカナ4

ここでツツカナは△6八金から先手玉を追ったが、△7七角と王手竜をかける手もあったかもしれない。△5八金▲同玉△3八角成は▲2五竜以下頓死してしまう。しかしそこで△6六銀!(94手目)という手が飛び出した。
20130407船江ツツカナ2
△6六銀は▲2五竜以下の詰みを消している。だが、▲6六同竜と取られて銀損。
<追記>▲6六同竜△5八金▲同玉△3八角成には▲1五銀以下の詰みが生じてしまう。形勢は再度人間が優勢になった。

ソフトの終盤は基本的には強いのだが、このように長手数の詰みや長手数の必至が絡むと手のひら返しをすることがある。携帯中継で片上六段が「コンピュータの弱点は終盤」とコメントしていたが、確かにこういう終盤では意外と間違える。とはいえ、難解な局面でソフトに読み負けなかった船江五段の強さはさすがだと思った。「最強の詰まし屋」が本領発揮した瞬間だった。

▲6八竜~▲7八竜で先手が負けにくい形になった。これは人間勝つだろう、ソフトの粘りで長くはなるけど、船江さんなら勝ち切るだろう。そう思ったが、ツツカナの粘りは予想以上に凄かった。先手が攻めあぐねて形勢は分からなくなった。ここで一時間近く残しているツツカナに対して船江五段は20分から10分と持ち時間が減っていく。こうなると人間が辛い。

持ち時間が切迫した状況で人間にミスが出てツツカナが再度優勢になった。最後は先手にもチャンスが来たように見えたが、ツツカナは自玉の不詰をきっちり読みきっていた。184手目をみて船江五段の投了となった。

人間と将棋ソフト、双方の持ち味が随所に出た名局だったと思う。船江くんにとっては残念な結果になったが、最後の最後まで必死に戦う姿に心打たれました。お疲れ様でした。

ツツカナは本当に強かった。5つの将棋ソフトの中で個人的に注目していたのがこのツツカナだった。期待通りの強い将棋が見れて良かった。開発者の一丸さん(ニコ生では103と呼ばれてましたね)もお疲れ様でした

===============
渡辺明竜王が自身のブログで本局の感想を書いている。

ここまでの3戦で棋士側が2敗したこと、若手の中でも上位に位置する船江五段にも勝ったことから現役棋士約160人の半分(80)、いや3分の1以上(50)に相当する力がある、という見方をせざるを得ないと思います。
電王戦第3局。 - 渡辺明ブログ


竜王が言うように船江五段は若手でも上位に位置する実力者。プロになって間もないので順位戦、竜王戦のクラスは下だが、決して弱いプロではない。某所のレーティング(4月5日現在)では31位。上には30人しかいない。その船江さんに勝ったわけだから、中堅プロ以上という見方は当然出てくるだろう。
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[ 2013/04/07 09:00 ] 電王戦 | TB(0) | CM(2)
94手目△6六銀について。
後手としては当初、直前の▲3八角に対し△5八金▲同玉△3八角成で詰めろ(△4九角から19手詰)をかける予定でした。
ただしその場合、△3八角成の後に▲2五竜以下、後手玉に詰みが生じます。
その筋を消すために後手は△6六銀▲同竜の交換を入れ、自玉の詰み筋を消しつつ詰めろをかけようとしていました。
しかしそれでも、△6六銀▲同竜△5八金▲同玉△3八角成の瞬間に▲1五銀以下からの21手詰があることに気付き、△4二歩と守りに入ったわけです。
[ 2013/04/07 12:55 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
補足コメントありがとうございます。

> 94手目△6六銀について。
> 後手としては当初、直前の▲3八角に対し△5八金▲同玉△3八角成で詰めろ(△4九角から19手詰)をかける予定でした。
> ただしその場合、△3八角成の後に▲2五竜以下、後手玉に詰みが生じます。
> その筋を消すために後手は△6六銀▲同竜の交換を入れ、自玉の詰み筋を消しつつ詰めろをかけようとしていました。
> しかしそれでも、△6六銀▲同竜△5八金▲同玉△3八角成の瞬間に▲1五銀以下からの21手詰があることに気付き、△4二歩と守りに入ったわけです。
[ 2013/04/07 20:15 ] [ 編集 ]
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