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第26期竜王戦七番勝負 第3局 渡辺明竜王 対 森内俊之名人森内名人の2連勝で迎えた第3局。
第1局、第2局に続いて戦型は三たび急戦矢倉になりました。竜王も名人も意地っ張りですね。
▲7六歩(37手目)までは第2局と同じ進行。第2局は△3三桂でしたが、本局竜王は△3三銀を選びました。この△3三銀は昨年の第70期名人戦第3局(▲森内△羽生戦)と同じ将棋。森内羽生戦は先手の森内名人の完勝でした。▲8二角で先手は香得が確定。名人戦ではこれで「先手良し」と言われていたが後手はどうするのか。

△2二玉(44手目)が渡辺竜王の研究手でした。駒損する代わりに玉の堅さを主張する構想。渡辺将棋の特徴として実戦的であることが挙げられますが、本局の構想はまさに実戦的だと思います。
△1四歩▲9六歩の交換を入れてから△7五歩▲同歩△6四飛と仕掛けて封じ手となりました。この仕掛けも凄いですね。香車+桂馬を取らせても指せるという大局観。

以下2日目は後手の渡辺竜王が攻め続け、森内名人が受けるという展開になりました。後手の細い攻めが続くか微妙なところでしたが、竜王は巧く攻めを繋げました。流石の森内名人でもこの猛攻は凌ぎきれませんでした。
終盤は形勢が揺れ動き先手にもチャンスが訪れましたが、時間がなく読み切れなかったようです。感想コメントによると▲2三歩(103手目)で▲2四同角ならば先手有望だった模様。最後は△6九角以下長手数の即詰みに打ち取って竜王の勝ちとなりました。
久々に渡辺竜王らしさが出た将棋でした。敗れた森内名人も持ち味を出せたと思います。最後は急転直下の幕切れでしたがあれは仕方ないですね。他に上手い受けもなかったみたいですし。
渡辺竜王が1つ返して番勝負は面白くなりました。この勝利で流れは変わるのか、第4局以降も目が離せません。
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