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「長く考える力」を鍛える~プロ棋士の長考術

梅田望夫さんのModernShogiダイアリーでも紹介されていたが、

10月のB級2組順位戦▲橋本七段対△野月七段戦
noduki

図から橋本七段が長考に沈み、120分+昼食休憩で▲3七桂
これに対して野月七段も170分(!)考えて△5一金
約5時間半あいだに2手しか進まない、気合と気合のぶつかる長考合戦となった。

・・・いくら考えても結論が見えてこないことが楽しくて仕方がない。勝手な読みながら、詰みに至るまでも、十通り以上は考えていたように思う。可能性を求めて考える状況が、ただ楽しかった。


対局中の野月の心情がひしひしと伝わってくる名文だ。勝ち負けを抜きにして、棋士の純粋さが感じられる。

順位戦中継などでプロ将棋を観戦していると、1~2時間程度の長考に遭遇することは少なくない。
なかには3時間、4時間と考える棋士もいる。
よくそんなに考えるな、いったい何を考えているのだろう
といつも思う。

プロ棋士のなかでも、仲間内から「長考派」と呼ばれるほどよく長考する棋士がいる。加藤一二三九段、郷田真隆九段、堀口一史座七段などが有名だ。
郷田九段は、今春の名人戦第1局でいきなり206分(!)の大長考で話題を呼んだ。

その郷田九段が、とある雑誌で棋士の長考についてこんなことを言っていた。
・・・「よくそんなに長い間考えられますね」と驚かれることがありますが、考えている本人には、ほんの一瞬に感じることも少なくありません。そのくらい対局に没頭しているということです。(中略)
いくら長い時間考えていることに慣れているとはいえ、人間が本気で集中できるのは、せいぜい一時間。どんなに長くても二時間だと思います。それ以上考えているということは、同じ局面を何度も考えては堂々めぐりになっていたり、良い(かもしれない)方法が見つからない、先が見えて(見え切って)いないとき。ただやみくもに考えていれば良いということではないのです。
 この「長く考える」力を鍛えるには、やはり実践が一番のような気がします。時間配分を念頭に置きつつ、集中して読みを続ける作業は、対局という本番の舞台でもっとも発揮されるのだと思います。
(ダイヤモンド社『経』2008年11月号「プロの勝負力」より)


野月と郷田、2人の文章を読んで分かることは、長考中はまさに無我夢中で対局に没頭しているということだ。
「結論が見えてこないことが楽しくて仕方がない」と言えるほど、将棋に没頭することができる棋士をみていると羨ましく思える。

「長く考える力」を鍛える―
最初読んだときに郷田さんらしい表現だなぁと思った。意味としては「集中力を鍛える」というのとほぼ同じなのだが、プロ棋士が備えている「集中力」は、スポーツの世界や仕事の集中力とはまた別物なのだろうということが伝わってくる。
実はこの文章は最後に(本人談)とあるので、本人へのインタビューをもとに編集したものだろう。そこは少し残念ではあるのだが、わずか2ページではあっても郷田の将棋観を知ることができて、なかなか面白かった。


話は変わるが、郷田さんには、自戦記でも良いからもっと棋書を出してその将棋観をファンに見せてほしいと思う。
本人が、自分の考えはアマチュアにはわかりにくい、と思っているのか本人に聞いてみないとわからないが、
郷田さんの棋書、講座を待ち望んでいるファンは少なくないはず。
いつか、郷田さん本人の書く「将棋論」を読んでみたい。


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[ 2009/12/15 07:00 ] 名人戦・順位戦 | TB(0) | CM(0)
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