王座戦中継Blog: *第61期王座戦五番勝負第1局棋譜→
2013年9月4日 第61期王座戦五番勝負 第1局 羽生善治王座 対 中村太地六段羽生善治王座に中村太地六段が挑戦する王座戦五番勝負が開幕しました。
中村太地六段は昨年の棋聖戦に続く二度目のタイトル挑戦。前回の棋聖戦は羽生さん相手に3連敗だった。まずは羽生三冠相手に初勝利を挙げて勢いに乗りたいところだ。
振り駒の結果、中村六段が先手となった。▲7六歩△8四歩▲2六歩△3二金▲7八金に△9四歩が羽生王座の趣向。これは先日行われた王位戦第5局▲羽生△行方戦と同じオープニングだ。今度は羽生王座が後手を持って「行方流」を採用してきた。中村が▲9六歩と受けたのをみて羽生は△3四歩から一手損角換わりにスイッチ。

後手の腰掛け銀に対し先手は▲3八銀型で▲3五歩△同歩▲4五桂の仕掛けを決行した。直前の△3一玉で後手に仕掛けさせられたとも言える。果たしてこの仕掛けは成立しているのかどうか。
馬を作られてからじっと▲7九玉(49手目)と引いた手が好手だったと思う。後手は桂馬を成って6六の飛車を取りに行ったがあまり戦果が上がらず、夕休の局面(71手目)は先手が良くなった。
しかし、取られそうだった9三の飛車を9五から2五に逃がすことに成功し再び後手が盛り返す。この二枚の飛車で攻めは迫力がある。

ただ、その後の△3七歩(88手目)はどうだったのだろう。歩切れの先手に歩を渡すので良くなかったと思う。先手陣は▲3九歩の底歩が堅い。後手のと金攻めよりも▲6三馬からの攻めが速く先手が優勢に。

そこから羽生三冠の凄まじい粘りで手数は長くかかったが、逆転には至らず。141手の大熱戦を制し中村太地六段の勝ちとなった。
中村六段は対羽生戦6局目にして初勝利。羽生さんを相手に難解なねじり合いを制したことは太地さんにとって自信になると思う。「王座戦の羽生」は手強いのでここからが大変だと思うが、第2局以降も中村太地さんらしい将棋を見せてほしい。
- 関連記事
-